仮面ライダーモルテ   作:紅坂 絡

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 少年は村を歩いてると、1人の男に出会う。男は少年の抱えてる感情に目をつけた。曰く、
『怪物を倒す方法ならある』
と。男はその場から去り、少年の目に光が灯った。これから先、少年はその男を探しまわることになる。
『旧約 死神録 少年の瞳』より。



【壱】仮面の死神と悪意の矢
♯5装甲


 雪が降りしきるクリスマスの日、僕となおちゃんは雪合戦してる他の子達を僕の部屋から見ていた。

『ごめんね、、、風邪ひいちゃって、、、』

『気にしないでよさくらくん!私はさくらくんと一緒にいることができて嬉しいよ』

なおちゃんはそう言い、僕の手を握る。

『だから、早く元気になって!そしたら来年は2人で遊ぼ!』

『うん!』

その次の日、1日遅れのクリスマスパーティーを行った。治りたてで余り食欲はなかったけど、それでも、ものすごく楽しかった。齢11の頃の僕だ。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 いつも通りの朝。僕はいつものラジオを聴きながら学校へ向かっていた。

『今日はスペシャルゲスト!この2人に来てもらったよー!』

『『はおー!姫雛鳥でーす!!』』

「え!?マジで!?」

その日の登校中、僕は計4回、電柱にぶつかったのをここに記す。

 

♣︎♣︎♣︎

〜心花side〜

 今日、珍しい事が起きていた。私は思わず隣の席を見る。守条くんが真面目に授業を聞いているのだ。

「守条、この問題解いてみろ」

「2√7」

「せ、正解だ」

守条くんは居眠りやサボりの常習犯。なのに小テストとかでは何故か満点を取る。先生からの急な質問もすぐに対応できたりする。それが彼のいつも通りだと思ってたが、今日の彼は、

「なんか普通の生徒みたい」

「え〜、ひどくない?僕も普通の男子高校生だよ〜速水サン」

昼休み、つぶやいた言葉に彼は言い返した。

「いや、普通は体育で眠りながらサッカーとかしないんだよ」

一緒にご飯を食べている南雲くんが思わず反論。偶然、目に入った男子のサッカーで目を瞑ったままシュートを決めた守条くんのことは一生忘れないだろう。南雲くんが守条くんに問う。

「で、お前なんかあったん?」

「ふっふっふ、、、よくぞ聞いてくれました!」

守条くんはそう言うと、1枚のチケットを机から取り出す。チケットにはこう書かれていた。

【姫雛鳥スプリングライブ20XX4/25:陽炎スタジアム】

「当たっちゃいました〜。姫雛鳥のライブチケット」

「マジ!すげぇな咲良!」

「でしょ〜」

守条くんと南雲くんが肩を組んでよろこびあっている。守条くんが南雲くんに言った。

「じゃ、その日は同好会サボるから南條サンにごまかしといて!」

「しょうがないなぁ〜」

守条くんは喜びを隠さず、弁当を食べるのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

〜咲良side〜

 同好会が終わり学生寮に帰る途中まで、僕の気分は高まっていた。

「ラジオのゲストに姫雛鳥が出ただけでもラッキーなのにライブのチケットも当たるなんて〜。運がいいな〜僕は」

空は既に暗くなっていた。急いで寮まで戻ろうとした時、

「助けてー!!」

悲鳴が聞こえた。僕は寮への道を引き返し、悲鳴が聞こえた方向へと走り出した。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 陽炎中央商店街の裏路地。そこにいたのはイカみたいな悪霊と、ソイツに襲われている1人の金髪の少女だった。って少女の方、どっかでみた事あるような、、、じゃなくて。

「急ぎますか〜」

僕はベルトを装着すると、カードを挿入。

『ラビット』

背後に黒装束でウサギのドクロの死神が現れる。

『ARE YOU READY?』

「変身」

ベルトの鎌で水晶を割る。

『グリムアップ』

死神が装甲に変わり、僕を包む。

『ラビットグリム』

僕は悪霊までジャンプし、悪霊を蹴り飛ばす。僕は少女に手を差し伸べる。

「大丈夫〜?早く逃げな〜」

「正義の死神!?」

少女が驚いている。死神の事を知っているのだろうか?っとそんなことよりも。

『死神だと!?』

驚いている悪霊に僕は向き直る。

「気を取り直して、今宵は死神の時間だよ」

悪霊にゆっくりと歩み寄るのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 イカの悪霊は触手を伸ばして僕の右腕に絡みつかせる。僕は左腕でグリムソードガンを持ち、悪霊の胴体に攻撃した。

