青春100%   作:完結の陽炎

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第12話「真中淳平を調査してみよう」

 唯の手紙に一枚の写真が添付されていた。

 友達の北大路さつきとのツーショット。

 唯より背が高く引き締まった体つきでポニーテールの髪型をしている。

 そのさつきが泉坂高校を目指すらしい。

 映画作りの話を持ちだして、さつきも興味を持ったとの事。

 そのまま引き込んでいきそうな勢いである。

 

 別の日、正太郎は姉を通じてつかさの意思を探る。

 映画作りを手伝ってもいいとOKを出していた。

 そんな淳平の熱意は本物だが、学校の成績に問題がある。

 下から数えたほうがいいぐらいに低いことだ。

 

「それでねーちゃんがカントクに勉強を教えるのか?」

「うん。テストのサポートをしていくから、帰りとか遅くなるかも」

「ねーちゃんってさ、カントクのことが好きなの?」

「ち、違うよ!! そんなんじゃないから!!」

 

 ムキになって否定をするところが怪しかった。

 正太郎はあえて追求をしない。

 当人同士の問題に余計な口出しは無用である。

 真中淳平はどのような人物か?

 ここまで淳平に味方がつくとなれば、さすがに無関心でいられない。

 そうさせるだけの魅力が果たしてあるのか?

 外見だけでいえば冴えない普通の男子である。

 

 ――直接当たってみるか?

 

 上級生の教室へ直接乗り込んでみる。

 淳平と喋っているのは、トゲトゲの髪に頑丈な体格をした強面の男子。

 たらこ唇みたいな厚みも特徴的で一度見たら忘れそうにない。

 近くにヒロシがいて、正太郎に気付いてくれた。

 

「正太郎くんがこっちに来るなんて珍しいね。どうしたんだい?」

「カントクの調査ッス。なんかスゴイ人が友達にいるッスね?」

「彼は小宮山だよ。体も声も大きいけど、真中の映画作りにも協力してくれるってさ」

「カントクを手伝う人が増えてビックリ。これは興味が尽きないッスね」

「それは正太郎くんも考えているってことでいいのかい?」

「まだオレは1年だから即決は無理ッスよ。現時点でどれだけいるか確認してもいいッスか?」

「構わないよ。その代わり情報交換がしたいね。僕が知ってるのとキミが知ってるのでは違うかもしれないから」

「了解ッス」

 

 今の時点で分かっている協力メンバー。

 綾、つかさ、ヒロシ、小宮山、唯。

 唯と仲良しのさつきも可能性があることをヒロシへ伝える。

 

「むふふ、素晴らしい。カワイイ女の子撮り放題」

 

 前髪で目が隠れて怪しさを醸し出す。

 こういう時は放っておくに限る。

 ヒロシとの接し方にも段々と慣れてきた。

 休み時間が終わる前に立ち去ろうとしたが――。

 

「あっ!! 東城の弟の……えっと、名前なんだったかな?」

 

 淳平も気付いてくれたが、正太郎の名前を憶えていない。

 唯のことでを忘れていたのもそうだが、実に覚えの悪い人である。

 成績に難ありというのも頷けてしまう。

 

「正太郎ッスよカントク。覚えられないなら東城弟で構わないッス」

「いやいや、べつに覚えられない訳じゃないって!! ちょっとド忘れしたっていうか!!」

「気にしてないからいいッスよ。それより、そこの強そうな感じの友達を紹介してもらっていいッスか?」

「あ、うん。小宮山って言って中学からの友達なんだ。小宮山、こっちが東城の弟」

「よろしくッス。小宮山先輩とコミさん、どっちで呼ぶのがいいッスか?」

「うおー、そんなあだ名初めて聞いたぜ!! おもしれぇからコミさんでいいぜ東城弟!!」

 

 小宮山のテンションが異様に高い。

 正太郎の背中をバンバンと強く叩いた。

 軽くむせてしまうも我慢をして耐える。

 

「おい小宮山、お前の力ってゴリラみたいにヤバいから少しは加減しろって」

「誰がゴリラだ!! 大体、真中ばっかりモテるなんて納得できねえ!!」

「だからそうじゃなくて!! オレは映画の夢を果たすために――」

「そんなこと言って絶対にいやらしいことするつもりだろ!! このスケベが!!」

「スケベなのはお前だろ!! いつも西野の話ばかりしやがって!!」 

「うるせえ!! 好きなんだからしょーがねえだろうが!!」

 

 淳平と小宮山の言い争いに蚊帳の外となる正太郎。

 今の内に教室を出て行く。

 チャイムが鳴ってしまって急いで戻ることにした。

 

 昼休みにはいつも通りの踊り場で弁当を囲む一同。

 正太郎は淳平の調査をしたことを伝える。

 ちなみが面白くなさそうに頬を膨ませた。

 

