「ハンターライセンス…ですか?」
「そうじゃ。あれば何かと便利じゃからのう。これを機にイルミと一緒に取ってくるといい」
(突然、ゼノさんから呼び出された時は死を覚悟したが、まさか僕のことを思っての提案をわざわざしてくれるなんて……)
「ん? どうした?」
「いえ。ありがとうございます」
「フン……感謝の気持ちは言葉より行動で示せ。ホレ。さっさと下がらんか」
「は、はい! 失礼しま「行ってきます…」行ってきます‼︎」
ヒソカが退出すると同時に、フゥ〜っと息を吐くゼノ。
「全く手の掛かる奴等じゃわい。これでよかったんじゃろ? イルミ」
「うん。ありがとう。爺ちゃん」
「構わん構わん。これでハンター試験を受けてくれると言うなら安いもんじゃ」
「わかった…それじゃあ行ってきます」
「うむ。大丈夫だと思うが呉々も気を付けてな」
イルミはコクリと頷くと部屋を後にした。
「……本当に気を付けろよ? あのジジイに目を付けられんように、な………」
「え〜っと…たぶんここら辺のはず……おっ、あったあった!
それじゃ行こうか(ダイヤ) ギタラクル(クローバー)」
「カタカタカタ…わかった…カタカタカタ…」
現在、ヒソカとイルミはハンター試験の会場へと向かっていた。
念のため(主にイルミの)身元がバレることを恐れて各々で変装を施していたのだが、そんな経験など一切ないヒソカはどうしていいか分からなかったので、とりあえず無難に原作のスタイルでいくことにしたのだった。
本人曰く、「厳密には違うけどコスプレみたいで恥ずかしい」とのこと。
因みに名前に関してはノータッチだが、口調は原作遵守である。
(で、イルミはギタラクルなのね?
…わかっていたとは言え、こうして間近で目の当たりにするとホラー意外の何物でもないな……)
「カタカタカタ…なに? カタカタカタ…」
「いえ。ナンデモアリマセン」
「?」
そんなこんなで無事、会場に到着した2人はスタッフからナンバープレートを受け取るとその足で部屋の隅に居を構えた。
「219番か…じゃあギタラクルは220だね?」
「うん」
(とりあえず相当ヘタを打たなければ試験は楽々パスできるはず。
…問題はイルミが暴走しないかどうかだな。そうならないためにも擦り傷一つ負わないようしないと……)
イルミの逆鱗が自分である、と理解しているヒソカはこの先、慎重に慎重を重ねて行動していくことを決意するのだった。
その後、試験は滞りなく進んでいき、最終試験も難無くクリアした2人は無事、ハンターライセンスを取得するに至った。
用も済んだのでさっさと帰ろうとしたその時、突然、会長に「ちょっといいかのぅ?」と話掛けられ、2人は首を傾げつつ何事かと尋ねた。
「 いやのぅ? 今更、こんなことを聞くのもなんなんじゃが、お主らがハンターになりたかった理由を聞いてみたくなってのぅ。出来れば教えてくれんか?」
「う〜ん…そうだねェ(ダイヤ) 別になりたくはないけど資格を持ってると色々便利だから(ハート)」
「……本当にそれだけかの?」
「? 逆にそれ意外に何があるの?」
「なるほど……あい、わかった。じゃあお主は「ヒソカが取るから」……わかった」
「用がないならもういいかい? 僕らも忙しいんだ(クローバー)」
「忙しい……か。いや、突然すまんかったの! もう下がってよいぞ」
ヒソカとイルミが退出した後、会長は考え深げに腕を組み独り呟いた。
「あの2人……放置するにはあまりに危険じゃな。
………協会の方で監視を向けておくか」
ゼノの心配も空しく結局、要注意人物として目を付けられてしまったヒソカとギタラクル(イルミ)なのであった。
「いい風だ…」
ライセンス取得からおよそ半年、現在ヒソカは独りきりで船旅を楽しんでいた。
ゾルディック家の面々から「たまには息抜きしろ」と言われ休暇を貰ったわけだが……仕事一筋で生きてきたヒソカからしてみれば今更、休暇などと言われてもどうしていいか皆目検討も付かず、困り果てていたところにミルキが現れて「たまには兄貴達の目が届かないとこにでも行ってみれば?」と言ったことがキッカケで今に至るわけだが、どうやら正解だったようだ。
「しかしこうタイミングよく都合のいい行き先が見つかったのはラッキーだったな。
『くじら島』か…な〜んか聞いたことがある気がするけど……ま、いっか。どんなとこか楽しみだなぁ〜♪」
ヒソカは知らなかった。
この先、彼にとって命運を大きく左右する出会いがそこで待ち受けているということに………
どうも。あずき@です。
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