究極のK/女優護衛
翔太郎「はぁ」
この日、翔太郎はため息を吐いていた。そうやってため息を吐いていると、亜樹子がしっかりするように言った。
亜樹子「翔太郎君!溜め息なんてついてないで、ちゃんと『護衛』しなさいよ!」
翔太郎「あのなぁ、俺が溜め息を吐いてんのは、お前がついてきてるからだっつーの」
亜樹子「だって!ついて行かないわけには行かないでしょ!なんたって今回の護衛対象は…」
亜樹子はそう言うと、視線を翔太郎から変える。
そこでは、ドラマの撮影が行われており、亜樹子はその中の中心人物を指差しながら興奮気味に叫ぶ。
その中心人物は、『紫がかった黒髪のロングヘアーと両目に入った星状のハイライトが特徴的な美少女』だった。
亜樹子「あの超人気女優!『アイ』何だからぁ!!」
ことの発端は数日前、鳴海探偵事務所に2人の依頼人が現れたのだ。
1人は、金髪で黒いサングラスをかけた男で、もう1人は帽子を深々と被っていた為、見た目は分からなかった。
亜樹子「ようこそ、鳴海探偵事務所へ。依頼内容をお聞かせください」
亜樹子がそう言うと、男が口を開く。
男「実は……彼女の護衛を頼みたい」
その依頼内容に、翔太郎と亜樹子は頭に?を浮かべた。
すると、帽子を深々と被っていた人物が喋り出す。
???「あはは、やっぱり帽子深々と被ってたら分かんないよね」
声からしてどうやら女性のようだ。すると、その女性は被っていた帽子を外す。
すると、帽子の中にしまってあったであろう髪が露わになる。その髪は、紫がかった黒髪のロングヘアーだった。
そして、帽子で隠れていた顔も見え、その顔を見た亜樹子が叫んだ。
亜樹子「えーーー!?その紫かかった髪!そして星の模様が入った独特な瞳!まさか……アイーーーー!!!」
これには翔太郎も驚きからか声が出なかった。
何故なら目の前にいるのは、テレビのCMやドラマ、映画にも引っ張り凧な、元超人気アイドルにして、現在では超人気女優の『アイ』だったのだから。
それから暫くして、何とか落ち着きを取り戻した翔太郎と亜樹子は、アイが所属している芸能事務所『苺プロダクション』の社長、『斉藤壱護』が依頼の内容を詳しく話す。
斎藤「実は、最近こんなものがうちの事務所に届きまして…」
斎藤社長がそう言って翔太郎と亜樹子に見せたのは一通の手紙で、手紙の内容はこうだ。
『お前は嘘つきだ。お前みたいな嘘つきは僕が成敗してやる。Mr.K』
斎藤「勿論、最初は嘘だと思って無視していたんですが、最近アイが付き纏われているようで…それで、知人に、この風都で最も信頼できる探偵のことを聞いて…」
翔太郎「成程…でも、護衛なら別に俺たちじゃなくても雇うことはできるんじゃないですか?」
翔太郎がそう言うと、斎藤社長は訝しげに言う。
斎藤「勿論、アイがアイドルを引退した後、女優としてデビューしたての頃は何人か雇ってたんですけどね。護衛の1人がアイのことを襲おうとして…それ以来、アイの護衛は私が信頼できる唯一の男性以外はつけないようにしてるんです」
何とも酷な話である。しかし、翔太郎はふと思った。
翔太郎「因みに、その護衛の方は今どこに?」
斎藤「…実は、少し前に怪我をしてしまいまして…今は自宅で療養中なんです」
翔太郎「成程…分かりました。その依頼、引き受けます」
こうして、翔太郎はアイの護衛を引き受けるのだった。
一番書きたかった章がようやく書けます。
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