頑張りとは、報われるべき願いである   作:ババネロ

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今日から数日間連続で投下します。
今回は難産でした。

まずは本話で旅行編は終わりです。


Area-07「227号旧温泉郷 #雪道 #寒い #復讐」

 227号温泉郷からの支援要請を受けたと先生に伝えたら「やっぱり…」となんでか私が支援要請を受けることがお見通しだったらしい。とにかく無茶はしないようにと念押しされて、私はハルナを連れて旅館の裏手にやってきていた。

 

 寒いので私とハルナは完全に冬登山用の装備で、上はダウンジャケット、下は厚いズボン。靴はスタッド付きの長靴だ。

 

 もちろん、私たちに同行する仲正さんも似たようなもの。アウトドアに慣れてそうな彼女はなんだかよく似合っていた。

 

「雪中行軍とか教本でしか知らないっす…草鞋野さんは経験あるんですか?」

 

「ないよ」

 

 慣れてそうなのは格好だけで、この状況で任務をするのは初めてらしい。私もこんな積もった状況で支援要請を受けるのは初めてだし、ヴァルキューレ時代は降雪地に行くことはなかった。春先に挨拶で行った時は特に大きな支援要請はなかったし。

 

「目的地までは私が先導しますから大丈夫ですよ〜」

 

 慣れない私たちのガイド役は当然ながら天見さんだった。和服からいつもの制服に着替えた天見さんはパンパンに膨れたおっきなリュックを背負ってるのにふらつく様子がない。レッドウィンターの子、だいたいみんな逞しいというかなんというか。

 

「それで女将さん?この先…かろうじて道が見えますがここから上がっていくのですか?」

 

 ハルナの質問に天見さんは「そうですよ」と頷く。確かにハルナの言う通り、この宿の裏手から伸びる道は少し除雪されてるけど、そこから更に積もったのかほとんど雪でほぼ見えない。運良く吹雪いてないのが助かるけど、日が暮れつつあるし時間はないかな。

 

「天見さん、注意点とかある?」

 

「特にはないかなぁ。転ばないようにぐらい?」

 

「了解。それじゃあ、先導お願いします」

 

「任せて!じゃっ、いこっか!」

 

 天見さんが歩き出す。けっこうズボズボって感じで歩くんだけどやっぱり地元の生徒なだけあってものすごく速い。私とハルナは苦戦して、仲正さんはなんでか数歩でもう慣れていた。順応が早い子なのかな。

 

「ハルナ、待っててもよかったんだよ?」

 

「いえ、これしきのこと。あの秘境でのぬかるみと似たようなもの…!」

 

 背負おうかな、と思ったけどハルナはこれぐらいならへこたれないから大丈夫。逞しさだけなら天見さんたちにも負けてないと思う。

 

 旧温泉郷に続く道は森を抜けなくてはいけないらしく、早速木々の間に入っていく。木々の間といってもちゃんと切り開かれてるいるので獣道を通るわけじゃないようだ。

 

「トリニティじゃここまでの雪は降らないですし、動物とかいるんですか?」

 

「たまに鹿とかいますよー」

 

「へぇ。写真とか撮ったり?」

 

「え?食べますけど……」

 

 天見さんが鹿を食べると言ったところで仲正さんがなんともいえない表情になっていた。227号特別クラスって食料も配給が少ないから狩りもしてるんだっけ…?ハルナをちらりと見れば目が輝いている。ジビエに釣られてる!?

 

「女将さんは捌けますの?」

 

「あ、はい。一応」

 

「レッドウィンターってそんな過酷なんすか…?」

 

「あぁ、私とシグレちゃんは特別なんですよ。悪い意味で…はい…」

 

 ものすごーく暗い顔をした天見さんにそれ以上は仲正さんも突っ込まなかった。全く知らないお客さんには流石に言えないか。なんか微妙な空気になってしまった。

 

「そ、そういえば、天見さんは趣味で天体観測とかしてるよね!」

 

「あ、はい!そうですね!」

 

「へ、へぇ!すごいっすね!なんか特別な器具を使ったり?」

 

「ちゃんと望遠鏡使ってますよ!」

 

 なんだろうこのぎこちなさは。いやいや、よくよく考えてみれば天見さんからすれば他の自治区の警察相当の仕事をしてる正義実現委員会が目の前にいるの居心地悪くないわけがない。私はともかく、せっかくのお客さんにわざわざ前科を明かすような真似はそりゃね!?

