side 縁壱
昨日通りすがりに助けた女性。名前は星野アイと言うらしい。彼女が私に笑顔を浮かべながら感謝を伝えてくれた。しかし彼女が笑った瞬間、脳裏に前世の記憶が流れてくる。
『ありがとう、縁壱!』
私の生涯でただ1人愛した最愛の人、うた
何故か目の前にいる彼女からうたの面影を見たのだ。顔の形も瞳の色も全く違うはずなのに。その笑顔が、うたと重なるのだ
「・・・・・・・うた・・」
「うた?私の名前はアイだよ?」
「あっ。すまない、私としたことが」
そうだ、うたは死んだのだ。生きている筈がない。しかし、やはりこの星野アイからはうたの面影を感じるのだ。
「ねー!ねー!うたって誰なの⁉︎もしかして恋人⁉︎」
「こら、ルビー⁉︎そんな軽々しく聞いたら!」
黄金色の髪をした双子。赤い眼の妹ルビーが私に質問したところに青い眼をした兄、アクアマリンが止めようとする。やはり無邪気な子供の姿を見ると幸せな気分になる
「気にするな。私は気にしていない」
「ほら!この人がそう言ってるんだし。お兄ちゃん気にしすぎだよ!」
「う、うぅ」
「はいはい、アクアもルビーも喧嘩しちゃだめだよ?」
2人を星野アイは抱き上げて膝に乗せて抱きしめる。2人の子はもちろん母親の星野アイも実に幸せそうな笑顔だ
「はーい。ごめんなさい、ママ」
「別に喧嘩してたんじゃないけど、ごめん」
「うん、うん。ちゃんと謝れたね。えらいよ〜。さすがウチの子」
星野アイは子供たちの頭を撫でながら笑顔を浮かべる。しかしやはり、うたの面影が重なってしまい。私は少し胸が苦しくなってしまった。しかし改めて私は
「そう言えば、うたのことを聞きたがっていたな」
「教えて、くれるの?」
「ああ構わないさ。私の最愛だった人だ」
「最愛ってことは彼女⁉︎へー!あれ?でもだったってことは」
「ああ、もう亡くなっている」
「え?ご、ごめんなさい。そこまで気が回らなくって」
ルビーは目に涙を浮かべながら謝る。すると今度は母親の膝から飛び降り。私の前までくると頭を名一杯下げて謝りながら私に縋り付いて来る。そしてひたすら『ごめんなさい』と繰り返している。そんな小さな体を私は抱き上げ、頭を優しく撫でた
「気にするな。確かに彼女はもう居ないが私の中に記憶としてしっかりと残っている。それがある限り私は何度でも立ち上がれる。だからもう泣くな。私は君たちの幸せな笑顔が見たい」
そう言い聞かせるように語りかけ続ける。すると次第にぐずっていたルビーは落ち着きを取り戻した。完全に泣き止んだのを確認してからルビーを母親の星野アイに返す。すると今度はアクアマリンが
「ありがとうございます。妹のことは俺からも謝罪させていただきます」
頭を下げ誠心誠意の謝罪をする。先ほどから謝られてばかりな気がする。いい加減にしんみりとした空気は拭い去らなければ
「謝罪は十分に受け取った。暗い話はここまでにしよう」
その言葉に全員が納得する
「さて、少しシンミリしてしまったが。話を戻そう」
「だいぶ脱線しちゃったけど。今回の本題は彼よ」
社長夫人のミヤコは私の方に視線を向ける
「そうだ。ドーム講演はなんとか開催することは出来たが、アイが襲われた事件をメディアが放っておく訳がない。今回のことで彼のことがニュースになって流れてしまうのはもう止めようがない」
「どうして?私が刺されそうになったのはどうしようもないけど誤魔化せないの?私が上手く逃げたとかで」
「本来ならそう言う誤魔化し方も出来るんだが。今回は助けたのが彼だったからな」
「え?もしかしてこの人って芸能人?テレビとかでも見たこと無いんだけど」
「嫌、芸能人ではないんだけどテレビには出たことはあるのよ」
「?」
社長と社長夫人の説明に首を傾げる星野アイと子供たち
読み返して違和感を感じたので少し修正しました
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