仮面ライダーモルテ   作:紅坂 絡

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 とある錬金術師がいた。その錬金術師は禁忌を犯し国から追放された。人体錬金を行なったのだ。追放された錬金術師はとある黒魔術師を探していた。その黒魔術師こそ、例の少年である。錬金術師曰く、
『禁忌と禁忌を組み合わせれば、悪霊に対抗できる』
その錬金術師の名は、
【アラン・チャールズ】
『旧約 死神録 禁忌の錬金術師』より。


♯8決行

 12月12日。その日は僕の誕生日だ。その日は孤児院で僕の誕生日パーティーが開かれていた。僕は沢山のご馳走を食べながら友達との会話を楽しむ。少し疲れたので外に出ると、僕の後をついてきたのか、なおちゃんが隣にいた。なおちゃんが話しかける。

『誕生日おめでとう。さくらくん』

『ありがとう。色んな人に言われたけど、なおちゃんからのおめでとうが1番嬉しい』

それは紛れもない僕の本音。なおちゃんは僕に赤のマフラーを巻き付ける。

『誕生日プレゼント。大事に使ってね』

『、、、ありがとう』

齢12。これが、僕が孤児院で過ごした最後の誕生日会になることを、この時の僕はまだ知らなかった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 「始めようぜ〜。今宵は死神の時間だよ」

僕はバゼラードを右手で回して左手でゴリラエビル(強化)を挑発する。奴は僕に向かって走り出す。僕は動かず、奴の攻撃を避ける。

『※※※※※※※※※※※※※※』

良くわからない叫び声を上げながら攻撃してくるが、攻撃が単調だから避けやすい。だが、奴もスタミナ切れがないようだ。面倒な相手だ。アリスが戦いを見学しながら言う。

『攻撃しないの?防戦一方じゃん』

「確かに。そろそろ攻撃しますかね〜」

僕はジャンプすると、天井の鉄骨を足場に回転しながら急降下。バゼラードを逆手に持って斬りかかる。弾かれると思ったが斬撃は通ったようで奴の身体に傷をつけることができた。

「凄い、斬れ味が上がってる」

僕はバゼラードを回して持ち変える。持ち手のゲージの6分の1が溜まっていた。恐らく全部溜まったらカードが抜けるようになるんだろう。僕はバゼラードを左手に移し、ソードガンを右手に持つ。いわゆる二刀流だ。僕はソードガンの切先を悪霊に向ける。

『※※※※※※※※※※※※※※』

悪霊は唸り声を上げると拳に炎を纏わせて攻撃してくる。僕は避けながらバゼラードで攻撃。奴は拳を纏ってない方の拳で防御。ガラ空きの胴体にソードガンで斬撃する。バゼラードに比べたらダメージは通ってないようだが、小さなダメージは喰らってるようだ。

「こんなもん?強化した割に弱いね」

『※※※※※※※※※※※※※※』

悪霊は再び唸り声を上げると全身が炎に包まれる。廃工場内の温度が急速に上昇する。僕はソードガンとバゼラードを構えて警戒するのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

〜美澄side〜

 ワタシは隣にいる空鈴ヒナと中の戦闘の様子を見ていた。あの悪霊は普通に生まれるよりも強化されたものだった。普通の死神が1人で勝てるわけがない。そう思っていたのに、

「守条くん、互角に渡り合っている?」

守条咲良はラビットグリムのまま相性の悪いであろうゴリラエビルと渡り合っていた。空鈴ヒナが言う。

「守条くんはセンスが良くて何もかもをそつなくこなすんだって」

知っていた。というより有名な話だ。12歳の少年が1年後に死神に変身したという話。それからアイツは色んな武器を使いこなした。扱いが難しい鎌やガンブレード。そしてグリムソードガン。その中でもアイツが上手く扱えたもの。それが、、、

「グリムバゼラード、、、そうか、守条咲良は元の戦い方に戻ったんだ!」

「元の戦い方?」

「アイツの元々の武器はあの短剣。だけど修繕中で仕方なくソードガンを使っていた。つまりアイツは完全に全力で戦っていなかったんだ!」

「えぇ!?」

空鈴ヒナは驚いている。ワタシも本人から聞いた時は驚いたものだ。あんなに強いのに全力じゃなかったんだから。中の様子に視線を戻すと、さらに力を増したゴリラエビルに守条咲良がダメージを負っていた。それでも守条咲良は、モルテは立ち上がり、バゼラードとソードガンで攻撃を仕掛ける。だが、再びダメージを受けて倒れてしまった。ワタシは思わず中に叫んでいた。

