【本編完結済】距離感のバグったTSっ娘と親友がイチャイチャする話   作:エイジアモン

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今回は少し長くなったので分割して前後編2本を投稿します。
こちらは後編になりますので、前編からご覧下さい。


13-2.恋人 後編

「なるほどそういう理由だったんだ、でも勝手に恋人にしちゃうなんて酷いなあ。

俺達はそういう関係じゃないのにさ」

 

全然全く心にも無いけど意地悪をしたくて言ってしまった。

 

「本当にごめん、勝手に恋人って事にしちゃって、俺がやらかして振られた事にして分かれたって話するよ」

 

え、なにそれ!?ちょっとまって!俺はそんなつもりで言ってない!ちょっとした意地悪で言っただけなんだ!嘘嘘!冗談だから!

 

「え!良いよ良いよ!そんな気にしてないし!それに……そう!面倒臭い事が無いのはその通りだからね!その設定でいこう、うん!」

 

取り繕った。自分で蒔いた種を自分で拾った。

覚悟も無いのに心にも無い事を言うからだ、情けない。

 

「念のために言っておくと、これは偽装恋人だから、つまり恋人の振り。

だからさ、睦に本当に好きな人が出来るか、心が落ち着いたらちゃんと俺が振られた事にして終わりにするから」

 

恋人の振り、そうだね、駿は俺の事を考えて、それで振りが良いと思ったんだ。

振りって事で線引をして、俺が落ち着いたら自由にし易いように、しかも自分が振られた事にして、本当に駿は優しい。

俺は駿のそういう相手の事を考えられるところが好きだよ、でも、もっと相手を見て欲しいかな。

 

恋人の振り、そうだね、でもさ、俺が"振り"じゃなかったらどうする?

 

「大丈夫、うん、でもさ、それなりにちゃんと恋人同士しないとバレちゃうかもだよ」

「確かにそうだな、急に人前だけで恋人の振りしようとしても失敗する可能性はあるな」

「だからさ!普段から恋人同士っぽくしようぜ!俺達は分かってるから大丈夫だし、周りには恋人同士に見えるしで、バレにくいと思うんだよね」

「んー、まあ、睦巳がそれで良いなら、でも本当ごめんな」

「良いから!気にしてないから!……もうこれで謝るの無しな!んでやるからにはちゃんと恋人同士だからな!」

 

良いよ、恋人同士な、俺と駿は認識が違うけど。

そして俺は恋人同士の振りをするなんて一言も言ってないからな。

全く……何がバレちゃうかもだ、自分で言っててよく言うと思う、まあ振りじゃない事がバレるかもな、んふふ。

今日、今この時から、俺は駿を恋人として認識して、恋人として接するからな。

 

「分かった。さっそく今からそうするか、っとゴメン、休憩終わったから戻るよ」

「うん、あ、今日は終わるまで待ってるからな!」

 

駿が他の部員と合流した所を見計らって手を振って声を掛けた。

 

「駿ー!がんばれー!」

 

これでサッカー部員には俺達の関係が分かったと思う。これでヨシ!

 

休憩時間の度に駿が俺の所へ来てくれた、多分退屈しないように気を使ってくれているんだろう。

しまったなあ、タオルでもあれば汗を拭いてあげられるのに。

せめて……そうだな、駿の手を握ろう。

そう思い、駿の手を両手で握った、駿は恥ずかしそうにしたがそれを受け入れた。

そう、駿にとってはコレは恋人の振りだと思うんだろう、実際には振りじゃないんだけど。

 

そうか、駿が恋人の振りだと思うって事はそれを拒絶出来ないって事だ。

もっと積極的に行ってもいいんじゃないか?と言ってもどう積極的にすれば良いのか分からないんだけど。

おっぱい揉ませるとか?いやいやそれはただの痴女だ。まあ部屋で2人きりの時とかなら有りかも知れないけど。

 

まあその辺の恋人同士らしい行動はそのうち慣れてくるんじゃないかな。

 

そうして部活が終わり、部室の前で駿を待った。

駿が出てきたら直ぐに左腕に腕を絡ませ、身体と頭を寄せて帰路についた。

 

◇◆◇

 

帰り道、駿に話をした。

 

