side火野有美
数日後、土曜日…投票当日。
有栖は清隆と契約してそれぞれがAクラスとDクラスの他クラスへの賞賛票を操作できるようした…そしてソレとは別に私は有栖からある人物に批判票を入れるように言われた。
「(やっぱり、空気が張り詰めてるわね)」
退学者が出るんだからそりゃそうか。
ーーー
HR後、私達は投票部屋に移動した。部屋には投票箱が教師の前に置いてあった。
「投票用紙は箱の横にあるから対象の名前を書くように。苗字だけで構わない」
そう言われたので、私の番になった時は
賞賛票:『坂柳有栖』『七隈千早』『葛城康平』
批判票:『戸塚弥彦』(他は略)
他クラス:『櫛田桔梗』
と書き、投票箱に入れた。
…そして、全員が投票した数分後。結果発表の時間が来た。
「まずは、1位を発表する。1位は、75票で火野有美だ」
「…私!?」
有栖に入れると思ってたんだけど!?
「貴女はどうしても退学させられるリスクがあるので」
「………そう。ありがと」
「続いて最下位を発表する。最下位は…マイナス35票で戸塚弥彦だ」
「……っ!」
発表を聞いた戸塚の顔が青ざめるが、辛うじて冷静さを保っているようだ。
「それでは、これから戸塚弥彦に対する信任投票を行う。投票用紙には『賛成』また『反対』と書くように。中立は空欄だ」
有栖の指示は…
『戸塚君に批判票を入れて下さい。ただし、信任投票はみなさんの自由とします……くれぐれも口外しないように』
だった。葛城達がいなかった時に言ったし、信任は私達の判断に任せる辺り中々に趣味悪いと思ったわね。
「………」
信任投票が終わり、先生方が今集計している。クラスの空気は今にも爆発しそうなぐらい張り詰めていた。
「結果を、発表する。賛成票が過半数を割っていた場合、戸塚弥彦は退学となる」
「…はい」
戸塚は覚悟を決めたと言わんばかりに真剣は表情をしていた……成長したわね。
「反対票、10票……」
「っ……!」
「賛成票………22票。よって戸塚弥彦は退学しないものとする」
「…ッ!よ、かった……!」
結構な差があったようね…それだけ戸塚は認められた、って事かしら。
「良かったな、弥彦」
「ッ、はい!葛城さん!」
「お前頑張ってたもんな!」
「認められてよかったね!」
「あぁ、~~っ!」
葛城含む数人が戸塚の残留を喜ぶ。本人はもう号泣してるわ…誰かティッシュ渡してあげなさい。
「(入学時はほぼダントツでAクラス一の雑魚でしたが…どうやら性格面も改善したようですね)……?」
「有栖、どうしたの?」
「…少し、席を外しますね」
『───!──!』
…あー、なるほど。ちょっと怒鳴り声が聞こえるわね。
「後で、結果を教えなさい?」
「えぇ」
ーーー
side龍園翔
Bクラスの退学者は、ダントツで真鍋になった。
「やだ!いやぁ!退学は、いや!」
悲痛な叫びを上げる真鍋だが、結果は変わらねぇ。
「さっさと退出しろ、真鍋」
「ッ…お前らの、せいでぇ!」
「テメェが実力を上げなかったのが悪い……あ、そういえば。おい先生、コレを見ろ」
俺は今思い出したかのようにカメラを取り出し、教師に渡す。
「コレは……真鍋志保が暴力行為をしているな」
「なっ!?」
「ククッ、退学が確定してからのコイツは痛いぜ?」
「~っ、お前ェッ!」
俺をぶん殴ろうとする真鍋……はっ、やっぱ馬鹿だなコイツ。
「アルベルト」
「Stop right there」
「くっ!?はな、せっ……!」
「先生、コイツを何処に連れてきゃいいんだ?」
「面談室だ。退学と暴力行為について話をしなければならない……両親を呼んでな」
「~~っ!」
「くはっ、ソイツは傑作だな!アルベルト、連れていけ」
「Yes, boss」
「あぁぁあ”あ”っ──!」
必死の抵抗も空しく、真鍋は面談室に連れていかれた。
ーーー
side一之瀬帆波
賞賛票は私だった。……ココまではいい。でもさぁ…
『最下位 白波千尋』
ど う し て こ う な っ た ?
