仮面ライダーモルテ   作:紅坂 絡

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 戦士に変わった少年は悪霊の集団と戦闘を繰り広げた。戦士は勝利を掴み、人々に希望を与えた。
『黒魔術から生まれたモノは黒魔術で生まれたモノでしか倒せない』
この言葉は、今この状態を示したモノだったのだ。戦う戦士を見た人々は、悪の怪物に死をもたらすモノの異名として『死神騎士』と呼んだ。
『旧約 死神録 死神騎士』より。


♯13発覚

 季節は夏になり、僕と依澄は海に来ていた。正確には2人というわけではないが。

『咲良くん、ごめんね付き合わせて。退屈じゃなかった?』

『、、、別に』

依澄の彼女の三吉神奈(みよしかんな)は僕に謝ると、依澄と2人で海に入った。僕は2人からちょっと離れたところで海に浮かぶ。こうしてると、去年の夏を思い出す。

『本当に1人だよ、、、なおちゃん』

今はもういないあの子の事を思い出す。僕は遠い青空に手を伸ばした。その手を掴んだのは、

『お前は1人じゃねぇよ。俺がいる』

太陽に照らされたソイツは、間違いなく、僕の光だ。齢12の夏、太陽は僕を見つけてくれた。

 

♣︎♣︎♣

 

 悪霊研究部の部室で今日も今日とて依頼探し。チョーカーの検査結果がハルバ経由で僕のスマホと南條サンのスマホにも送られてきたのでみんなでそれを見る。

「やっぱしエビルパウダー入ってたね〜」

「それって、あの矢と同じやつ?」

空鈴サンが聞く。実際に被害に遭った事があるのでエビルパウダーの事はちょっと知っている。

「多分、アレの応用でしょう。アレと違い、発動は任意ですし」

「確か、触れたら悪霊になるんだっけ?めっちゃ危ねぇじゃんか!」

南條サンの指摘にレンレンが驚く。

「えぇ。ですからエビルパウダーの回収も義務付けられてるというのに、、、守条咲良、お前やってないだろ」

「だってメンドイもん」

あの頃はハルバがいなかったから探すのにものすごい苦労するのだ。

「お前の後輩の死神はやってるぞ!」

「だからって僕がやらなきゃいけない理由はないでしょーが」

「義務だと言っている!」

「そういうのは嫌いなんだけど〜」

「はいはいストップ」

口論してた僕と南條サンを速水サンが止める。

「本題に戻ろ?」

「だな。なになに、、、洗脳効果!?」

「「「!?」」」

「やっぱり」

どうやら僕たちは大きな陰謀に首を突っ込もうとしているのかもしれない。

 

♣︎♣︎♣

 

 チャイムが鳴り、ひとまず解散する。データは3人にも送り、今はチャットで会話している。

【Ren Ren:でもなんで洗脳なんだ?】

【心:確かに、つけた人を悪霊にした方がよくない?】

それは僕も、そしてハルバも思ったことだ。

『コイツらの疑問もわからんこともない。オレサマもわからんからな』

【美澄:悪霊の考えは人間には理解不能ですよ】

【ヒナ:とりあえず、警戒第一!でいいよね?咲良くん】

あ、俺に振られた。

【咲良:いーんじゃない?深夜は3人はなるべく外行かないようにね】

メッセを送信してスマホをしまう。夜になるまでだいぶ時間があるから寄り道することにした僕は適当にぶらつく。

「こうしてると、死神ってこと忘れそうだよ」

『いいじゃないか。お前は高校生なんだ。放課後の過ごし方は自由だ』

自由な放課後。高校生活という青春。その言葉は僕の心の復讐心を鈍らせる。

「本当なら、キミと一緒に寄り道してたんだろうね、、、なおちゃん」

僕の頬をつたった涙に気づいた人はいなかった。

『、、、』

右腕のハルバを除いて。

 

♣︎♣︎♣

 

