頑張りとは、報われるべき願いである   作:ババネロ

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お待たせしました。今日から一気にプレナパテス決戦を駆け抜けていきたいと思います。


Area-30「決戦① 神聖の降臨」

『ウトナピシュティム の 自爆シーケンス が 作動 しました 乗員 は ただちに 退艦 してください』

 

 艦橋に響き渡る無機質な機械音声。それは間違いなく私たちの最期へのカウントダウンの開始だった。エリカさんたちによる次元エンジンの制圧、先生とアビドスの皆さんによる砂狼さんの救出、そしてゲーム開発部さんによる破壊工作は私たち艦のクルーたちに順調すぎるぐらいに見えていた。

 

 結果が、この状況。プレナパテスなる相手はまるで永遠に底の見えない引き出しのように思えてしまいます。

 

「……フッー……」

 

「…風倉さん、申し訳ありません。私のせいで」

 

「いや、気にする必要ないから。会長には絶対言わないでね」

 

 エリカさんに、私は嘘をつきました。先ほどの自爆シーケンスを利用された艦橋の爆破、風倉さんは額を破片で切ってしまったのです。私を庇ったばかりに。彼女は今、頭をきつく包帯で縛っていますが、それでも血が白の中に滲んでいます。

 

 痛々しい姿を晒しながらも、彼女は、今も役目を全うせんとオペレーターとしての役割を続けています。エリカさんに伝えることを止めたのも彼女です。任務を全うするためにこの程度のことで騒いではエリカさんが止まってしまうと。

 

「RABBIT4、状況は?」

 

『………敵の数は、増えるばかりで……!』

 

「保たせられそう?」

 

『艦の装備も動かしてくれるなら、クリティカルなものだけ防げると思う』

 

「わかった。生きてる対空レーザー機銃とか動かす。手薄なところお願い」

 

『了解。……ミヤコちゃんたち、大丈夫かな』

 

「先生と一緒に行くから、あっちのほうが平気でしょ」

 

 艦橋の上にいたという霞沢さんは無事のようです。彼女は狙撃手として非凡で、箱舟への揚陸後はずっと艦橋を狙う敵を排除し続けてくれています。

 

「リオ、それにチーちゃん。自爆シーケンスを止めましょう。このままではこっちが木っ端微塵です」

 

『わかっているわ。チヒロ、ヴェリタスも協力してちょうだい』

 

『当然!』

 

「早く箱舟との連結を解除しましょう。でないと、また虚妄のサンクトゥムが顕現します」

 

 焦りを含んだ明星さんの声が、いかにこの状況が差し迫ったものか否が応でも理解させられます。私は、力になることができません。もうこの船はほとんど戦闘能力を失っています。与えられた副長、砲術長としての仕事はこなせません。

 

 できることは、エリカさんのオペレーターとして彼女を導くことだけ。

 

『自爆シーケンス の 作動 まで あと 752秒 です』

 

「……思ったよりも手強い……!でも、これでしたら。チーちゃん!」

 

『よし。せーのっ!』

 

 自爆シーケンス解除の目処がたったのか掛け声が聞こえます。お願いです。上手く…!

 

 しかし、聞こえたのは何か拒否をされたような警告音。無情にも、自爆シーケンスを数えるアナウンスは止まりません。

 

『リアルタイムでアルゴリズムを……!』

 

「チーちゃん、もう一度です!リオ、あなたももっと速度を上げてください!」

 

『わかっているわ』

 

 諦めるわけにはいかない。私も、彼女たちを信じて諦めません。

 

『桐藤、そちらの状況は?』

 

「明星さんたちが対処中です」

 

『………了解した』

 

 エリカさんの声は明らかに私を心配したものでした。きっと、彼女は今すぐにでもこちらに戻りたいのでしょう。それでも、前に進み続けている。ずっとそうです。エリカさんはいつも、苦しい選択を突きつけられている。

 

 ならば、そうではないと、私もあなたと一緒に進んでいるものと、胸を張り続けなくては。

 