「しょーくんズルい!! そんな楽しそうな事を一人でするなんて!!」

「おいおい、上級生の教室へ突撃することが楽しそうに見えるのか?」

「なんでわたしに声を掛けてくれなかったの!?」

「休み時間短いからちなみを呼ぶ時間がないし、カントクの友達にどんなヤツがいるか分からなかったからだ」

「むむむ」

「まぁまぁ落ち着きや端本。そんで東城、収穫はあったんか?」

 

 内場のフォローに助けられる。

 話を進めたい正太郎は乗るしかない。

 

「協力メンバーの把握と、カントクとヒロシ兄さんの友達でコミさんを紹介してもらった」

「しょーくん、その人って男?」

「ああ。トゲトゲ頭のたらこ唇で体格がゴツい感じの男子だ。一度見たら絶対忘れないぞ」

「なによ、その漫画に出てきそうなふざけた特徴は」

 

 美鈴の突っ込みに正太郎も頷いてしまう。

 他の生徒と比べても明らかに異質な存在に見えた。

 せめてトゲトゲの髪型はやめたほうがいい。

 大人の教師に目を付けられてしまうから。

 

「内場の漫画に出るなら、ギャグ路線で活躍しそうなキャラだぜ」

「いやいや僕は描かんで」

「それで、協力メンバーがねーちゃん、つーさん、唯、ヒロシ兄さん、コミさん。あと唯の友達も候補になるかもしれない」

 

 それを聞いて美鈴は思案顔になる。

 そこまでするほど淳平に何かがあるのだろうか?

 その疑問があるので正太郎も調べている。

 

「アンタから見てどうなのよ?」

「カントクのことか?」

「ええ。率直な意見を聞いてみたいわね」

 

 正太郎なら信用ができると思ってか。

 ストレートに探りを入れに来た。

 それに応えようと事実を口にする。

 

「見た目は年上に見えない平凡な男子。オレの名前を忘れていた。友達のコミさんとスケベな話題の擦り付け合いで滅茶苦茶うるさかった」

「名前を覚えられとらんのは悲しいな東城」

「別にいいさ、オレら学年違いであんま接点ないし。カントクが映画を作る夢を追いかける熱意は本物なんだろう。他は正直わからん。ねーちゃんたちが協力するほどの魅力があるのかは謎だぜ」

「美鈴、東城と同じような感想持っとるんちゃう?」

「そうね。で、アンタは調査を続けるつもりなの?」

「次は協力メンバーの取材をするぜ。なんで手伝おうと思ったのかの動機を知りたい」

「ねえしょーくん、どうしてわたしを置き去りにして話を進めちゃうのかな? かな?」

 

 ちなみの口調と目付きが怪しくなっている。

 今にも闇落ちをしそうな気配だ。

 瞬時に美鈴と内場が反応する。

 

「ちょ、ちょっとアンタ!! ちなみを怒らせないでよ冗談じゃ済まなくなるから!!」

「東城はよ謝っとき!! 僕、ブチギレる端本は見とうないんや!!」

 

 対する正太郎にひるむ様子はない。

 おもむろな動きをしつつ、ちなみの両肩に手を乗せて言った。

 しかも真顔で。

 

「オレはコミさん、ヒロシ兄さん、唯の動機を調べる。ちなみはねーちゃんとつーさんを調べてくれ。頼めるか?」

「……」

「無理ならオレが全部やるぜ。オレたちの進路に関わってきそうな予感がするんだ」

「……ごほうび」

「褒美?」

「頼まれ事やり終えたら、しょーくんからのご褒美が欲しい」

「オレができる範囲という条件なら応じるぜ。こずかいは少なめだからそのつもりでいろよ」

「うん大丈夫。その条件でお願い」

「了解した。頼みを引き受けてくれてサンキューちなみ」

「うん……えへへ」

「なんだよ?」

「真剣な顔でわたしを頼ってくれるしょーくんが素敵だなって」

「頼れるのは事実だしな。認める所はちゃんと認めるぞオレは」

「知ってる。そんな所も大好きだよしょーくん」

 

 ちなみが機嫌を良くする。

 美鈴と内場みたいにビビることがないのは何故か?