「逃げろ守条咲良!!これ以上の戦闘は許可できない!ワタシが増援を呼ぶから早く!」

「そうだよ守条くん!逃げて!」

死んでほしくない!そんな思いが頭の中で渦巻いていた。

 

♣︎♣︎♣︎

〜咲良side〜

 外から南條サンと空鈴サンの叫び声が聞こえる。それでも僕は逃げる訳にはいかなかった。アリスが僕に言う。

『どうして逃げないの!?キミ、このままだと死んじゃうんだよ!』

「敵なのに心配してくれるんだ。キミ、優しいんだね」

僕はソードガンを杖代わりに立ち上がると、バゼラードで悪霊に斬撃を喰らわせる。一瞬怯んだが、悪霊は倒れずに僕を殴り飛ばした。

『※※※※※※※※※※※※※※』

「うわぁああああぁぁぁあああああああぁああああ!」

変身は解除され、僕は地面に倒れる。僕は立ちあがろうとするが、体が上がらない。アリスが僕に近づくと、メリケンサックと拳銃が合体したような特殊な銃を僕に向ける。

『トドメは私自ら刺してあげる』

アリスはマスクを少し操作し、僕に告げた。

「、、、」

「え?」

マスクを再び操作するとアリスはフフっと笑い、

『さよなら。咲良くん』

引き金を弾いた。僕は思わず顔を伏せるのだった。

 

♣︎♣︎♣︎

 

 「間に合ったみたいだね」

その声を聞いた時、僕は顔を上げた。そこにいたのはヘビのドクロの死神。

「酷いケガだ。南條助手!空鈴さん!彼を連れて逃げて!」

「「はい!」」

僕は2人に連れられてその場から離れる。蛇芽いや、サマエルは鎌をアリスに向けると、鎌を投げた。鎌は回転してアリスの方向へと向かう。アリスはそれをバックステップで回避すると、回転した鎌はブーメランみたいに戻ってくるついでにゴリラエビルを斬り裂いた。サマエルは鎌をキャッチすると、

「選手交代だ。正義の死神の御成だぜ」

彼は悪霊に向かって歩き出す。その姿は誰よりも死神だった。

 

♣︎♣︎♣

〜奏多side〜

 守条くんたちが逃げたのを確認し、俺は悪霊を攻撃する。悪霊の体は硬く、鎌は弾かれた。

「マジ?やっぱり彼のバゼラードが凄かったんだな〜」

悪霊の拳を避けながら鎌で攻撃するが、ダメージが入ってる感覚がない。しかも敵は奴だけじゃない。アリスは今も俺に弾丸を放ってくるのでそれをかわしながら悪霊に攻撃を続ける。

『無駄だよ。この子にダメージは与えられないの』

「オレ以外にはな」

その声が聞こえた時、悪霊は何者かに斬られていた。そこにいたのはライオンのドクロの死神。

「そのドクロ、明神くんかい?」

「あぁ。この悪霊はオレにまかせろ。アンタはアリスを」

俺は頷くと、アリスに向かってジャンプし、鎌で斬りかかった。

 

♣︎♣︎♣

 

 アリスは俺の斬撃を紙一重でかわし、銃で殴りかかる。俺はそれを避け、回し蹴りを放つ。アリスはバク転してかわし、俺に向かって回し蹴りを仕返した。俺は鎌でそれを防御する。

「どうしたの?そんなもん?」

『最強の名は伊達じゃないようね』

アリスは俺から距離を取ると、何処かから1枚のカードを取り出した。

「カード?スコーピオンに使ったのと同じのか?」

『私のは少し特別よ』

アリスはカードを銃のスロットに挿入した。

『ウルフ』

アリスの背後に狼の悪霊が現れた。

『ARE YOU READY?』

アリスは銃口を押し込み、離す。

「決行」

『エビルアップ』

悪霊が装甲に変わり、アリスを包み込む。

『エビルライダー』

アリスいや、エビルライダーが俺に銃口を向ける。

『あなたの処刑を決行する』

 

♣︎♣︎♣

 

