仮面ライダーモルテ   作:紅坂 絡

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 世界は悪霊に侵略された。生き残った人々は悪霊の奴隷にされた者もいれば、無惨に殺された者もいた。そんな世界に、1人の少年は憤りを感じていた。
『何故、反撃しないのか』
だが、少年にも敵わないことはわかっていた。だが、悪霊に一矢報いたい。その思いを背負ったまま、少年はこれから先、生きていくことになる。
『旧約 死神録 侵略された世界』より。


♯4再戦

 ある七夕の日の夜、僕たち孤児院のみんなで短冊に願い事を書いていた。なおちゃんが僕の短冊を覗き見るので、僕はそれを隠す。

『なんで隠すの?』

『人に見られると、願いが叶わなくなるって、先生が言ってた』

僕が答えると、なおちゃんは大笑いする。

『そんなの、嘘っぱちだよ!』

そう言って、なおちゃんは短冊を見せた。

【おなかいっぱいハンバーグをたべたい なお】

『叶うといいね』

『うん!』

みんなが寝静まった夜、僕はこっそり短冊を見に行った。いろんな願いがある中、1つの短冊が目に入った。

【これからもみんなといっしょにいたい なお】

『僕もだよ』

【みんなとずっといっしょにいたい さくら】

齢9。僕の、忘れられない思い出だ。

 

♣︎♣︎♣︎

〜蓮side〜

 咲良が戦った次の日の昼休み、俺は南條ちゃんと咲良を食堂に呼び出して、昨日のことを聞いていた。

「なぁ、死神ってなんなんだ?」

俺の問いに南條ちゃんが答える。

「人々を悪霊から守る戦士のことです」

「悪霊?」

「人々を襲う、怪物の総称。物に宿った人間の悪意を吸い込み、夜に実体化。人を襲うんだよ」

そう、咲良が答えた。だからあのサソリの怪物はスロットの筐体から出て来たのか。

「その悪霊を倒すのが、コイツ、守条咲良の仕事です」

「まーね」

南條ちゃんは咲良を指差す。咲良はドヤ顔をしていた。

「で、お前はなんで南沢から陽炎街まで来たんだ?」

「人格矯正です。守条咲良はサボり癖と命令違反が多いので」

そう、南條ちゃんが答えた。咲良は納得いかないという感じにむくれている。ふと、俺は気になったことがあるので聞いてみた。

「なぁ、咲良。なんでお前は死神になったんだ?」

「それはね、、、」

 

♣︎♣︎♣︎

〜咲良side〜

 半月が輝く夜。僕とスコーピオンエビルは互いの剣と鋏をかち合わせていた。互いに拮抗する。

「やるね」

『お前もな』

スコーピオンエビルが尻尾を放ってくるので、バックステップで交わし、変形させた銃で射撃。奴は銃弾を尻尾で弾くと、そのまま尻尾で攻撃する。僕はそれをかわしながら、奴へどう対抗するか考えていた。

『ハハハハハ!ここまで粘ったのはお前が初めてだ!』

「そりゃどーも。簡単に死ぬ訳にはいかないんでね」

距離を取り、剣を構える。奴も尻尾を構えていた。

「でも、これで終わりだ」

『あぁ。この一撃で終わらせよう』

僕はベルトからカードを取り出し、剣に挿入した。

『ラビット』

剣にエネルギーが迸る。奴の尻尾に毒液が滴る。

「イチ、、、」

『ニの、、、』

「『サン!!」』

僕たちは同時に駆け出す。尻尾の毒針が僕に迫る。僕はそれを屈んで避け、そのまま突っ込み、

「はぁああああぁぁぁぁぁあああああああああああぁぁぁああああああああ!!」

『ラビットグリムスラッシュ』

奴を斬る。スコーピオンエビルは地面に倒れ込む。

『グハッ!?お、お前の、、、勝ちだ』

「うん。楽しかったよ」

『ギャハハハハハハハ!俺もだ』

スコーピオンエビルはそう言い、爆散。すると思ったら、

『いいシーンのところごめんね。延長戦とさせてもらうよ』

上から声が聞こえたので声の方へ向くと、マントを纏った何かが、数枚のカードをスコーピオンエビルに投げた。それらを吸い込んだスコーピオンエビルは巨大なサソリに変わった。