 シンプルに約束を守っているから。

 付き合う時に本気で相手をすると正太郎は宣言をしている。

 どんなちなみが相手であろうとも正々堂々と向き合う。

 どっしりと構える大将のごとき姿が垣間見えていた。

 

「で、さっき二人は何を騒いでいたんだ? ちなみが怒るとかどうとか言ってたが?」

「何でもないわよ。ねえ貴方」

「せやせや。僕らの勘違いやから聞き流してくれてええで」

 

 二人は骨の髄まで身に染みた。

 ちなみと本気で付き合える相手は正太郎しかいない。

 断言をしてもいい。

 そんな彼だからこそ、ちなみは傍で寄り添いたいのだと。

 

「あ、そういえば勉強の復習もしないとヤバいか。くそぉー、中学の勉強なんて嫌いだ。かなりの時間が奪われるし」

「しょーくんって、国語はスゴイのに他の科目がダメダメだね」

「体育は平均レベルだぞ。という訳で、助けてちなえもん」

「わたしはちなみだよ!! ふざけてると勉強教えてあげないんだから!!」

 

 さきほどのやり取りが台無しである。

 お調子者の正太郎もある意味で彼らしい。

 美鈴と内場は二人で笑いあった。

 

 ………………。

 …………。

 ……。

 

 後日の昼休み。

 いつもの踊り場で正太郎は調査結果を告げる。

 小宮山はつかさが手伝うから。

 ヒロシは可愛い女の子を撮影したいから。

 唯は淳平にとって忘れられない女になりたいから。

 

「残念ながら、まともな動機を持ったヤツがいないぜ」

「いやいや、唯ちゃんはまだええやん。健気に頑張っとるで」

「カントクのどこがいいんだろう? そんな突っ込みは野暮になるのか?」

「あたしもそれ思うわ。あんな男のどこがいいのよ?」

 

 それを知りたくて調べているが不明である。

 あとは頼りの綱ちなみの調査結果を待つ。

 

「まずつかさ先輩、他のスケベな男子と違うからと言ってたよ」

「カントクは夢追いだから確かに違うぜ。他には?」

「映画を情熱的に語る所に興味が出たんだって。そういうの初めてだからって」

「カントクは話し上手ってことかな? なんか違う気もするが」

「わたしの調べた感じ、つかさ先輩は好奇心で引き受けたっぽい。楽しそうというノリで乗った感じ」

「なるほどな。つーさんについてはもういいや。ねーちゃんはどうよ?」

「うーんとね、ちょっと抽象的な答えだったんだけど、世界を共有できる人だからって言ってた」

「世界を共有……多分それは創作の空想世界だろうな。それを共有できる人が想像力豊かなカントクで間違いないと」

 

 小説の創作は孤独な世界である。

 一人で書いて一人で直しての繰り返し。

 挫折をする人が多いのは、その苦しみに耐え切れなくなるから。

 

「なるほど。オレはねーちゃんを超える敵の立場だからな。カントクのようにはいかないって訳だ」

 

 たまたま淳平がノートを拾って、その世界を共有し、語りかけて綾を救った。 

 偶然に起きた運命的なイベントだったのだろう。

 中学生にしては出来過ぎな話かもしれない。

 

「これってさ、ちなみなら分かるんじゃね? ねーちゃんがカントクを選んで応援する気持ち」

「どうしてそう思うのしょーくん?」

「ちなみがオレを選んだのって、性格スイッチの呼び分けがあったじゃん。あれって言い換えれば、ねーちゃんの創作した世界をカントクが見て共有したのを原理が似てる気がするんだよ」

 

 共通点は孤独の救済である。

 自分だけしかいない世界に来てくれたイメージ。

 純粋に楽しみ喜んでくれたことで自己肯定が高まった。

 

「ちなみがお姉様って呼ぶのは、そういう似てる所を感じてのことじゃないか?」

「……ホントしょーくんってスゴイね。でもそれだけでお姉様って呼んでる訳じゃないよ」

「マジで? 他の理由って何だよ?」

「秘密」

「ケチだな」

「その時が来るまでのお楽しみ」

 

 仮に綾が淳平に気が合ったとしても周りに理解はされないだろう。

 あんな男のどこがいいのかと疑われるのがオチだ。

 好きな人を悪く言われるのは悲しいこと。

 まさに孤独の世界といえる。

 

「オレやちなみが理解者であれば、少しはねーちゃんも救われるかな」

「温かく見守ろうよしょーくん。きっとお姉様なら大丈夫。信じるのも大事」

「そうだな……美鈴、ちょっといい?」

「なによ?」

「美鈴は高校に進学したら、映画を作りたいと思っているか?」

「そうね。実力のある部活で作れるなら作りたいわね」

 

 泉坂高校がそれに該当するのかは分からない。

 そもそも映画の部活があるのかも調べられていない。

 なければ同好会として立ち上げる選択肢はある。

 

「ねーちゃんが書く脚本に興味ある?」

「あるけど、どういうつもり?」

「ねーちゃんがカントクのために脚本を作る。それを美鈴の観点でどう感じるのかにオレは興味があるんだよ」

「あたしの反応を見て楽しもうっての? ずいぶんと悪趣味じゃない」

 

 そう言いながらも美鈴が興味津々に目を輝かせる。

 読ませてほしいという願望が隠しきれていない。

 

