DxD TAIL   作:min-can

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悪魔の島編
エルザさん、捕まります!


 ララバイの騒動が明けた次の日、ナツとエルザが約束の決闘をするとの事で、ギルドメンバーみんなでお祭り気分でそれを観戦する事になった。

 

 ギルドメンバー皆で囲ってリングを作り、カナが決闘の賭け事の運営を行っていた。

 

「ちょ、ちょっとほんとに戦うつもりなの!?同じギルドの仲間なのに...!」

 

「別に殺し合いするって訳じゃないんだから」

 

「でもぉ...」

 

「大丈夫だって。ほんと危なかったら爺さんも俺達も居るんだから止めれるし、あの二人もそこまでする気はないだろうし」

 

「うーん...まぁイッセーがそう言うなら...でも、妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強チームの二人がぶつかっちゃったらどうなるの!?」

 

「最強チーム?なんだそりゃ」

 

 グレイがルーシィに問いかける。

 

「あんたとナツとイッセー、エルザの四人の事じゃない。妖精の尻尾(フェアリーテイル)のトップ4でしょ?」

 

「はっ!くだらねぇ。誰だよそんな事言ったバカは」

 

 グレイが皮肉たっぷりに嘲笑うと、ミラさんが顔を手で覆った。少し体も震えている....

 

「ミ、ミラちゃんだったのね...」

 

「私はただ、あの4人で組んだらとっても素敵だなって思っただけなのにぃ...」

 

「お前!ミラさん泣かしてんじゃねぇよ!!」

 

「うっせ!分かってるわ...ごめんなミラちゃん」

 

「まぁねぇ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強の女はエルザでいいと思うけど...」

 

「男となるとラクサスにミストガン、あのおっさんも居るしな...」

 

 レビィやドロイが会話に参加してくる。

 

「おっ、そんな事言ってる間にそろそろ始まりそうだぞ...?」

 

「あたしこういうの無理ー!どっちにも負けてほしく無いもん!」

 

「意外と純情なのな」

 

「意外って何よ!」

 

 ルーシィがグレイに怒ってるはずなのに俺をバシバシと叩いてくる。

 

「何故俺に...?」

 

 そうこうしている内にナツとエルザは準備が出来たようだ。

 

「手加減すんじゃねぇぞ...もうあの頃の俺とは違うんだ」

 

「無論だとも...」

 

 エルザが換装する。

 

「炎帝の鎧!?エルザの奴本気すぎだろ!!」

 

「炎帝の鎧って何?」

 

「炎の威力を半減させる対炎の魔導士専用の鎧だ。こりゃあナツに勝ち目があるかどうか...」

 

 それにしてもエルザさんは普段の鎧こそガチガチにガードが硬いけど一度換装すると大変立派な物をお持ちで....

 

「あだだだ!!何ふんふぁ!?」

 

 急にルーシィにほっぺを思いっきり引っ張られた。

 

「あんたってほんと見境無いわね...」

 

「本気で引っ張りすぎだろ!」

 

「うっさいわね。後でエルザに殺されても知らないわよ?嫌ならその緩い顔を引き締めなさいよね!」

 

「うぐ...ご、ごめんなさい」

 

「全く...ちょっとはナツを応援しようって心は無いわけ?」

 

「それはない。だってナツ負けるし」「あい!」

 

「あんたら薄情ね....」

 

「ただでさえ勝てないのに炎帝の鎧とか...ナツが勝てる方法を教えてもらいたいくらいだっつの」

 

「それは...そうかもだけど」

 

「ねぇねぇ二人共、もう始まるよ?」

 

「おうハッピー。そんじゃナツの負けっぷりを拝むとするか...」

 

「あい!」

 

「あんたら冷たー」

 

 爺さんが腕を上げる。俺達は全員だまり、雑音が一切無くなる。

 

「よぉい...はじめぃ!」

 

 まずはナツが炎を手に纏い殴りかかる。当然避けられて剣を振るわれるが、それをナツは避けて蹴りかかる。それも避けられ...