 エビルライダーの銃撃をかわしながら距離を取る。鎌を投げて攻撃する。エビルライダーは鎌をかわすが、戻ってくる鎌に斬られた。俺は奴に向かってダッシュして鎌をキャッチ。そして鎌で斬撃する。

『きゃあああああぁぁぁぁぁああああああああああ!』

「おぉう、、、なんか斬りにくい悲鳴をあげるんだなぁ、、、」

少し躊躇するが、いやいやと首を振る。そもそもコイツは敵だし。俺は鎌で追撃しようとすると、エビルライダーは矢を取り出す。その矢を俺に突き刺そうとしてきたのでそれをかわし、腕を掴もうとするが、奴は矢を手すりに投げて突き刺した。

「マジか!?」

手すりから黒の粒子が溢れ、段々と怪物の形に変わる。怪物はゾウの見た目をした悪霊だ。

『じゃ、第2ラウンドね』

ゾウの悪霊、エレファントエビルが襲いかかってきた。

 

♣︎♣︎♣

〜麗央side〜

 ゴリラエビルの燃えるような拳をガンブレードで受け止め、それを跳ね返す。奴は再び拳を放ってくるが、オレはバックステップでかわす。そしてガンブレードで胴体を攻撃。刃が胴体に当たった瞬間、引き金を弾いてダメージを与える。

「どうやらオレとは相性いいらしいな」

『※※※※※※※※※※※※※※』

悪霊は拳に炎を纏わせて突進してくる。巨体の割には速く、オレは防御が間に合わず、吹き飛ばされてしまった。

「ぐわぁあああああああぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!」

オレはなんとか着地したが、奴は廃工場から出て行ってしまった。ん?あの方向は、、、

「まさかアイツ、咲良達の方へ行きやがったな」

オレは追いかけようとするが、オレに毒針が放たれ、オレはガンブレードで防ぐ。

『行かせないぞ。死神が』

そこにいたのはサソリの悪霊だった。アイツは咲良が命令違反して倒したはずだ。狼を模した装甲を纏っているアリスとゾウの悪霊と戦っているサマエルがオレに叫ぶ。

「アリスがカードに矢を刺して実体化させたんだ!守条くんが戦った個体とは別個体だよ!」

「そうか、あのカード、悪霊のデータが入ってるというわけか」

オレはガンブレードを構える。隣にサマエルも立ち、鎌を構えた。

「ゴリラが咲良を追いかけた。目の前の奴らを早く倒すぞ」

「オーケー。2人でここを乗り越えよう!」

オレはエレファントエビルと。サマエルはスコーピオンエビルと戦いを始めるのだった。

 

♣︎♣︎♣

 

 エレファントエビルの鼻の攻撃をガンブレードではね返し、邪魔な鼻を斬ろうとするが、かわされる。悪霊は地団駄を踏むと、地面が揺れてオレはバランスを崩す。悪霊は鼻を鞭のようにしならせて攻撃してくるが、オレはそれをかわし、ガンブレードで斬りつける。ガンブレードの斬撃がかわされ、奴は再び地団駄を踏んだ。が、オレは同じミスはしない。奴が地面を踏んだ瞬間ジャンプし、ガンブレードで斬撃。引き金を弾いて威力をあげる。奴は地面に倒れ、オレは切先を奴に向ける。

「オレの勝ちだ」

『クソォ、、、だが!このまま負ける訳には!』

奴は立ち上がり、再び鼻を振り回す。オレはガンブレードでガードし、距離を取った。

「お前みたいな小物にここまで苦労させられるとは思わなかったな」

『小物だとぉ!?』

悪霊は『小物』という単語に反応したようだ。そりゃそうだろう。誰だって小物と言われればムカつく。あぁ、小柄で生意気なウサギの死神が頭に浮かんだ。

「あぁ。そんなお前にガンブレードのもうひとつの使い方を見せてやる」

オレはガンブレードのハンマーと呼ばれる部分を下ろす。

『リボルバーチャージ』

切先にエネルギーが迸る。悪霊はガンブレードを警戒し、距離を取った。だが、この攻撃は距離を取ればいいという訳じゃない。俺は切先を奴に向け、

「シュート」

引き金を弾いた。

『ブレードショット』

エネルギー波が悪霊を吹き飛ばす。奴が怯んだ隙にオレはガンブレードで奴の鼻を斬った。

『ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああ!!鼻がぁ!』

自慢の鼻を失った奴は怒ったように地団駄を踏むがそれの対処法はもうわかっている。オレはガンブレードを地面に突き刺してそれを土台に飛び上がる。そしてベルトの鎌を上げる。左足にエネルギーが迸る。