「オレと内場は分かっているつもりだぜ。美鈴は瞬時に問題点を見抜いて注意をしてくれる。それが作り手にとってどれだけありがたいことか」

「せやせや。漫画で悪い所を直すのに、どこが悪いのかを言ってくれるのはホンマ貴重やで」

「もっとも、美鈴の言い方がキツイから、耳が痛くて受け入れられないヤツがほとんどだけどな」

「うっさいわね。知った風な口を叩いて……」

 

 美鈴も自覚はあるのだろう。

 本気になるからこそ、どうしても発言が厳しくなる。

 それは期待への裏返しだ。

 正太郎の言う通り、受け止めてくれる人はほとんどいない。

 改善能力のある正太郎や心の広い内場が変わり者である。

 

「アンタは脚本書いてないの?」

「ねーちゃんが脚本を書いたら、それを二次創作風にしてオレも脚本でやり返そうと思っている。小説と勝手が違うだろうから苦労しそうだけどな」

「だったらアンタの脚本でいいわ。その時に見せなさいよ」

「何故ねーちゃんじゃなくオレなんだ?」

「今まで二次創作をしたアンタの作品は、どれもリスペクトを欠かしてなかったからね。お姉さんのほうでもちゃんとやるつもりでしょ?」

「原作に感謝と敬意を払うのは当たり前だ。それなくして書けないからな」

「それにしてもアンタって、お姉さんを超えるためなら何でもやりそうね」

「オレの野望を甘くみるなよ。とにかく、その時が来たら原作のねーちゃんに許可をもらって、美鈴に読んでもらえるようにするぜ」

 

 筋を通すために事情を伝えて姉に許可を求める。

 美鈴が手伝うか否かの判断材料ということで上手く交渉をした。

 

「習作でいいなら見せられるけど?」

「よく書く時間が取れたな。カントクの勉強を教えて、そんな時間なんてないかと思ったのに」

 

 淳平のために尽くす姉の本気が伺える。

 練習用とはいえ、脚本の形を存分に見せてもらった。

 しばらく借りて脚本の二次創作に取り組む。

 色々と四苦八苦をしながらも何とか時間をかけて仕上げた。

 後日になって美鈴に読んでもらう。

 

「これで習作……アンタのお姉さん、本当に才能が凄まじいのね。あたしの想像を遥かに超えてるじゃない」

「オレは書き手として悔しいけどな。レベルの違いを見せつけられるから」

「原作がいいからこそ、アンタの二次創作クオリティも上がるのね」

「言ってみれば、オレは原作の引き立て役だ。原作の良さをさらに引き出したくなる」

 

 美鈴は脚本を見つめて微動だにしない。

 正太郎を通じて綾の溢れる才能を大いに感じ入った。

 もはや感服の一言。

 頭の上がらない神のレベルである。

 

「こういう脚本で映画を作ってみたいのよね」

「ねーちゃんに協力して映画作りをするなら、美鈴はカントクの補佐役になるだろうよ」

「しょーくん、それって助監督じゃない?」

「それだ。美鈴が助監督になってカントクを……なんかメッチャ怒ってる姿しか想像できないな」

「待ちなさい。なんであたしがあんなヤツの所でやらないといけないのよ」

「でも脚本は気に入ったんだろ? だったら美鈴は助監督の立場でないと、ねーちゃんの脚本で映画作りができないぞ」

 

 美鈴としては悩ましい問題である。

 綾の脚本で映画を作りたい。

 そのためには淳平の補佐につかないといけない。

 非常に受け入れにくい暗黙の条件が突きつけられた。

 

「美鈴、まだ先の話やから今悩んでもしゃーないで」

「……そうね」

「ねえしょーくん、まだ他にも調査するの?」

「そうだな。カントクのスキルを探ってみようかと思う。もしかしたら、協力するメンバーがそこに魅力を感じているのかもしれないからな」

「やけに熱心ねアンタ」

「ねーちゃんを味方をつけるぐらいだからな。それにオレとちなみを勧誘してきた訳だし。スキルが無理なら、せめてカントクの個性ぐらいは知っておきたい」

「しょーくん、どうやって真中さんのことを探るの?」

「いくつか方法は思いつくぜ」

 

 一つ目、美鈴と対面をさせて映画の討論。

 映画への情熱や方向性および理念などを探る。

 美鈴を受け止められるか否かの度量も分かる。

 

 二つ目、綾と一緒に映画に関する会話。

 共有された世界観への探りで、綾が協力する理由を明確化させる。

 同時に淳平の想像力あるいは妄想力がどれだけあるのかを見る。

 

 三つ目、淳平の家へ遊びに行く。

 プライベートな淳平がどんな人間性をしているのかを知る。

 学校という一部だけでは淳平の全体像は掴めないからだ。

 その人となりを見るためにも必要なことである。

 