 

「なんかいいっすね〜天体観測って。あたし、色々趣味探してるんですけどなかなか合わなくって」

 

「それなら天体観測おすすめしちゃいますよ。季節によって見える星は違いますし、星は生きてますから、二度も同じ輝きは見れません」

 

 夕焼け空を見上げながら天見さんは言う。すごいロマンチックな言い方だった。

 

 天見さんは先生を覗く覗き魔ではあるけど、たぶん同じかそれ以上に天体観測も好きなはず。先生は何度か天見さんに誘われたことがあって、たまに話してくれるけど、天見さんの星に関するお話は時に笑えて、時に切なく、時に学びを得ることもあるって言ってたかな。

 

「同じ輝きが見えない……?」

 

「私たちが見るのは途方もない時間を旅した星の命の輝きなんです。私たちも過去には戻れないですし、今から先に向かうしかない」

 

 思わず立ち止まりそうになる。まるで歌声のよう。ハルナも思わず聞き入ってる。

 

「そう思うと、常に新しさを感じられて飽きないんです。日常も似てません?私は旅館で毎日違うお客さんを相手にして、色んな発見があるんです。だから飽きないですし、今の仕事、結構気に入ってるんですよね」

 

 なんとなくわかるかもしれない。私の場合は義務感と責任があったからかもしれないけど、ヴァルキューレ時代でつまらないと思ったことはなかった。疲れたし苦しいこともあった。それでもあの目まぐるしく変わっていく状況の中に身を置いて、私は満ち足りていた。

 

 今は、どうなんだろう。満ち足りてるとか、そんなこと考えることが私に許されるのだろうか。

 

「って、私お客さんに何言って!?」

 

「あぁ、いやいや。いいっすよ。なんか、物の見方とか、参考になりそうで、聞けてよかったっす」

 

「そ、そう言ってくれると助かるカナ〜」

 

 天見さんがちらちらと私たちを見る。とりあえず苦笑いするしかなかった。

 

 けどそっか、よくよく考えればレッドウィンターの空気はどこでも澄んでる。空がよく見えるのも納得だ。避暑地として夏場は旅行に行く人も多いし、また今度旅行に行ってもいいかもしれない。

 

「エリカさんは星を見たりといったことはなくて?」

 

「これといってはないかなぁ。星座とかも詳しくないし」

 

「あ、それなら本貸しましょうか?色々ありますよ〜ロマンチックな話とか」

 

「あはは……それはまた今度、当番に来た時にでいいかな」

 

「そういえば一泊二日でしたもんね。じゃあ、今度持っていきますね!」

 

「ありがと、楽しみにしておくよ」

 

 何故か私と天見さんの話を私たちの前を行く仲正さんが注意深く聞いているような感じがあった。趣味を探してるって言ってたし、それがあるから?

 

 ハルナがくんっと私のジャケットの裾を引っ張って引き留め、私の耳の良さでしか聞こえない小声で言ってきた。

 

「……あの方…少し……エリカさんに興味があるようです……」

 

 なるほど、興味。

 

 ……これ、私があのオークション会場にいたことバレてない?彼女が気にするなんてそれ以外あり得るのかな。理性的な人みたいだから今は何もしてこないだろうけど、ちょっと心配になる。

 

 それからしばらく、私たちは無言で雪の中を進んでいくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 目的の旧温泉郷へと辿り着いた時には陽が落ちかけていて、天見さんがサブマシンガンに付けたライトで道を照らしてくれていた。厚着をして歩いたせいか、中は結構蒸してしまって汗をかいた。

 

「……爆撃でもされたのかってぐらい綺麗に吹き飛んでるね」

 

「温泉開発部のことですから、発破解体をしたのではないでしょうか」

 

 目の前にある旧温泉郷の宿は跡形もなく吹き飛んでいて、基礎部分だけが間取りを僅かに窺わせるだけで、ハルナの言う通り発破解体を前提に爆薬でも仕掛けられて破壊されたのかもしれない。

 

 天見さんはずっと苦笑いだ。

 

「それで、今の温泉にお湯を送ってるポンプっていうのはどれですか」

 

「あちらです」

 

 仲正さんに聞かれ、天見さんが指差す。指差した方にはポンプ室の建屋のようなものと、露天風呂の屋根のようなものが併設されていた。天見さんは指差してから「あーっ!」と驚いて声をあげた。

 

「な、なな、なんで会長専用風呂から湯気が!?」

 

「天見さん、会長専用風呂って?」

 

「チェリノ会長がお付きの人と入るため専用の露天風呂なんですあれ!ただ使う時は連絡があります。あのポンプで組み上げてる源泉を一時的にあっちの露天風呂に回すので」

 

「なるほど。つまりはお湯の送り先があちらの露天風呂になったために起きた不具合と仰るのですね?」

 

 ハルナの言葉に天見さんが頷く。故障じゃないってことだけど、それはそれで問題だ。あの露天風呂はチェリノちゃん専用ってことだけど、入る時は連絡が来る。それがないのに使われている。

 

 無断で入浴している誰かがいるのかもしれない。いや、というか天見さんの声でこっちに気がついたのか慌てて出ようとしてバシャバシャと水音が聞こえてくる。

 