『イッテェな貴様!』

「どうよ〜」

悪霊が触手を引き離そうとしたので右手でそれを掴むが、ヌメヌメしてて手が滑ってしまった。

『どーよオレさまの触手は!』

「単純に気持ち悪い」

『き、気持ち悪いだと!?確かに悪霊仲間からは避けられるが、そこまで言うことないだろ!』

あ、めっちゃ傷ついてる。

『こうなったら!この電撃触手でも、、、』

『待ちなよ』

『「!?』」

僕たちは同時に声のした方へ向く。そこには、マントを纏った何かがいた。

「あの時の」

『久しぶりだね。サソリを倒した死神』

『ナニ!?コイツがサソリを倒した死神なのか!?』

悪霊が驚いている。マントの奴が悪霊の首根っこを掴むと、何も言わずにその場から消えた。

「ちきしょ逃げたな〜」

僕は変身を解除すると、少女の元まで近づく。

「大丈夫?」

「はい、、、ありがとうございます」

金髪少女は僕に礼を言うと、僕の手を握る。

「お願いします!私たちを、、、姫雛鳥を助けてください!」

「え?」

この子、しれっとヤバいこと言わなかった?そして、この子の顔をよく見てみると、思い出した。この子はまさか、、、

「空鈴ヒナ!?」

僕の推してる歌手の1人だった。

 

♣︎♣︎♣

 

 翌日の放課後、僕はいつも通り同好会の活動を行っていた。と言っても、サイト内の書き込みを確認するか、依頼人が来るのを待つかなんだけど。南條サンがふと、こう言った。

「昨日、悪霊と戦ったらしいな」

「逃したけどね〜。あぁ、それと、妙な奴に会ったんだ」

「妙な奴?」

僕はマントを纏った何かについて話した。

「それを早く言わんか!」

南條サンの拳骨を避け、これからのことを考える。空鈴ヒナの依頼に関しては、他言しないように言われたので、本部の力は頼れないだろう。まぁ、頼る気もないけど。南條サンが2枚のカードを僕に渡す。

「悪霊を分析して作ったカードだ。戦いに活かせ」

「お、さんきゅ〜」

受け取ったカードにはクモを模したドクロが描かれているもの。そしてサメを模したドクロが描かれているものだった。僕が倒した悪霊の物だと分かったのはすぐだった。僕はそれらをホルスターにしまうと、部室を出る。

「じゃ、僕帰るから〜」

「な!?おい待て守条咲良!」

南條サンの制止の声も聞かず、僕は帰宅するのだった。

 

♣︎♣︎♣

〜ヒナside〜

 昨日の死神、守条咲良くんを待っている間、私は2人の男性からナンパされていた。

「ねぇねぇカノジョ〜俺たちと遊ばない〜?」

「いえ、人を待っているので、、、」

「そんなこと言わずにさ〜」

もう1人の男が肩を組んできた。思わず鳥肌が立つ。早く離れて欲しい。誰か助けて。そう思ってた時、

「はい、ストップ。これ以上はアウトだぜ〜」

後ろから守条くんが現れ、私に肩を組んでた男を引き剥がした。

「やるってんなら、相手になるぜ?勝てるかは知らんけどね」

守条くんから不気味なオーラを感じる。男性達もそれを感じたようで、慌てて逃げていった。彼は一息つくと、私の方を振り向く。オーラは感じなかった。

「大丈夫〜?」

「うん、ありがとう」

「よかった」

彼はニコッと笑う。こう見ると日常をを謳歌する男子高校生にしか見えない。

「で、詳しい話を聞きたいんだけど〜」

「あんまり店とかに入りたくないから、歩きながらでいい?」

「おっけ〜」

私たちは夕方の陽炎街を散策し始めた。

 