「東城、一つ目の方法は絶対に美鈴が嫌がるやろ?」

「それはオレも思うから無理強いするつもりはないぜ」

「しょーくん、美鈴と真中さんを討論させてケンカになったらどうするの?」

「その時は仲裁する。オレ、内場、ヒロシ兄さんあたりで」

「……討論が有効な手段であることは理解できるわよ」

「無理すんなよ美鈴。感情が許さないって顔に書いてあるぜ」

「うるさい。大体、その男は討論できるほど頭いいの?」

「ねーちゃんがサポートしないとダメなぐらい頭は悪いぜ」

「話にならないわね」

「勉強の成績と映画は別という可能性はあるぜ。確率は低いけど」

 

 美鈴としては関わりたくないのだろう。

 しかし綾が淳平の味方になっている以上はそうもいかない。

 不本意ながらも一度だけなら討論してもいいと答えてくれた。

 

「個人感情抜きで呑み込む美鈴は正直にスゴイと思うぜ」

「自分のためにやるだけよ。アンタのためじゃないから」

「しょーくん、二つ目の方法ってわたしも一緒にいたらダメ?」

「ねーちゃんが反対しないなら別にいいと思うぜ」

「三つ目はどないするんや? 東城一人で行くんか?」

「内場はカントクと接点ないしな。女慣れしてない感じだからオレ一人で行くわ」

 

 一つ目の討論案はもう少し煮詰めておく必要がある。

 いつどこでやるのか?

 討論するための映画も決めたほうがいいだろう。

 

「討論の話はオレからカントクへ言ってみるから、美鈴はヒロシ兄さんに話をつけておいてくれ」

「しょーくん、わたしは何をしたらいい?」

「二つ目の世界観探りをねーちゃんに言ってみてくれ。断られないとは思うぜ」

「わかった。お話できるようにしてみるね」

「内場は一つ目の仲裁役に参加な。美鈴を止める時に必要だから」

「まあええけど、真中先輩が再起不能になったらどないするんや?」

「それでダメになるぐらいなら夢は諦めろってことだ」

 

 こうして真中淳平の調査活動を開始する。

 淳平の部屋へ遊びに行く約束を交わすのはそれほど難しくなかった。

 唯の昔話や映画が見たいという理由付けでOKをもらえたから。

 夜中に正太郎の部屋へ来る姉。

 ちなみから話を聞かされたようだ。

 夢の語り合いに何も不都合はないはずである。

 

「心配すんなよねーちゃん。言っただろ、カントクの夢はオレも応援してるって。それとも、二人だけの秘密みたいにしたかったのか?」

「秘密って……」

「カントクはオレやちなみを誘ってきたんだぜ。だったらカントクがどんな人間かを知る権利ぐらいあっていいと思わないか? それを引き受けるか否かの判断材料にするのは悪いことか?」

「ううん、悪くない。正太郎やちなみちゃんが、真中くんを真剣に知ろうとしてくれているのはむしろ嬉しい」

「ねーちゃんとカントクの間を邪魔する気はないよ。ねーちゃんにとってのカントクは、夢を語り合えるいい男なんだろうさ」

 

 見透かしたような正太郎の言動。

 本気で口喧嘩をしたら弟が勝つかもしれない。

 しばらく見ない内に男の子は勝手に成長するものである。

 

「正太郎、ちょっと背が伸びた?」

「おう、よくわかったな」

「うん、まだまだ大きくなりそうだね」

「ねーちゃんこそ、胸が大きくなってるだろ。服のサイズきつくなったってボヤいていたのを偶然に聞いたぞ」

「っ!! な、なに聞いてるの!!」

「観察ってのは目だけじゃねえ。耳も大事だぜ。小説スキルの基本な」

「なんでもそれでごまかそうをしないで!!」

 

 怒られてしまったが適当にあしらう。

 ふとちなみのことが頭に浮かび上がる。

 無性に声が聞きたくなってきた。

 

「どうしたの正太郎?」

「恋愛のちょっとした発作みたいなものだ。まだ解明はできていない」

「ちなみちゃんに会いたくなった?」

「声だけでいい。欲張るとキリがなくなるから」

 

 純情な弟が微笑ましくもあり羨ましくもある。

 彼女を大切にしていることが伝わってきた。

 正太郎は軽く深呼吸をして気持ちを切り替える。

 

「夢の語り合いは屋上でしているのか?」

「……誰にも言わない?」

「疑うならカントクの調査を許可するための条件として出せばいい。オレは約束を破らないぜ」

 

 綾の答えはイエスで時間は放課後だ。

 図書室で勉強を見ることもあるので毎日という訳ではない。

 