「ハルナ、天見さんをお願い。仲正さんは一緒に」

 

 突くしかない。ハルナに声をかければ彼女は少し不服そうだけど頷いてくれて、仲正さんは「了解っす」とライフルを構えて私の横に着いてくれた。逃げられると厄介なので一気に距離を詰めたいところだけど、足元が悪いのでいつものようにはいかない。

 

「ちょっ!?雪ぶふぉっ!?」

 

「あ!?ご、ごめん天見さん!?」

 

 結果——私が蹴飛ばした雪が天見さんを覆い尽くすように飛んでしまった。ハルナはどうしたのかと思えばしれっと天見さんの背後に隠れている。

 

 うん、普通に走っていこう!

 

 逃げられちゃまずいので頑張って走る。吹雪いてなくて本当によかった。ぼっすぼっすと走ってるのか大股で歩いてるのかよくわからない速度で露天風呂に近づいていくと雪が浅くなってきたので走る速度があがった。

 

 湯気の向こうに人影!いる!

 

「動くな!シャーレだ!」

 

 私が呼びかけたのと同時に強風が吹き込み、湯気が一気に攫われる。向こうの影は「さむっ!」と悲鳴をあげた。湯気が晴れて見えた姿はちょうど下着を履こうとしてこっちにお尻を向けている生徒二人組だった。慌てて逃げようとして濡れたまま着替えようとしていたらしい。

 

 相手もこっちに気がついて固まっていた。

 

「とりあえず、風邪ひかれると困るからお風呂に入って」

 

 どうやっても相手はもう逃げられない。銃も置いてる上にほぼ全裸。丸腰も丸腰でこんな雪の上を歩くなんて流石にそんなことはできないと相手も悟ったのか、沈痛な面持ちで履きかけの下着を脱いで、湯船の脇に置かれていた脱衣カゴに下着を入れるとゆっくりお風呂に浸かった。

 

「はぁ……あったかぁい」

 

「凍えるかと思ったぁ」

 

「いやいや、なにくつろいでるんすか」

 

 仲正さんが銃を向けた。相手は慌てて両手を挙げた。気持ちはわかるけど、もう追い詰める必要はないかな。私は銃を下げて、ひとまずこの子たちが何者かを確認してみることにした。

 

「こんばんは。私は連邦捜査部シャーレの草鞋野エリカ。あなたたちはどうしてここに?」

 

 お風呂の中の二人は手を挙げながらも“シャーレ”と聞いて驚いていた。いったいどこの生徒?カゴに入ってるのは制服、じゃなくて私服だし、旅行客かな。武器に関してはガンラックがあったので見てみると、かなり状態の悪そうなグレネードランチャーと、かなり年季が入ってそうなウッドストックのサブマシンガン。

 

 グレネードランチャーには削られてるけどうっすら校章が……あ、これまずい。

 

 不安げな二人の無断入浴者自体も観察してみると、髪の毛は雑に肩のあたりまでで切られていて、体つきは痩せ気味。でも筋肉はついている。

 

「草鞋野さん。彼女たちはどうするんですか?」

 

「ちょっと待ってね。仲正さん、銃を下ろしていいよ。もう逃げられないから」

 

「いいんですか?」

 

「大丈夫」

 

 万が一逃げようとしてもこの距離感ならいけるかな。

 

 さてどうしよう。今目の前にいる二人はアリウス分校の生徒だ。おそらく、この前の私たちがアリウス自地区に殴り込んだ時、アリウス分校が降伏する前に自治区の外へ逃げ出した子たちだ。

 

 どうやってこんなところまで来たかはわからないけど、逃亡生活を続けているんだと思う。困ったことにアリウス分校には戸籍すらない子が多くいて、一旦はトリニティ預かりで生徒としての登録を連邦生徒会に申請している最中だ。

 

 もしこの子たちもそうならば、どうしたものか。

 

 私たちが銃を下げたことから、二人も両手をお湯の中に再び沈めた。

 

「君たちはなんでこんなところに?遭難?」

 

「そうだよ。そしたら寒くて寒くて……」

 

「なんとかここまで来たら本の中で見た温泉、みたいなのがあったから」

 

「うーん、まぁ、ここで倒れても助けなんてこないでしょうし、気持ちはわからなくもないっすけどね」

 

 緊急事態ってことで、これは致し方ないかな。天見さんもこれなら仕方がないって言ってくれると思う。——仲正さんはまだこの子たちがアリウス分校の子って気がついてない。本当なら私がもうすぐにでも捕らえるべきだ。でも、本当に、それでいいのだろうか。

 

 ベアトリーチェの支配から解放されて、外へと飛び出した錠前さんたちのように、この子達もまだ見ぬ未来へと歩んで、色んなことを知っていくべきじゃないのだろうか。

 