♣︎♣︎♣

 

 屋台のクレープを食べながら周囲を散策する。守条くんはカスタード大盛りのクレープを頬張りながら私に聞いてきた。

「なんで空鈴サンは死神の事知ってたの?」

「前に助けられたんだ。蛇のドクロの死神に」

私は答えた。守条くんは何かを考え込んだ表情をしている。

「蛇の死神、、、絶対あの人だ、、、」

「知ってる人?」

私の問いに守条くんが答える。

「知ってるもなにも、死神の間では結構有名人なんだよね〜。一応メアド持ってるよ」

いる?って聞いてきたが、私はそれを拒否した。

「私はキミに守って欲しいと思ったからいいや。それで本題に移っていい?」

守条くんがクレープを食べながら頷いたので話し始めることにした。

 

♣︎♣︎♣

〜数日前〜

 その日は新曲のレコーディングだった。私とヒメ、田井中ヒメはレコーディングを終わらせて一緒に帰っていた時に1本の矢?みたいな物を拾った。

「なんだろ?これ」

「知らない。ヒメ、これ交番に届けた方がいいんじゃない?」

「そうだね」

私達は交番に向かおうとした時、マントを纏った何かが私達の前に現れた。

『困るなぁ、、、それがないと計画が実行できないんだよね』

「「!?」」

私達は思わず後退る。

『今は君たちに敵意はないよ。軽くゲームでもしないかい?』

ゲーム?私達は首を傾げる。

『簡単だよ。明日からそうだね、、、25日までに君たちに刺客を送るからその刺客から生き延びること。生き残るためにはどんな手も使っていいよ。例えば、、、』

奴はニヤリと笑うと、

『死神を雇う、、、とかね』

奴は消え去った。私達は腰が抜け、その場に座り込んだ。ヒメが呟く。

「どうしよう、、、死にたくない、、、死にたくないよ、、、」

「ヒメ、、、」

私は矢を握り締め、生き残る事を誓うのだった。

 

♣︎♣︎♣

〜咲良side〜

 話を聞いて分かったのは、昨日のマントの奴と同じだろう事。そしてその刺客の内の1体が昨日のイカである事。

「で、偶然襲われてた所に僕が駆けつけたから助けを求めようと?」

「うん。ヒメは蛇の死神の方がいいって言ってたけど、会えるかどうかわからないから」

僕の頼みならきてくれそうだけど。ふと、空をみると暗くなっていた。そろそろ悪霊が出る時間帯だ。

「空鈴サン、分かってると思うけど」

「うん。君から離れないから」

空鈴サンは僕の裾を掴む。推しの距離が近くて緊張する。冷静を保っていたが、実際には物凄く緊張してたし。気を引き締め、僕はベルトを装着する。周囲を警戒していると、何処かからイカの悪霊が現れた。悪霊は触手に電気を纏わせて僕たちに攻撃した。僕は空鈴サンを引き寄せてかわす。

『きてやったぞ。お前を倒せば我らが悲願が叶うのだからな』

悲願?コイツは結構ヤバい目的そうだ。

「で、その悲願って?」

『教える訳ないだろ!』

触手で攻撃するが、僕はそれをかわし、グリムソードガンで触手を撃った。

「じゃ、無理矢理でも吐かせますかね〜」

カードをベルトに挿入。

『ラビット』

背後に黒装束でウサギのドクロの死神が現れる。

『ARE YOU READY?』

「変身」

鎌で水晶を割る。

『グリムアップ』

死神が装甲に変わり僕を包み込む。

『ラビットグリム』

僕は変身し、銃口を向ける。

「やろっか。今宵は死神の時間だよ」

僕は奴に発砲するのだった。

 

♣︎♣︎♣

 

 悪霊の触手から距離を取りながら銃弾を撃ち続ける。ソードガンには弾切れがないから何度でも撃てるのだ。空鈴サンから十分引き離したところで、僕は剣に変形させ、斬りかかる。が、触手が切先に絡みつき、僕の全身に電流が流れる。

