自分を星野アイだと勘違いしている一般星野アイ   作:マッキーガイア

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前回と前々回と前前前回は無かった事にして一回、仕切り直ししたいです。すいません。
理由としてはあの章の流れとか感想欄で言っちゃったんでやる気出なくなっちゃったって所です。完全に言っちゃった自分が悪いんで……ホント、すいません。
『家』『パンと変態と生存説』『カラオケ大会』に関して消去するかそのままにするか自分の中で意見が分かれています。なので一回アンケート挟んでみたいと思います。


仕切り直し。

陽東高校。

中高一貫で日本でも数少ない芸能科が存在する、そんな高校の校舎の片隅は今、面接会場となっている。

今日は高校入試本番である。そこで少々、混乱の声が荒げられた。

 

「偏差値70!?なんで偏差値40のウチ受けたの!?」

 

そんな少なくとも一教師が言って良い様な事ではない様な気がする疑問に「校風に惹かれまして」なんていう適当な返しをするのは『星野 愛久愛海』通称アクアである。

真っ白な肌に光り輝く黄金の髪、100人通りかかれば100人振り返る様なビジュアルをしておきながら死んだ様な表情筋のせいで結果プラマイゼロになって人が一人も振り返らなくなり……現在友達が一人もいない美少年である。

とは言え少年自体はだいぶシスコンの気があるのか、妹さえ問題なければ自分の事は問題ないとばかりに取り付く島も無いので仕様もない。

現に先程の発言に突っ込みを入れられたのを冷たい眼差しで眺めているところを見る限りだいぶ性根がアレである。

 

しかし、入試面接。無論の事、そこに居るのは面接のプロである。圧迫の限りを尽くす圧迫面接で彼の心を削っていくという訳もなく10分で終了し、少年はまるで『またオレ何かやっちゃいました?』とばかりに綺麗な動作で面接会場を後にした。

 

そうしたこんなで数十分後。陽東高校内のとある廊下にて少年、星野アクアは似た様な髪色の少女と向かい合っていた。

その少女こそ、彼の親愛なる妹。『星野 瑠美衣』通称ルビーである。

兄に似た黄金の髪質に兄に似た真っ白な肌。そして何処かで見た事がある様な綺麗な顔立ち。明るい性格である筈だが何処か闇を感じる……が、今は脳内お花畑である。

所謂、アホの子であった為、星野アクアは割と彼女の事を本気で心配していた。

 

「どうだった?」

 

「多分、平気…………そっちは?」

 

なんだその間は…?

そんな言葉を飲み込みつつ少年はその質問に答える。

 

「問題ない。万が一弾かれるとしたら名前のせいだろうな。」

 

アクアはこの名前を付けてくれた4歳の頃に死んだ母の事は今でも執着するくらいには好きである。

……が、アクアマリンやらルビーやら外国人ですら苦笑いするレベルのキラキラネームを付けてくれやがった事には少々文句が言いたかった………だが、まぁ、いざ目の前に出たら言葉が出ないだろうなとあたふたする自分を幻視した。

 

「あはは!たしかに本名アクアマリンだもんね。普段 みんなめんどくさがってアクアって呼ぶけど。」

 

母親ですらめんどくさがっていたからな。アクアは少々顔を顰める。それに特に理由はなかった。

 

そうしていると。ふと、風が吹いた。甘い風だ。少女特有の甘い風、だが、それはルビーのではない、隣を通り抜けていった少女の匂い。それにアクアは目線を少しそちらに逸らすと、風と共に自身の名前を連呼している事には気付いた。

 

 

 

「星野アクア!?」

 

 

 

耳元で爆音。

アクアもルビーも驚愕だ。かぶりつく様にそう問いかける自分より2歳くらい歳下にも見えた少女にアクアは面くらう。

 

「アクア!アクア!

貴方、星野アクア!?」

 

そう何度か繰り返す姿を見ると割と本気で小学生くらいに見える不思議である。

それはボブカットのせいか、それとも頭のベレー帽のせいか、それとも元より童顔なこの整った顔のせいか、アクアは測れない。

ふと、この少女に見覚えがある事に気がついた。だが、誰だったか一瞬では思い出せなかった。

 

「誰だっけ………?」

 

「あっ、あれじゃない?」

 

アクアの疑問にルビーは即座にそう返した。人の事をアレって言うんじゃありません。

 

「重曹を舐める天才子役。」

 

「10秒で泣ける天才子役!!!」

 

ああとアクアは内心拳をポンっと叩く。思い出すは子供の頃に共演した、『有馬かな』と言う生意気な少女だ。

 

母である星野アイをボロクソに言っていた。

 

そう思い出すと、同じ様な事を有馬かなもアクアに言う。

たしかにあの『有馬かな』で間違いなさそうだ。

 

「よかった………ずっとやめちゃったのかと………」

 

安堵した様に有馬かなはアクアの肩に手を置きながらそう呟く。

まるで死んだと思った我が子が無事だった事を喜ぶ母親の様だ。否、そこまで大袈裟ではなかった。

 

「入るの!?ウチの芸能科入るの!?」

 

そうしているとふと元気を取り戻したかの様にそう全力で問いかける有馬かな。

まるで餌を前に待つ子犬の様だ。だが、星野アクアはその問いかけに相応しい答えを持っていなかった。

 

 

「いや………一般科受けた。」

 

 

「なんでよ!!!!!」

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

帰り道。

アスファルトが太陽の光によって真っ白に塗装されて行くのを見ながらアクアはそこに小さく影が刺すのを見逃さなかった。

 

「…なんだよ。」

 

先程まで『あんたどこ中!?』だとかめちゃくちゃな詰めかたをしてきた少女『有馬かな』がアクアの隣をぴょこぴょこと動き回っていた。

何か、聞きたいと顔に出ている。

 

「あ、あんたさ。親戚とか居るの?」

 

「親戚………?どうだろうな。俺も知らない。」

 

正しくは母親である星野アイの血縁関係をアクアは知らなかった。

無理もあるまい、アイは祖父と祖母の一人も紹介しなかった。とは言え、昔のインタビューなどでその辺の暗い事情はわかっているつもりだ。今更掘り出す気にもならなかった。

 

「最近、星野って名字の知り合いができたから…もしかしたらなぁ…って思って…」

 

「星野なんて苗字、掃いて捨てるほどいるだろ。」

 

「それもそうだけどね……」

 

なんとも煮えきれない返答に少々戸惑いを見せる。

 

「実を言うと…B小町のアイに瓜二つ…なんだよね。」

 

「ア………イ……に?」

 

予想外の方向に持って行かれた。

いつもの死んだ様な表情筋が崩れる。

 

「さっき、久しぶりにアンタの妹に会ったじゃない?似てたのよ……どうしようも無く。」

 

有馬かなはそれにも構わず話を続ける。

それは暗に星野アクアに対し『お前は星野アイと血の繋がりがあるのではないか』と言っている様な物だった。

 

「……その知り合いの名前教えてもらえるか?」

 

呟く様に……蚊の飛ぶ様な声でアクアはそう内心を悟られない様に言い切った。

 

「姉妹なんだけどね。姉の方は名前を聞き忘れちゃったんだけど……

妹の名前は『星野マナ』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




消します。ありがとうございました 
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