仮面ライダーモルテ   作:紅坂 絡

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 この世界には、悪霊と呼ばれるモノが蠢いている。悪霊は人々を襲い、平和を乱していた。だが、希望は潰えたわけではない。悪霊を狩る黒装束の仮面の戦士が存在した。仮面の戦士のことを恐れた悪霊は、仮面の戦士のことをこう言った。曰く『死神』と。
『旧約 死神録 死神の起源』より。



【序】仮面の死神が参る
♯1死神


 街が燃え盛り、人々がそれに巻き込まれる。僕たちは迫りくる炎から逃げていた。やがて炎は僕たちに近づき、、、

『『うわぁぁぁあああああああぁぁあああああああ!!』』

『、、、え?』

僕は突き飛ばされ、両親が火だるまになっていた。

『逃げろ!咲良!』

『逃げて!』

『お父さん!お母さん!』

やがて、黒焦げになり、何も喋らなくなった。齢5つの頃に経験した、僕の最初の喪失だ。

 

♣︎♣︎♣︎ 

 

 目覚まし時計が鳴り響き、眠ってた僕の脳が起きろ!と喚き散らす。僕は体を起こすと、置いてあったスマホの目覚まし時計の設定をオフにした。なんで目覚まし時計なんか設定したのだろう。昨日の僕を殴りたい。そう思いながら再びベットに潜ろうとすると、電話が掛かってきた。僕は電話に出る。

「もしもーし。今から二度寝するので電話に出られませーん」

『咲良!今日は定例会議だって事を忘れたのか!後15分で会議が始まるぞ!』

「体調悪いんでサボりまーす」

『いいから来い!お偉いさんが来てるんだ!死んでもサボるなよ!』

「はいはい。わかりましたよ」

僕は電話を切ると、寝巻きから制服に着替える。歯を磨いて外に出る準備を終えると、僕は外に出て、玄関にあるバイクに跨る。ヘルメットを被り、アクセルを吹かし、出発するのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 E.K(evil.killer)は政府非公認の悪霊殲滅組織だ。悪霊についてはまた後ほど話すよ。僕はバイクを駐輪場に停めると、入口の指紋認証装置に親指で触れ、扉を開く。中に入ると、会議室まで長い階段を登り、また長い廊下を歩く。会議室の前までたどりつくと、扉のスキャン装置にスマホを読み込ませる。

『スキャン成功』

『E.K南沢支部所属、死神コード:R、守条咲良、確認』

『入室、許可します』

アナウンスが終わってすぐ、扉が開いた。僕はこっそり入室すると、気配を消して、自分の席に向かおうとしたところで、

「何をしとるか貴様」

「あ、バレた」

上司にバレた。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 結果的に言えば、会議開始2分前に来たのでギリギリセーフだ。なのに僕は会議前に怒られている。なんでだろうか。

「咲良、貴様、今回で何回目だ」

「いやぁ、多すぎて覚えてないですね」

上司こと、相澤サンの拳骨をギリギリで避ける。相澤サンの額に青筋が見えるが知った事じゃない。そんな僕たちの前に大柄な初老の男が近づく。相澤サンが敬礼した。僕も一応敬礼する。

「いいじゃないか相澤くん。キミが守条咲良(かみじょうさくら)くんだね」

「は〜い。死神コード:R、守条咲良で〜す。どこで僕の事を?」

僕はただの地方の支部の人間だ。まぁ、こんな組織に所属してる時点で普通の人間じゃないけどね。初老の男が続ける。

「私はE.K本部長の御堂完二(みどうかんじ)。キミのことは本部でも噂になってるよ。南沢支部のぐーたらの癖に天才の死神だって」

「いや〜天才だなんて照れるなぁ〜」

御堂サンは見る目があるらしい。

「ぐーたらなとこも言われてるぞ。咲良」

「嬉しい気分を壊さないでくださーい相澤サン」

僕はそう言うと、自分の席につく。そして机に突っ伏したのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

〜???side〜

 陽炎街(かげろうがい)。関東のどこかにある小都会。東京よりかは人口が少ないが美味しい食べ物や、遊ぶための施設も充実している。私はこの街の生まれでよかったと常に思っている。今日は学校が休みで、友達と2人で遊びに出掛けていた。

