仮面ライダーモルテ   作:紅坂 絡

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 冥界より現れたオシリスは悪霊が人間界を支配している現状を嘆く。少年はオシリスに尋ねた。
『あなたは冥界より現れた救世主なのか?』
オシリス曰く、
『救世主ではない。冥界より出し死神だ』
死神。かの存在ならば、聖職者では勝てなかった悪霊に勝てるかもしれない。少年は胸に希望を抱いた。
『旧約 死神録 死神の嘆き』より。


♯10理由

 消防隊の人に救助された後、僕はその場から動けずにいた。そんな僕に話しかけたのは黒のコートを身に纏った青年だった。

『よっ!こんなとこで何してんだ?』

『、、、無くなったよ。帰る場所も、親代わりも、僕の好きな人も』

青年の問いに僕は答えた。青年ははっとした顔を見せ、僕の頭を撫でた。青年のコートの袖を見る。袖には札がぶら下がってた。

『ならさ、俺と来ないか?俺がお前の居場所になってやる』

『居場所?』

青年はガラケーを開いて画面を見せる。画面に載ってたのはE.Kの2文字。

『俺は守条依澄(かみじょういずみ)。死神だ!』

齢12のクリスマスイブ。僕はにこやかに笑う死神の手をとった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 目を覚ました僕は病院のベッドに寝ていた。どうやらあの後、病院に運ばれて治療を受けたらしい。肋骨骨折、右腕打撲、両足骨折とその他諸々。普通の人間なら何年も入院しなければいけない怪我だが、医者曰く、

「キミの回復力どうなってるんだ!?もうほぼ治ってるぞ!?」

もう退院していいらしい。検査のために通院するように言われてはいるけどサボる気でいる。着替えて病院から出ると、僕のシニガミバイクが停まっていた。南條サンが僕にヘルメットを投げる。

「怪我の調子はどうだ?」

「平気。バイクも運転して問題ないってさ〜」

バイクにまたがりヘルメットを被る。南條サンも僕の後ろに跨ると、僕はバイクを走らせた。今日も学校だ。僕たちは学生寮に急ぐのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 学校に着き、自分のクラスにきた僕はレンレンに心配された。

「大丈夫か?戦いで怪我したって聞いたが」

「平気平気〜。アバラやったけどもう治ったし」

レンレンは驚いたが無理矢理納得したみたいだ。僕が席に着くと、速水サンが話しかける。どうやら頬の絆創膏を見て心配してるようだ。

「ちょっとやんちゃしてね〜。これくらいすぐ治るよ」

「でもさっきアバラやったって言ってたよね?守条くんは何を隠してるの?」

速水サンに死神の事がバレるのは時間の問題だな。そう思い、昼寝するのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 放課後、今日は護衛じゃなく、ライブ当日なので同好会をサボってライブ会場へ向かっていた。陽炎スタジアムにバイクを停めると、偶然速水サンに遭遇した。曰く、僕がチケット当たった後にチケットを買うと偶然当たったらしい。しかも僕の隣。

「すごい偶然だね!知ってる人の近くじゃないと不安だったんだよね」

「確かに。その気持ちなんかわかるかもね〜」

なんか、昔同じ事を言っていた人を思い出した。懐かしいなぁ。ふと、観客達が盛り上がり始めた。ライブが始まったみたいだ。

『『はおー!姫雛鳥でーす!』』

2人がステージ上に飛び出した。それと同時に曲がかかる。

『行くよー!ヒトガタRock!』

田井中サンのコールで観客が盛り上がる。僕と速水サンも一緒に盛り上がるのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 数曲終わり、今はMCタイム。僕と速水サンは2人のMCに耳を澄ませていた。空鈴サンのボケに田井中サンが突っ込んだり、ファンレターを送ってくれた人にお礼を言っていたり。どうやら速水サンも送ってたみたいでものすごく喜んでいた。

「さいっこう!きてよかった!」

「でしょ!僕が育てたも同然だからね!」

僕がグッズの購入やライブチケットの購入で貢献してるから僕が育てた様なものだ(違う)。

「親ヅラやめた方がいいよ。あれ?ライトが消えた?」

ふと、スタンドライトが消えた。演出だろうか?観客達がワクワクしている。ふと、僕のスマホが鳴った。そういえば蛇芽がステージ裏に待機してる事を思い出した。僕は電話に出る。

