個性【E.G.O】で今世は幸せになってみせる!! 作:出没する18禁
仕方ない。
まあ、、、、よくあることだ。
"生ぬるい血が男をゆっくりと包んでいく”
仕方ない。
やれることはやった。
"暗く冷たい路地の裏で。もはや痛みも感じない”
しかたがない、
守り切れなかった。
"もう。君は動かない。"
しかたがない。しかたがなかった。
仕方なかったじゃないか。
どうすることもできなかった。
やれることはやった。
いやだ、やだ、、、
よくあることだ。
都市ではあまりにもよくありふれたことだった。
「可哀想に。足掻いて。苦しんで。
やっと掴み取ったのにすべてを嘲笑われて失って。
あなたは悪くないのに。
悪いのは世界なのに。
本当に可哀想に。全てが憎いよね。
すべてをやり直したいよね。
ぜんぶ壊しちゃいたいよね。」
どこからか甘く優しい声がした。
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「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!!!」
次に目が覚めると僕は全く違う世界にいた。
『かわいい、、、産まれてきてくれてありがとう、、』
目の前の女は僕を優しく抱きしめた。
「うぅ、、よかった、、、2人で大事に育てていこうな。」
目の前の男はそんな僕らを固く抱きしめた。
優しい感覚に包まれながら僕は再び意識をおとした。
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「唯羽!!!唯羽!!!!!いつまで寝てんの!!!遅刻するよ!!!」
ありきたりな怒声が響き渡る。
『んああ、、、起きてるって、、、おきてる、、』
「起きてないじゃない!!!遅刻するよ!!ほら!起きなさい!」バチンッ!
『いって!!!!』
愛の鉄拳をくらった僕はベッドから転げ落ちるようにして目を覚ます。
『母さんのビンタにはオールマイトもかなわないよ、、、』
僕は頬を擦りながら母さんに軽口を叩く。
「ユイハがすんなり起きないからでしょ?ほら。早く準備しなさい。じゃないともう1発いくわよ?」
『ひぃ、、、、妖怪寝起きビンタ婆だ、、!早く準備しなくちゃ、、、!』
「そ ん な に ビンタが欲しいのね???」
青筋を立てながら指をボキボキと鳴らす母さんから逃げるようにして僕は洗面所へ向かった。
僕の名前は『一翼 唯羽(イチヨク ユイハ)』
ピチピチのクソガキ16歳!
僕は過去に"別の世界”で1度のたれ死に、"今の世界”に生まれ直した。前世で死ぬ瞬間に聞こえた『声』にうんでもなくすんでもなく「うーん、、まぁ、、、いや、、?」と曖昧な返答をしたら次に目を開けた時にはもうこの体だった。
転生と言うやつなのだろうか?
まあなんでもいいさ。
前世では考えられないほど幸せな生活を送れていることを感謝しなくちゃだしな!転生最高!!!
閑話休題
さて、この世界には【ヒーロー】と呼ばれる存在が居る。
その身に宿した【個性】と呼ばれるスーパーパワーを使って人命救助から迷子猫の捜索まで幅広い分野で活躍している人たちをそう呼ぶらしい。いいね、憧れちゃうじゃんか。
そしてその【個性】というスーパーパワーは一部の人間だけが持っている訳ではない。人類の8割が持っているらしいのだ!すごいよね!
だから、街を歩けば手がハサミになっている美容師さんが居たり、見た目がウサギみたいな店員さんもいる。なんなら頭が鏡みたいにピカピカなサラリーマンだっているんだ。(はたしてこれも個性なのかは定かじゃないけど)
人によって異なる【個性】が社会に馴染んできた今を超人社会だなんて呼ぶこともある。
人々がそれぞれ自分だけの個性を活かし混ざりながら生きている。おぉぉ、素晴らしいじゃないか!前世の世界にも見習って欲しいもんだよ。
愚痴はさておき、せっかく転生したんだ。この最高な世界で今世こそは大切なものぜんぶ守って前世の分まで幸せになってやろうじゃないか!
よっしゃやったるぜ!!!
そう固く誓った僕は後ろに迫る母さんに気がつけなかった。