頑張りとは、報われるべき願いである   作:ババネロ

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今回の投稿はここまでです!

現場を知って好いてる人が死にかけたら流石にカヤちゃんも覚悟決まると思うんですよね。


Area-010「ミレニアムサイエンススクール 病棟 #消毒液 #個室 #包帯だらけ」

 これは夢だな、とわかっているはずなのに何故か妙な現実感もあった。たぶん脇腹が切れてて、そこに銃弾をぶちこまれたので私は死んだのかな?あんまり長くない人生だけど無茶苦茶痛かったし、アレが最後の感覚なのはやだなぁ。それに、ナギサちゃんを置いてきてしまった。

 

 謝っても何にもならないのにね。

 

「にしてもここ、天国、にしては見慣れた場所だよね」

 

 視界に入ってるのはどうみてもトリニティの、ティーパーティーのお茶会をしているテラスだった。ナギサちゃんが作っているであろうお茶菓子やお茶もなく、テーブルの上は何もないし、風も音もない。

 

 けど、一人、このテーブルに着いている人がいた。

 

「……先生の次は君か。まさか繋がるとは思わなかったよ」

 

「あなたは」

 

「今は同じティーパーティーだから、君は私を知っているだろう?」

 

 小柄で狐耳の金髪の生徒。制服がなんだかトリニティの制服にしては露出多めで百鬼夜行の人かな?なんて思っちゃうけど、違う。ティーパーティーのバッジをつけてここに座る人は限られてる。

 

 会ったことはない、でも何度も名前は聞いた。

 

「百合園セイアさん…だね」

 

「そう。そして君は、草鞋野エリカ」

 

 そういえば、と私は今の自分を見ると着ているのがヴァルキューレの制服になっていた。それも、シャーレに来る前の校章もそのままのだ。装備類もシャーレに来る直前のもので、やっぱりこれ夢だなと思った。

 

「まず最初に言っておくと、君はまだ死んでない」

 

 その言い方だと、いずれ死ぬってことかな。かなりぶしゃーって血が出てる感じあったし、あれで助かったらすごいけど。

 

「となると、ここはアレかな?地獄に落ちる前の、三途の川みたいな?」

 

「残念だけどそうじゃない。ここは天国にも地獄にも繋がっていない」

 

「……え、じゃあやっぱり夢?」

 

「そういうことになるね。地獄に落ちると自然に思っているあたり、君は随分と自罰的なようだ」

 

「そりゃ、人殺しは天国にいけないでしょ」

 

 あまり考えないようにはしていた。けど、人を殺めるような選択肢をとっていたアリウスの子たちを見て、私は感情的になってたと思う。撃ってしまったあの子たちは大丈夫だろうか。ヘイローが壊れているようには見えなかったけど。警告もせずに、あんな撃ってしまったのは本当に、嫌だった。

 

「そこまで感情的になってもなお、自分が撃った相手を心配する。罪を抱えたまま行進する。なるほど、ナギサが君の毒牙にかけられてしまうのは運命だったのかもしれないな」

 

「ど、毒牙?」

 

 ……正直に言えば、私のどこにナギサちゃんが惹かれているのかわからない。これはハルナにも言えることだけど。あれ…夢の中だからかな?なんでこのことを普通に私、考えられてるんだろ。

 

「その真っ直ぐさが、ミカをも救ってくれたことに、感謝するべきなのかもしれない」

 

「聖園さんを?」

 

 聖園さんとは黒崎さんとの一件以降に顔を合わせてもない。調印式の前にナギサちゃんが面会に行った時は会わなかったし。なのに私が彼女を救ったってどういうこと?

 

「善行は巡っていくとも言うだろう。君の示した正義はこのキヴォトスにおいてあまりにも眩しく、それでいて手が届くかもしれないと思わせる。だから、君に憧れたものたちは正義を示そうとする」

 

「えっと…言っていることがよくわからないんだけど」

 

「……なるほど、わかった。君はどうやらミカと同じぐらいの知能のようだね」

 

 ん?これバカにされてません?いや、聖園さんも決して頭が悪いようには思えないけど。

 

「時には直球で物を伝えてみるか。ナギサがあぁも感情丸出しで言ったんだ。少しは改善しなくてはね」

 

 百合園さんはクスリとしながら、もう一度口を開いた。

 

「リンチされていたミカを、君の教えに従った下江コハルが救ったんだ」

 

「コハルちゃんが…?」

 

「正義とは何たるかを説く正義実現委員会か。これまで、どの生徒もそんなことを気にしていなかった。………確かに、先生の言う通り結末はわからないな」

 

 何がどういうことかわからないけど、コハルちゃんが聖園さんを救ったということだけはわかった。引っ込み思案なあの子が、頑張って正義を示したってことなんだろうなぁ。やっぱりコハルちゃん、将来ヴァルキューレに引っ張っちゃおうかな。

 

 さて、なんだかわからないけど、ここでずっと話してるわけにはいかないかな。まだ死んでないってことは私は動けるはずだ。

 