 実際のところ、アリウス分校の大半の生徒はベアトリーチェの存在があったから、保護観察処分となるのが濃厚だ。自地区から絶対に出てはいけないという形にはならない。むしろ、外部と切り離され洗脳に近い状況にあったので積極的に外部交流を重ねたほうがいいと、先生を交えた連邦生徒会での会議で決まっている。

 

 だから真っ向から犯罪者として捕らえるのはやっぱりダメだ。

 

「うん、それならしょうがないと思う。ただ、ここの湯船は使っちゃうと本来の温泉宿のお風呂が使えないから、申し訳ないけど上がって欲しい」

 

 私がそう伝えると、アリウス生の二人は渋々頷いた。振り向いて、少し離れた位置にいる天見さんたちを呼べば、すぐに二人はやってきた。

 

「天見さん。遭難者みたい」

 

「えっ、そうだったんですか?なるほどそれでここのお風呂を使ったんだ」

 

「随分と薄着のようですし、命拾いをされたようですわね」

 

 天見さんは納得し、ハルナも脱衣カゴを見て遭難者だと素直に認めてくれた。

 

「うーん、とりあえず、ポンプ元に戻しますね」

 

「了解。天見さん、この二人は」

 

「遭難者なら温泉郷で一晩ぐらいは泊めてあげられます。お代は取りますけど」

 

「それならシャーレで領収書を切ってくれるかな?困ってる生徒のためなら経費で落ちるから」

 

「はーい。あとでシグレちゃんにも言っておきますね」

 

 これでこの子たちが少なくとも今晩は凌げるかな。お風呂の中にいるアリウス生たちは私を信じられない目で見ていた。そりゃそうだよね。もしかしたら彼女たちはどこかで私と遭遇しているのかもしれないし、だとしたら余計になんで助けるのか意味不明だと思うよ。

 

「エリカさん、よろしいのですか?」

 

「うん。一応、シャーレの生徒として事情聴取ぐらいはあとでしておくよ」

 

「………わかりました。あなたが決めたことであれば、わたくしは信じます」

 

 だからこういうのは苦手なんだ。ハルナにはたぶん全部お見通しだ。私に対して相当な違和感を感じてるんだろうなぁ。ハルナは私のことをよく知ってるから。

 

 仲正さんはこれといって特に何も思っていないのか、私が目を向ければ「お疲れ様っす」と言うだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 ポンプの操作を終えて、着替えたアリウス生を伴って私たちは温泉郷に戻ることになった。戻りの道も吹雪かずに済み、特に問題なく宿に戻った。宿に戻ったところで支援要請は完了。仲正さんとは別れ、ハルナには部屋に先に戻ってもらった。

 

「………さて、話を聞かせてほしい」

 

 で、私は天見さんに頼んで空いている部屋を貸してもらい、旅館の浴衣に着替えてもらったアリウス生たちと向かい合っていた。正座を知らないので、二人は体育座りで座布団の上に座っていた。

 

「改めて自己紹介をしよう。私は草鞋野エリカ。シャーレの補佐官。あなたたちはアリウス分校の生徒だね」

 

 二人は頷く。

 

「どうして私たちを庇ったんだ…?」

 

「庇ってはいないよ。遭難者なのは事実でしょ」

 

「……あの時もあんたは私たちを見逃して」

 

 あの時?見逃したアリウスの生徒……?憶えが……あっ!もしかして。

 

「もしかして、あのD.U.の放棄された区画で私とミカさんと会った子達なの?」

 

 二人が力強く頷いた。そっか、あの時の。まさかそのままアリウス自治区に戻らず彷徨ってたってことなのかな。けどよくあんな私服を持ってたり装備も維持できたね。やっぱり事情はよく聞いたほうがよさそうだ。

 

「アリウスには戻らなかったんだね」

 

「………あれだけ強かったあんたたちが乗り込んだ。だから、もうアリウスは終わりだと思った」

 

「こうしてわたしたちの前にいるってことは、アリウスは」

 

「うん。マダム、ベアトリーチェの支配からは解放されたよ。ただ、自力で自治区の維持はできないから連邦生徒会とトリニティの管理を受けてる。ひどいことはされないと思うよ。ベアトリーチェの洗脳まがいなやり口はちゃんと知られたから」

 

 私が事後のことを伝えれば、二人とも安堵したようだ。

 

「よかった……なら逃げ続ける必要も、もう、ないんだ」

 

「逃げ続ける必要?」

 

「アリウスから逃亡すれば当然、討伐隊が追撃する。アリウススクワッド相手にもそうだった。だから、わたしたちにも、って思った」

 

「それがないって、わかったから安心したんだ」

 

 討伐隊、か。正直なところ、全容がまだわかってないけど、ベアトリーチェが生徒たちに何をさせていたのか、何が起きていたのか。明かされればショッキングな内容も相当にあると思う。