『ギュイイイイイイイイイイイイィィィィイイイイイイイイイイイ!』

「まーじでー、、、」

サソリが街の方へ向かう。僕はバイクに乗り、それを追いかけるのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

〜美澄side〜

 本部に呼び出され、定期報告を済ませて帰ろうとした時、1人の男が報告する。

「死神コード:R、守条咲良、スコーピオンエビルと交戦中!」

『何!?』

モニターには、スコーピオンエビルと互角に勝負を繰り広げるモルテの姿が映っていた。

「ははは!守条君って結構強いね」

「笑っている場合かね蛇芽君!彼は命令違反を犯しているのだぞ!」

そう、副総監の男が言う。そんな話よりも、ワタシは、彼の強さに驚いていた。

「彼は戦うたびに強くなる。それが、彼が『天才』と呼ばれる理由だ」

そう言ったのは御堂本部長。彼は、モニターに写っているモルテを指し、

「南條の報告によれば、彼は命令ではなく、人の声で戦ってるという。私は、彼こそが真の死神にふさわしいと考える」

そう告げた。本部長は、守条咲良を庇っているのだ。その言葉を聞いた総監が、ワタシに問う。

「南條、お前は守条咲良に対し、どう判断を下す?」

ワタシは答える。

「ワタシは、、、」

 

♣︎♣︎♣︎

〜咲良side〜

 死神が扱うバイク、『グリムストライカー』は、時速4444キロのスピードで走ることができる。更に、巨大化した悪霊に対し、機関銃で攻撃することもできる。実際、僕の乗るバイクも、巨大サソリに対し、機関銃を連射していた。

「いーねー。いっけー!シニガミバイク!」

僕も、グリムソードガンのガンモードで射撃する。だが、攻撃が効いてないのか、銃弾は跳ね返るばかりだった。

「なら!」

僕はバイクの姿勢を低くし、奴の巨体に潜り込む。そして奴の腹に、機関銃とソードガンの銃撃を喰らわす。奴はひっくり返り、僕はバイクのスピードを上げて脱出する。バイクを土台に飛び上がり、鎌を上げる。

「もう終わりにしよう」

鎌を下ろし、再び上げ、下ろした。

『ラビットグリムブラストブレイク』

「っらぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!」

僕は月明かりに照らされながら、奴の腹にむかって蹴りを入れる。

『ギャアアアアァァァァァァアアアアアアァァァァァァァアアア!!』

奴は爆散した。

「死神の時間は終わりだよ。ゆっくりお眠り」

 

♣︎♣︎♣︎

 

 翌日、僕は本部に呼ばれたので、本部の総監室に入る。総監室には、南條サンと、蛇芽奏多。御堂サンに、神谷玄徳総監が揃っていた。

「お呼びでしょーか?」

神谷サンが僕に言う。

「お前の処罰を伝える」

そう来たか。ま、当然だよな。命令を破ったのだから。

「これから先、人々を守る為に死神の力を行使できるか?」

「当然」

「なら、処罰はなし。以後、気をつけるように」

神谷サンは、総監室を退室した。南條サンがほっと息を吐いている。御堂サンが僕の肩に手を乗せた。

「これから頑張りたまえ」

御堂サンも退室し、僕と南條サンと蛇芽の3人になった。

「じゃ、俺らも帰ろうか」

そう言い、蛇芽が扉を開けると、ふと、こう言った。

「あ、南條助手と御堂本部長に感謝しなよ」

「わかったよ」

蛇芽の後を追い、僕と南條サンは共に総監室を出る。僕は、南條サンにお礼を言った。

「ありがとね。南條サン」

「お前のこれからが気になったから死神を辞めてほしくなかったからだ。守条咲良」

南條サンがそう言うと、微笑んだ。

「あれ?笑った?」

「笑ってない」

「え〜」

僕たちは追いかけっこをしながら、首の皮一枚繋がったことを喜ぶのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 そして、依頼を達成した事を島田クンに伝えた。彼は友達と一緒に遊べることを喜んでいたよ。そしてエレクトロでバイトする事にしたらしい。マナーを破る悪い人たちから善良なプレイヤーを守るんだって。あのスコーピオンエビルの代わりになってあげたいそうだ。今度は安全に。優しいね。今度、遊びに行く約束して、僕は昼寝をするのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 部室でネットニュースを見ていたレンレンが、とある記事を僕に見せる。