「君も行くのかい?」

 

「うん、もちろんね。死んでないんでしょう?」

 

「そうだが…本当に“死んでいない”だけだ。それでも君はまだ抗うのかい」

 

「もちろん。私ね、決めたんだ。ナギサちゃんの頑張りが報われるようにするって」

 

 生きている限り、私は諦めない。いつか報われるはずだって。

 

「先生も君も…諦めが悪いんだな」

 

「そりゃね。先生はわからないけど、私は証明しなくちゃいけないんだ。いつか、頑張りは報われるって、私のことを信じてくれたみんなのためにね」

 

「………真っ直ぐすぎるな、君は。ひねくれた私には眩しすぎる」

 

 百合園さんが席から立ち、テラスから夜空を眺め出した。私も釣られて空を見上げる。たくさんの星々が輝いていた。

 

「先生にも言ったが、今から君たちが立ち向かうのはあの星の輝きがここまで届くほどに積もった憎悪という感情だ」

 

 トリニティとアリウス分校の確執がどれほどのものかはわからない。私はあくまで部外者だから。

 

「そして君は生徒だ。先生のように、誰かを導くものじゃない。それでも、先生と同じ場所に行くのかい」

 

「そうだよ。私たちシャーレはそのためにあるから。生徒が、生徒たちであるために」

 

「…………まるで君も先生のようだね」

 

「先生かぁ。それもいいのかも。もしかしたら、そういう人生を歩んだ世界もあったりしてね」

 

 可能性の話だけど、将来もしこのままシャーレに残り続けるのなら、先生になるのもいいかもしれない。生徒たちの健やかな未来と、生活と、安全を守る。ヴァルキューレにいた頃よりも、もっと広くたくさん人を救うために。

 

 なら、ここで百合園さんとずっとおしゃべりしてるわけにはいかない。先生だってきっと、今も諦めず戦い続けてるはずだから。

 

 私は座っていた席…ナギサちゃんがいた椅子から立ち上がって、テラスの出口へと向かった。

 

「百合園さん、もしよければ現実でも会いたいな。私がティーパーティーを抜ける前にね」

 

「……全てを見届けたらそうしよう。幼馴染に手を出されたのだからね」

 

「いやあ、手は出してないよ、うん」

 

「先生といい、君といい、破廉恥だな」

 

「なんか誤解されてる気がするけど、私はもう行くよ!じゃあまたね!」

 

「そうだ。君は知らないから言っておくが、トリニティで羽を渡し合うという行為は――」

 

 百合園さんが何かを言いかけていたが話が長くなりそうなので、今度こそ私は扉を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚める。まず視界に入ったのはどこかの病室で、次に感じたのは脇腹の痛みと傷口から広がっている熱だった。

 

「ぐっ…いった」

 

 身体をなんとか起こす。窓の外を見ればもう夜で、外の景色に私は驚く。たくさんの高層建築のビル。こんな景色はキヴォトスではそんなに多くない。もしかしてミレニアム!?いや、トリニティにさっきまでいたのにどうして!?

 

 と、とにかく状況を……って、なんか手に温かみが。

 

「ナギサちゃん?」

 

 ベッドの脇を見れば、私の手を握ってナギサちゃんが座ったまま寝ていた。服は私の血で汚れてしまったせいか着替えていて……って、これヴァルキューレの安全局の制服…?どうしてまたナギサちゃんが着ているのだろう。一応シャーレのマークに変わってるから普段私が着てたやつだね。

 

 こんな状態で寝てたら体に悪いね、起こしてあげないと。

 

「おーい、ナギサちゃん、起きてー」

 

「んっ…う………ぇ……?」

 

 ナギサちゃんが寝ぼけた顔で私を見上げた。うーん可愛いね。ヴァルキューレの制服だからかあどけなくて後輩に見えちゃうな。

 

「おはよ」

 

「お、おはようございます」

 

 お互いに顔を見合わせてしばらく固まっちゃったけど、ナギサちゃんが私を見て信じられないような顔をしているんだからしょうがない。

 

「え、え、え、エリカさん!?お、起きて!?」

 

「どーどー落ち着いて」

 

「落ち着けますか!?あんな目の前で死にそうになって!」

 

 あ、やっぱり私はだいぶまずい状態だったらしい。ナギサちゃんがここまで怒るなんて。いやまぁ、そりゃそうか。目の前で倒れて血をだばだば流してたわけだし。

 

「本当に、本当にもう、ダメかと………」

 

「ごめんね。心配かけちゃって」

 

「私は……私は…あなたまで失ったら……どうすれば…」

 

「大丈夫だよ。ほら、今は生きてるし」

 

 泣き出してしまったナギサちゃんの頭を撫でてあげる。お風呂に入ったのかな、髪の毛はさらさらだ。まぁ、血がだいぶべったりついてたし、そのままだと不衛生だからね。装備類もよく見ればほぼ普段の私と同じになっていた。銃はそのまま私の使ってるし。