「駿、明日は開けとけよ、約束どおり、膝枕で寝させて貰うからな」

「あーそういえばそんな事言っていたな、本当にやるんだな、良いけど、どっちの家でやる?」

「ずっと俺の家だったから今度は駿の家が良いな、午前中から行っても良い?」

「あー、ゴメン、明日の午前中はちょっとダメだ、午後なら良いよ」

「えーなんだよー、全くさ、じゃあ午後から行くから」

「うん、夜まで居ても問題無いようにしておくから、ちゃんと寝られるよ」

「いいね、寝すぎて夜眠れなかったら駿に付き合って貰おうかな」

「いいよ、その時は付き合うよ」

「んふふ、それは楽しみだ」

 

「あ、そうだ、コホン、睦、明後日、日曜は空いてるか?」

「ん?空いてるぞ」

「じゃあ開けといてくれ、また連絡するよ」

「良いけど、そうなると土日連続だな」

「まあ、偶には良いだろ」

「うん、……そうだな!」

 

毎日一緒でも良いんだぞ!

今振り返るとテスト期間は夢のような時間だったんだなあ。

ニカッと微笑み、駿を見上げた、駿は何故か少し照れているようだった。

 

駿に家まで送って貰って別れ間際。

 

別れを惜しむように駿に抱き着いた、すると駿は背中を優しくポンポンと叩いて安心させてくれる、これ好き。もっとやってくれ。

ポンポンと叩きながら耳元で。

 

「また明日な」

 

と囁いてきた。

!?──思わず身体を離し、耳を押さえた。

……それは反則だ、俺の女の子の部分が反応した気がする。

でも、またして欲しいとも思ってしまう。

 

◇◆◇

 

晩ご飯時、どうやらずっと嬉しそうにしていたらしく、両親に今日は何か良い事があったのか聞かれた。

うん、良い事あったよ、駿と恋人同士になったんだよ、と伝えて、両親も嬉しそうにして、やっと付き合い始めたのね、と言われた。

やっとかな、まだ男になって2週間だけど、濃密な2週間だった。

まあ親にとってはもっと長いのかも知れない。偽りの記憶だけど。

 

テスト勉強が良かったんだな、と言われた。

確かにあの期間はとても大きい、俺の心に大きな影響を与えたと思う。

あれが無ければここまでの関係じゃなかったと思うし。

 

寝る前にベッドでごろごろしていたら、駿から電話が入った。

 

「親からやっと付き合い出したのかって言われたんだけど、親にまで言う必要あった?」

 

どうやらお母さんが駿のお母さんに電話でもしたんだろう、俺達が付き合い始めた事を早速話したみたいだ。計算通り。

 

「友達のお母さんじゃなくて息子から教えて貰いたかったなー、って嫌味を言われたんだけど」

「むしろなんで言わなかったんだよ、言ったところで何の問題もないだろうに」

「いや影響あるだろ、もし睦巳に好きな人が出来たらどうすんだよ」

 

確かに駿の理屈だとそうなるか、でも駿には悪いけど俺は外堀を埋めたかったんだよね。

だから駿の親にも伝わるだろうと思ってお母さんに話したんだし。

 

「いつになるか分かんないんだし、その時には分かってくれるよ、泥は被ってくれるんだろ?」

「う、まあそうだけど、……しょーがねーな、貸し一つだぞ」

「分かった、じゃあ美少女が膝枕されてあげるよ、それでチャラな」

「睦がやりたくていつもやってるヤツじゃん、ダメだろそれは」

「いつもやってるって、感覚麻痺しすぎだと思うぞ、男子に言ったら怒られるぞ。

──分かった、じゃあ、明日膝枕の時に寝込みを襲う権利を上げるよ、いやー大奮発だなー、貞操の危機だなー」

「──それさ、出来るわけないって思ってるだろ?本当にやるぞ」

 

おお、乗ってきた、でもそれやるともう振りじゃなくなるぞ、良いのか?俺は……良いぞ。

まあでも俺の気持ちを無視してこないと信じてるし、卑怯だな俺は。

 

「権利には責任が伴うっていうしな、権利を行使したら、責任……取れよ?」

「う、……卑怯な」

「でも手を出すってのはそういう事だろ」

「まあそうだけど」

 

「じゃあ明日昼過ぎに行くからな、おやすみ」

「ああ、おやすみ」

 

よし勝った、手を出してきても俺の勝ち、出さなくても揶揄えるから俺の勝ちだ。

 

結果的に今日はとても、とても大きな前進をしたと思う。

ちょっと駿を騙してる気はするけど、嘘は言ってないし、大丈夫。

駿は恋人の振り、俺は恋人、そこに何の違いも無いと思うよ。うん。

 

で、今後はもうちょっと積極的に行こうと思っている、まずは明日の膝枕が楽しみだな。

 

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