「こちらのことはお気になさらず。次の角を右に」

 

『了解した』

 

 

 

 

 

 

 

 だだっ広い空間。この箱舟の中枢に私はたどり着いた。

 

「よっと。ここが終点かな」

 

「そうみたい」

 

 ウチのシロコは無事だった。無事どころか金目になりそうな箱舟の部品らしきものを集めて火事場泥棒をしていた。流石の図太さだ。そんでもって、今は私とプレナパテスがいるというナラム・シンの玉座なる空間に着いてきてくれた。

 

 というかここ、シャーレでワープする向こうのシロコに着いて行った先の場所だ。なるほどね、ここから飛んできたと。

 

「で?あんたがプレナパテスかい」

 

 そして、そいつはここにいた。鉄仮面を被り、全身を機械のような何かで包んだ上にマントを被ったような姿。今回の黒幕、というか、敵のボス、プレナパテス。黒服が言う色彩の嚮導者。

 

 私の問いに、プレナパテスは身じろぎ一つもしない。

 

「そう。彼女がプレナパテス」

 

 代わりに、プレナパテスの影からあっちのシロコが姿を表す。こうしてウチのシロコがいる中で見ると、まるで少し歳の離れたシロコのお姉さんのようにも見える。彼女は相変わらず目が鋭く、いつものシロコと違って冷めていた。

 

「あれが私……」

 

「……そう。私。驚かないんだね」

 

「ん。事前に聞いた。……そんなにおっきくなるんだね」

 

 なんだろう。わずかにすんごい重い空気がコケた気がする。これまでのことからウチのシロコが衝撃を受けたところに漬け込んで来そうだな、って感じだったので事前に伝えたけど、心構えができてればシロコはそういえば動じなかった。

 

 相手のシロコもまさかこの状況でこんなことを言われるとは思わなかったのか固まっていた。

 

「確かに、シロコちゃんがこんなに大きくなるなんて。将来安泰ですね」

 

「おじさんもそう思うよ」

 

「……くぅ……!」

 

 続けるようにノノミやホシノも言う。セリカだけなんか反応がおかしい気がするがまぁいいか。

 

「こんな状況でよく言えるね、そんなこと」

 

「事実を言っただけ。……私は先生たちとここを壊して出ていくだけだから」

 

「出来ると思ってるの?」

 

「出来る。先生と、エリカと、みんながいるから」

 

 本当に心強い、シロコの頑固というか、マイペースで一切譲らない姿勢は。ウトナピシュティムの自爆シーケンスのこともあるから、出来るだけ早く片をつけないと。私は“彼女たち”にしかわからない合図を出す。

 

 直後、空中から何かが落ちてくる。それはあっちシロコの上で炸裂した。

 

「RABBIT2、攻撃命中確認!」

 

「RABBIT1、同じく!」

 

 サキとミヤコによる空中からの爆撃。彼女たちはこの広間の天井に忍び込んでくれていた。二人は慣れた様子でロープを使って私たちの前にスタッと着地する。

 

「流石にあの雨みたいな量を降らせたんだ。ただじゃ済まないはずだ」

 

「はい。あれだけの炸薬量なら」

 

 奇襲はそっちの専売特許じゃない。

 

「………無駄です」

 

 その声は、よく知っている声だった。どの生徒よりも、どんな時も傍にいた生徒の声。

 

<こ、この声って!?>

 

 ミヤコたちの爆弾によって生まれた爆煙が晴れていく。そこにいたのは小柄な白髪の生徒。黒いセーラー服に黒のコートを着て、手にはショットガンと合体した傘を持っている。色が変わっても、その制服のデザインは間違いなく、アロナのものだった。

 

「なんだアイツ…!?あんな傘だけでこっちの攻撃を防いだのか!」

 

「RABBIT2、ただちに追撃!」

 

「了解!」

 

 ミヤコとサキがそれぞれのサブマシンガンと機関銃を構えてアロナにそっくりな子に攻撃をすると、彼女は再び傘を構え、二人の弾丸は傘に到達する前に弾かれてしまう。あれは間違いなく、普段アロナが使ってるアロナちゃんバリアだ。

