道化師として歩むハンター世界   作:あずき@

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第7話

「へ〜! じゃあヒソカは島の外から来たんだね!」

 

「ははは…まぁね〜」

 

現在、ヒソカは非ッッッ常〜に頭を悩ませていた。

 

賢明な読者諸君ならもうお判りだと思うが、ヒソカが対峙しているこの少年こそが原作『HUNTER×HUNTER』の主人公、『ゴン=フリークス』なのである。

 

(ガァァァァッ! 僕のバカバカバカバカ‼︎

 

どうしてこうなる前に気付けなかった⁉︎ 『くじら島』って言えばゴンの生家がある場所に決まってるじゃないかッ!)

 

ヒソカは今すぐこの場から逃げ出したい欲求を必死に抑え、興味津々な様子で次々と投げかけられるゴンからの質問に答えていくのだった。

 

ところが、ヒソカがプロのハンターだと言う話題に差し掛かると途端にゴンは口を噤み、悩ましげな表情で俯いた。

 

そんなゴンの様子を見て、今更ながらジンのことを思い出したヒソカは、今度こそ本当に頭を抱えてしまった。

 

と、その時、ゴンがそっと口を開いた。

 

「実は俺の親父もヒソカと同じプロのハンターなんだ。ジンって言うんだけどね?

 

俺、親父に会うために島を出るつもりなんだ! 」

 

「そうか……大変だと思うが頑張れよ」

 

「うんッ! ……で、それでそのことなんだけどね?」

 

(あっ、嫌な予感……)

 

「ヒソカ! 俺を……親父に会った時、恥ずかしい思いをしなくていいように強くして下さいッ! お願いします‼︎」

 

取れそうなくらいの勢いで頭(こうべ)を垂れるゴンに対して一瞬、ヒソカも焦ったが直様、気を取り直して言った。

 

「ゴン……キミに言っておきたいことがある」

 

「はい……」

 

ゴンの瞳が不安げに揺れる。

 

「キミが語るプロハンターと言う道は、一筋縄ではいかない。常に命の危険が付き纏うし、時に大切な人を失うことになるかもしれない。

 

それでもキミはまだ、ハンターを目指すのかい?」

 

「俺は……それでも俺は絶対に諦めたくないッ‼︎

 

命に変えても叶えたい夢なんだ‼︎ だから……お願いします‼︎ 」

 

沈黙が流れる。

 

「フゥ……オーケー、オーケー。よ〜くわかった」

 

「え…それってつまり……」

 

「あぁ。僕で良ければ是非手伝わせて貰うよ。ゴンの夢がちゃんと叶うようにさ」

 

そう言ってパチリとウィンクするヒソカ。

 

「あ……ありがとうヒソカ‼︎ 俺「師匠と呼びなさい」お、押忍ッ! ありがとうございます師匠‼︎ 俺、絶対に夢叶えます‼︎」

 

「ははは…あんまり気張り過ぎないようにね? ……ハァ」

 

ヒソカにとって新たな頭痛の種が生まれた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

「ホラホラ。止まるな〜? 当たれば致命傷だゾ〜」

 

逃げるゴンを追いかけながら次々とトランプを投擲するヒソカ。

 

「ハァハァ……押忍ッ!」

 

ゴンはそれをひたすら避け続けていた。

 

ゴンの弟子入り志願から早5日。最早、習慣となりつつあったヒソカとゴンの修行は現在、最初の山場を迎えようとしていた。

 

「ハァハァ……あっ‼︎」

 

あまりの疲労でフラつく足を木の根に引っ掛けて転んでしまうゴン。

 

「フム。丁度いいか……お〜い! ゴン。そろそろ休暇に「まだやれますッ‼︎」…ってオイオイ……どう考えても無理だろ。そんなボロボロの状態じゃ……」

 

「ぐっ…! くっ…くぅぅぅ……っ‼︎」

 

どうにか自力で立ち上がろうとするゴンだが正直、かなり厳しそうだ。

 

「ホレ。無理すんなって。今、手当てしてやるから「大丈夫だってッ‼︎」……ゴンお前、何をそんなに焦ってるんだ?」

 

「お、俺は……少しでも早く強くならなきゃいけないんだ…ッ!

 

じゃないと親父にも……何より師匠にも顔向けできないッ‼︎ だからーーー」

 

(このコは……まったく。呆れるくらいに『主人公』なんだな。ま、仕方ないか……)

 

「いいから今は言うことを聞いとけ。ホラ」

 

そう言ってヒソカが『デスサイズ』をゴンに当てると、あれほどあった傷がみるみるうちに癒されていった。

 

「うぅ……すいませんでした。俺、師匠に迷惑掛けちゃいましたよね…?」

 

項垂れつつも恐る恐る尋ねるゴン。

 

「そうだな。実際のところかなり迷惑だ」

 

「あ……うぅ…ッ!」

 

「お前に勝手に死なれると迷惑なんだよ」

 

「………え?」

 

「いいか? もしお前が死んじまったらお前の夢はいったい誰が叶えるんだ?

 

僕か? 僕の夢じゃないのに?」

 

それを聞いてハッと我に返るゴン。

 

「そんなの違うだろ! お前の夢はお前だけにしか叶えられないんだよ。

 

だから勝手に死に急いでんじゃねェ‼︎ わかったか⁉︎」

 

「押忍ッ‼︎ 俺、もう二度と間違えません‼︎」

 

その返事を聞いて安堵の溜息を吐くヒソカ。と、そこへゴンがモジモジしながら口を開く。

 

「あの……師匠?」

 

「ん? どうした?」

 

「俺のこと……キライになりましたか…?」

 

そう言うとゴンは潤んだ瞳でヒソカを見上げた。

 

「うっ…タンマ! タンマ! 誰もそんなこと言ってないだろ⁉︎ なんでそういう結論になるんだよ‼︎」

 

「じゃ、じゃあ! 僕のことスキなんですね⁉︎」

 

「え……まぁ、可愛い弟子だしなァ。てか当然だろ? なんで今更そんな分かりきったことを?」

 

ヒソカは不思議そうに首を傾げる。

 

それを受けてガックリと肩を落とすゴン。

 

「うぅ……そう言う意味じゃないのに……師匠のバカ………」

 

「何をさっきからブツブツと……どうした? 言いたいことがあるならもう少しハッキリ「何でもないですよ!」そ、そうか。ようわからんがすまん」

 

はてさて結局、今日も乗り越えることができなかった、この山場……果たして無事、登頂に成功する日がやって来るのだろうか?

 

「師匠! 俺、絶対に諦めませんから‼︎」

 

「アッハイ」

 

全てはゴン次第……か?




どうも。あずき@です。

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