 

 ナギサちゃんが落ち着くまで待ってあげると、しばらく彼女は私の手の上で泣き続けて、落ち着いたのは数分後だった。

 

「大丈夫かな」

 

「……えぇ、落ち着きました。ですがエリカさん。あなたは本当に死にかけたのですからね」

 

「みたいだね。誰が撃ったかはわからないけど、これ死んだなって感じがしたんだよ」

 

「自覚があるなら尚のこと。今私たちが倒れればトリニティは終わりです」

 

「無茶は…しないとは言えないね。しなくちゃいけないんでしょ」

 

 ナギサちゃんはきっと、私をこのままベッドに寝かせておきたいんだろうね。でも、私の問いかけにナギサちゃんは無言だった。肯定と取っていいと思う。おぼろげだけど、夢の中で誰かと話して、まだ何も終わってないことはわかってる。

 

「まぁ、二度も同じことはされないよ。じゃあ、ナギサちゃん、状況を教えてくれるかな」

 

「はい。ですが、それなら皆さんをここに集めたほうがいいと思います」

 

「皆さん?」

 

「私たちをここまで逃してくれた方々です」

 

 誰なんだろ。あんな混乱しきった状況でミレニアムまで私たちを逃し切るなんて。それこそこれ、ヘリとかじゃないと無理な距離だ。本当に誰がどうやって…?先生もきっと逃げている最中だったろうし。

 

 ナギサちゃんが病室…というかここ広いVIP用の個室だった…についてる電話で外に私が起きたことを伝えていた。そうすれば少しして、病室の前にそこそこの人数の足音が聞こえた。

 

「どうぞ」

 

 ナギサちゃんが扉の外の人たちに声をかければ、現れたのは意外な子たちだった。

 

「ふく、きょくちょう」

 

「に、ニコちゃん?」

 

 涙で目を晴らしたニコちゃんがまず目に入り、彼女はしゅばっと私直伝の歩法であっという間にベッドに駆け寄ると、手を握ってきた。

 

「よかった…!よかったです…!ご無事で…!」

 

「なんとかね」

 

 ニコちゃんの後ろにいた子たちは、当然彼女がいればいるであろう、ユキノちゃんを始めとしたFOX小隊の面々。クルミちゃんも安心したのか泣いてしまってるし、オトギちゃんはユキノちゃんと同じくとても安堵した感じだった。

 

 3人は入ってくると、残りの3人も姿が見えた。

 

「ミヤコちゃんに、風倉さん…!?」

 

 なんとRABBIT小隊のミヤコちゃんと風倉さんもいた。どうして、と思ったけど私は疑問の一つが解決した。なるほど、風倉さんがいるなら。

 

「そっか、君がヘリを飛ばしてくれたんだね。ありがとう、風倉さん」

 

「どうも。それにしても脇腹ぶち抜かれたのに冷静すぎない?」

 

「まぁ痛いけど、痛いならまだ平気だよ」

 

「覚悟据わりすぎでしょ…」

 

「そんなことないよ。それに、ミヤコちゃんもありがと」

 

「い、いえ、私は何も」

 

 謙遜するミヤコちゃんを見て、ユキノちゃんが「そんなことはない」と言った。

 

「副局長。月雪小隊長は的確な処置をあなたにされました。彼女が副局長の命を繋いだのです」

 

「そうなんだ。なら、本当に感謝しないとね」

 

「月雪小隊長。感謝を受け取れ」

 

「は、はい。ど、どういたしまして」

 

 そこまでしなくてもいいと思うけど…助けてくれたのは事実なんだし、誇ってほしい。ニコちゃんが一旦私から離れると、彼女を含めSRTの子たちが横一列に並んで頭を下げてきた。いやなんで!?

 

「草鞋野副局長。救助が遅れ大変申し訳ありませんでした。我々SRTは事前に潜入していましたが、攻撃を防ぐどころか相手の時間稼ぎを許してしまいました。その結果、あなたにこのような怪我を負わせてしまったこと、大変遺憾に思います」

 

「ま、待って?そんないいよ、謝らなくて。みんながトリニティに来たのはわかった。そもそもミサイル…だと思うけど、トリニティがくまなく探して見つからなかったわけだし」

 

「いえ、しかし」

 

「それに、今は私が怪我をしてどうのこうの言ってる場合じゃないから。次にどうするか、だよ。今考えるのは」

 

 ほんとにね。私が怪我したことに責任を感じてるような暇は今ないと思う。申し訳ないけど。

 

 どうやってもエデン条約の調印式は破綻したし、あの会場の状況だとトリニティとゲヘナの首脳陣は全滅だ。少なくともすぐには復帰できない。一晩、たった一晩でも起きれなければどんどんこっちが不利になる。

 

 私の発言にSRTの子たちは納得しきれていないだろうけど、全員が気をつけの姿勢をとった。……私、いつからこの子たちの上司になったのだろうか。

 