 

<そんな!?どうして私が!?>

 

 落ち着いてアロナ。あり得た話だよ。

 

「攻撃停止!……効いていません」

 

「信じられない。なんだアレは…」

 

「ん〜なんかあれだね。多次元なんちゃらじゃない?あの傘の子のバリア」

 

「そうなの!?ホシノ先輩」

 

「いやなんとなくね、セリカちゃん」

 

 アロナにできることは全てできるということかな、あの子は。なら正直きつい戦いになるかもしれない。

 

「アロナ、だよね?」

 

「……一部肯定。私は“このシッテムの箱”に常駐するシステム管理者であり、メインOS、A.R.O.N.Aです」

 

<ほ、本当に私なんですか!?……でも、おかしいです!シッテムの箱は先生が……っ……!まさか、本当に、先生の言うとおり>

 

 もう、確定だ。間違いない。これまでの、虚妄のサンクトゥムでの敵の動きや、生徒のみんなが遭遇した相手のやり口。この性格の悪さ。嫌というほど覚えがある。そりゃそうだろう。

 

<それに、私の質問に答えたということは>

 

<肯定。聞こえています。私たちは同じシッテムの箱のOSであるため相互干渉が可能と思われます>

 

 アロナとも話せるのも当然か。黒服の野郎、性格が悪いなあいつも。たぶんわかってたなお前。……あの野郎、本当に次あったらあのスーツ台無しにしてやるからな。

 

「……私はあくまで、シッテムの箱の所有者である先生をサポートする存在です」

 

「待ってください…それって」

 

 ノノミが気がついたみたいだ。ゆるくふわっとしていても、ノノミは鋭いところがある。みんなが動揺を受けるのはわかってる。なら、少しでもそれを軽減しないといけない。

 

「私なんでしょ、プレナパテスは」

 

「肯定。プレナパテス。彼女は先生です」

 

 息を呑む音がこんなにも聞こえたことあったかな。それでも、おそらく相手側が狙った効果は多少軽減できてるはずだ。それにしても、喋らないプレナパテスもとい、向こうの私が気になるけど。

 

「確かにプレナパテスは先生だよ。でも」

 

「砂狼シロコの発言を補足。対象は確かに連邦捜査部シャーレ顧問の先生と同一存在です。しかし、一部差異が存在します」

 

「外見は確かに差異が激しいと思いますが」

 

「そういうことじゃないと思うぞ、ミヤコ」

 

 外見ぐらいしか差異はまだわからんけど、何か超パワーでも持ってるのかね。

 

<せ、先生!違います!確かに目の前の存在は先生です!でも、でもっ>

 

 初めてプレナパテスがもぞりと動いた。マント下、暗がりからぬるりと白いものが出てくる。………包帯、それもケガというよりはまるで、ミイラを包んだような状態をしている手。

 

<生体反応が………プレナパテスからは感じられません……>

 

 あぁ、そうかい。そういうことかい。本当に性格悪いな、黒服。それを言わないあたりお前は本当に。

 

 そして、そうだろう私。何かに操られてるのかもしれんけどさぁ、私ならそういうことするよな。

 

「つまり、プレナパテスはとっくに死んでる私のゾンビみたいなもんってことだね?」

 

「そう。先生を殺したのは私だから」

 

「え」

 

 シロコが呆けた声を出していた。向こうのシロコはなんともないように言っている。シロコが私を殺した、か。

 

「そうしたら、先生は色彩の嚮導者になった。たぶん、色彩の影響なんだろうね」

 

「どういうことよ!?そっちの黒い先輩!意味わかんないんだけど!」

 

「…………言ったとおりだよ。私が先生を殺して、先生は色彩の嚮導者になった。そして私をここに連れてきた。世界を終焉に導く私の運命を果たさせるために」

 

