自分を星野アイだと勘違いしている一般星野アイ 作:マッキーガイア
「夢で終わらせない♪ちっぽけな願いでも…風をナビにして♪レールの上あるいていこう Wow On」
そう歌いながら、沢山の参加者を映しながら今日も今日とて配信を閉じる。
100人クラフト恒例の私直々のアカペラエンディング、今日のは『バイオハザード』のエンディング曲『夢で終わらせない』だ。選んだ理由は配信中にゾンビのせいで村が3つ壊滅したからである。
内実、私が無闇にMODを追加したせいだったりする。南無三
やっちゃったZE☆
いやはや、もう村内で色々決めてこれからって時にコレだ。ワンチャン明日の配信でトマト祭りが開催されるかも知れない。
私を標的にしたやつが……
まぁ、そんな事を心配するのは後にして、編集…編集っと……
今日の配信は雑談を除けば7時間程。そんな長時間の配信を最初から最後まで見ているファンなんて本当に一握りだ。
故に動画を切り抜いて30分から1時間の動画にする。
その際にアカペラのエンディングに曲を付け足して、結果……考えたくないくらいの時間をかけながら編集をしていく。別に全部の動画を編集、切り抜きしているわけじゃない。ちゃんと公認の切り抜き師も居るし、スタッフさんも居る。だが、自分の気が乗った時にでも私はこうして編集を買って出たりするのである。
「おわったぁ〜〜っ!!」
背伸びをしながらそう叫ぶ。それなりに大声だが、部屋は防音なので全く外には漏れない。
時計を見るとただいま夜の20時20分。一瞬、1時間しか編集やってないってマ?と思ったが、どうやら一周回って丸一日経過してしまったらしい。ビバ!春休み!仕方ないのでツイッターに『編集で一日寝そびれた分を返してもらおう。』と配信の休みの告知を入れる。
『偉そうで草』だとか『せっかくトマトのストック溜まったのに』だとか『配信すんだよ、はよ』だとかの返信が来るが、あまりの眠気に一旦無視した。
「……ねむ……のまえにはらへった」
眠気を抜ける様にふと空腹感が脳を走る。それもその筈、配信中から編集中の間、食事の一切を取っていない。それに編集中ずっとゾンビ達が視聴者を食い殺す様を見せつけられていたのだ。お腹も空く物である。それでお腹が空くのは倫理観終わってないかって?………知らない。
そっと、立ち上がり防音室の扉を開ける。体が重い、脚がすくむ。廊下から階段へ降りて、リビングへ行くと。
「あ、もしもしマナです?」
妹が電話していた。
彼女は私と違い友達が多い方なので別に気にする事でも無い事だが、なんとなく、ふとその内容に気になった。
遊ぶ約束だろうか、明日の予定の話をしている。だが、全部の予定がカラオケや人目につかない公園等の明らかに男女で行くのに適した様な所ばかり(元非モテ男の見解)…まるで………まるで……
「………………デートっ……」
ふざけんなよ、何処のクソボケだ?ウチの可愛い妹に手ェ出しやがってからに……ウチの妹と結婚したいのなら私を倒せる様な屈強な男(訳:小指でダンプカーを持ち上げられるくらい)じゃねェ…と許さんぞ。あと、金持ちで私をギャフンと言わせるくらいマナを幸せにできる奴じゃねぇと許さない。
イケメンはダメだ。私が嫌いだ(元非モテ男の醜い嫉妬)。
「………はーい…わかりました。じゃあ、明日。」
私はテーブルにつきながらその電話を聞いていると、ふと、そう話を打ち切る妹の声が響いた。可愛い。
そうしているとパタパタと足音が近づいてくる。
「お姉様!!1日ぶりです!!私部屋に突入するの我慢しました!褒めてください!」
マナはそう私の腰へ向けて抱きついてきた。どうやら、1日私と会えなくて寂しかったらしい。私と毎日24時間会えていた春休みじゃ無かったら多分突入してきたに違いないとニマニマしながら頭を撫でた。
「マナは良い子だねぇ…可愛いねぇ…天使だねぇ……うんうん……ハァハァ…めっちゃ天使」
そう顔を崩しながら明後日、デートに尾行して絶対クソ野郎を殲滅してやろうと誓った。
いや、本当すいません。
まさか、楽曲情報入れ忘れてたとは……穴があったら入りたい。