 

 けど、それを彼女たちに問いただすのは違う。今じゃない。

 

「もう逃げ続ける必要がないなら、君たちはどうしたい?」

 

 先生のように問いかける。生徒が望むこと、進みたい未来があるのなら全力で支える。

 

 それがシャーレの役目。今の私の役割だから。

 

「どうしたいって言われても」

 

「逃げるのに必死で…」

 

「もちろん、アリウスに戻るのも一つの手だよ。アリウス分校がそのまま、とはいかないけれど、連邦生徒会の更生プログラムとか支援策はあるはず」

 

 私個人としては戻ってほしいと思ってる。彼女たちはこのままだと違法なことに手を染めてしまう可能性が高い。錠前さんのようにたまたま、先生も知ってるような便利屋68に入れれば違うのかもしれないけど。

 

 彼女たちは数分考え込んで、答えを出した。

 

「……戻らない」

 

「あそこにはいい思い出もない」

 

 自分たちの学校なのに、とは言えなかった。

 

 私はその選択を——否定しない。

 

「そっか」

 

「あんた確か、警察官でもあるんだよね」

 

「休学中だし、もうほぼほぼ元、って感じだから……違う、かな」

 

「そうなんだ」

 

「うん。だからシャーレとして、あなたたちが自分たちの足で進みたいって言うなら支えたい」

 

 目の前の二人は複雑そうな表情だけど、警戒は解いてくれたようだ。肩の力が抜けたように見える。

 

「その前に、ちょっと聞かせて欲しいんだ。私たちがアリウスに向かったあと、あなたたちはどうしたの?」

 

 レッドウィンターに迷い込むまでの流れを私は聞いておきたいので聞くと、彼女たちは素直に話してくれた。

 

 二人は私とミカさんに武器を破壊されたあと、這々の体でD.U.でもあまり人がいない地域……子ウサギタウンにまずは流れ着いたらしい。あのあたりはRABBIT小隊が自主的にパトロールをしているし、実践訓練がてら悪さをする生徒を補導したりと、治安維持がそれなりにされている。

 

 ただ、あの日は晄輪大祭当日。RABBIT小隊はおろか、ヴァルキューレも手薄でなんとか二人は子うさぎタウンの廃屋から比較的着れそうな服を拝借し、武器もまずは一人分確保したらしい。これでアリウスの生徒であることが分かりづらくなった二人だったけど、上手くいったのはそこまでだった。

 

「——逃げて2日目、お腹が減って倒れた」

 

「マダムからあのとき、碌にご飯も食べさせてもらえてなかった」

 

「エデン条約襲撃が失敗してから、アリウスの中は困窮が更に加速してたんだ」

 

「………そっか。それでも、二人がこうしているってことは」

 

「助けてくれた人がいた」

 

 二人は空腹が限界で倒れて、意識を失ったあと誰かに助けられたらしい。気がついた時には洋上に浮かぶホバークラフトの上だったとのこと。

 

「ヘルメット団のラブ、って生徒だった」

 

「私たちが追われてるのはわかってたけど、倒れたところを見てて、放っておけなかったって」

 

 ヘルメット団のラブ、といえばヘルメット団でも最大派閥のリーダーの名前だ。ホバークラフトを所有しているのは初めて聞いた。拠点にしてるってなるともしかして揚陸用の大型のやつかな。……けど、助けてくれるあたり、ラブは悪い人じゃないのかもしれない。

 

「助けてくれたあと、事情を話したらヘルメット団に入らないか誘われたけど、断った。また誰かに無理なことさせられたりするのがいやだから」

 

「そしたら、レッドウィンター近くの浜辺まで送って、このグレネードランチャーをもらった。餞別だって。エデン条約を襲った時に闇市に流れたアリウスのグレネードランチャーだった」

 

「なるほど。それでレッドウィンターを今度は彷徨ってたんだね。確かに、うまくいけばここは無茶苦茶に広い自地区だから、潜伏にはもってこいだね」

 

 結果的に失敗したけど、確かに逃亡生活を続けるには持ってこいだね。D.U.の廃墟で生活することもできただろうけど、あそこはあそこで縄張りみたいなものを持ってる勢力も幾つかあるから単独で成り上がるのはかなりハードルが高い、ってシャーレになってから知り合ったスケバンの子から聞いた。

 

 だから悪くはない選択だったんだと思う。きっと、ラブもそう思って二人をここに置いて行ったのかもしれない。

 

「一先ず、わかったよ。今晩はゆっくりして、今後のことをじっくり考えてみて」

 

「……わかった」

 

 私は二人との話を終えて、部屋を出ようとした。そうしたら「待って」と呼び止められた。

 

「なんで、私たちを助けようとしてくれるの」

 