「みんな楽にしていいよ。私は今シャーレどころか、トリニティの生徒だからさ」

 

「いえ、それでも我々は」

 

「……七度。私に従いたいのなら、言うことを聞け。おかしなことだが、今、私は私に従うなと言っている」

 

 ユキノちゃん頑固だからちょっと強めに言ってあげるとビシッと敬礼してそれ以上は言わなかった。よし。なんでこんなことを言ったのかといえば、さっきから黙っている“彼女”の存在があったからだ。

 

「不知火防衛室長。まさかあなたまでいらしてるとは思いませんでした」

 

「いえ。お怪我は大丈夫ですか?」

 

「なんとか。それで、何故室長が?彼女たちを動かしたのは室長ですか?」

 

「いえ、先生です。FOX小隊のお目付役として私は同行したに過ぎません。RABBIT小隊は万が一の時にトリニティの自治区境界ギリギリに控えさせていました。これも先生の指示です」

 

 そういうことね。先生は何かが起きた時のためにSRTをシャーレの権限で動かしたんだ。エデン条約の破綻による秩序の崩壊は確かにキヴォトスの安全保障を脅かすものだから、不知火室長がいるのも納得。

 

「とりあえず私とナギサちゃんが……ここ、ミレニアムだよね?ここまで来れた理由はわかったよ」

 

 先生のおかげで命拾いした。本当にこれは返しきれない恩だし、チャンスだ。私とナギサちゃんは健在。特に、ナギサちゃんは無傷だ。このままなんとかトリニティに戻れれば、おそらく混乱しているであろう状況をどうにかできるはずだ。

 

「………よし、いつまでも寝てるわけにはいかない。みんな、状況を教えてほしい」

 

 いつまでも寝てるわけにはいかない。先生もきっと動いているのだから、私も動いて、ナギサちゃんをトリニティに帰して、先生と今起きている問題を解決する。身体中痛いけど、倒れるのは全部終わってからにすればいい。

 

「エリカさん、起きては…!」

 

 ナギサちゃんが慌てて声をかけてくるけど、私は勤めて笑顔で制した。

 

「大丈夫。それにさ、全部カタがついたら久々にやろうと思うんだ」

 

「何を…?」

 

「溜まりに溜まった有給の消化」

 

 私がそう言えば、風倉さんが噴き出した。それに少なくない子たちが釣られて笑っていた。これでちょっとは場が和んでくれたらいいんだけどね。

 

「いやぁ、副局長にもなれば取れそうに見えるけど、そんなに貯まるもんなの?」

 

「風倉さん、私が滅多に取らないだけだよ。休みの日もついつい職場に行ってパトカーの整備とかしてたし」

 

「仕事熱心すぎでしょ」

 

「ま、楽しいからいいんだよ」

 

「流石です。副局長」

 

「褒めてもなんにも出ないよ、ユキノちゃん」

 

 ベッドから立ち上がる。いやぁ、身体が重いし、痛いわ。熱もあるし。けど、動けてるってことはまだ行ける。

 

「じゃあ、反撃開始と行こうか」

 

『おー!』

 

 まだやれることはあるはずだ。ナギサちゃんの頑張りが報われるものになるために、私たちにできることが。このままバッドエンドなんて認めたくない。最後に諦めなかった子が、ハッピーエンドを掴むんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 いい感じに結束して、さぁ、どこかの会議室を借りて作戦会議、と思ったら不知火室長に「その前に」とどこかへ連れて行かれた。ナギサちゃんもついてきたので3人で私たちは夜のミレニアムの校舎に入っていた。いやいや、ミレニアムだとは思ってたけど、あの病院まさか学校の中だとは思わなかった。

 

「本当にミレニアムの中だったんだね」

 

「えぇ。流石にヘリだけでは無理でしたので高速鉄道を使って。それに、外縁部ですとあの妙なハイレグシスターの幽霊…?ですかね。追ってきそうだったので」

 

「この様子だと追撃は止まったんですよね?」

 

「はい。ミレニアムの自地区まで来てしまえば止みました」

 

 やっぱりあれは遊園地で戦った類のと同じだったみたい。ただ、ぶっ倒れる前にナギサちゃんが何か知ってそうだったんだよね。

 

「ナギサちゃん、あの卑猥な格好のシスターはなんなの?」

 

「ひ、卑猥…と言われるとそうかもしれませんが、アレはかつてのトリニティに存在したユスティナ聖徒会です。伝説上の存在で、厳しい戒律により生徒を纏め、シスターフッドの前身組織と言われています。それがあのような形で現れるとは」

 

「じゃあ本当に幽霊ってこと?」

 

「かもしれません。あの古聖堂の地下には大きなカタコンベがありますから。アリウスが何らかの手段で使役しているのかもしれません」

 

 ホラーというかなんというか。なるほど、どういう理屈かはわからないけど、アリウスの目的はアレだったのかな。どうにも無限に湧き出てたし、戦闘力も高い。まさに戦いを数でいく無限の戦力。トリニティとゲヘナと戦うには必要なんだろうね。