『悪霊の気配を察知した。スタンドライトも悪霊の仕業だ』

「りょうかーい。すぐいくよ」

せっかくのライブだったのに残念だ。速水サンのそばをこっそり離れようとすると、袖を掴まれる。

「どこ行くの?」

「飲み物買ってくる。すぐ戻るよ」

「一緒にいくよ」

「平気」

僕は速水サンの静止を聞かず、ステージ裏に向かうのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 ステージ裏に行くと、複数のエビルトルーパーを率いているエビルライダーを捉えた。蛇芽が僕の隣にくる。蛇芽からアリスが悪霊のカードを使って変身しているのは聞いていた。

『死神達もこれで最後だね』

エビルライダーは複数の矢を取り出すと、それらをエビルトルーパー達に突き刺した。エビルトルーパーはひとつに纏まりだす。エビルライダーが数枚のカードを投げ入れると、集合体は巨大化した。

『さぁ!コイツとどう戦う?』

「ん〜、、、ゴリ押し?」

「やっぱりそうだよな〜」

僕たちは同時にベルトを装着し、カードを挿入する。

『『ラビット/スネーク』』

僕たちの背後に黒装束でウサギのドクロの死神と蛇のドクロの死神が現れる。

『『ARE YOU READY?』』

蛇芽が右手でフィンガースナップをする。

「「変身」」

僕たちは鎌で水晶を割る。

『『グリムアップ』』

死神が装甲に変わり纏われる。

『『ラビットグリム/スネークグリム』』

僕はバゼラードを。サマエルが鎌『グリムヘルス』を構える。

「正義の死神の御成だ!」

「行こっか〜。今宵はダブルで死神の時間だよ」

 

♣︎♣︎♣︎

 

 サマエルが鎌で攻撃するが、刃は通ってないみたいだ。僕もバゼラードで攻撃するがほんのわずかしかダメージが通ってないみたいだ。ならあの手を使おう。

「シニガミバイク〜!」

やってきたバイクに乗り、僕はバイクで巨体を登る。その間に機銃で何度も攻撃するが、攻撃が通ってない。やっぱりアレで決めよう。僕はサマエルに声をかける。

「ブラストで決めるよ!巨体ならそれしかない!」

「やっぱりね。了解。俺もグリムストライカーを呼ぶか!」

サマエルもバイクで巨体を登ってきた。登りながら鎌で何度も斬りつけていた。徐々にダメージを与えていっている。リーチがある鎌だからこそできる攻撃だ。僕たちは同時にてっぺんまで行くとバイクを土台にジャンプした。鎌を上げて下ろし、もう一度あげた。僕の右足とサマエルの左足にエネルギーが迸る。

「トドメ。いくよ」

「正義の鉄槌だ!」

僕たちは鎌を下ろす。

『『ラビットグリムブラストブレイク/スネークグリムブラストブレイク』』

僕たちは同時に蹴りを当てた。奴は断末魔を上げて爆散した。ライブ会場が騒がしくなっている。どうやらライブの演出じゃない事に気がついたようだ。

「あーあ、これじゃライブは中止かなぁ、、、」

「観客が無事でいいじゃないか」

僕たちは着地した。変身を解除し、戻ろうとした所で拍手が聞こえた。

『さすが最強と天才。2人の同時戦闘1回見たかったんだよね〜』

僕はバゼラードを構え、蛇芽は銃口を向ける。

「逃がさないぞアリス。お前には聞かなければいけない事がたくさんあるからな」

『残念。延長戦だよ』

アリスはそう言うと矢を投げた。その方向は!

「ヤバい、そっちは姫雛鳥の!」

2人を逃そうとするが間に合わず、矢が空鈴サンを掠ってしまった。

「ぐぅ、、、きゃあああああぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!」

空鈴サンの姿が異形に変わる。笑いながらアリスは言う。

『あえて成分は薄くしてあるの。つまり意識はまだ残ってるよ』

「くっ、なんて卑劣な!」

蛇芽がベルトを装着しようとするが、ベルトから帯がでず、巻きついていないみたいだ。ブラストブレイクで決めた影響だろう。なら、

「アリスをお願い」

「守条くんはどうする気だい?」

僕はバゼラードを回転させ、悪霊になった空鈴サンに構える。

「あの子は僕が斬る」

変身できるまで後数分。僕ならいける。

 

