『すぅ、、、はぁ、、、』
深呼吸をし、気持ちを落ち着かせる。焦りと恐怖は禁物。ふと茂みから音が聞こえたので剣を構えると、悪霊が目と鼻の先まで襲いかかって来た。攻撃は剣で防ぐことが出来たが、勢いは殺せず、俺は木に衝突する。俺は死を覚悟する。もう、ここで終わるのか?
『勢いだけで行くからだ』
閉じていた目を開けると、悪霊はおらず、そこに居たのは刀を持った同い年の青年だった。俺はコイツを知っている。
『御影、、、刃、、、』
御影刃(みかげやいば)これが、後に神の刃と呼ばれる死神との出会いだ。
【完二の日記】〜神の刃〜より。
♯17遭遇
悪霊の攻撃から、負傷した死神達を避難させる。本部にいた死神たち悪霊と戦闘してる合間に、僕は救えるだけの人を救わなければならない。落ちていたバゼラードを拾い、それを片手に悪霊を斬る。
『依澄は、、、無事みたい、、、他に避難できてない人は』
足を止めずに走り回る。ふと、足を怪我したのか、右足を抑えてる人がいた。僕はその人に駆け寄る。
『ここは危ない。こっちに、、、』
『いえ、好都合です』
『え?』
その言葉の意味を知ったのは、男の存在に気づいた依澄が炎の矢に射抜かれた時だった。
♣︎♣︎♣
訓練室に来たのは依澄が死んで以来だろう。あの頃の僕はひたすらにバゼラードをここで振り回していたっけ。後先のことなんて頭になくて、頭にあったのは悪霊を狩ることだけ。でも今は、
「考えること、増えた気がするなぁ」
「お前も変わったんやな。咲良」
声をした方へバゼラードで斬り掛かる。声の主、麗央はそれをガンブレードで受け止める。
「変わった?僕が?」
「そうや。3年前のお前とか酷かったで。誰に対しても塩対応」
「そう?」
僕たちは剣を交わしながら会話をする。麗央の豪快ともいえる剣を交わして、僕はバゼラードの刃先を麗央の首筋寸前まで向ける。
「でも、強さはあの頃よりも上がってる。やっぱりお前は凄いわ。咲良」
「僕が1番知ってるよ」
端に置いていたタオルで額を拭く。タオルの隣に置いてある水のペットボトルが目に入る。あんなの持ってきた覚えがない。
「あれ、ヒナちゃんの差し入れや」
「空鈴サンの?」
田井中サンが蛇芽目当てに本部に来ているのは知っていたけど、なんで空鈴サンまで?
「お前のことが気になるからやろ?経歴不明の天才さん!」
麗央はそう言って僕の肩を叩く。僕はため息をついて、タオルを麗央に投げつけ、訓練室を出た。
♣︎♣︎♣
〜ヒナside〜
訓練室の前で音楽を聴きながら咲良くんを待つ。あの日から1ヶ月。最近、ヒメが蛇芽さんと付き合い始めたって聞いておめでたさと同時に少し羨ましくも感じる。
「私の方が、先に咲良くんに恋をしたと思うんだけどな、、、」
想い人は違うけど、大好きな親友が先にリア充の仲間入りしたことに対しては少しぐぬぬって感じになる。
「咲良くん、、、」
「呼んだ?」
「わっ!?」
咲良くんの名前を呟くと、後ろから彼が出てくる。手には私が訓練室に置いた水のペットボトル。中身が少し減っていた。
「差し入れありがとね〜」
「どういたしまして!あれ?明神くんは?」
「僕が勝ったから後片付け」
そう言って咲良くんは右の方へ向かう。確かそっちは資料室だったはずだ。私も彼に着いていく。
「なんで資料室に?」
「何となく。バゼラード振ってて、依澄のこと思い出したからさ〜」
守条依澄。確か咲良くんの師匠であり、南條ちゃんの兄。確か咲良くんとは義理の兄弟とも聞いていた。
「その、依澄って人の事、聞かせて?」
「だから資料室まで行こうと、、、」
「それもいいけど、咲良くんから見た依澄さんってどんな人?」
私が尋ねると、咲良くんは首を傾げながらうーんと言い出した。思い出しているのだろう。その依澄って人の思い出を。いつの間にか資料室に着いていたみたいで、私は資料を探す。
「これかな?」
「守条依澄の記録、、、これだね」
私はテーブル席をみつけ、資料を開く。資料に乗っていたのは、その人の戦いの歴史。咲良くんが知らないのもあれば、知っているのもあったらしい。中には、
「あの戦いの時、実は依澄が!」
「フフッ、アハハ!」
エピソードを語る彼の横顔を見る。普段見ないような笑顔。いつもの人をおちょくるニヤリ顔じゃない。きっと、これが彼の本当の顔なのだろう。私たちはひたすらに笑い合うのだった。
♣︎♣︎♣
本部を出てしばらくした時。空はもうとっくに暗くなっていた。もう悪霊が出てもおかしくない時間帯だ。
「依頼、最近特にないよね?」
「うん。大片付けしたからね。咲良くんは溜め込みすぎなんだよ!」
めっ!と私は言うと、彼はおどけたように笑う。ま、僕は天才だからと高笑いしてた彼は、ふと立ち止まる。
「咲良くん?」
「静かに。何かいるよ」
彼の言葉に警戒し、私は彼のシャツの裾を掴む。何かあっても絶対に離れないように。彼は目を閉じていた。ずっと前に彼が言っていた。こうすれば視力以外の感覚が研ぎ澄まされると。ふと、彼が目を開けると左斜め上を発砲した。
「へぇ、よくわかりましたね。私の居場所が」
彼が打ったのはメガネをかけた男性。人間?でも、彼が人間を誤射するはずがない。
「わかるさ。炎の感触がする。熱いんだよ。お前」
彼は今までに見ないような顔で目の前の男を睨んでいた。
「咲良くん?」
「空鈴サン、僕はアイツからキミを守りきる自信なんてものはない。でも、アイツから逃げろなんてこと、僕は言えない。アイツは、普通の悪霊ましてやハイゾーンなんてモノじゃない!」