 

「トリニティとの連絡は?」

 

「まだ取れていません。かなり混乱しているようです。ゲヘナ側も統制がとれていないようで連絡がつきません」

 

「桐藤さんが言う通りで、我々連邦生徒会からもコンタクトを試みていますが回線が不通です」

 

 うーん、かなりまずい状況だなぁ。先生がどうしてるのかな。先生が無事なら多少は混乱も治るはず。それを期待するしかない。

 

「それで結局私はどこに向かってるの?」

 

 先導してくれる不知火室長に問い掛ければ、答えてくれた。

 

「エンジニア部です。部長の、白石さんでしたか?彼女が目覚めたら呼ぶようにと言っていたので」

 

「白石さんが私を?何の用だろ」

 

「本来であればこんな暇はないのですが、どうしてもとしつこかったので。全く防衛室長である私に……」

 

 白石さん押しが強いからなぁ、不知火室長だと断りきれなさそう。でもわざわざ呼ぶってことはきっと何か力になるものがあるはずだ。白石さんたちエンジニア部は前にも「こんなこともあろうかと」って助けてもらったもんね。

 

 ほんと、ミレニアムにはヴァルキューレの頃から助けられてばかりだ。恩返し、しないとね。

 

「見えました。明かりはついていますね」

 

 不知火室長の言う通り、エンジニア部の格納庫兼作業場の部室は明かりが着いていた。今真夜中なんだけど。RABBIT小隊用の入浴セットもらった時もこんな時間だったねそういえば。さすが過ぎるよ。

 

 入り口のシャッターは閉まってるので、横に備え付けられたドアを不知火室長が開けて、私たちも入った。中では当たり前のように工作機器などが動きっぱなしだ。

 

「不知火です!白石さんはいますか!」

 

 機械の動作音に負けないように不知火室長が白石さんを呼べば「こっちだよ!」と白石さんの声が聞こえた。通路を歩いて様々な機械の横を通り抜ければ、何か球状の大きな機械を整備している白石さんがいた。

 

「来たようだね。……エリカ、大怪我をしたというけど、なんとか無事みたいだね」

 

「本当になんとかね」

 

 白石さんは私の姿を見てホッとしたようだった。……それにしても、この丸い物体はなんなのだろう。

 

「ちなみに白石さん、これなに?」

 

「これかい?これは晄輪大祭用の応援ロボットだよ」

 

 そういえば今年は晄輪大祭の年だったな、と思ったけど、これのどこが応援ロボットなのか聞きたい。フレームの形状がどうみても応援するような形に見えないし、明らかに砲塔がついてるし、どのように考えても何かの戦闘マシンだ。不知火室長もナギサちゃんも何とも言えない顔をしていた。

 

「……そういえば、今回のホストはミレニアムでしたね」

 

「そうなの?ナギサちゃん」

 

「はい…ただ開催するかどうか、そのあたりは連邦生徒会会長の失踪もありわかりませんが」

 

 あー、確かに。加えてトリニティとゲヘナで現在進行形で問題が起きてるし、ちょっと怪しいね。白石さんはそれを聞いても「まぁやる可能性が1%でもあるなら準備しておかないとね」と中止になっても気にしない姿勢らしい。

 

「さて、君を呼んだのはこれを見せるわけじゃない」

 

「そうです。こんな怪我をした彼女を呼んだのですから、何かあるのでしょう?こんなものを作るぐらいですから秘密兵器が!」

 

 不知火室長がだいぶ高圧的な態度をしちゃってるけど、白石さんは不敵に笑って見せた。ちょっとかっこいいなぁ。不知火室長も白石さんのイケメンに若干当てられたのか、うっ、となってる。

 

「こんなこともあろうかと、と言えてこそ一流のエンジニアだよ。こっちに来てくれ、見せたいものがある」

 

 本当にあるんだ……秘密兵器。白石さんが歩き出したので、私たちは続く。案内されたのは私も前に来た事がある部室内の射爆場だった。そう、ハルナの永久凍結バナナを木端微塵に粉砕したあの場所である。

 

 そこにあったのは台座に固定された生塩さんのレールガンだった。

 

「こ、この未来的な銃…!これはエリカさんの新たな力ですか!」

 

 勘違いした不知火室長がレールガンに目を輝かせていた。違うんだよなぁ。あと、こんなレールガン渡されても持て余すし、今の私の体だと反動でたぶん死ぬ。冗談抜きに。白石さんもこれを私に渡すわけではないようで、首を横に振っていた。

 

「すまないが、これはリオ……ウチの生徒会長のものでね。ちょっと借りててここにあるんだ」

 

「じゃあ、エリカさんに何を渡すのですか」

 

「あれさ」

 

 白石さんが指差したのはレールガンの砲口の先の壁に吊るされたハンガーにかけられた制服らしきものだった。白のスカートで裾に◯×□△の刺繍が入ってて、青いラインが走ってる。上のセーラーは空のような透き通った水色で、襟は白くリボンは深い青。そして、肩には白いケープがかかって、左肩の位置にシャーレのマークがあった。

