仮面ライダーモルテ   作:紅坂 絡

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俺と刃は再びあの施設に来ていた。前回はあの2人を救出して調査は途中になってしまった。
『なんか、不気味だ。ここ』
『当時、社員が大量に死亡した事故があったらしい。そのせいでこの施設は閉鎖。事故の責任を取るためなのか、社長は自殺』
『もしかして、その事故の悪意が悪霊を?』
『有り得るな』
俺の予想に、刃は頷く。奥に進む度に、嫌な感じは続いた。俺は剣を強く握りしめる。刃も鞘を握りしめる力が強くなる。施設の中を進んでいく中、俺は中でも強く悪意の感じる部屋にたどり着く。俺と刃は目を見合わせる。互いに頷くと、扉を開く。部屋の中で、俺はとある書類を見つけた。
『こ、これは!?』
【完二の日記】〜悪意の施設〜より。



♯20黒渦

僕のバゼラードをヤツはいとも簡単にかわす。ヤツは攻撃しなかった。それが、僕なんか余裕で倒せるという態度に見えて、ムカつく。

『心が軟弱だ。依澄さんが死んでも無理はありませんね』

『黙れ!お前が依澄を語るな!』

『フフフ。このような簡単な挑発に乗ってしまう時点で、キミは未熟、軟弱、虚弱!』

もっと、強くなりたい。もっと強く。速く。もっと速く動くことが出来れば、僕はアイツに刃を当てることができるのに、、、

『、、、』

この時、僕は気づいていなかった。依澄のベルトが僕の心に反応していたことを。

 

♣︎♣︎♣

 

スタークルの能力で上昇し、悪霊に斬り掛かる。シニガミバゼラードの斬撃は強力だが、どうやらそんなに効いてないみたいだ。

「モルテ、交代」

「おっけ〜。そっちの力、見せてよ」

「了解だ」

僕は交代し、駆け出すサマエルとタッチして交代する。サマエルは鎌を回転させながら悪霊を斬る。

『グルルル!』

悪霊が爪で斬り掛かるが、サマエルはそれを鎌で防ぐ。僕はサマエルの背をジャンプ台の代わりにして飛び上がり、カードをスラッシュする。

『スキャンスラッシュ』

「よっと!」

サマエルが傷をつけた場所に攻撃を当てる。

『グガアアアアアア!?』

「あの鎌、強すぎない?結構ダメージいってたよ〜」

「アブソリュートのおかげさ」

そしてサマエルは鎌で悪霊の腕を切断する。僕はソードガンで断面を連射する。更に僕の頭上から飛んできた鎌が断面に突き刺さる。僕はサマエルの隣に着地した。

「そろそろフィニッシュじゃない?」

「いーね〜。フィニッシュはダブルキックと行こうぜ〜」

僕たちがベルトの鎌をあげようとした時、

「すみません。そのフィニッシュはまだお預けですよ」

僕を謎の衝撃波が襲った。

「うわぁぁぁあああああ!」

「守条くん!一体何が!?」

衝撃波の方向先を見る。そこにいたのはメガネの男。男はニヤリと変わると、黒い炎の悪霊に変わる。その隣にはエビルライダーがいた。

 

♣︎♣︎♣

〜ヒナside〜

咲良くんから連絡がない。悪霊と戦うことの無い日にはいつもチャットしてくれるのに。もしかして、戦っているのだろうか?

「確かに私たちは足でまといかもしれないけどさ!」

「まぁまぁ落ち着いてよヒナ」

ヒメから渡されたコップに入っていた飲み物を飲み干す。数秒後、私はヒメに向かってその飲み物を吐いた。

「汚いよヒナ!」

「何この飲み物!すっごい辛いじゃんか!」

「え?本当に?」

ヒメが同じ飲み物に舌先を当てると、

「辛っ!?やってくれたな〜守条くん!」

「え、これ咲良くんがくれたの?」

意外だ。彼って好きな人(推し)にはイタズラしてしまうタイプだっけ?心当たりはまぁまぁあるが。

「奏多くんに渡せって言われたけど、奏多くんも連絡取れないんだよね」

「蛇芽さんも?」

「うん。守条くんに会ってくるってチャット来てからなんも連絡無いんだよね」

嫌な予感がする。2人の無事を、私たちには祈ることしかできなかった。

 