「私たちシャーレは生徒のためにあるから、それだけだよ。きっと先生も、君たちに聞いたと思う。これからどうしたいって。……それを探していくのも、これからの君たちの目標かもしれないけどね」

 

 言うだけ言って、私は部屋を出た。天見さんにお願いして、それなりのお部屋を用意してもらったので廊下を出ると誰もいない、静かなものだった。

 

 ここはちょうど私とハルナの別館がある方向とは真逆で、部屋を廊下と仕切る襖に向かい合っているのはガラス張りの大きな窓。ちょうど、レッドウィンターの都市部が遠くに見えて、悪くない夜景が広がっていた。

 

 一応、保険は用意しておきたいと思うので、天見さんにあの子たちのことを相談してみよう。

 

「……………ふっ!」

 

「ぅぐっ!?」

 

 廊下の影から突如飛びかかって来た人影をヴァルキューレ仕込みの体術で捕まえて、相手の腕を脇に挟み込む。

 

「動くな」

 

「……っ……エリカ様……なぜ…!」

 

 わざわざサイレンサー付きのハンドガンまで持って来ているあたり、やっぱりこの子たちはただ旅行で来たわけじゃないようだ。私に襲いかかって来たのは、ここを発つ前に間宵さんのバーで見た正義実現委員会の子。仲正さんの後輩だ。

 

「こんな場所で騒ぎを起こすなんて何を考えているんだ。君の先輩はこんなことをしろと指示したのか」

 

「………いいえ」

 

「離すが、暴れるな。いいな」

 

 こんな場所で取っ組み合いになったら大変なので、念押しをしてから私は彼女を離す。正実の子も、どうやら初撃を防がれたせいか、無茶をするのはやめたようだ。銃を仕舞ってくれた。

 

 はぁ。なんで急に彼女は襲ってきたんだ。

 

「聞くが、なんの真似だ。まさか彼女たちに個人的な恨みがあるのか?」

 

「……アリウスにはあります」

 

「何があった」

 

「古聖堂の爆破に巻き込まれて。友達が大怪我をしたんです。命に別状はなくて回復こそしましたけど、彼女はあんな怖い思いをしたくないって正義実現委員会を辞めました」

 

 この子はどうやら盗み聞きをしていたようだった。それであの二人がアリウスだと知ったようだ。

 

「復讐したいと」

 

「わかりません。でも、エリカ様が……命を賭けてまで正義を成したあなたが、アリウスを許すようなことを言うのが聞こえて、私、カーッとなって」

 

 なんて言えばいいのかわからなかった。

 

 私もナギサちゃんが攫われた時は、そうだったから。

 

「下江さんが語るあなたは理想の正義の人でした。なのに、なんで、アリウスを」

 

「許したつもりはないよ」

 

「ならどうして、イチカ先輩に突き出さなかったのですか。アリウスは!」

 

「アリウス分校は悪い大人のせいでおかしくなって、あんな凶行に及んだ。そのことは、正義実現委員会には伝わっているはずだよ」

 

「悪い人に従ったから、従っただけだから罪がないんですか!?」

 

「罪はあるよ。でも、その罪さえも認識させられない。異常な環境で育てられた子達をただ裁く。罪に向き合うことすらできない相手へ鞭を振るう行為は、正義と言える?」

 

 ミカさんも、錠前さんたちも、あの子達も、罪と向き合う時間が必要だ。特に、アリウスの子たちは自分たちが犯した過ちすらもわからない。

 

 シャーレとしての役目だけで彼女たちが前へ進めるようにするのは、相手への同情じゃない。そんな相手へ鞭を振るい新たな怨嗟を植え付けて、取り返しが付かなくなるような連鎖を起こしたくないからだ。

 

「あなたはバーで、私が死んでたって勘違いしたけど、瀕死だったのは事実だよ。そして、私の大切な人たちもアリウスに酷い目に遭わされた」

 

「なら、どうして」

 

「罪さえわからない相手を裁いても、何も変わらない。何も解決しない。二度と彼女たちが悲しみを生み出さないように、更生させる。そのために私たちのような治安維持組織がある。私はそう考えてる」

 

 ただ罪を犯した相手を裁き、社会から除外するだけならヴァルキューレはいらない。各自治区の治安維持組織もいらない。暴力だけが望まれるような世界にいずれなってしまう。

 

「納得はしなくてもいい。仲正さんに言ってくれても結構。でも、よく考えてほしい。罪と向き合うことすら許さない。そうされた相手が行き着く先を」

 

「…………失礼します」

 

 正実の子は踵を返し、その場から離れて行った。

 

 私が完全に正しいなんて到底思えない。彼女の感情や考えもまた正しい人のものだと思う。

 

 だから、私は聞きたい。

 

「けしかけたんですか?」

 

「まさか。偶然っすよ」

 