 

「待たせたね、エリカ。ヒビキがプロジェクトリーダーを勤めていたシャーレ発注のシャーレの生徒用の制服だよ」

 

「できたんだ…!私の制服!」

 

「あぁ」

 

 秘密兵器ではなかったけど、ついに私のシャーレ用の制服ができたらしい。いやぁ、嬉しいね。だけど、事情を知らない不知火室長とナギサちゃんは不満そうだった。

 

「待ってください。こんな状況で制服?ふざけるのも大概にしてくれませんかね」

 

「……不知火室長と同調はしたくありませんが、同じく。エリカさんはこれから戦地に入るのです。それなのにこんな制服を渡されても」

 

「まぁ待ってくれ。まさか君たちは私たちエンジニア部がただの布切れを渡すと思っているのかい?」

 

 白石さんは飄々とした様子で言ってのけると、レールガンが備えてる台座に近づき、備え付けのパネルを操作した。

 

「白石さん、何を?」

 

「エリカ。君の制服に関して細かい仕様は先生から注文があったのは知っているね?」

 

「まぁ、そうだね。先生に用意して欲しいって我が儘言ったし」

 

「先生からの注文は幾つかあったが、何より頼まれたのが“耐久性”だった」

 

「耐久性?」

 

「君は無茶をよくする。チーちゃんからも聞いたよ?」

 

 チヒロちゃんが過去のことを結構白石さんに話してしまったらしい。うーん、まぁしょうがない。迷惑かけてるもんなぁ。

 

「チーちゃん…とはどなたなのですか?エリカさん」

 

 ナギサちゃんが笑顔で聞いてきた。うーん、どうしよう。ただの友達なんだけど。

 

「おっと……桐藤くんだったかな?」

 

「はい、そうですが」

 

「チーちゃんはチヒロという私の同級生で、よくヴァルキューレで設備更新とかのバイトをしてるんだ。まぁ、エリカの古い知り合いの一人とでも思っておいてくれ」

 

「……つまり、仕事仲間ということですか?」

 

「そうなる」

 

 なんでかフォローしてくれた。白石さんは私にウィンクしていたのでこれ貸し一つってやつじゃないかな。エンジニア部の実験を手伝えばいいのかな…なんかそれはそれで大変な目にあいそうだ。

 

「話を戻そう。シャーレに入ってからもエリカは怪我が絶えないと聞いた。現に、とうとう死にかけてしまった」

 

「そうだね」

 

 ただ、本当に痛くて死にそうなのは今回が初めてなんだよね。アビドスの時も見た目はだいぶ派手な怪我だったけど実際のとこはそうでもなかった。

 

「だから、この制服は高い耐久性を持たせるに至った。論より証拠。まぁ見ててくれ」

 

 何をするのか大体検討がついた。いや、流石に無茶なんじゃ。

 

 キュイーンと甲高い音を立てて台座から音が鳴って、固定されていたレールガンの砲身が開く。バチバチと光が漏れ出し、溜まっていく。

 

「このレールガン、スーパーノヴァMk2“アララト”は貫通性に優れていてね。リミッターを外して最大出力で撃てば、大概のものは貫ける」

 

「あの、まさかとは思いますがそんなものであの服を撃つと?」

 

「そうだとも。不知火さんだったかな。あの服は頼まれたとはいえ、私たちエンジニア部の自信作でね。発明品としてはこのレールガンのベースとなった…便宜上、スーパーノヴァMk1と呼ぶが、それにも劣らないものなんだ」

 

 あの服がどういうものなのか察しがついたけど、まさか、耐えられるの?レールガンの一撃を。

 

「では、発射」

 

 バチンッ!と破裂音のような音のあとに、弾丸が放たれた。シャーレの制服に弾丸は直撃し吹っ飛ばされた。そのまま弾を受けとめる壁に制服は叩きつけられて爆発が起こる。いや、無理でしょ。あんなの耐えられないよ。

 

 爆風が私たちを通り抜け、呆然と眺めることしかできなかった。

 

「……あの、白石さん。流石にあんなのに撃たれたら」

 

「大丈夫さ。今回はデモンストレーションのために見せただけだからね。もう2、3度はやってるんだ」

 

 白石さんが言いつつ、煙が晴れてきた壁際まで行き、床に落ちている制服を拾って私に見せてきた。

 

「うそでしょ」

 

 思わず私が声を漏らしてしまうほど非常識だった。あんな強力な一撃をもらっても、制服はなんともない。エンジニア部のことなので何かデメリットがあるのかなと思ったけど、軽々と持ち上げてるからきっと重さも普通の制服ぐらいなんだろうね。

 

 白石さんがそのまま私たちの方に戻ってくる。近くで見ても制服はせいぜいちょっと焦げたぐらいでまだ大丈夫そうだった。

 

「これが私たちエンジニア部がシャーレに納品する制服、シャーレ補佐官専用制服になります。お代は連邦生徒会に後程請求しますので」

 

「…え、ウチにですか?」

 

「先生が言っていたよ」

 

 不知火室長が顔を青くしてた。……財務室に怒られるやつじゃないかなこれ。絶対開発研究費にエグい額がかかってるよね。無事にこの事件片付けても私と先生大丈夫かな?い、いやまぁ、必要経費だし、ね?

