自分を星野アイだと勘違いしている一般星野アイ 作:マッキーガイア
何でそんな風に笑えるのだろう。
私にはそれが理解できなかった。まるで過去語りをする様にそう自身を嘲笑してはいるが、彼女にとってその事自体にあたかも興味がない様に…そう、まるで会話に付け加える程度の雑多な事でしかない様にそう笑っている。
死体の皮を被っているなんて表現、そんなの悪意しか無い。しかも言われてる側からしたら言いがかりにしかならない。
私ならどうするだろうか、目の前でそんなこと言われたら…
きっと、ブン殴っているだろう、違いない。暴力は良くないが、これなら神様も許してくれるだろう。
「アンタ、それ言われてどうしたの?」
彼女に問う。泣き寝入りしたのだろうか、それとも実際手を出したのだろうか。その答えはどちらでも良かった。正直この質問は自分が内心にあるモヤモヤを取っ払おうと発した自己満の塊である。そこに意味はあまりない。
だが、彼女は少し困った様に髪を掻き始めたのを見て、配慮に欠けていたことに気がついた。……が、次の瞬間には何でもない様に答え始めてくれた。
「別にどうしようも…いや、どうしようも出来なかったって言うのが正しいですかね。次の瞬間にはお姉様が背後からタイキックして、転がった奴の顔面を何度も何度も元の形が分からなくなるくらい蹴り飛ばしてましたから。本当に近距離パワー型ですよ、脚が何本も枝分かれした風に見えました。」
「……うん、なら良い。ごめん」
少しは心スッキリだ。その後に付け加える様に謝る。
彼女が気にしていない様でもわたしは少し気にしてしまうから…これも自己満である。
「それでアンタ、姉が好きなのね。」
そう呟くと驚いた様な顔が私の顔を覗かせる。
別に隠していたわけでもあるまいし。
「今まで考えもしなかったです。
たしかにアレが姉を好きになったきっかけだった気がします。」
そう言うとポンっと手を叩いた。
コイツも存外に鈍感野郎らしい。
「そう、じゃあ、私は此処で失礼するわね。買わなきゃ行けない物もあるし」
時計を見るとそれなりに時間が経っていた為、彼女に向けてそう言う。
少し、感じ悪かったかも知れないと思ったが別に彼女とは"友達"になりたいとかそう言うつもりで話しかけたつもりはない。寂しいかも知れないが、未だ他人である事に変わり無い。
彼女も役者になるつもりも無さそうだし、私の関係者になる事は一生無いだろう。
「そう…ですね。じゃあ、連絡先くらいは交換しません?」
そう問いかける彼女に面食らいながらも、断る理由を探すが、どれも断る理由にならないためにケータイをバックから取り出した。
「まぁ……何かの縁だし。別に良いわよ。
でも、拡散とかしたら、裁判も辞さないから、覚悟して。」
「ハハハ、なんか自分が芸能人みたいに言うんですね。」
「一応、テレビには出てる。」
そんなやり取りをしながらも携帯の中にある多数の連絡先に埋もれていく彼女のアドレスを眺める。
アイコンをタップするとやはりアイに似た顔がドアップに映る。自分の顔だろうか………いや、これは本物だ、肉感も特徴的な瞳も全てアイそのまま。
(一応、アイの事も意識してるのね。)
そう心の中で呟きながら携帯を片付けると、
「お、美人さん二人はっけーーん!!」
なんて下衆な声があたりに響いた。
携帯を入れたバックから目を外し、その声の主を見ると、如何にもやんちゃしていると言った風貌の男が二人、こっちを娼婦を見る様な目つきで眺めている。途轍もなく不快だ。
「君たち〜、今暇?僕たちとお茶でも飲まない?」
「飲みません。不快です。死んでください。」
マナが流れる様に毒を吐く。
その光景に少し驚きながらも彼女を流し見るが、彼女の瞳からは先程の暖かさが無い。とことん目の前の男を蔑んだ様な冷たい瞳である。
「あんだと、このアマ。」
「何度でも言いましょう。不快。消えて、この世から。」
不味い。マナの感情の起伏が激しい。
どんどんと売り言葉に買い言葉な状況が出来上がっていく。ひたすらに男の神経を逆撫でする言語だけを選んで発言するマナに少し冷や汗が流れ出す。
このままじゃ、手が出てもおかしく無い。暴力沙汰になった場合、世間はこっちの味方をしてくれるかもしれないが現状で負けるのはこっちだ。
「この野郎!!」
「キャッ!!」
瞬間、男がマナを押し倒した。
やはりと思いつつ尻餅をつくマナに私は近寄っていく。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫です。」
「煽りすぎなのよ。」
「反省です。」
結構、勢いよく転んだのでもしかしたら怪我しているかも知れないと思ったが、意外と平気な様子。マナが立ち上がると男達を「キッ」と睨みつけた。
「なんだぁ?その目は生意気だなァ…」
「女が男に力量差で勝てる筈無いってのになァ?」
下衆が。一度力で勝てたと感じた為か、そう耳から蛆が湧く様な言葉を吐きながら詰め寄ってくる。
瞬間、一歩後ろに居た男の頭が地面のタイルに向けて
バキィッ!と嫌な音を立てながら、タイルが3つに割れる。
私はその時、男の後頭部に小さな女の手を見つけると、男の背後に一人の
「…ア………エ?…はぎぃッッ!??」
後ろで仲間が倒れている事に気がついた男が振り返った瞬間、正拳が真っ直ぐと男の胸部に突き刺さった。
「ゲホッ……ゴボッ…ゴボッ…で、でめぇ……何しや…が……」
「貴方こそ、私の妹に何してるの?」
冷たい声だった。
今にも人を殺しかね無い程の超低温。そこにわたしはただ一人いる様な気すらした。
瞳の星が鈍く黒く輝いている様な気がする。否、気のせいだろうか?だってあんなに光輝いている。
しかし、その光には見覚えがあった。
それは
「……アイ。」
やっとフィジカル設定出せた。
一応、今までもウルトラマンとか言う絶対街中で歩いたら体力が死ぬ様な服着て来てる描写あったりしたけど。
それ以外のシーン全部カットになったからねぇ……商店街で仮面ライダーの格好して強盗を倒す話もカットせざる得なかったし、そう言う逸話を苺プロ周辺住民にインタビューする話もカットしたし。
そも、この二次創作の最初の構想はVtuberじゃなくてアイにそっくりな奴にカミキの殺人をフィジカルで邪魔させて、カミキを怯えさせたいって思ったのが始まりだしね。