いや、ホントに。
「千尋ちゃん?」
「な、何もしてないよ!?」
「…みんな、コレ本当?」
『本当』
嘘はついてないようだね…はぁ。
「分かった、言った通り助けるけど……最終試験は頼むよ?」
「うん!」
「(危ない、バレる所だった…)」
「(白波さん、さっさと一之瀬さんを落としてよ!)」
なーんかホッとしてる子たちがいるね。
「…君達、後で説教ね?」
『え”っ』
ーーー
side綾小路清隆
prは櫛田が貰うことになった…手筈通りだな。
だが…次は暴れられる可能性を危惧する必要がある。
「~♪」
相当機嫌がいいのか、山内は口笛を吹いている。まるで自分は絶対退学にならないかのように。
「最下位を発表する」
「マイナス38票で………退学者は山内春樹だ」
「…え?」
数日前と同じように素っ頓狂な声を上げる山内。
「お、俺?何かの間違いじゃないすか?」
「…厳正な集計をした上の結果だ」
「で…でも俺、山村ちゃんと契約したハズですよ!?」
そう言って山内は契約書を出す。内容は……
・山村美紀は山内春樹に賞賛票を入れる。
・山村美紀はAクラスに山内春樹へ賞賛票を投票するように呼びかける。
「…なるほど、見事に騙されたようね」
堀北がすぐ穴に気付いた。コレに騙されるのは相当な馬鹿である。
教師は契約書を読み、答える。
「山村美紀は確かに賞賛票を入れ、Aクラスに投票を呼びかけている」
「じ、じゃあ俺は最下位じゃないはず──「よく見ろ、Aクラスに呼びかけるだけであり…投票するとは一言も言っていない」───っ!?」
やっと気付いたようで、山内の表情は徐々に青ざめていく。
「そ、そんな。山村ちゃんは、俺を、騙して……!」
…コイツを見るのも、そろそろ飽きた。
「契約書をしっかり読まなかったお前が悪い…さっさと部屋から出ていけ」
「あ、綾小路…なぁ、何とか「しない。お前のような雑魚を助ける筋合いはない」……ッ、テメェェェッ!」
案の定、暴れだす山内。クラスメートは距離を取ってるから被害はないが…ココで暴れまわるのは愚者っぷりを加速させるだけだぞ?
「あ”あ”あ”ッ!」
何を思ったのか椅子を持ち、俺に投げつけ──
「私の恋人に、何をしている」
「がっ!?」
─る事はなく山内は苦しみだした。
「…有栖?」
心なしか目が光ってる気がするが、助けてくれたようだ…って
「(俺達の関係をしれっと言いやがった!?)」
※公然の事実です。みんな知ってます。
「貴様のような塵屑が退学しようが私は清々するだけだ……だが」
「ぐ…っ、く”る”し”…」
有栖は山内に近付き、殺意と能力を強める。
「彼に手を出してみろ…貴様の脳味噌を握り潰すぞ?」
「が、ぐぁぁぁ!」
コレ以上はマズい、有栖が加害者になる。
「…有栖、そこまでだ」
「──っ。分かりました」
「平田、山内を連れていけ」
「あ、あぁ。行くよ、山内君……」
「───」
ハイライトを失って廃人のようになった山内は、平田に連れられ教室を出た。
「有栖。俺をかばってくれてありがとな?」
「……ええ、どういたしまして」
教室は、俺達を中心に…しんと静まり返っていた。
結果
Aクラス
賞賛票:火野有美
批判票:戸塚弥彦(退学回避)
Bクラス
賞賛票:龍園翔
批判票:真鍋志保
Cクラス
賞賛票:一之瀬帆波
批判票:白波千尋(退学回避)
Dクラス
賞賛票:櫛田桔梗
批判票:山内春樹
余談:清隆と有栖はその後、関係について質問責めを受けた。
次回もよろしくおねがいします。
誰?(答えはその内出る)
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椿雪
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火野有美
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一之瀬帆波
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龍園翔
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高宮志郎
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綾小路清隆
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高円寺六助
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その他