 

「とても頑丈なのはわかりましたが、どういう原理なのですか?」

 

「桐藤くん、それは話が長くなるのでまた今度にしたいと思う。今はコトリもいないからね」

 

 確か、豊見さんだっけ。ものすごい解説が大好きな子だったはず。あんまり面識ないけど。

 

「とにかく、今のエリカに必要なのは圧倒的な防御力だ!さぁ着替えて来てくれ、あっちの更衣室に新品が用意してある。それと、チーちゃんから君の戦闘スタイルも聞いて専用の装備も準備しておいた。あぁ、安心してくれ。警察用の装備だ。仕様に忠実にしてある。今回ばかりはね」

 

「…何から何まで、ありがとう」

 

「持ちつ持たれつさ。君にはいつも試作装備を試してもらってるからね。これもお礼だよ」

 

「の割には制服のお金は取るんだ」

 

「制服は先生からのお願いだからね。そこは線引きさせてもらったよ」

 

 私は白石さんが指差した更衣室へと向かって、中に入った。ボックスの中にはさっき白石さんも持っていた私の新しい制服があって、私は病衣を脱ぐ。予想した通り私の体は全身包帯まみれだし、撃たれた左の脇腹の包帯はほんのり赤くなっていた。まぁ、もうしばらくの我慢かな。

 

 新しい制服に着替えていく。ずっと、ヴァルキューレの制服だったけど、ついにこの時が来たんだなって気がする。これでついに、私は本当にシャーレの生徒になったんだね。

 

 姿見を見れば、見た事がない私がそこにはいた。シャーレの紋章が白地のケープでよく目立つ。白のソックスも履いて、これで準備万全。装備もあるって言うので見てみれば、いつも使ってる煙幕弾などを携帯できるハーネス、警棒まである。

 

 銃に関してはないから、このままあのトリニティのライフルで行こう。

 

 装備一式もつけて私は更衣室の外へと出た。

 

「よし。準備完了。どうかな?」

 

 私が一回転してナギサちゃんたちに見せてあげると、ナギサちゃんとカヤちゃんが何故か口をポカンとしていた。

 

「うん、よく似合っているね。ヒビキがデザインも拘っていたから可愛らしさと実用性を上手く噛み合ってるね」

 

「ありがとう、白石さん。これちなみに夏服とかあるの?」

 

「もちろん。今回は通常の仕様だけど、袖の短い夏服もある。それはまた今度だ」

 

「そっか。流石だね」

 

「どうも。そう言ってもらえると、ヒビキも喜ぶと思うよ」

 

 あとで猫塚さんにもお礼を言っておかないとね。

 

「二人も、ほら、固まってないで」

 

「は、はい、そうですね!」

 

「すいません。わかりました」

 

 そんなに似合ってなかったかな?まぁいいや。

 

「それで、君たちはこれからどうするんだい?」

 

「トリニティに戻るよ」

 

「詳しくは知らないが、旗色は悪いとヒマリから聞いた。無事を祈るよ」

 

「大丈夫。こんないい制服もらったし」

 

「だといいな。じゃあ、行ってくれ。私からの要件は以上だよ」

 

「ありがとう、白石さん!」

 

「あぁ。また会おう、エリカ」

 

 私たちはエンジニア部の部室を出ていく。先生が残してくれたこの制服でもう一度、トリニティに戻る。戻って、ナギサちゃんを返して、この混乱を収めてみせる。生徒たちが、元の生活に戻れるように。

 

 

 

 

 

 

 

「エリカさん、申し訳ないのですが、私が同行できるのはここまでです」

 

「不知火室長?」

 

 一度病院に戻ろうとしていると、不知火室長がそんなことを言って立ち止まった。遠くからヘリの音が聞こえる。RABBIT小隊のヘリだ。

 

「どういうことですか?防衛室長」

 

 ナギサちゃんが問いかけると、不知火室長は申し訳なさそうな顔をしていた。

 

「この状況を戻り、七神リン生徒会長代行に伝えます。連邦生徒会がどこまで動けるかはわかりませんが、少なくとも事が済んだあとの復興ぐらいは役立てるはずです」

 

「……よろしいのですか?」

 

「桐藤さん。防衛室の役割はキヴォトスの秩序を守る事であり、私はその長です。いつまでも現場に居座ることはできないのです。……エリカさん、FOX小隊の指揮権を一時的にあなたへ委譲します。連邦生徒会防衛室長としての指示です。正式なものですから、誰も異論は挟めません」

 