 深夜になり、僕はシニガミバイクを走らせる。いつもなら1人寂しくバイクを走らせてるが、今日は違う。

「なんで空鈴サンもいんの?」 

「だって、キミがいなくなりそうで不安だから」

しれっと推しと2ケツして普通に会話してるが内心ドキドキである。ってか近!?何回かこういう事があったけど、2ケツは初だ。帰りに事故りそうで怖い。

「いなくなりそうってどゆこと?」

「あの時、ゴリラの悪霊から助けてくれた時、キミは死ぬ気だったでしょ?」

僕は答える事ができなかった。あの時は南條サン達が来なかったら死ぬ気だったのだ。

「それだけじゃない。キミはみんなとどこか距離を置いてる気がするんだ。仲良くしてる裏でキミはどこか線引きしてる」

空鈴サンは抱きしめる力を強くする。

「ねぇ、私たちって信用できない?キミにとって足手纏いなの?」

「違う、、、違うんだよ!」

「!?」

僕は思わず大声を上げる。

「もういいでしょ?ハルバ、もうそろそろつく?」

『通り過ぎたぞ』

「ちょ!?それを早く言ってよ!」

慌てて引き返すのだった。

 

♣︎♣︎♣

 

 「遅い!」

陽炎南3番街。駐輪場にバイクを停めて南條サンの元へ合流すると、先についていた南條サンに怒られた。だって通り過ぎてたんだから仕方ないじゃん。

「サボらずに来ただけいいじゃん!さ、早くいこ!」

「先輩はワタシから離れないでください。危険なので」

2人はくっついて街中を進む。この街は夜間人口が少なく、建物も灯りがついてない。陽炎街は東京には劣るけど夜間人口は多い方だが、この街は違うのだろうか?

「守条咲良。敵はどこにいてもおかしくない」

「りょ。なるはやで終わらせたいな〜」

「咲良くんなら大丈夫!」

どこから出てもいいようにソードガンを銃にして進む。ふと、目の前から1人の男性が歩いてきた。悪霊の手先か?警戒して首元を見るがチョーカーはついてなかった。

「あのー、どうしたんですか?」

「空鈴先輩!危険です!」

2人が僕の前に出る。男性がニヤリと笑った瞬間、僕は男性の足元に向けて発砲した。

「ぐっ、、、よくわかったな、、、』

男性の姿は悪霊に変わる。意図的に変わったように見えた。どうなってるんだ?

「え!?何アレ!?」

「どうなっている!?」

2人も混乱してるようだ。僕はベルトを装着する。

『やはり死神か。ん?お前どっかで見た事あるな』

悪霊は南條サンを見てそう言った。南條サンはあまりわかっていないようだ。僕はカードを挿入する。

『ラビット』

背後に黒装束でウサギのドクロの死神が現れる。

『ARE YOU READY?』

僕は首を掻っ切る動作をした。

「変身」

鎌を下ろして水晶を割る。

『グリムアップ』

死神が装甲に変わり僕に纏わりつく。

『ラビットグリム』

モルテに変身した僕は発砲する。

『喧嘩っ早い死神だなぁ』

「仕事が早いって言ってほしいなぁ、、、今宵は死神の時間だよ」

僕はソードガンを剣に変形させ、左手にバゼラードを持ってゆっくり歩くのだった。

 

♣︎♣︎♣

 

 バゼラードの刃をかわされると同時に悪霊は拳を放ってくる。それをバックステップでかわし、ソードガンを銃に変形させ発砲する。

『ほぉ。並の死神ではないな』

「天才らしいよ。僕」

一気に距離を詰めてバゼラードで連撃する。相手の攻撃を剣に変形させたソードガンで弾き、更にバゼラードで追撃。そして回し蹴りをする。

『いい感じだ!スタークルで決めろ!』

『unlock』

チャージが完了したのを確認し、バックステップで距離を取る。

「一気に倒す。早く帰りたいからね〜」

ベルトからカードを抜いて鎌をあげる。バゼラードからカードを抜いてベルトに挿入した。

『スタークル』

背後に3つの星のモニュメントが現れた。

『ARE YOU READY?』

「超変身!」

僕はベルトの鎌を下ろした。

『スターグリムアップ』

モニュメントがアーマーに変わり、僕に装着される。両肩にひとつずつ装着され、もうひとつは胸に装着される。黒のカラーリングが星空を模したカラーリングに変わり、仮面のドクロの目つきも鋭くなった。

