仮面ライダーモルテ   作:紅坂 絡

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刃に助けられてから1年が経つ。あれから力を磨き、実戦を重ね続けた俺は、いつの間にか、『練磨の死神』と呼ばれていた。その二つ名に恥じぬ活躍をするためにも、鍛錬は欠かせない。
『お前の活躍、聞いてるぞ。もう勢いだけのバカじゃないな』
『そっちこそ、大分、調子いいみたいだな。神の刃』
訓練室で2人、拳を合わせる。今や、俺たちは親友だ。悪霊の討伐も、2人で行う事も前はかなりあった。今は余りないが、ないならないで、いいことだ。
『なぁ、刃』
『なんだ?完二』
『俺、いつかあの時の借りを返すよ』
俺がそう言うと、アイツは笑い出す。
『な、何がおかしいんだよ!』
『別にそのために助けたんじゃない。俺は、目の前で誰かが死ぬのを見たくないだけだ。例えそれが、死神だろうが、余程の悪人だろうがな』
刃の言葉に俺は胸がグッときた。それ以来、俺は目の前で誰かが死ぬことのないようにしている。親友の言葉に、感銘を受けた影響だ。
【完二の日記】〜親友〜より。



♯18會無

僕は一瞬、何が起こったのか分からなかった。倒れる依澄の様子を見て、僕は男から離れ、依澄の元へ向かう。

『依澄!』

『わりぃ、、、油断した』

『そんなんで済む怪我じゃないだろ!今すぐ運ぶ!手当てを受けないと!』

僕の言葉を否定するように、依澄は首を振る。

『内蔵が幾つか焼けた、、、俺はもう、長くない』

『こんな時に冗談言うなよ、、、アンタが死んだら!』

『正直、悔いもある、、、アイツのことも、、、妹のことも、、、そして』

依澄は僕の頬に手を伸ばす。

『お前が降霊する瞬間を見届けることができなくて残念だなぁ、、、』

僕は依澄の手を握る。離したら、遠くに行ってしまいそうで、怖くて、また、僕からいなくなってしまう。それだけは嫌だった。

『嫌だ、、、もう1人は嫌だよ!』

『咲良、、、お前にはいずれ、仲間が、大切に思える人達ができる。それに俺はお前の心で、ずっと生きてる、、、』

僕の目から涙が落ちる。依澄は涙を拭う。そして、もう片方の手で、僕の襟を握る。

『妹を、、、美澄を、、、守ってくれ!咲良!』

僕の手から依澄の手が落ちる。依澄の目は閉じている。再び手を握ったが、もう、温かさはなかった。その日、僕は、

『うわぁぁぁぁあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!!』

大切な人を、失った。

 

♣︎♣︎♣

 

陽炎学園学生寮。そこの一室に、あの男は住んでいる。俺は鞄から1枚の紙を取り出す。黒のショートヘアの小柄の少年。黒のロングコートを纏っており、コートの袖には1枚の札。右腕には見慣れない腕輪をつけている。目的地に着くと、俺はインターホンを鳴らす。

「すまないが、開けて貰えるか?」

「別にいーけど〜」

その部屋の主、写真と同一人物の少年が扉の奥から出てくる。少年は誰だコイツ?というふうな視線を向けた。

「アンタ誰?」

「立川真琴。陽炎学園の生徒会長だ」

「へぇ〜、その会長サンは、この僕になんの用?」

彼は俺に尋ねる。俺は紙を見せた。

「単刀直入に問う。守条咲良くん。君に事情徴収を命じる」

「まーじでー、、、」

「まじだ」

この時、この少年の戦いに、俺も巻き込まれることは、まだ、知らなかった。

 

♣︎♣︎♣

〜美澄side〜

守条咲良に急に電話で呼び出されたワタシは、陽炎東街にある喫茶店に来ていた。そこにいたのは、呑気に手を振る問題児と、ウチの生徒会長だ。ワタシは守条咲良の元へ向かう。