♣︎♣︎♣

〜咲良side〜

目の前にいる悪霊は間違いなくアイツだ。僕は立ち上がると輪廻にバゼラードを向ける。

『忘れたのですか?私には敵わないと』

「うるさい!僕と戦え!」

「守条くん!無闇に突っ込んじゃダメだ!」

蛇芽の忠告を聞く間もなく、僕は輪廻に斬り掛かる。輪廻はバゼラードをかわし、僕の足を引っ掛けて転ばせる。起き上がった僕の斬撃をかわし、僕の胴に蹴りを与える。

「カハッ」

『この攻撃、覚えがあるでしょう。全部、君が我らの同胞に行った攻撃ですよ』

「なんだと?」

『無様ですねぇ。同じ攻撃方法でやられるとは。無様、無様無様無様』

「黙れ!」

起き上がり、僕はバゼラードを奴に投げると、奴はかわす。それを予測して、僕はかわすであろう方向にソードガンで攻撃する。が、

『わかってますよ。君のことは』

ソードガンの刃先を掴まれる。そして顎を撫でられる。

「僕に触れるな!」

輪廻の腕を振り払う。ソードガンを手放し、蹴りを与える。ベルトの鎌を上げ、下ろす。

『スタークルグリムブレイク』

「はぁぁぁああああぁぁぁああああ!」

エネルギーの籠った拳を、輪廻は簡単に受け止める。

『弱い。本当の拳とは、こうやるのですよ』

ヤツの炎を纏った一撃が、僕の鳩尾に突き刺さる。

「くっそ、、、」

変身は解除され、僕は気を失った。

 

♣︎♣︎♣

〜奏多side〜

守条くんの元に近づこうとするが、エビルライダーが邪魔して近づけない。

「どいてもらうよ。アリス!」

『ダメよ。貴方は私が処刑するんだから』

エビルライダーは銃で殴って来る。俺はそれを鎌で防ぎ、回し蹴り。距離を離し、鎌を投げる。

『その手には!』

エビルライダーはかわす。だけど、戻ってくる鎌の斬撃を喰らう。

『なに!?』

俺は戻ってきた鎌をキャッチ。そのまま斬り掛かる。

「お前を捕獲し、その武器を回収する!」

『なるほど、それが貴方の狙いですか。サマエル』

「!?」

気づいた時には、俺は地面に転がっていた。一瞬、何をされたのか分からなかった。

「アブソリュートを、、、どうやって、、、ぐはっ」

俺の顔を踏みつけたのは、先程、咲良を倒した炎の悪霊。

『見てましたよ。ギガント・エビル・マキナとの戦い。その力は強力だ。しかし』

足を退けると、俺の首を掴み、持ち上げた。

『まだ、及ばない』

「ぐはっ!」

悪霊は俺をそのまま投げ飛ばした。俺は壁に激突する。

「強い、、、」

『グリムガンナーのこと、随分と探ってるみたいですね』

「!?何故それを!?」

『知ってますよ。死神のことは、何もかも』

これで確信した。死神の中に、内通者がいる。

『ですが、それを知ったところで、貴方はここから生きて出ることができないでしょう。アリス、咲良くんを起こしなさい』

『はい』

『貴方には、寝てもらいましょう』

鳩尾を打たれ、俺は気を失った。

 