「トドメだ」

オレは鎌を下ろす。

『ライオングリムブレイク』

オレはそのまま降下し、蹴りを悪霊に当てる。

『クソォ、、、アリス様に、、、勝利のお恵みをぉぉおおおおおおおおおぉぉぉぉおおおおお!!』

悪霊はそう喚くと爆散した。

「、、、はぁ、やっぱこのキャラはワイにはキツいわ」

 

♣︎♣︎♣

〜奏多side〜

 スコーピオンの尻尾の毒針を鎌で弾きながら俺は拳や蹴りで対応した。守条くんは尻尾をかわしながら接近してソードガンで倒したらしいが俺の得物は鎌。彼の様に細かい立ち回りが出来ない。

『フハハハハハハ!最強の死神も、俺様の敵じゃねーな!』

攻撃を防ぎ続けているから完全になめられているようだ。少しムカついた。なので次にアイツの尻尾の攻撃が来た際に仕掛けようと思う。

「見せてやるよ。正義の死神の力を」

『雰囲気!俺様に勝てるかよ!』

スコーピオンは俺の思った通り尻尾で攻撃してきた。どうやら守条くんが戦った個体よりかは弱いようだ。その事に少しがっかりしつつ、自分の考案した作戦を実行する。俺は奴の尻尾が俺の鎌を超えた瞬間、鎌を回転させて尻尾を切断する。

『何!?』

悪霊が驚いている内に鎌で一閃。更に柄の部分で一突き。更にもう一閃。そして回し蹴り。悪霊は怯んでいるのか肩で息をしている。

「正義の罰を執行する」

俺はベルトからカードを抜き、鎌に挿入する。

『スネーク』

鎌の刃にエネルギーが迸る。

『スネークグリムスライス』

俺は素早くスコーピオンの懐に滑り込み、鎌で一閃した。

『そ、、、そんな、、、アリス様、、、』

スコーピオンは嘆き、爆散した。

「正義の死神の罰だ」

 

♣︎♣︎♣

〜三人称side〜

 いつの間にエビルライダーに変身したアリスが消えており、嫌な予感を感じた蛇芽奏多と明神麗央はグリムストライカーに乗り、悪霊の反応を追いかけていた。途中、エビルトルーパーの集団が邪魔してきたのでバイクに備わっている銃で倒しながら進んでいた。

「コイツもキリがないな、、、ワイが囮をやろか?」

「いや、あのゴリラの悪霊は俺1人じゃキツい。おまけにアリスもいるだろう。守条くん達が心配だ。機銃の弾数は気にせずに撃ちまくって進もう!」

「ま、ワイもあんなに戦った後の雑魚狩りはしんどいから助かったわ。急ぐで!」

「あぁ!」

奏多と麗央はバイクのスピードを上げるのだった。

 

♣︎♣︎♣

 

 結果的に言えば、奏多と麗央は間に合った。南條美澄も空鈴ヒナも無事だ。だが肝心の守条咲良の姿が見当たらない。彼らが周囲を見回すと、そこにいたのは、

「さ、始めようぜ〜。今宵は死神の時間だよ」

両肩と胸に星のアーマーがついており、全体的に夜空を模したカラーリングの胴体。仮面は鋭い目つきのウサギのドクロのモルテがそこにいた。

 




 悪霊に追いつかれピンチに陥った守条咲良達。大きなダメージを負った守条咲良に新たな力が目を覚ます。星の導きがモルテを救う。次回、仮面ライダーモルテ♯9星屑
「すごい、、、これがシニガミバゼラードの新しい力!」

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  • 守条咲良(仮面ライダーモルテ)
  • 南條美澄
  • 南雲蓮
  • 蛇芽奏多(仮面ライダーサマエル)
  • 空鈴ヒナ
  • 田井中ヒメ
  • 速水心花
  • 明神麗央(仮面ライダースコール)
  • 楠神真琴(仮面ライダーサリエル)
  • 冴島灰馬(仮面ライダーオルクス)
  • アリス(エビルライダー)
  • ジン
  • アキネ
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