「どうなってるんだこれは?」

「事情徴収」

彼は端的に答えると、店員を呼び、パフェを頼む。テーブルにはパフェの器がふたつ。

「俺の奢りと言った途端これだ。それでも口は硬いまま。だから君を呼んだのだ。南條美澄さん」

「はぁ、、、」

たしかに。普段はぐーたらでサボり魔な守条咲良だが、コイツはものすごく口が堅い。ワタシ達が知りたいことを教える時は教えるが、他の情報については何も教えない。過去が不明な理由の1つもそれだろう。

「上手く話をそらされましたよね?」

「あぁ。会話の切り替えが上手で本当に参るさ全く、、、」

ため息をついてコーヒーを飲む立川さんの仕草に少し見惚れる。少し見渡すと、半数の女性客はウットリしていた。もう半数は、

「正面のあの子、可愛くない?」

「中性的な感じで、私タイプかも、、、」

「後3年、、、いや、1年経てばイケメンになるわ!」

パフェを食べている守条咲良に向けられている。彼はその視線に気づいており、女性客に小さく手を振る。

「彼はなぜ手を振っているんだ?」

「目がいい。と言うより、視野が広いんです。それと、、、」

ワタシは忠告する。そう、これだけは言わなければいけない。

「過度な詮索は控えた方が身のためです。あの男は、容赦というものを知らない」

ワタシの警告に立川さんは頷いた。

「ひっどいなぁ南條サンは。でも、これ以上色々言われるのもメンドイしなぁ」

あの男は考え事をしている。嫌な予感がよぎった。

「深夜23時に西二番街においでよ」

「お前、まさか!」

「口外禁止だけど、見るなとは言われてないからね〜」

ワタシはため息をついた。立川さんはその場所を知っているのか、動揺していた。

「守条くん!?そこは夜の街だろう!未成年は補導されるぞ!」

「バレなきゃいんだよ」

そういうと、守条咲良は立ち去った。その後、伝票を見た立川さんは震えていた。

 

♣︎♣︎♣

〜咲良side〜

夕方、僕は自室でバゼラードを回していた。その様子を見て、ハルバが話しかける。

『お前、オレサマを通じて今日の事が報告されるの忘れてないだろ?なんで誘った?』

「なんでもいいっしょ〜。僕の行動に縛りをつけるなよ」

バゼラードを仕舞う。

「誰かに何かを強制されるの、僕は嫌いだ。ハルバ、お前は僕の敵かい?」

『さぁな。だが、これだけは言える。お前は唯の死神じゃない』

「僕が1番知ってるよ」

夏用の黒シャツを羽織り、部屋を出るのだった。

 

♣︎♣︎♣

 

深夜の陽炎西二番街。ネオン看板が夜道を照らしている。僕達は街の路地裏を進んでいく。

「で、なんでヒナサンまでいるのさ」

「浮気防止に決まってるでしょ!」

「はぁ?」

僕、1回ここ行ったけど。まぁそれはいいや。

「な、なぜ路地裏へ?」

「そうだ。ワタシも理由を聞いてないぞ。それにこの時間帯は」

僕はニヤリと笑い、奥の道に銃を向ける。

「君!?それは一体!」

『へぇ、俺の場所がわかるのか』

路地から出てきたのはあの時のハイゾーンエビル。

「やっぱりアンタか」

『退屈だなぁ。ガキ相手に俺を駆り出すなんて、輪廻は何考えてんだ〜』

輪廻?幹部の名前か?僕はベルトを巻き、カードを挿入する。

『スタークル』

ウサギを模した死神が星のモニュメントと共に背後に現れる。

『ARE YOU READY?』

僕は左親指で首を掻っ切る仕草をする。

「変身」

『スターグリムアップ』

鎌を下ろすと、死神が装甲に変わり、僕に纏われ、モニュメントが装着される。

「さぁ、始めようぜ〜。今宵は死神の時間だよ」

『上等だ!』

僕はゆっくりと。相手は僕に向かって駆け出した。

 