 セリカの問いに、向こうのシロコは回答を繰り返す。本当にそうなのか。わからない。ただ事実、向こうの私は死んでいるらしい。魔法に機械生命体、並行世界に宇宙戦艦、なんだかキヴォトスに来てからとんでもないものを見てきたけど、その上でこれ。

 

 並行世界、別時間軸の私のゾンビかい。

 

「意外と、動じないんだね」

 

「……そんなはずないって、わかるから。私は、そんなことするはずがない」

 

「そうだねぇ。ウチのシロコちゃんがそんなことするはずがないよ。もちろん、そっちのシロコちゃんもね」

 

「……………………」

 

 ホシノがシロコの肩に手を置いて前に出てくる。向こうのシロコは僅かに顔を歪めてた。あのときと同じだ。ウトナピシュティムのブリッジにきた時と。

 

「そうです。うちのシロコちゃんは、そんな悪いことしません!泥棒はしますけど……少なくとも、私と、ホシノ先輩が見守ってきたあなたは…!」

 

 ノノミも声を張り上げる。泥棒はしますけどって言っちゃうんかい!と思ったけど突っ込まないでおく。

 

「そうよ!どうせシロコ先輩流の強がりよ!ね、アヤネちゃん!」

 

『うん。私もそう思うよ、セリカちゃん!』

 

 後輩二人からの言葉もあってか、向こうシロコは初めて露骨なまでの苦い顔をする。やっぱり嘘なんかな。何かしら事情があったんだろうな。だとすればよ、そこの鉄仮面。お前は何をしてたんだ?何死んでんだよ。

 

 私らの生徒が、こんなになるまで、どうしたんだよ…。

 

<先生……>

 

 慰めはいらないからね、アロナ。もうアレが私だっていうのなら、取り返しはつかないんだからね。

 

「私。私のことはわかってる。だから、そんなこと絶対にしない。……エリカのことを、少しでも私は知ってるから」

 

「………!!!」

 

 聞こえるはずがないけど、絶対に何か踏んではいけないものを踏んだ音がした。シロコの言葉が、向こうのシロコの地雷を、踏んでいた。苦い表情から、前触れなく彼女は攻撃的な顔になる。

 

「……それを」

 

「……?」

 

「そんなことを、私がわかったように言うなっ!」

 

「ッ!?がはっ!?」

 

 止める間もなかった。気がつけばシロコが私の横を通り過ぎて、広間の床を何度も転がっていた。次の瞬間、ホシノが盾を前に向こうのシロコに突撃する。向こうのシロコはまたしても瞬間移動したかのように消えて、プレナパテスの横に戻った。

 

「シロコちゃん!」

 

「シロコ先輩!」

 

 ノノミたちが駆け寄っていた。シロコは……大丈夫、起き上がってはいる。

 

「うぐっ、なにを、言って」

 

「……それをわかっているなら、なんでそんなに弱いの?」

 

 怒りに震えるって言葉がこれほどまでに目に見えることはないかもしれない。向こうのシロコの射抜くような目がこっちのシロコを目線だけで蜂の巣にしてしまうんじゃないかというほどだった。

 

「弱いから、弱いから……私は、先生を殺し、エリカも、殺した」

 

「は、え?」

 

 今度はホシノが動きを止めた。エリカも、シロコが?一体向こうは何があったの。

 

「嘘だ。そんなこと、私が。エリカのことをなんて、嘘だ」

 

「嘘じゃない」

 

「……ッ!嘘だ!私が、そんなこと──!」

 

「シロコちゃん!」

 

 シロコが今度は向こうのシロコに突っ込んだ。いつものアサルトライフルを構えて、引き金を引きっぱなしで。でも、向こうのシロコはまるで幽霊のようにひらひらと最小限の動きで避けていく。

 

「RABBIT2、彼女の援護を!」

 

「言われんで──がっ!?」

 

「サキっ!」

 

 私の声が遅かった。サキは、瞬きの間に間合いに踏み込まれた向こうのシロコが左手に抜いた拳銃……どう見てもエリちゃんのものにしか見れないそれを、サキの急所目掛けて容赦無く3発撃った。

 

「今のは先輩の──ぅ!?」

 

 続け様に、ミヤコが足払いされてその場に倒れる。そこを向こうのシロコは右手のアサルトライフルで追撃する。ヤバい!流石にこの子達が銃弾に耐えられるからってこんな強烈なのは。

 

「止まって!」

 

「止まらない」

 

「この……っ!」

 

 シロコが無理やり止めるためにストックをハンマーにして向こうのシロコに殴りかかるけど、容易く避けられる。見てるだけでは……!ホシノは……!?動けてない!?