♣︎♣︎♣︎

〜ヒナside〜

 怖い、、、呑まれる、、、何かが、、、入ってくる、、、

「嫌だ、、、助けて、、、怖いよ、、、ヒメ、、、守条くん、、、」

私は必死に手を伸ばそうとするが、私の前に何かが現れ、手を阻む。意識が朦朧とする中、私が見たのはバゼラードを構える彼の姿。彼は口パクで何かを伝えている。

ーた、す、け、て、み、せ、る。

なら、期待して待とう。私は彼を信じるのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

〜咲良side〜

 「ヒナ!ねぇ、ヒナ!答えてよ!」

田井中サンが空鈴サンに呼びかける声が響く。

「はぁ!」

『ふふっ。変身してないのにやるね』

アリスと蛇芽が戦っている。僕はバゼラードを逆手に持って悪霊に駆け出し、斬りつける。

『痛い、、、痛いよぉ』

意識が残っているようだ。攻撃するのに躊躇するが、僕はバゼラードでの攻撃を続ける。悪霊はかわし続ける。

「ちょっと守条くん!なんで攻撃するの!?」

「悪霊だからだよ。それ以外に理由はないよ」

「そんな、、、ヒナ、、、」

僕は悪霊の拳をかわしてバゼラードでもう一撃。そこでゲージを確認する。丁度満タンになったみたいだ。

『unlock』

「来た!これならいける!」

僕はベルトを装着する。バゼラードからカードを抜き、ベルトに挿入する。

『スタークル』

背後に3つの星のモニュメントに囲まれてウサギのドクロの死神が現れた。

『ARE YOU READY?』

「変身!」

僕はベルトの鎌を下ろした。

『スターグリムアップ』

死神が装甲に変わり僕を包む。両肩にモニュメントがひとつずつ装着され、胸にも装着される。カラーリングが星空に変わり、ドクロの目つきが鋭くなる。

『スタークルグリム』

変身し、バゼラードを回転させる。

「アンコールだ。今宵は死神の時間だよ」

僕はゆっくりと悪霊に向かって歩くのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 悪霊の拳を右手で受け止める。空鈴サンが抵抗してるみたいだ。僕はバゼラードで胴体を斬る。そして回し蹴り。悪霊は悲鳴をあげる。その悲鳴には空鈴サンの声も混じっていた。

「じゃあ、そろそろ締めにするか〜」

僕はとある場所に悪霊を蹴り飛ばし、僕もそれに追いつく。そして田井中サンに叫ぶ。

「その花火、打ち上げて欲しいんだけど、いけるよね?」

「え!?なんで!?」

「分かった!」

混乱してる田井中サンをステージに向かわせた蛇芽が花火を打ち上げる。花火の打ち上げに合わせて僕たちも上昇する。花火が爆発し、僕たちの姿が夜空に照らされる。

「それじゃ、ぶっつけだけど」

僕はホルスターからカードを取り出し、バゼラードに挿入する。

『コメットスター』

「ついでに!」

ラビットのカードをスラッシュさせる。

『ラビットスキャン』

刃にエネルギーが迸る。

『コメットスキャンスラッシュ』

バゼラードで悪霊の胴体を一閃。すると悪霊と空鈴サンが分離した。僕は悪霊を蹴り上げると空鈴サンを抱き止める。バゼラードから手を離し、ソードガンにスタークルのカードを挿入する。

『スタークル』

銃口にエネルギーが迸る。

『スタークルグリムシューティング』

僕は引き金を引いた。エネルギー弾が悪霊に命中すると、断末魔を上げて爆散した。

 

♣︎♣︎♣︎

〜ヒナside〜

 彼の腕の中で私は呆気に取られていた。悪霊が爆散したと同時に恥ずかしさが湧き、頬が赤くなるのを感じる。守条くんが言う。

「着地するよ」

「う、うん。ねぇ、守条くん」

「ん?どしたの?」

私は思い切って聞くことにした。

「なんで助けてくれたの?」

私が問うと、彼はふふっと笑った。なんで笑うのだろう。私は真面目に聞いているのに。

「死神が誰かを助けるのに、理由がいるかい?」

瞬間、私の鼓動が跳ね上がった。彼の顔は仮面で包まれているのに、彼の笑顔がわかる。彼のことを考えると、胸がドキドキしてたまらない。そうか、これが、、、

「ねぇ、死神さん」

「なに?」

「歌おうよ!姫雛鳥と一緒に!」

「、、、オッケー」

彼は着地すると、私を下ろす。少し名残惜しい気がする。すると、ヒメが私に飛びついて来た。

「無事で良かったよ!!ヒナ!」

「うん!心配かけてごめんね。ヒメ!」

私達はしばらく抱き合ったのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 気を取り直して私とヒメはマイクをとる。いつの間にかラビットグリム?に戻っていた死神さんがステージから観客に呼びかける。