「カントクにはねーちゃんから言ってくれる? オレら1年だから移動するだけでも遠くて面倒なんだよ」

「またそうやって横着して」

「いいじゃん別に。カントクに話しかける口実になるんだから、逆に感謝してくれ」

「しないから。それよりちなみちゃんに電話したらどうなの?」

「無理。親が出たら敬語できないオレだと印象悪くするぜ」

「小説ではちゃんと敬語が書けてるじゃない」

「現実と空想は別だっての。ああいう堅苦しい言い方って自分を偽るみたいで鳥肌が立つんだよ」

 

 中学生らしい反抗かもしれない。

 飾ったような喋り方が苦手だ。

 そんな弟を心配する姉が目の前にいる。

 

「少しずつ慣れていかないと。大人になった時に苦労しちゃうよ」

「素の自分を出すのはそんなに悪いことか?」

「相手にもよるの。先生や親にタメ口で喋ったらダメって事ぐらいは分かってるでしょ?」

「相手によって態度をコロコロ変えるってのは、どうもオレに性分に合わない。そういうのはちなみの演技を楽しむぐらいで充分だぜ」

「正太郎は極端に考えすぎなの。私と接する時とちなみちゃんと接する時の違いみたいに、もう少し楽に考えないと辛くなっちゃうよ」

「どっちも素で相手してると思うけどな。違いなんてあるか?」

「恋人にしかしない事で違いが出てくるじゃない」

「あ、うん……そっちの違いだったら当たってる」

 

 初心な反応をしてしまう。

 無意識に頭をかいての照れ隠し。

 そのまま姉を部屋から追い出した。

 

 ――ちなみとキスしたくなってきた。

 

 ベッドで悶々としてしまってあまり眠れなかった。

 登校でちなみと一緒している時にあくびが出る。

 隠し事をしようとしてもバレてしまう。

 正太郎は嘘をつくのが下手だから素直に話すしかない。

 我慢をしないように注意もされているから。

 

「隠そうとしたのは悪かったよ。登校中だからキスしたいなんて言えなかった」

「そういう時の言葉なんていらない。しょーくんがしたい時にしてくれれば」

「だったらちなみもキスしたい時にしないとな。オレだけなんて不公平だぜ」

「……いいの?」

「人目がなければオレは嫌がったりしないよ」

 

 正太郎から言質を取ったちなみに遠慮はない。

 手を繋いで人のいない小さな公園まで引っ張り込んだ。

 背伸びで数秒の口付けを交わして離れる。

 誰かに見られるかもしれないスリル感。

 いけないことをしているような背徳感も混ざった。

 

「お、お手本どうも……」

 

 顔を真っ赤にして照れが露わになる正太郎。

 目が泳いでしまってちなみの顔がまともに見れない。

 鼓動がドキドキと脈を打って落ち着かなかった。

 このままでは済ませられない。

 周りに人がいないことを確認してから仕返しのキスをする。

 ちなみの手本に習って数秒ほど唇を当ててから離れた。

 うっとりしたようにボーとするちなみ。

 余韻に浸りたいかもしれないが今は登校時間。

 このままでは遅刻をしてしまう。

 正太郎が手を繋いだまま学校まで連れて行った。

 

 ………………。

 …………。

 ……。

 

 放課後の屋上。

 淳平と綾、正太郎とちなみが集まっている。

 最初に切り出したのが正太郎からだ。

 

「カントク、ねーちゃんの小説に感動したと言ったッスね?」

「あ、うん」

「具体的にどのように感動したのか色々聞かせてほしいッス」

 

 よほど聞いてほしかったのか。

 熱烈に語ってくれた。

 早口で空想癖が激しく世界観が具体的で生々しい。

 正太郎は相槌を打ちながらもネタ帳のメモで走り書き。

 その様子をハラハラした様子で見ているのが綾。

 なにか失礼なことをしないかで心配をしているのだろう。

 ちなみは全面的に信じているようで余裕の笑顔だ。

 

「主人公の恋の行方も気になるんだよな。主人公は同じ目的をもつ機織娘と美しいお姫様とどっちを選ぶんだろうかって」

「カントクが主人公だったらどっち選ぶッスか?」

「えぇー、でもオレってそんな主人公みたいにカッコよくねえし」

「身近な人間で例えたら分かりやすくなるッスよ。オレが二次小説書く時、そういう置き換えをよく使うんで」

「身近と言われてもな……うーん、パッと思いつかない」

「機織娘がねーちゃん、お姫様がつーさん」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!! オレが東城に恋ってそんな――」

「実際にどうこうじゃなくて、あくまで想像の話ッスよ。カントクは映画監督を、ねーちゃんは脚本を、同じ映画という目的を持つと考えれば分かりやすくなるッス。お姫様は学校のアイドルで例えたらいいッスよ」

 

 淳平を困らせたくない綾が動こうした。

 それを先読みをしたちなみが大丈夫のアピールをして制止。

 空気を読んでもう少し見守ってほしいから。

 