 いつの間にか、私の背後に仲正さんが立っていた。現れるまで気配を全くと言っていいほどに感じ取れなかった。振り向けば、彼女は浴衣を着ていて、銃も構えていない。戦意はないのが見て取れる。

 

「仲正さん。あなたたちは本当に旅行に来たの?」

 

「えぇ、そうですよ。嘘はないです。ただ、連れて来た子たちは…ウチの中でもエデン条約事件でちょっと大変な目にあった子たちだけっすけど」

 

「慰安旅行ってことなんだね」

 

「そうです。あとは今後の外遊時の保安要員としての育成も兼ねてます」

 

「……ナギサちゃんの指示?」

 

「はい。副委員長を通して。まぁ、みんながみんな、ナギサ様のアリウス分校への処遇を納得出来てるわけじゃないです。ウチの子たちはその辺、我慢しちゃいますからね。心の整理のためにも、って感じです」

 

 ナギサちゃんも色々あったけど、夏からよく外に出て整理がついたりした経験があったのかもしれない。いつもと違う場所、人。未知に触れて自分の考えを見直す、ってことなのかな。

 

「そしたら、脱走した生徒と遭遇って……間が悪すぎますね」

 

「気がついてたんだね、仲正さんは」

 

「えぇ。ただたしかに、捕らえたところで何もなりません。アリウス自治区に送り返すだけですからね。あの子たちが望んだ裁きなんて受けさせられないんですよ」

 

「冷静だね。仲正さんは」

 

「ははっ……まぁ、私は酷い目にあってないからかもしれないっす」

 

「正義実現委員会として、思うところはあるの?」

 

「どうでしょうね。私はそんなに真面目な委員じゃないんで」

 

「あの子へのフォローをするつもりは?」

 

「もちろんそれはしますよ。私刑はダメってね。実際、草鞋野さんの話はよくわかりました。更生、っていうのは大変ですよ。そのために更生寮なんてのもトリニティにはありますからね」

 

 それってミカさんが今いる寮じゃなかったっけ。

 

 仲正さんはかなり冷静な人のようだ。そういえば、あのオークション会場の時も慣れてない新人の子達を率いていたみたいだし、面倒見がいいから色々任されてるのかな。

 

「私はこれから天見さんと話さなくちゃいけないから、いいかな」

 

「どうぞ。引き留めはしないっす」

 

「それじゃあ、これで」

 

 仲正さんをその場に置いて、私は天見さんがいるであろう方向へと廊下を歩み出す。

 

 この廊下の角を曲がるまで、ずっと視線が追っている気がした。

 

 

 

 

 

 

 

「………まるで正義の味方っすね。コハルちゃんが熱心な理由もわかる気がしますよ。…先生…ですか。あそこまでの情熱を与えられる人。会ってみたいっすね」

 

 

 

 

 

 

 

 アリウス生たちの面会、正実の子、仲正さんとの話のあとに、私は天見さんにアリウスのことを話した上で、あの子たちが望めばしばらくアルバイトとして雇えないかという話をした。天見さんの一存じゃ決められない話だそうなので、連邦事務局へ判断を仰ぐと、シャーレからのお願いってことで了承された。

 

 借りを作った形になったのは怖いけど、今回ばかりは仕方がないと思う。事後承諾となったけど先生に報告すれば、先生も「いいんじゃないかな?トモエに借りを作ったのはちょっと怖いけど」と言っていた。

 

 そんなこともありつつ、夕食を食べて、また私はハルナと温泉に入っていた。

 

「なんだか、今回の旅行はこれまでのことの総ざらいみたいだったよ」

 

「どういうことですの?」

 

「クイーンマテリアル社とか、エデン条約で傷ついた子、罪を犯した子……」

 

 事件を解決したから全ての問題が終わるわけじゃない。被害者の救済も、加害者の更生も、事件が終わってようやく始まる。物語のように、正義の勝利で話は終わらない。

 

「全てを背負うおつもりで?」

 

「いや、そういうわけじゃなくてさ。ただ、ままならないなって」

 

「ままならない?」

 

「正実の子の復讐をしたい気持ちはわかるし、それも否定したくない。同時に、アリウスの子たちがキヴォトスを見て、自分の罪と向き合うことも助けたい。私は誰の味方にもなれないんだなって」

 

「……生徒の味方、なのでしょう?今のあなた、シャーレは」

 

「そうなんだけどね」

 

 難しい話だ。きっとこの話は答えがない。生徒の味方。この言葉がどれだけ重いものか、改めてわかった気がする。

 

「……難しく考えなくとも、よろしいのでは」

 

「難しくって」

 

 ハルナが私の左手を握って、湯船から持ち上げた。

 

「わたくしの知るあなたは、ただ目の前の困っている人を助ける。そのことに一生懸命で、それが結果として多くの誰かを救うことに繋がっていたのではなくて?」

 