「うわぁぁぁあああああああぁぁぁぁあああああああ!!」

『ふっふっふ。これが電撃触手だ!』

これはソードガンじゃ武が悪い。僕は鎌を上げ、ラビットのカードを抜くとホルスターにしまい、ホルスターからもう1枚のカードを取り出し、ベルトに挿入する。

『スパイダー』

背後にクモの骸骨が現れる。

『ARMS READY?』

「アームド」

鎌を下ろす。

『グリムアームド』

クモの骸骨が装甲の一部に変わり、自分の装甲の一部と入れ替わる。

『アームドスパイダー』

「名付けて、えーと、、、モルテラビットグリムアームドスパイダーって所?」

自分で言っておもったけど、長いな。

『姿が変わろうと!』

悪霊は電撃触手を放ってくる。僕は右の手のひらからクモの糸を出し、触手に絡ませる。電流は流れなかったようで、僕にダメージはない。

『何!?』

「便利だな〜コレ」

僕は左手からも糸を出し、鞭みたいに攻撃する。一撃、また一撃と攻撃を繰り返す。逃がさないように右の糸は絡めたままだ。悪霊は左の触手でも電撃触手を放ってきたので左の糸でそれも絡める。

『自慢の糸も、コレで使えまい』

「いや、計画通りさ」

僕は手のひらに糸を収納する。その力を利用し、僕は悪霊の顔面に膝蹴りをかました。

『ぎゃあぁぁぁああああああああああ!』

僕は糸を解き、収納すると、ベルトの鎌を上げた。

『まだだ、、、まだオレさまは、、、』

「じゃあ、目的というのを教えてよ」

『貴様に教えるくらいなら!』

悪霊が電撃触手を放ってきた。これが答えという訳か。僕は鎌を下ろした。

『スパイダーアームドアタック』

左の手のひらから糸を出し、悪霊を縛る。右手の糸を右の拳に巻きつけ、巨大な拳を作り、

「よっ」

左の糸の戻る力を利用して右拳を悪霊の腹に叩き込む!

『ア、アリスさまぁぁぁあああああああぁぁぁああ!申し訳ありませぬぅぅぅぅううううううう!』

悪霊は爆散した。

「ゆっくりお眠り」

 

♣︎♣︎♣

 

 変身を解除し、空鈴サンの元へ戻る。空鈴サンは無事のようだ。僕は笑顔で空鈴サンに手を振ると、空鈴サンも笑って振り返す。うん、この笑顔プライスレス。

「余裕〜余裕〜。楽勝だったよ」

「守条くんって強いんだね」

『そりゃ、サソリを倒した男だからね』

僕たちは同時に振り向くと、マントを纏った何かがそこにいた。

『まずは、約2日間の生存おめでとう。この調子で、あと3日間を生き抜いてください』

そういうと、マントの奴は消える。なんとも言えない不安を抱えながら、僕は空鈴サンを宿まで送るのだった。

 

♣︎♣︎♣

〜三人称side〜

 暗闇の道を1人の死神が通る。1体の悪霊はその死神から逃げていた。

『はぁ、、、はぁ、、、何モンなんだアイツ、、、バカ強ぇ、、、』

ふと、死神が悪霊の方へと向く。悪霊はその場から逃げ出した。死神は鎌にカードを挿入する。

『スネーク』

鎌の刃にエネルギーが迸る。

『スネークグリムスライス』

高速で悪霊に追いつき、切断。断末魔を上げる間もなく、悪霊は爆散した。

「こんなもんか。正義の死神も疲れるね」

死神は変身を解除し、元の少年の姿に戻る。

「あーあ、サマエルに対抗できる奴はいないのかね〜」

少年、蛇芽奏多は鼻歌まじりに夜道を歩くのだった。

〜期限まで、後3日〜




次回予告
 死神、守条咲良と蛇芽奏多の2人の元に新手な悪霊が襲いかかる。モルテの新たな姿と、蛇芽奏多が変身する死神の戦いに見惚れることは間違いなしだ。次回、仮面ライダーモルテ♯6御成
「行くぜ。正義の死神の御成だ」

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  • 南條美澄
  • 南雲蓮
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