ようこそ復讐者のいる教室へ   作:Lcrcl (エルマル)

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有美が坂柳達に会った順番は、1話の回想通りです。


案外速く終わる説得

side火野有美

 

坂柳の勧誘を断って数日が経つ。

 

「うーん…」

 

「どうした?」

 

千早の家で葛城に話す内容を考えているけど…イマイチ思いつかない。

 

「坂柳から派閥に入らないか勧誘されたんだけど、アンタの分も断るついでに派閥を合併する為に葛城を説得しなきゃいけないのよ。なんか情報持ってる?」

 

千早の事だし、絶対何らかの情報を持ってるハズよ。

 

「葛城についてのか?それとも説得する為の話術か?」

 

「前者ね」

 

「そうだな…葛城はAクラスを死守せよと真嶋先生に言われてから、他クラスからの攻撃をいかに避けるか考えてるな。それこそ…ほら、昨日帆波に平和条約を持ちかけてただろ?」

 

「あ、確かに。帆波は断ったけどね」

 

私達と過ごしてる内に、帆波は結構勝負好きな性格になった。わざわざ勝負の機会を奪われるのは嫌だったんでしょうね…Bクラスは協調性が高いしかなり厄介になるわ。

 

「だから俺の予想ではポイントが減る可能性の高い試験を受ける時、ボロを出してしまうと思う」

 

「ふーん…でもソレをどうやって説得に使えばいいのよ」

 

「葛城が単体でクラスを指揮した時の短所として言ってみろ…でもそれだと坂柳の場合の短所を考える必要があるな」

 

「うわっ…クソ難しくない、ソレ?」

 

坂柳の短所、疾患による肉体の弱さとドSな性格故のじわじわと嬲り殺しにする時の油断ぐらいね。

 

「えっとな…そうだ。坂柳は予想外すぎる展開が起きるとかなり焦るだろ?ソレを言うんだ」

 

「でもそんな状況、私しか起こした事ないわよ?」

 

私をこっそり置いて帰ろうとして、私が2階から飛び下りて宙返りしながら着地した時とか。

 

「でもこの学校には他にソレを起こしうるヤツらがいるだろ?綾小路とか、高円寺とか」

 

高円寺?ああ、あの有名な企業の社長の息子さんね。ランニング中会った時余りにも唯我独尊で爆笑してしまったわ。確か…ファイアガールなんて呼ばれたわね。火野だからファイアてwww

 

「ブフォッwww」ゲラゲラ

 

思い出し笑いをしてしまうぐらい面白かったわ、言うタイミングが。

 

「…何か面白い事でもあったのか?」

 

「ええまぁ…高円寺関連で」

 

「そうか、んじゃまとめるぞ…まずは葛城の短所を説明して、その次に坂柳の短所を説明する。んで、2人が組んだ時の長所と短所を話し、さらに俺とお前を副リーダーにした時にカバーできる短所を話す…後は頭を下げる、ぐらいか?」

 

「…うん、分かったわ。ありがと千早」

 

「どういたしまして…っと、そろそろ門限だぞ」

 

「あ、そう?じゃあ帰るわ、また明日」タタッ

 

私は急いで部屋を出た。

 

ガチャッ

 

「…また明日」スッ

 

ーー

ーーー

ーーーー

ーーーーー

 

side三人称

 

「………」ガラッ

 

千早は引き出しから何らかの集合写真を出す。有美や千早、坂柳、帆波、翔、志郎、雪が映っていた。楽しそうにしている。

 

「合格記念の写真だったな、コレ………こんな感じで、有美にはいい思い出を作って欲しいな」

 

苦しんでるのを見るのはもう充分だ…と、千早は少し暗い声で言った。

 

「…その為にも、俺は相棒として頑張らないとな」スッ

 

カタカタ…

 

千早はパソコンの方に体を向け、再び情報集めに没頭するのだった。

 

ーーーーー

ーーーー

ーーー

ーー

 

side火野有美

 

今私はちょうど葛城を説得するための説明をし終えた所だ。結局説得パート書かないんかい、と思った貴方。ゴメンね。(メタい)

 

「それで、私の考えに乗るかしら?」

 

「…1つ、質問がある。どうしてお前自身はリーダーになろうとしない?」

 

私がリーダーに?

 

「答えはシンプルよ…私は頭を使うより肉体を使う事に向いている、だからリーダーにはならない。それだけよ」

 

「そうか……少し時間をくれないか?1人で決めると味方をしてくれているクラスメート達から批判されてしまうかもしれないからな」

 

「ええ、いいわよ」

 

相談は大事だからね。

 

ー数分後ー

 

「中立派の火野さんが?」

 

「でも、火野さんが坂柳派かもしれないですよ?」

 

「大丈夫だ、そんな事はない。先生の印鑑を押してある契約書を見せてもらった。コレがその契約書だ」パサッ

 

そう、私は今日の朝坂柳と特定の条件が揃わない限り派閥に入らないという契約書を真嶋先生の立ち会いの元、書いたのだ。こうする事でスムーズに説得かもしれないと思ったからね。

 

「なるほど…」

 

「で、でもあの女怪しいですよ?今日の早朝に全速力で公園に走っているのを見ました」

 

「あの…ソレは私のデイリールーティンよ」

 

『え?』

 

なんか怪しまれたので、会話に割り込む。

 

「毎朝3時に起きて、公園を100周ランニングしてるの。コレに関しては証拠らしい証拠は出せないけど…まぁ、毎朝見に来れば悪天候じゃない限りやってるわ」

 

「マジか」

 

「…もう反論できないね?」

 

「俺は賛成ですよ、葛城さん」

 

「私も」

 

「僕も」

 

反論ができなくなり、次々と賛成の声が聞こえてくる。

 

「で、でも俺!葛城さんがリーダーじゃないクラスなんて嫌です!」

 

うわ、なんか駄々を捏ね始めてるヤツがいるわ。

 

「やめろ弥彦、俺はリーダーより補佐の方が向いていると知ったんだ」

 

「葛城さん…」

 

「…火野、後日坂柳と詳しく話そう」

 

「ええ、分かったわ」

 

説得は成功ね。




この小説での一之瀬は平和主義ですが、それはそうとして勝負がかなり好きになってます。なので龍園のような暴力的な手段に出なくとも、ポイントを増やせる機会があれば確実に取りに行きます。
…ABCD全部攻撃的になるじゃん、やだぁ。

戸塚は…うん。

次回もよろしくおねがいします。

予想:この小説で綾小路は誰とくっつくと思う?

  • 軽井沢恵
  • 一之瀬帆波
  • 坂柳有栖
  • 椿雪
  • 火野有美
  • いねーよ
  • 他だろアホ
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