 

「なかなか当たらねぇな...」

 

「ナツって無茶苦茶な戦いをしてるイメージしか無かったけど、結構冷静なのね」

 

「まぁ、あいつは事戦いにおいちゃ結構クレバーだからな」

 

「でも、そろそろ厳しそうだよ?」

 

「そりゃあな、素手での実力でもそう変わらないんだ。剣持ってるエルザさんが有利に決まってる」

 

「うぅ~ハラハラする...」

 

 流石に避けて避けらればかりではラチが明かないとと思ったのか、被弾覚悟で互いに攻勢に出た時、甲高いクラップ音が鳴り響く。

 

「戦いを即刻中断せよ。我々は評議院の使いの者である」

 

「評議院!?」「評議院が俺等になんの用だよ...」

 

「エルザ・スカーレット...クローバーでの洋館の崩壊を代表とし、その他諸々含め器物損壊罪11件のいずれにおいても貴様の目撃情報が報告されている...ついてはその主犯、及び重要参考人として連行する...大人しく着いてきてもらおうか」

 

「「「「「「な...なにぃぃぃ!!?」」」」」」

 

 ──────────────────────ー

 

「おい出せよ!俺をここから出しやがれ!」

 

 トカゲに変身させられたナツがコップに入れられて叫んでいた。

 

「ナツ、うるさいわよ」

 

 ミラさんがナツを少し睨む。

 

「いいから出せー!!」

 

「出したら暴れるでしょ?」

 

「暴れねぇよ!つーか体を元に戻せ!!」

 

「そしたらナツは助けに行くって言うでしょ?」

 

「言わねぇよ!誰がエルザなんかに...」

 

「今回ばっかりは相手が悪りぃ。相手が評議院じゃての打ちようがねぇよ」

 

「そりゃまぁ器物損壊は良くないけどよぉ」「なんで今更って話だわな」「それを言うならナツとイッセーのチームはどうなってんだって話だし」

 

 全員、評議院の決定に逆らうのは難しいが、納得は出来ないという感じだった。

 俺も納得出来ていない。だからこそ一芝居打たせてもらったが、はてさて上手くいくのかどうか...

 

「やっぱり納得出来ない!私達で証言しに行きましょうよ!!今回の件は絶対何か裏があるんだわ...!」

 

 ルーシィが立ち上がる。

 

「あんたもおかしいと思うでしょ!?」

 

 ルーシィが俺に問いかけてくる。

 

「まぁな...」

 

「何よその微妙な反応...エルザが捕まっちゃうかもしれないのよ!?仲間がこんな目にあってるのに...!」

 

 ルーシィがそこまで言った所で俺はルーシィに静かにとジェスチャーし、耳打ちするためにルーシィの方に近づく。

 

「な、何よ急に...ちょ...!え?だ、だめ...!って、あ...あれ?」

 

「ごめん...ここだけの話なんだけどな?もう動いてるんだ」

 

「ど...どういう事?」

 

 ルーシィが小声で返してくる...なんで顔ちょっと赤いんだ?まぁいいか。

 俺はルーシィを座らせて、他の人に聞こえないように小声で話す。

 

「実はな、俺が捕まえたって言ったナツはナツじゃないんだ」

 

「えぇ?どういう事...?」

 

「あれはナツのフリをしてもらってるマカオなんだよ。前のバルカンの件の借りを返したいっつっててな、協力してもらってるんだ」

 

「そうだったの...?じゃあ肝心のナツは?」

 

「あぁ、今頃はエルザを助ける為に評議院に向かったんじゃないか?」

 

「そっか...」

 

「だから大丈夫だ」

 

「ねぇ、念の為に聞いておくけど...一体何が大丈夫なの?」

 

「え?だってナツが...」

 

「アンタでも...ううん。ナツ以外なら誰でも良いわよ。でも、ナツだけはダメでしょ...今頃あいつ、評議院でめちゃくちゃに暴れてるわよ...!?」

 

「あ...」

 

「あっ...てねぇ!これじゃ無罪にするどころか、本当に犯罪者になっちゃうじゃない!」

 

「や...やべぇ...」

 

「な、何にも考えずにナツに行かせたのね...どうすんのよ!」

 

「い、今からでも止めに...」

 

「もう遅いっての...」

 

「聞こえとるぞおぬしら...全く、くだらん事をしおって」

 

 爺さんがコップを弾き飛ばすと、トカゲがマカオになって飛び出した。

 

「全員黙っておれ。静かに結果を待っていればよい」

 

 普段おちゃらけている爺さんが珍しく真剣にそう言ったので、俺達は黙りこくるしかなくなる。

 

「あー...やっちまったなぁ」

 

 いや、まじでやらかした。本当にどうしよ...

