side一之瀬帆波
追加の特別試験を発表された直後、私は方針を伝えている。
「私は退学者を出すつもりなんてないよ。最下位は救済する…ただし」
「た、ただし…?」
「最下位になった人には…ちゃんと頑張ってもらうよ~、フフッ!」
『………』
悪役のような笑みを浮かべる私にみんなはドン引きするけど、いつもの事だし気にしない。
「具体的には、そうだね…最終試験で活躍して貰うかな?出来なかったらその時退学という条件で」
「(最終試験で活躍…なら!)帆波ちゃん、批判票は私に投票してくれないかな!?」
「…はい?」
千尋ちゃん、ちょっと何言ってるか分かんない。
「十分活躍してる千尋ちゃんが最下位になっても意味ないでしょ。実力がない子が鬼気迫る表情をしながら活躍するのを見た後に、聖母のような笑みで褒めたいの私は」
『えぇ……』
さらにドン引きするみんな。流石に言い過ぎたかな?
「と、とにかく。最下位になったら活躍してもらうからね?以上!」
ーーー
side龍園翔
ククッ、まさかこんな機会が来るとはな。
「お前ら、投票は…お前らが自由にしろ」
「ええっ!?」
「Why?」
「そうした方がいいと判断したからだ、文句あるか?」
「な、ないっす」
「Nope」
「ねぇならいい。方針は以上だ、1限の準備をしやがれ」
退学するヤツなんざ、とうに決まってるだろうがな…証拠映像もあるし、退学ついでに金も毟ってやるよ。
ーーー
side綾小路清隆
「俺が考えるに、この試験は『実力の低い生徒を切り捨てる』ためにある。例えると…会社のリストラだ。業績がない社員を切り捨てる事で経営難を乗り切る、そんな感じだ」
「ク、クビになるって事かよ…」
「そうなるな。だが安心しろ須藤、お前は体育祭などで活躍してるから退学にはならない」
「マジで!?良かった……って待てよ、退学させる生徒はもう決めてるって事か?」
「ああ」
『!?』
俺が須藤の質問を肯定すると、クラスはざわついた。
「票を操作する、って事かい?(正直、退学者は出てほしくなかったけど…この学校はそういう学校だ…)」
「その通りだ。皆にはこれから俺が挙げる生徒に批判票を入れてもらう。残り2票は自由だ」
「ま、待てよ。絶対その人に投票しろって事か!?」
何故か山内が焦りだす。もしかして……自覚があるのか?いや、コイツに限ってないなソレは。
「そうだ。まぁいやなら選ばなくてもいいが…その場合お前に投票させるぞ」
もっとも…逃がしはしないが。
「異論はないか?……ないな、じゃあ発表するぞ。俺が退学するべきだと考えたのは…」
間を置いて、発表する。
「入学初期から数々のホラや下ネタ、授業中の私語、そして向上心の無さを存分に発揮した───山内春樹。お前だ」
数秒間、クラスは静まり返る。
「…は?」
素っ頓狂な声を上げる山内。
「え、あ、俺?は?……な、なんで?」
まるで意味が分からんとばかりに困惑しているが、本当に自覚がなかったのか。
「お前は『自分の実力はこの程度じゃない』と思い上がり、勉強会に参加するどころか自習すらしなかったし、運動においてもクソみたいな成績しか残せなかった。コミュニケーションに関しては普通だったが…女子、特に櫛田に対してのセクハラまがいの発言は目に余る。……他にもいくらでもあるが、聞きたいか?」
「ッ…そ、そんな酷くないだろ!な、なぁ寛治。俺そんなやらかしてないよな!?」
「………」
「か、寛治…?」
「ゴメン、春樹。流石に擁護できん」
「えっ……なんでだよ!?まさかお前が退学しないからってホッとしてるだけじゃねーだろうな!?」
「確かに、ソレもちょっとあるかもな。でも…春樹、お前はやりすぎた」
「やりすぎなワケないだろ!俺はただ青春してただけで─「青春、だと…?」─ッ!?」
俺は山内の発言に痺れを切らし、怒鳴っていた。
「その二文字の為にセクハラ紛いの事をしたのか!?いい加減にしろ!!!」
「ひぃっ!?」
雪や有栖がコイツにそんな事言われてたらと想像すると、反吐が出る…!
「(少し声を張り上げてしまったな、我ながら驚いた)方針はコイツに批判票を投票する事。…以上だ」
そう言って俺は教室を出る。コレが怒りか…できれば経験したくなかったな。
「後で、雪と有栖に癒してもらうか」
そうすればこの怒りも多少は静まるだろう。
纏めると
Aクラス:自由に投票し、決まった最下位を救済すべきかもう一度投票して決める。
Bクラス:自由に投票する。なおほぼ一択の模様。
Cクラス:最下位は救済するが、次の試験で頑張って貰う。有栖のドSは帆波にうつった。
Dクラス:山内を退学させる。
って感じですね。
次回もよろしくおねがいします。
誰?(答えはその内出る)
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椿雪
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火野有美
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一之瀬帆波
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龍園翔
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高宮志郎
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綾小路清隆
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高円寺六助
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その他