「ねぇ、次はどこいく?」

「うーん、、、とりあえず、クレープ食べに行きたい!」

そう言って、友達の手を引いて歩いていると、1人の少年とぶつかった。少年は倒れたまま動かない。

「だ、大丈夫!?」

私は少年の意識を確認するために近づいた。すると、すーッと音が聞こえた。まるで寝息みたいな。

「あれ?寝てるだけ?おーい、起きて!」

「、、、んあ?」

少年は目を覚ますと、背伸びをして、起き上がる。

「いや〜ごめんごめん。最近まともに寝てなくて〜」

そう彼はおどけたように笑う。友達は、彼に対し、

「まともに寝てないからって、路上で寝る?」

と聞いた。彼はアハハと笑い、

「グゥ、、、」

また寝た。

「ちょっと!?起きてよー!」

街中に、私の声がこだました気がした。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 屋台で買ったクレープを近くのベンチで食べながら、私は彼に目を向ける。彼は私と目が合うと、フッと笑う。彼はクレープを食べ終えると、私たちにお礼を言う。

「いや〜ありがとね!クレープ奢ってくれて。朝から何も食べてなくて」

「気にしないで。この街は初めて?」

友達がそう聞くと、彼は答える。

「初めてだよ。この街にある陽炎学園に通う予定でさ、学生寮を探してるんだけど、どこか分かる?」

「あ、それなら案内するよ!私たちも寮暮らしなんだ!」

「さんきゅ〜。僕、守条咲良って言うんだ〜。キミたちは?」

「私は沢上里香(さわがみりか)って言うんだ!」

友達、里香が自己紹介したので、私も自己紹介することにした。

「私は速水心花(はやみしんか)。よろしくね。守条くん」

「よろしく〜。沢上サン、速水サン」

彼は手を差し出す。私と里香は彼と握手したのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

〜咲良side〜

 学生寮に着いた後、速水サンたちと別れ、自分の部屋に入ると、僕はベッドにダイブする。日が暮れてきたので眠ろうとしたところで、僕はあることを思い出した。

「あ、御堂サンに電話するよう言われてたんだった」

僕はスマホを取り出し、御堂サンに電話をかける。2コール目で、御堂サンが電話にでた。

『もしもし。そろそろ学生寮に到着した頃だと思ったよ』

「お〜、御堂サンエスパーですか?」

まさか何処かで見てたのでは?御堂サンが言う。

『着いて早速なんだけど、キミに仕事を与えたいんだがね』

仕事?嫌な予感がするんだけど。御堂サンは続ける。

『中央通りの裏路地だ。悪霊の反応をキャッチした。』

「その悪霊を僕に倒して欲しいってことですか?」

僕がそう聞くと、御堂サンは答える。

『その通り。キミの強さを確かめるのに丁度いい』

「いいですよ〜」

『では、いい結果を求む』

御堂サンはそう言うと、電話を切った。僕はため息をつくと、ベッドから出て、ハンガーにかけてあるコートを着る。部屋から出ると、目的地へ向かうのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

〜???side〜

 中央通りの裏路地。月明かりに照らされてはいるが、暗くて周りがよく見えない。それもあってか、やや不気味だった。ワタシは裏路地を歩きながら、とある存在を探していた。すると、何処からか声が聞こえる。

『どうしたのお嬢さん。探し物かい?』

「いや、今、見つけた」

ワタシはそう言うと、懐から出した銃で攻撃した。

『何!?』

ソレは建物の影から出てくると、屋根に飛んだ。ソレはクモを模した顔をしており、背中に無数の蜘蛛の足が生えている。

「悪霊、スパイダーエビル。殲滅命令により、殲滅する」

ワタシは奴に銃を連射する。奴は隣の建物にクモの糸を放つと、その場所に移動した。そして、ワタシの足元に奴は口から毒針を発射した。ワタシは倒れ込む。

「クッ」

『死ねぇ!』

奴は毒針をワタシに放つ。ワタシは目を瞑る。でも、毒針はワタシにあたった感覚がしなかった。目を開けると、コートを着た少年が毒針をナイフで弾いていた。ナイフは毒の影響で溶けてしまった。

「このナイフ使えないなぁ。悪霊の毒に耐えられないなんてな〜」

少年はワタシの方を向くと、手を差し伸べてきた。

「大丈夫〜?」

「助かった」

ワタシは少年の手をとると、立ち上がる。少年は言う。

「逃げてって言いたいとこだけど、キミ、逃げる気ないよね?影に隠れてな〜」

ワタシは頷くと、近くの建物の影に隠れた。ポケットからスマホを取り出す。カメラアプリを起動した。少年は懐からベルトの様なものを取り出し、装着した。悪霊がソレを見て驚く。