♣︎♣︎♣

〜アリスside〜

私は心を鬼にして咲良くんを起こす。咲良くんは嫌そうにしながらも、なんとか起きる。

『おや、起きたようですねぇ』

「!?輪廻!」

咲良くんは起き上がろうとするが、輪廻様のアイコンタクトで、私は咲良くんを抑える。

「クソ!離せアリス!」

『ダメ。離さないよ、絶対にね』

守条くんは私の拘束から抜け出そうとする。私は拘束する力を強くした。

『さて、咲良くん。私がこれから、何をするか、分かりますか?』

「!?蛇芽!」

輪廻様がサマエルの使っていた鎌を抜き、刃先をサマエル、蛇芽奏多の首に突き立てる。

『処刑ですよ。この男は、知らなくてもいいことまで知ってしまったのですから』

「なんだと、、、」

私は彼への拘束を更に強くする。そして頭にエビルガンナーの銃口を当てる。

『動いた瞬間、私は愛する貴方の頭を撃つ』

『そういうことです。黙って見てなさい。あの時みたいに、目の前で誰かが死ぬ瞬間を』

「やめろぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!」

鎌は、今にも蛇芽奏多を斬り裂こうとしていた。

 

♣︎♣︎♣

〜咲良side〜

このままだと、蛇芽が死ぬ。あの時、依澄が死んだみたいに、今度は蛇芽が死ぬ。僕の心の中で、黒い何かが暴れ出す。

『俺さ、大切に思える人ができたんだ』

ふと、ある日の会話を思い出す。

『へぇ〜、どんな人?』

『フフっ内緒だよ』

『え〜いいじゃん教えてよ〜』

『その人を守り抜くこと。それが、俺にとっての正義なんだ』

『そっか、、、僕にはできる気がしないなぁ。そんな人』

『いずれ出来るよ。君にも、守りたいって思える人がさ!』

僕にも、守りたいって思える仲間ができた。蛇芽にも、守りたいって思える人がいるんだ。こんなところで死なせてたまるか。こんなところで、

「やられて、、、たまるか!」

瞬間、僕の心の奥で暴れていた黒い何かが溢れ出した。その黒い何かはエビルライダーに変身したアリスを吹き飛ばす。僕は黒い渦の中心にあるものを掴む。それは、ドス黒いモノを纏ったウサギのカード。僕はカードをベルトに挿入する。

『フーリアラビット』

背後にウサギのドクロの死神が現れる。死神は雄叫びをあげ、黒い渦に包まれる。

『RAMPAGE READY?』

僕はベルトの鎌を下ろした。

『ランペイジグリムアップ』

「変身」

 

♣︎♣︎♣

〜ヒナside〜

中央街の噴水公園で歌の練習をする。来月出る予定の新曲だ。ヒメは少しミスりながらも、全フレーズを歌い切る。私のフレーズの番になった時、地面が揺れる。

「な、なに!?」

「地震!?」

ふと、目の前から謎の空間が現れ、そこから1人の男性が現れ、地面に転げ落ちた。よく見ると、男性は大怪我をしている。その人は、私たちがよく知っている人だった。

「奏多くん!」

ヒメがその人に近寄る。

「しっかりしてよ!奏多くん!」

ヒメが体を揺するが、目を覚まさなかった。彼に続いて、エビルライダーと、炎の悪霊、輪廻が何者かに首を掴まれた状態で現れる。その何者かは、黒い渦みたいな装甲に、黒いドクロ。ドクロはウサギだった。

「もしかして、、、咲良くん、なの?」

咲良くん、いつもと違うモルテは、2人を投げ飛ばした。そして、

「ウォォォォオオオオオオオアアァァァァァアアアアア!」

いつものモルテはしない、雄叫びをあげた。

『フーリアラビットグリム』

 




新たな力、フーリアモルテに覚醒した守条咲良。だが、強力すぎるこの力はモルテの理性を吸い、暴走させていた。その力は、エビルライダーを、スコールを圧倒する。次回、仮面ライダーモルテ♯21「暴兎」
「何か、嫌な予感がする」

報告。
その日、各支部の死神が集結する!
『仮面ライダーモルテ 超特別編』
近日公開。

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  • 南雲蓮
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  • 明神麗央(仮面ライダースコール)
  • 楠神真琴(仮面ライダーサリエル)
  • 冴島灰馬(仮面ライダーオルクス)
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  • アキネ
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