「もしかしてカントク、恋をしたことがないから分からないッスか?」

「ま、まあそうかも。主人公みたいな恋はしたことがないって思う。参考まで訊きたいんだけど、えっと……」

「正太郎ッス。もう東城弟でいいッスよ」

 

 正太郎はまたかよと言わんばかりに呆れてしまう。

 だが今回は忘れたのではなく別の理由であった。

 

「わ、悪い。下の名前で呼ぶの慣れてなくてちょっと抵抗が」

「そういえばコミさんを苗字、ヒロシ兄さんも苗字で呼んでたッスね。だったら本当に東城弟でいいッスよ。無理させたくないんで」

「あ、ありがとう。それで、気を取り直して訊くけど、東城弟は付き合ってる彼女がいるから恋をしたって事だろ。そういうのって、どんな感じか知りたいんだ」

「あー、そうッスね。カントクだったら、唯を妹みたいに感じてるのなら分かってくれるかもしれないッス」

「えっ!? そこで唯が出てくるのか!?」

「親子感情と兄妹感情の違いはあるけど、そこは家族の感情ということで考えてほしいッス」

 

 経験談を語ることになった正太郎。

 親子感情だったのに恋愛感情に変えさせた。

 恋人にしかしないスキンシップも経験済みだ。

 

「えっ!? 東城弟はエッチな経験したのか!?」

「キスはしたっッス。でもエッチは知識として全く知らないッスよ。ねーちゃんは知ってる?」

「そ、そんなの言える訳ないでしょ!!」

「うーん、ねーちゃんが書いた小説でエッチなんてなかったし。そもそもエッチってなんだよ。辞書で調べないと具体的にわからんぞ」

「真中さん、あまりスケベなことをしょーくんに吹き込むのはやめて下さい。まだそういうの早すぎますから」

「ご、ごめん!! でもキスはあるんだ……いいな」

「一気にガラッと感情が変わったから戸惑う所が多かったッス。でも本気で相手にすると約束したんで」

 

 ここで正太郎は物語へ話を戻す。

 あくまで自分はこう思うという前置きをした上で伝える。

 

「物語の世界でキャラは生きてるッス。機織娘は主人公に何をしてくれるのか? 美しいお姫様は主人公に何を与えられるのか?」

 

 同じ目的を果たすということは、傍でサポートをすることが不可欠。

 そのため物理的に距離が近いのは間違いなく機織娘だ。

 一方、お姫様は権力者だ。物理的な距離は遠いものの地位や名誉を持っている。国を動かす力もあるだろう。

 

「逆に主人公は機織娘に何をしてあげられるか? お姫様へ何を捧げることができるのか?」

「どっちも愛じゃないか?」

「間違ってはいないけど、それが全てになると結末が見えなくなるッス」

「どうして?」

「この人だからいいみたいな決め手がないからッス。それだと選べなくなるッスよ。両方なんて選ぼうものならバットエンドッス。高校選ぶときに色々比較するでしょ。あれと原理は同じッス」

「うーん、でも主人公が機織娘とお姫様を比べ合うって何か違和感が……」

「そりゃあ露骨にそんな描写なんてないッスよ。下手すれば読者の反感を買うし。でも選ぶ以上はどうしても比較してしまうッスよ」

「もし東城弟が主人公だったらどっちを選ぶんだ?」

「機織娘」

 

 正太郎は迷いもなく即答。

 淳平からすれば何故と訊きたくなる。

 それに対する正太郎の回答は……。

 

「未来でも生き残れる可能性が高いのは機織娘だからッス。お姫様の場合、主人公が王様となり、その内政が上手くいかなかったらクーデターでバットエンドという可能性があるッス」

「た、たしかに一つの解釈としてあるかもしれないけど」

「主人公がお姫様を愛するのなら、その民も愛さなければ国が成り立たない。オレには無理ッスよ。民全員を愛して守るなんて英雄がすることッス」

「でも、その主人公が英雄かもしれないだろ?」

「だから、あくまでオレが主人公だったらの話ッスよ。物語の主人公に英雄願望があるかどうかは別の話ッス」

「あ、そうだったね……未来も生きるためか」

「恋愛にゴールはない。むしろスタートッス。今のオレとちなみがそんな感じッスよ」

 

 正太郎の持論にちなみは嬉しそうに頷く。

 綾も共感する所があったようだ。

 姉の小説を二次創作してきたキャリアは伊達ではない。

 