「見ろよこれ!この戦士ってお前の事だろ!」

写っていたのは、巨大サソリに蹴りを放つ僕の写真だ。南條サンが頭を抱える。

「お〜。見てよ南條サン!すっごいカッコよく撮れてるよ!」

「興奮するな!!守条咲良!!これ、本部になんて言えばいいんだ、、、」

レンレンが記事を読む。

「突如、街を襲ったサソリの怪物。それに立ち向かったのはバイクに乗った仮面の戦士。怪物を倒した戦士の事を、政府は『仮面ライダー』と呼称する事にしたってさ」

仮面ライダーかぁ、、、

「いいね。カッコいい」

レンレンが、ふと、こう言った。

「俺もこの同好会に入ることにした。秘密を知ってしまったからにはお前をほっとけないからな」

「え?」

「あ、後、こんなサイトも作ったんだ!」

レンレンはスマホで、あるサイトを開く。

【悪霊研究同好会特設サイト:悪霊、怪物に関する相談、受け付けます!】

「すごいですね、南雲先輩。守条咲良にも見習ってほしいです」

「僕の扱いひどくね」

僕は肩を落とし、下校時間までふて寝した。

 

♣︎♣︎♣︎

〜???side〜

 数日前の夜に会った死神の事が忘れられない私は、たまに夜の街であの死神を探していた。そして、巨大な怪物と戦闘を繰り広げる死神を目撃した。だが、あの時の死神じゃなかったみたいだ。私はその場から立ち去った。その次の日の夜、1人の黒の装甲の死神を目撃した。顔のドクロを見る。ドクロはオスのライオンだった。死神の足元には、複数の怪物が倒れていた。死神がつぶやいた。

「来ているようやな、、、咲良。会うのが楽しみや」

死神は武器を引きづりながら、その場を去るのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

〜咲良side〜

 いつかの昼休みに問われた質問を思い出していた。

『なぁ、咲良。なんでお前は死神になったんだ?』

『それはね、、、偶然スカウトされたからかな。やることもなかったし』

あの時はそう誤魔化したけど、本当は違う。

「僕が死神になったのはね、、、復讐のためさ。なおちゃん」

首に掛けている羽根のネックレスを取り出す。ネックレスには文字が彫られていた。

【dear sakura】

 

〜【序】仮面の死神が参る 完〜

 




 死神、守条咲良に新たな依頼が舞い降りる。それは、姫雛鳥を悪霊から守ってほしいとのこと。姫雛鳥の2人が狙われた理由は何なのか?モルテの新たな形態が姿を現す。次回仮面ライダーモルテ♯5装甲
「ゆっくりお眠り」

〜これからの仮面ライダーモルテは〜
『久しぶりだね。サソリを倒した死神』
現れる、新たな敵。
「お願いします!私たちを、、、姫雛鳥を助けてください!」
咲良のもとに新たな依頼が舞い降りる。
「こんなもんか。正義の死神も疲れるね」
死神サマエル、正式に参戦!
「やろっか。今宵は死神の時間だよ」
仮面ライダーモルテ毎週水曜13時更新!
〜【壱】仮面の死神と悪意の矢〜来週から更新開始!

人気投票 推しキャラは?

  • 守条咲良(仮面ライダーモルテ)
  • 南條美澄
  • 南雲蓮
  • 蛇芽奏多(仮面ライダーサマエル)
  • 空鈴ヒナ
  • 田井中ヒメ
  • 速水心花
  • 明神麗央(仮面ライダースコール)
  • 楠神真琴(仮面ライダーサリエル)
  • 冴島灰馬(仮面ライダーオルクス)
  • アリス(エビルライダー)
  • ジン
  • アキネ
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