 

「私は、エリカと約束した。ライディングに行こうって。その約束をまだ果たせてない!」

 

「私もそう。でも、私が弱いから二人を殺すことになった。だから世界を滅亡させた」

 

「そんなの信じない!世界を滅亡させて、先生も、エリカも殺す……!そんなこと、ありえない!絶対に!」

 

「どれだけ否定しても運命は変わらない。定められたレールから外れられないから」

 

「嘘だっ!うそ──うぐっ!」

 

 まずっ、今度はモロに腹に蹴りを…!

 

「あなたもそうなる。砂狼シロコが存在する以上、世界はそうなっている」

 

 どしゃりと、シロコが床をまた転がる。今度は、起き上がるのに時間がかかっている。アロナ、なんとか手助けを。

 

<ダメです!先生への防御を剥がせません!いつあのシロコさんから撃たれるか…!>

 

 だよね。でも、このままじゃ。

 

「それが、私たちの運命だよ。私たち、世界を死に導く神という、本質」

 

「なによそれ……!いつから先輩は神様になったのよ!」

 

「シロコちゃん!やめてください!」

 

「……砂狼シロコ。じっとしていればよかったのに」

 

「どういう、こと」

 

「あなたを攫ったのはプレナパテスの計画のため。世界を終焉に導く崇高はこの世界一つしか存在できない。だから、安定して私が活動するために、不確かな次元の中にあるこの箱舟にあなたを連れてきた」

 

「それが、なんなの」

 

「じっとしていれば、あなたはまた苦しい想いをしなくて済んだのに。同情するよ、私。これから、愛する人たちの死をまた知るあなたに」

 

「────!」

 

 なんだ。背筋が凍るような感覚がいきなり突き抜けた。プレナパテスの、うしろ。まだ、何かがいる?

 

「世界の滅亡。その間際に起こる闘争。その闘争をこの暴虐の女神が見逃すはずがない」

 

 向こうのシロコが何かを言っている。

 

「先生、それに私。私たちはあなたたちより経験も時間も積み重ねてきた。だから、私たちはあなたたちと絶対に埋まらない差がある。……先生、どれだけ先生が、自分のことだってわかって、先を読んでも、こっちはまだ一歩先にいる」

 

 ゆらりと、ソレが出てきた。ひた、ひた、と裸足が床を踏みながら、がりがりと華美な装飾が施された長大な狙撃銃を引きずり、身に纏った白いドレスは裾が血で滲んでいた。

 

 青色の髪はくすんでいて、伸び切った前髪は顔を隠していた。

 

「おい、冗談だろ」

 

「……嘘、です。そんな、どうして」

 

 次はミヤコたちが驚愕の声を上げる。アレは、あっちのシロコとは違う。そうだと私でもわかる。

 

<あぁ………せ、先生。あの、あの生徒さんは、エリカさんです……でも、先生、プレナパテスと同じく………>

 

 シロコがエリちゃんの銃を持っていた。なら、その持ち主はどうなったのか?その答えは目の前にあった。

 

「エリカ、せんぱい、なんで」

 

<あの、草鞋野エリカさんは………生きて、いません>

 

 ミヤコの悲痛な声と、アロナの絶望したかのような声が重なっていた。

 

 




お読みいただきありがとうございます。次回は明日です。

ちなみにですが、本作でのシロコテラーの世界ではSRTが原作BADENDと同じ状態なので、主人公ちゃんを追い込む結果となったことにシロコテラーはSRT生に対して無意識に容赦しなくなっています。
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