彼はそう言う。私は裾を強く握る。一体あの男とどのような関係なんだろう。男はにやりと笑い、咲良くんに問う。
「私のこと、まだ覚えてるとは。光栄ですね」
「当たり前だ、、、忘れたことなんてない、、、あの日、、、依澄を殺した!お前のことを!」
「フフフフ、、、アーッハッハッハ!キミはやはり激情家だ。それは、あの日、孤児院で見たキミと変わらない」
「なんだと!?」
孤児院?一体どういうことだろうか?男はフフフフと笑うと、黒い炎に包まれる。咲良くんはベルトを装着すると、カードをホルスターから取り出す。
「今日は挨拶です。また会いましょう。泣き虫くん」
「な!?待て!僕と戦えよ!逃げるのか!」
「逃げる?いいえ。貴方にはまだ私のましてやジン様のステージには程遠い。それだけです。では」
炎に包まれて、男は消えた。
♣︎♣︎♣
〜咲良side〜
あの男が消えた方向を見続ける。何も出来なかった。空鈴サンの方を見る。どうやら無事のようだ。ホッと息を吐き。その場に座り込む。
「大丈夫?」
「うん、、、へーきへーき」
僕は立ち上がろうとしたけど、足が上がらなかった。もしかして、腰が抜けたのだろうか?この僕が?
「手、かすよ。腰が抜けたんだよね?」
「推しに隠し事は通用しないみたいだね〜。お願いするよ」
僕は差し伸べられた手をつかもうとして、空鈴サンの顔を見た。ふと、あの子と重なってしまった。
「?どうしたの?」
「い、いや、なんでもっないよ!」
僕は彼女の手を掴むと、一気に引っ張り、彼女に尻もちをつかせる。
「いった!何するの!」
「ありがとう」
「え?」
僕はお礼を言う。いや、言わなければいけない気がした。なんとなくだけど。僕はそんな気がしたんだ。
「キミがいなかったら、僕は明らかにアイツに呑まれてた。今この瞬間、僕が僕でいれるのは、キミのお陰だよ。空鈴サン」
「ヒナ」
「え?」
「ヒナって呼んだら、さっきのこと、許してあげる」
僕は目を見開く。まさかそう言われると思わなかった。
「、、、わかったよ。ヒナサン」
「まぁ、それでもよろしい」
今度こそ、僕たちは立ち上がった。僕は1人じゃない。もうあの頃の僕とは違う。そう思えた1日だ。僕は空鈴サンを送っていくのだった。
♣︎♣︎♣
〜奏多side〜
資料室でとある資料を探していた。アリスの使用している武器。俺の思惑が正しければ、
「あった。多分これだ」
俺が見つけたページには、
【グリムガンナー:死神の力を強制的に装甲として纏える武器。但し、反動が強く、使用実験の際、数十を越える死神が死亡した為、ロールアウトは断念。封印した】
そう書かれていた。添付されていた画像にはアリスの使用していた武器と類似している武器が。
「思った通り。でも、なんで悪霊たちはこの武器のことを知ってたんだ?」
俺の疑問は深まるばかりだ。敵の思惑も気になる。
「奏多くん!どうだったの?」
「わかったこともあれど疑問は深まるばかりってところだよ。帰ろう。ヒメさん」
「うん!帰ろう!」
俺は大切な人の手を握り、資料室を出た。俺たちの夜は、まだ少し、明けることはないみたいだ。
ED:HIMEHINA「アダムとマダム」
守条咲良の元に1人の男が尋ねてくる。男の名は立川真琴。陽炎学園の生徒会長だ。そしてハイゾーン、カイナとの再戦。果たして、モルテは勝てるのか!次回、仮面ライダーモルテ♯18會無
「守条くんが、、、仮面ライダー?」
人気投票 推しキャラは?
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守条咲良(仮面ライダーモルテ)
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南條美澄
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南雲蓮
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蛇芽奏多(仮面ライダーサマエル)
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空鈴ヒナ
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田井中ヒメ
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速水心花
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明神麗央(仮面ライダースコール)
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楠神真琴(仮面ライダーサリエル)
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冴島灰馬(仮面ライダーオルクス)
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アリス(エビルライダー)
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ジン
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アキネ