『スタークルグリム』

スタークルに変わり、一気に距離を詰める。ソードガンを銃にし、至近距離で連射する。

「効いたんじゃない?」

『上出来だ。貴様、思い出したぞ。犬野郎と一緒にいたガキだな』

僕は思わず手を止めた。その隙に悪霊が蹴りを放ってきた。僕はかわす事ができずにそのまま受けてしまった。なんとか踏ん張って倒れるのは防いだ。

「ったいなぁ〜」

『貴様の戦い方は犬野郎に似てた。アイツの戦い方は助けられた人もしくは、、、一緒にいたガキのお前ぐらいだ』

まさか、、、コイツのことを思い出してきた。僕は変身を解く。悪霊も人間態に戻った。

「まぁ、今日は挨拶程度だ。次は本気で」

悪霊はそう言うと姿を消した。ふっ息を吐くと、南條サンに詰め寄られた。

「なぜ倒さなかった!今ならいけただろ!」

「どうだかね」

必殺技だしてもなんらかの方法で防御して撤退されるのがオチだ。

「咲良くん、あの悪霊ってなんなの?」

「、、、明日話すよ。できれば南條サン」

「ん?」

「キミのお兄さんのことについてもね」

僕は空鈴サンを連れて南3番街を去る。南條サンはしばらく呆然とするのだった。

 

♣︎♣︎♣

〜アリスside〜

 私は廃ビルからモルテと彼の戦いを見ていた。モルテはスタークルでも互角に戦えてた。

「カイナはハイゾーンの中でも強い部類だが、モルテはそれと互角に戦っていける」

「ように見えるけど、モルテでは敵わない。そう言いたいのね。ジン」

ジン様とアキネ様が奥から現れる。私は2人に敬礼する。モルテとカイナ様はいつのまにかいなくなっていた。

「いや〜油断大敵ですよ。ジン様、アキネ様」

そう奥から来たのは、もう1人の悪霊の人間態。

「とことんモルテの心を折らなくては。そのためには彼と一緒にいる女」

その人は写真を数枚取り出した内、1枚にナイフを突き刺した。

「南條美澄。彼女を殺すんです」

あの頃のようにね。そうあの人、輪廻様が笑う。私はぞっとし、3人に敬礼して去るのだった。

 

♣︎♣︎♣

〜心花side〜

 昨日、ヒナちゃんが美澄ちゃんと守条くんについていったことを知って驚いたが、もっと驚いたのが、美澄ちゃんと守条くんが出会う以前に2人に繋がりがあったということだ。

「どうしよっかなぁ、、、」

「いいから話せ」

美澄ちゃんは守条くんを睨んで急かす。よっぽど知りたいのだろう。彼と、お兄さんの関係を。

「そうだなぁ、、、簡単に言うと、今は亡きキミのお兄さん、守条依澄は」

私たちは息を呑む。

「僕の死神の師匠であり、義理の兄だ」




 ハイゾーンエビルの存在と兄と守条咲良の関係を知ったワタシ達悪霊研究部。だが守条咲良は戦う気がないのかハルバを外して学校から去った。アイツは何を考えているのか!?次回、仮面ライダーモルテ♯14敗北
「正直、こんな日常に飽き飽きなんだ。そろそろ抜け出したいよ」

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  • 守条咲良(仮面ライダーモルテ)
  • 南條美澄
  • 南雲蓮
  • 蛇芽奏多(仮面ライダーサマエル)
  • 空鈴ヒナ
  • 田井中ヒメ
  • 速水心花
  • 明神麗央(仮面ライダースコール)
  • 楠神真琴(仮面ライダーサリエル)
  • 冴島灰馬(仮面ライダーオルクス)
  • アリス(エビルライダー)
  • ジン
  • アキネ
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