「東城弟も小説を書いてたっけ?」

「ウィッス。ほぼ二次創作だけど書いてるッス」

「見てみたいな。東城の書いた小説との違いに興味が出てきた」

「それならねーちゃんに渡してるんで、ねーちゃんに言ってほしいッス」

「東城、今度でいいから見せてくれないか?」

「う、うん。でも正太郎の小説は癖が強いから。読みにくい所があるかも」

「いいよ。オレは気にしないから」

「ねーちゃん、カントクがこう言ってるんだから見せてやれよ。眩暈起こしてウワーになっても自己責任だぜ」

「こういう時にふざけないの。ごめんね真中くん」

「そ、そんなにスゴイのか?」

「内場やちなみがあーちゃんだった頃は拒否反応がすごかったッスよ。活字アレルギーみたいな症状だと思えばいいッス」

 

 もっと読みやすくすればいいのだが、それをすると執筆により時間が掛かってしまう。

 姉を超えるために全力で書くことを優先した結果だ。

 美鈴のような例外でもない限り、普通に読める人は少ない。

 

 後日、正太郎が淳平の部屋に遊びに行った。

 その際、姉から二次創作を受け取っており淳平に渡す。 

 早速、淳平は作品のノートを開いたが――。

 

「うわー!!」

 

 ダメだった。

 正太郎の言った通り、眩暈が起きて苦悶の声を上げる。

 もはや呪いの創作物であり、封印するべきかもしれない。

 

「やっぱ今の時点で、オレの過去作品が読めるのは、ねーちゃん・美鈴・ちなみの三人ッスね」

「さ、三人はコレ読めるんだ」

「ねーちゃんは原作者でもあるから余計に分かりやすいんだと思うッス。美鈴はヒロシ兄さんの妹で並外れた頭脳があるし、ちなみは色々レベルアップしちゃって読めるようになったッスね」

 

 ちなみが読めるようになったのは正太郎も驚いた。

 美鈴が内場漫画の二次創作集ノートを託しただけのことはある。

 ちなみで言わせてもらうのなら愛の力だろう。

 

「な、なんかごめん。せっかく持って来てくれたのに」

「いいッスよ。読めないだろうと予想はしてたッス」

「お詫びになるかわからないけど、おすすめの映画を見せるから」

「よろしくッス」

 

 プライベートな淳平は学校とあまり変わらない。

 どっちも素の性格で演技をしている様子がない。

 ある意味、美鈴と似ているのかもしれない。

 

 ――美鈴に言ったらマジ切れしそうだ。

 

 正太郎個人は淳平を特に嫌ってはいない。

 姉のことで多少思う所はあるが気にしない。

 調べる限り、悪い人ではないし優しくもあるとは思う。

 

 ――なんか頼りない兄ちゃんって感じだ。

 

 唯がお節介を焼きたくなるのが何となくわかった。

 美鈴に見せてもらった恋愛小説で私がいないとダメな人というのがある。

 カントクに味方がつく理由はこの辺りかもしれない。

 

「カントク、映画を作るなら周りが認めてくれる何かしらの賞を取るために頑張るッスか? それとも趣味で満足するから別にそういうのはいらないッスか?」

「もちろん賞を取るさ。そして監督としての夢を目指していくんだ」

 

 淳平の意思は分かった。

 それならばと正太郎は話を続ける。

 どうしても必要なことだから言わないといけない。

 

「だったら美鈴がいないとヤバいッスよ。美鈴が助監督にいないと結果を残すのは厳しいッス」

「えっと、外村の妹だっけ?」

「ウィッス。美鈴もカントクと同じで映画作りに興味があるッス。なので美鈴の実力に興味があるなら、討論会を一度やって確かめてもらっていいッスよ」

「あ、それ外村から聞いたよ。でもオレ、すっごく嫌われてるみたいでさ」

「一度だけなら討論OKが出てるッス。ヒロシ兄さんから聞いてると思うけど、美鈴が本気で討論させたら、カントクの精神ボコボコになるかもしれないッス」

 

 正直やめたほうがいいかもしれない。

 でも淳平が本気で監督を目指すつもりなら覚悟はしてほしい。

 美鈴を使いこなせないようでは夢のまた夢だろう。

 

「ち、ちょっと怖いけど一度だけなら」

「さすがに手は出ないからそこは安心してほしいッス。あまりにヤバそうならオレ・内場・ヒロシ兄さんが仲裁に入るッス」

「わかった。その外村妹と話してみるよ」

「細かい打ち合わせは後日改めてやるッス。お互いの都合もあるし」

「あ、ありがとう気を遣ってくれて」

「いいッスよ。これもカントクの夢を応援していることへの証明ッス」

 

 淳平は決して悪人ではない。

 それは結構だが熱意だけで夢を実現できるほど甘くもないだろう。

 やる気が空回りしていきそうな嫌な予感がする、

 だからこそ美鈴のような存在は必要だが……。

 

 ――美鈴がカントクを気に入る要素が一つもないのが心配だな。

 

 もはや淳平の度量に賭けるしかない。

 耳が痛くなる美鈴の忠言をちゃんと聞けるかどうか。

 監督としての器の大きさが問われるところである。

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