『そ、そのベルト、まさかおまえ、、、死神か!?』

「お〜、ご名答。やっぱり悪霊の間で死神の名前は有名なんだね〜」

少年はそう言うと、ベルト帯につけてあるホルスターから1枚のカードを取り出し、ベルトに横向きに挿入した。

『ラビット』

少年の背後に黒装束でウサギのドクロの死神が現れる。

『ARE YOU READY?』

少年はニヤリと笑い、唱えた。

「変身」

少年はベルトに付いている鎌を下ろし、ベルトの真ん中にある水晶を真っ二つに割った。

『グリムアップ』

死神は装甲に変わり、少年を包み込む。

『ラビットグリム』

少年の姿は黒の装甲、ウサギのドクロを模した仮面の戦士に変わった。少年は悪霊に対し、こう言った。

「始めようぜ〜。今宵は死神の時間だよ」

仮面の戦士は悪霊に向かってゆっくりと歩き出した。

 

♣︎♣︎♣︎

〜仮面の戦士side〜

 悪霊、スパイダーエビルは拳から悪気を放つと、ソレは複数の人型になった。

『いけ!エビルトルーパー!』

エビルトルーパーと呼ばれた兵隊たちは僕に向かって突っ込んでいく。

「いーねー。この街初めての戦いにふさわしいシチュだね〜」

1人目の兵隊が斬りかかってくるので、ソレをかわす。ソイツに回し蹴りを喰らわした。

「ん?」

気づくと、数人の兵隊が僕を囲っていた。兵隊たちは僕の周りをぐるぐる回る。

「うわぁ、酔いそうだなぁ、これ」

僕は兵隊たちに足を引っ掛けて転ばせた。転ばせた兵隊のウチの1体から剣を奪い、襲ってきた兵隊に投擲する。転ばせた兵隊が起き上がり、僕を奇襲しようとするが、ソレをジャンプしてかわす。

「遅い」

僕は着地し、剣を召喚する。剣で兵隊たちを攻撃していった。

「いや〜、やっぱ使えるなぁ。『グリムソードガン』は」

剣『グリムソードガン』で兵隊たちを1体、また1体と斬りつける。最後の1体を倒した所で、僕は上を見る。スパイダーエビルが逃げようとしている。僕は建物の屋根にジャンプすると、スパイダーエビルの逃げ道を塞いだ。スパイダーエビルにグリムソードガンで斬撃。スパイダーエビルは地面に落下する。さらにキックで追撃した。

『き、貴様!もう許さん!!』

「許すとか許さないとかどうでもいいよ」

スパイダーエビルが毒針を連射するが、僕は全てグリムソードガンで弾く。

「だって、僕が殲滅するからね」

スパイダーエビルに近づき、袈裟斬り。更に横一閃。そして回し蹴り。スパイダーエビルは驚いたように言う。

『つ、強い、、、』

「まぁね。そろそろトドメとしますか」

僕はベルトの鎌を上げる。右足に力がみなぎるのを感じた。僕は鎌を下ろす。

『ラビットグリムブレイク』

「はぁ!」

僕は飛び上がり、空中で一回転。そしてキックを当てる。

『この私が、、、こんなところで負けるなんて、、、貴様、名はなんと言う』

「名前?うーん、、、モルテ。それが僕の名前さ」

『モルテか、、、地獄で見てやろう!貴様の運命を!』

そう言い、スパイダーエビルは爆散した。

 

♣︎♣︎♣︎

〜三人称side〜

 仮面の戦士は変身を解除し、少年の姿に戻った。少年は少女に近づき、言った。

「で、どう?ちゃんと撮れた?」

「!?気づいていたのか、、、」

「まぁね。大方、御堂サンにデータ収集を任されたんじゃない?」

少年は少女の手からスマホを奪うと、アルバムアプリを開く。そして、少女が撮ったムービーを見ていた。

「お〜。かっこよく撮れてるじゃん」

「別にかっこよく撮るつもりはない、、、だが、いいデータは取れた。これを、本部に届けないとな、、、」

と言ったが、少女はそこに立っていた。

「どうしたの?本部に行くんじゃないの?」

「ワタシはお前のお目付役になった、南條美澄(なんじょうみすみ)だ。住み込みだからよろしく」

「まーじでー、、、」

少年、守条咲良は肩を落とした。

 

ED :VESPERBELL「ignition」




深夜の噴水公園。そこに潜む水の悪霊。ソイツが人々を襲う。陽炎街にきた死神、守条咲良はどう対応するのか。次回、仮面ライダーモルテ♯2悪霊
「さ、やろっか。今宵は死神の時間だよ」

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