「みんなー!今だけ仮面ライダーと姫雛鳥のコラボだよ〜」

ざわめいていた観客達が歓声を上げた。噂の仮面ライダーを生で見れて興奮しているのだろう。ヒメが彼に続けて言う。

「仮面ライダーさん、一緒に歌ってくれるよね?」

「もちろん、いいよ〜」

私も会話に混ざる。

「じゃあさ、ライライラビットテイルとかどう?」

「1番好き!いいよ!」

私は音響さんに合図を送る。1番好きかぁ。嬉しいなぁ。喜びに浸っていると、音楽が流れ始めた。彼が歌い始める。

「〜♪」

私とヒメもそこに加わる。

「「〜♪」」

今日は最高の1日だ!

 

♣︎♣︎♣︎

〜奏多side〜

 変身してアリスと交戦していた俺はモルテが悪霊と空鈴サンを分離させたのを目撃した。アリスも目撃したようで、銃を下ろすと、俺から距離をとった。

『あーあ。ゲームオーバーだね。作戦は失敗かなぁ』

「なら帰ってこいアリス」

上の方から声が聞こえた。星空に照らされて現れたのは銀の髪を逆立てている青年だった。

「よぉ死神。初めましてだな」

青年は俺に声をかけてくる。俺は青年に問う。

「お前は何者だ?」

「俺か?俺はジン。覚えなくていいぜ。嫌でも記憶に残ることになるからな」

ジンと名乗った青年はアリスと共に消え去った。

「ジン、、、アイツは一体、、、」

疑問に残ることが増えたが、俺は報告のためにその場を去るのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

〜咲良side〜

 翌日、僕は速水サンからの尋問を受けていた。

「ウサギの仮面ライダーってキミだよね?守条くん」

「なんのことかなぁ?」

僕は目を逸らす。速水サンはため息をつくと、

「そう言うことにしてあげる。あ、後」

速水サンは続ける。

「私も同好会に入ることにしたから!」

「え?」

じゃ、よろしくと言った後、速水サンは他のクラスメイトと会話しに行った。

「まーじでー、、、」

僕は項垂れてそのまま放課後まで寝るのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

〜アリスside〜

 陽炎街のとある廃ビル。私はジン様に数本の矢を献上していた。ジン様はそれらを受け取ると1体の悪霊に持たせた。

「たくさん生み出してきな。俺達の同胞を」

悪霊は廃ビルの窓から飛び去る。ふと、女の人の声が聞こえた。

「同胞は順調に増え続けてるみたいね。ジン。アリス」

『アキネ様』

黒のロングヘアの女性、アキネ様は私に数枚のカードを渡す。

「貴女へプレゼントよアリス。これからも人間達を恐怖に陥れてちょうだいね」

『もちろんでございます』

ジン様は高らかに笑うと、アキネ様の肩を抱く。

「この世界は俺たちのモノだ」

ジン様の瞳には星ひとつない夜空が映っていた。

 

【壱】仮面の死神と悪意の矢 完




速報!
「正義の死神の御成だ」
「獅子に喰われる覚悟はできたか?」
「殲滅命令により、殲滅する」
「歌おうよ!姫雛鳥と一緒に!」
「私も、キミの助けになりたい!」
「俺も手伝うぜ!」
『死神の処刑を決行する』
「この世界は俺たちのモノだ」
「さぁ、始めようぜ〜。今宵は死神の時間だよ」
〜仮面ライダーモルテ【弐】執筆決定〜

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  • 南雲蓮
  • 蛇芽奏多(仮面ライダーサマエル)
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  • 明神麗央(仮面ライダースコール)
  • 楠神真琴(仮面ライダーサリエル)
  • 冴島灰馬(仮面ライダーオルクス)
  • アリス(エビルライダー)
  • ジン
  • アキネ
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