「ハルナ………」

 

「全ての味方になることなど出来はしません。先生だってそうでしょう。誰かを救う時、また誰かと向き合わなくてはなりません」

 

 ナギサちゃんと敵対していた時のように、二者択一。全てを救おうなんていうのは傲慢なのかもしれない。それが出来るのはそれこそ…あのベアトリーチェが言った神の如き存在なのかもしれない。

 

「だから、これからもあなたのその瞳に映る誰かを救ってゆけばよいのでしょう。届かぬものにも手を伸ばし、掴み取れずに落ちていくあなたを、わたくしは見たくありません」

 

 お湯の中にまた手が引き戻される。

 

 ハルナを見れば、なんでかひどく心配そうな顔をしていた。

 

「なんでそんな顔をしてるの」

 

「誰のせいと思って?無理をするなと言っているのです。聞かないと思いますけれど」

 

「だから、ナギサちゃんとも、これからハルナとも約束するんでしょ。絶対に帰ってくるって」

 

「それに“友達”は頼るべきでしてよ」

 

「もしかしてさ、さっきのポンプ室で天見さん任した時になんか嫌そうな顔をしてたの、それ?」

 

「えぇ。先生を見習ったほうがよくてよ?エリカさん、あなたは優秀すぎますわ。だからこそ、一人でやれてしまうのでしょうけれど、少しは改めたほうがいいですわ」

 

 痛いところを突かれる。自覚はあった。最後、私がどうにかすればいっか、なんて考えがヴァルキューレ時代からあったのは否定できない。実際なんとかなったことが多かったから。

 

「今回の旅行はあなたの休養のため。わたくしのことを守ろうと考えすぎですわ。嬉しかったですけれども」

 

「…………返す言葉もないよ」

 

「ですから、今からはもう誰かのために正義を全うする狛犬さんは禁止です」

 

「といってもあのアリウスの子たちのこととか」

 

「あなたが打てる手は全て打ったのです。あとはなるようになりますわ」

 

 だからもう休みなさいとハルナは言う。ここまで言われればもう、そうするしかない。空を見上げると、雲が晴れて星空が広がっていた。

 

「ねぇ、ハルナ」

 

「なんですの?」

 

「プリン、おいしかった?」

 

「……まぁまぁ、でしたわね」

 

「ほんとに?」

 

「口直しを要求しますわ」

 

「じゃあ、それは帰ってからだね」

 

「休暇のロスタイム、といったところでしょうか」

 

「家に上げるのはハルナで二人目だよ」

 

「……一人目は?」

 

「ナギサちゃん」

 

「……おやりになりますわね」

 

「………?」

 

 ようやく、休暇らしいゆったりとした時間に私は身を委ねられた気がした。

 

 私はハルナの方に頭を乗せて、目を閉じた。

 

「ねぇハルナ」

 

「……な、なんですか」

 

「私、あなたを捕まえたくない」

 

「…………え」

 

「友達を、捕まえたくない」

 

「え、エリカさん?」

 

「今のは秘密だよ。私の、本音だから」

 

 シャーレの生徒でも、ヴァルキューレの生徒でもない。わたし(草鞋野エリカ)の気持ち。

 

 あなたにはずっと、心の奥底で感謝してる。先輩を殺めてしまったすぐあとにも、いつもと変わらずに接してくれたことを。

 

 だからどうか、あなたはあなたのままでいてほしい。誰にも譲れない信念を持った、美しいひと。

 

「………………」

 

「…?ハルナ?」

 

 何故か反応がないので顔を上げてハルナの顔を見れば、彼女は硬直していた。なんで!?

 

「は、ハルナ!?のぼせちゃったの!?ハルナさん!?」

 

 それからハルナが反応するまで実に数分彼女を呼び続けた。寝るまではずっと様子がおかしいままで、私は無茶苦茶心配したけど、翌朝にはいつものハルナに戻っていた。なんだったんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 こうして、私とハルナの休暇は色々あったけど、帰りは何事もなく、最後にハルナに私の昔の警察手帳と、プリンを作って上げて終わった。

 

 色々と考えることはあったけど、結局私は何も変わらない。目の前の誰かを助ける。全力で。それは市民の生活と安全を守ることにつながっていく。チヒロちゃんにはまた、やりすぎって言われるのかもしれないし、ナギサちゃんからは無茶のしすぎと怒られ、ハルナには呆れられるかもしれない。

 

 けど、そうやって想ってくれる友達がいる。それが今の私には嬉しかったし、これからも頑張っていこうと思った。

 

 頑張りは報われる。そう信じて。

 

 




次回はまた明日です。

次から新章(原作ではパヴァーヌ編2章相当)になります。
またお付き合い頂けますと幸いです。
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