♣︎♣︎♣

〜真琴side〜

目の前で怪物と守条くんが戦闘を繰り広げている。

『オラオラ!どうした死神!』

「クッソ、、、スタークルのスピードに対応してる、、、」

怪物が押しており、守条くんは防戦一方だ。

「守条くんが、、、仮面ライダー?」

「モルテ。それが彼の今の名前です」

俺は唖然とする。まさか生徒がこんな戦いに巻き込まれていたとは。

「ハルバ!アレをやる!」

『おい待て!アレはまだ』

「出し惜しみして、僕がやられるのは仕方ないけど、後ろの3人がやられたら、依澄に合わせる顔がない!」

『、、、本当、お前といると退屈しないな。死ぬなよ』

「誰に言ってる」

守条くん、モルテは腕輪と会話した後、怪物から距離を離す。そして、腕輪を触れる。

『グリムモード』

そしてカードをスラッシュした。

『グリムリーディング』

彼の姿が星空のような輝きに包まれる。すると、彼の姿が見えなくなった。

『何?何処へ行っ、、、!?』

ふと、怪物がなにかに斬られる。そして更にもう一閃。光は再びモルテに戻る。

「スターリープ。スタークルの本当の力を、ハルバを介して引き出した」

『短時間だけな。あとから反動が来るぞ』

「だから来る前にここで奴を倒すんだよ」

彼の戦いに夢中になってた俺は気づかなかった。隣の南條さんに迫る危機を。

 

♣︎♣︎♣

〜咲良side〜

サマーソルトで奴の顎に攻撃し、距離をとる。ベルトの鎌をあげ、右足にエネルギーを貯める。そして鎌を下ろす。

『スタークルグリムブレイク』

飛び上がり、前転。そして相手に蹴りを命中させる。

『なんだ。強力な力だが、俺には効かんな』

「うっそ!?」

右足を掴まれ、僕は投げ飛ばされる。

「クッソ、耐久たっけぇ、、、」

『場数も、悪意を受けた数も、桁が違うんだよ。ガキ』

そしてエネルギーを込めた拳で僕の鳩尾を撃った。

「ぐはっ」

僕の変身は解かれる。ヒナサンと立川会長が僕に駆け寄った。

「咲良くん!?しっかり!」

「大丈夫か!?」

立川会長の肩を借りて立ち上がる。体にはダメージが残っていた。

『さて、あとは嬲り殺しだ』

逃げるタイミングを稼ごうにも、スタークルはもう完全に見切られている。他のアームドでなんとかするしかないか?そう考えた時、なにか嫌な予感を感じた。南條サンの方を振り向き、僕は叫んだ。

「そこから離れろ!走れ!」

「な!?」

『あん?』

敵も動揺している。南條サンも唖然としていた。僕は立川会長から離れ、南條サンを押し倒した。その数秒後、南條サンがさっきまでいた場所に炎の矢が刺さる。

『この矢、輪廻だな』

「貴方は詰めが甘いんですよ。カイナ」

矢が飛んできた建物の屋上に居たのはあの時の男。

「しかし凄い反射神経だ。カイナの攻撃を受けて、まだ動けるとは。流石、としか言いようがないですね」

『おいおい、このガキは譲ってくれるんじゃないのか?輪廻』

「えぇ。ですが、南條美澄は別です」

「なんだと?」

南條サンが輪廻と呼ばれた男に銃を向ける。輪廻も炎の矢を空中に出現させる。僕はソードガンの銃口を向けた。

「これでわかったでしょう?アナタには、このステージは早すぎる」

そう言って、輪廻は黒い炎に包まれて消えた。

『しゃあねぇ。俺もトンズラすっか』

カイナと呼ばれるハイゾーンエビルも闇に紛れて消えた。完全敗北。この言葉が、頭によぎった。




最強の死神、蛇芽奏多はとあることについて調べていた。そしてとあることに気づく。守条咲良を呼び出した蛇芽奏多が行ったのは、、、キャッチボール!?次回、仮面ライダーモルテ♯19「内通」
「さぁ、天才と最強。ダブルで死神の時間だよ」

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  • 守条咲良(仮面ライダーモルテ)
  • 南條美澄
  • 南雲蓮
  • 蛇芽奏多(仮面ライダーサマエル)
  • 空鈴ヒナ
  • 田井中ヒメ
  • 速水心花
  • 明神麗央(仮面ライダースコール)
  • 楠神真琴(仮面ライダーサリエル)
  • 冴島灰馬(仮面ライダーオルクス)
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  • ジン
  • アキネ
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