 私があの子たちの指揮を?私がどうしてと思う前に、ヘリがゆっくりとこのミレニアムの中庭に着陸する。ヘリから降りて走って来たのはミヤコちゃんだった。

 

「防衛室長、ヘリの準備ができました」

 

「ありがとうございます、月雪さん。エリカさん、防衛室長として思うのです。今のキヴォトスはシャーレという存在により秩序が改善傾向にあります。そのシャーレの中核であるお二人が帰る場所を放置するわけにはいきません。私は戻り次第、RABBIT小隊にシャーレの防衛を任せますが、よろしいですね?」

 

 留守の間を守ってくれるらしい。確かに、長期的に外してるし、誰かに忍び込まれたらこまるもんね。私はあえてここで、ミヤコちゃんに敬礼した。

 

「月雪小隊長!」

 

「は、はいっ!」

 

「君にシャーレの防衛を任せる!私たちが戻るまで、あそこを頼む!」

 

「任されました!無事に戻られることを祈っています!」

 

 ミヤコちゃんも返礼する。うん。大丈夫だ、あの子たちなら。

 

「では、これで。エリカさん、どうかご無事で……そして桐藤さん、今回の騒動、落ち着くことを願っています」

 

「………トリニティの生徒会長として、ティーパーティーのメンバーの命を救って頂いたこと、お礼を。本当に、ありがとうございました」

 

「いいえ。私は防衛室の室長です。このキヴォトスの安全と秩序を守るのが仕事ですから。当然のことをしたまでです。では、これで!」

 

 不知火室長が踵を返してヘリへと向かっていく。ミヤコちゃんも私にもう一度敬礼して、室長の後に続いていった。わざわざ現場まで彼女が出てくれたのはそれぐらい連邦生徒会も重く事態を受け止めてるってことだ。

 

 私は最後に離陸するヘリに敬礼して、背中を向けた。不知火室長たちも戻ってやるべきことをやってくれる。なら、私たちもできるだけのことをやろう。

 

「ナギサちゃん。トリニティに戻ろう」

 

「はい」

 

「戻って、終わらせよう、全部」

 

「……えぇ。エリカさんとなら成せると思っていますから。かならず」

 

 今からトリニティに向かうにはハイランダーの高速鉄道を使って、トリニティの自治区の中心部、古聖堂のあるところに遠くない駅まで行く必要がある。けど今からそんなことはできるのか、といえば私はシャーレなので、申し訳ないけど今回は色々無茶するしかない。

 

 幸いにも私の隣には今、トリニティの自治区の長がいる。

 

「よぉし、色々無茶苦茶やるよ」

 

「え、むちゃくちゃ、ですか?」

 

 最速で戻る手段は限られてる。なら、それを全力で。

 

 携帯をとって、私はニコちゃんへと連絡する。

 

「あ、ニコちゃん?」

 

『草鞋野先輩ですか?今どちらに』

 

「指揮権、私に移ったから今すぐ全員フル装備でミレニアムの中央駅に来て」

 

『指揮権が……?それはどういう』

 

「復唱!」

 

『ッ!申し訳ありません!ただちに装備を整え、集合します!』

 

「よろしいッ!私の銃も忘れるな!」

 

『ハッ!』

 

 さっきは不知火室長がいたから指示に従うなって言ったのにすぐこれだと忙しいね。けど、指揮していいなら遠慮なく。

 

 ナギサちゃんが私を何をするつもりなんだ、という顔で見てる。何をするんだろうね?

 

「ナギサちゃん。それじゃあ、いこっか」

 

「きゃっ!?」

 

 私はナギサちゃんをお姫様抱っこした。急いで駅に行かなきゃいけないからね。

 

「え、エリカさん!?何を!?」

 

「これから特急に乗らないといけないからね」

 

「特急ですか!?しかし、もう終電では」

 

「だからさ、ちょっとお願いするんだよ」

 

「お願い……?」

 

「在来線の車両一台、貸してって」

 

「…ま、まさか」

 

「そう。特急列車がないなら、特急列車を自分たちで用意しちゃえばいいんだよ」

 

 今回ばかりは、私は腕の中の女の子一人のために無茶苦茶することを決めた。

 

 




お姫様抱っこしてるの実は見てるチーちゃん「そういうとこだよ…エリカ…」

ようやく主人公にちゃんと制服を着せてあげられました。シャーレの制服のデザインはもちろんアロナちゃんベースです。

主人公の各制服での属性イメージはこんな感じです。

ヴァルキューレ:爆発・軽装備(フロント・デバッファー)
ヴァルキューレフル装備:貫通・重装甲(フロント・タンク)
水着:貫通・軽装備(フロント・回避タンク)
トリニティ:神秘・特殊装甲(ミドル・アタッカー)
シャーレ:振動・弾力装甲(ミドル・アタッカー)

もう5着もあったのこれ書いてから気づきました(アビドスの時はヴァルキューレと差異なし)

また次回は未定ですがお待ちいただけると幸いです。
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