 落ち着かなくて手遊びを繰り返す。これはどうにかなっちまうかもしれないな...

 

 ──────────────────────────────────

 

 次の日、ナツとエルザさんは帰って来た。どうやら評議院の面子のための形式だけの逮捕で、判決さえ終了すれば当日にでも帰れたそうだったが、ナツが暴れてしまったせいで一日牢屋に入れられてしまったそうだ。

 

「エルザさん...すみません。俺がナツに行かせなきゃ」

 

「いや、構わんとも。心配してくれたのは素直に嬉しかったからな」

 

「ほんと、次からはもっと考えて行動しなさいよね。それかあたしに相談すること!」

 

「はい...」

 

 騒いでる方を見るとナツが騒いでいた。良く考えたらこいつが軽率に暴れるのが悪いのになんで俺が反省してあいつは喜んでいるのだろうか...

 

 そんな事を考えているとナツが火を纏ってエルザに突撃しに来た。

 

「そうだ...この前の続きだ──!!」

 

「よせ...疲れてるんだ」

 

「行くぞ!!!」

 

「やれやれ...」

 

 エルザが棒きれを換装し、突撃してきたナツの顎へとフルスイングで振り上げる。

 ナツはそのまま吹き飛んで壁に衝突、血を流して気絶してしまった。

 

「仕方ない。はじめようか」

 

「終──了──ー!!」

 

「ぎゃははは!!だせぇぞナツ!!」

 

「ふむ、終わったか...それではイッセー。次はお前の番だな」

 

「え?」

 

「言っただろう。貴様の矯正を行うと...ルーシィがどれだけ迷惑していると思っている。それに、先の決闘の際も私に下劣な視線を向けていたな」

 

「いえいえいえ!!全くそんな事あるませんが!!?」

 

「自白しかけてるじゃない...エルザ!やっちゃって...!」

 

「任せておけルーシィ」

 

「え、ちょ...てかいつの間にそんなに仲良く...?」

 

「クローバーからの帰り、あんたが乗り物酔いで気絶してる間にね」

 

「え...ちょ、勘弁してください...!」

 

「勘弁して欲しいのは私の方だ。反省したと思ったらすぐに元に戻る...まるで賽の河原で石を積んでいる気分だ」

 

「あ...あ...!?」

 

 エルザさんが俺に手を伸ばした時、急な睡魔に襲われた。

 

「あ...うぅ...」

 

 急速に意識が奪われていく。最後に映ったのは赤い髪だった。

 

 ──────────────────────────

 

「あ、え...?」

 

 気が付くと俺は床に寝転んでいた...ん、何かが俺の上に...

 

「く...ミストガンか」

 

 俺の上に寝ていたのはエルザさんだった。超至近距離で目が合う。

 

「あ」「ん?」

 

「いや、その...」

 

 俺は故意に至近距離に近づいたのではないと言い訳しようとしたが、睨まれて言葉が詰まる。

 

「っ...手をどけないか」

 

 そう言われて気が付くと、俺の手はエルザさんのお尻に乗っていた。

 つい反射で力を入れてしまう。むにっと柔らかな感触が俺の手に伝わってきて、次の瞬間俺の視界は黒に染まった。

 

「ごぼぱ!!!」

 

 エルザさんの拳が俺の顔面を貫き、床に顔面が突き刺さる。

 

「む...すまん。つい反射で殴ってしまった」

 

「ごは...っ!」

 

 鼻から、口内から、だらだらと血が流れる...

 

「ミストガンの魔法で眠らされていたのだ...故意での行為ではないと分かっていたがつい、な」

 

 エルザが俺を床から引っ張り上げる。

 

「まぁ私も臀部を触られたのだ。これでおあいことしてくれ」

 

「俺の被害と釣り合って...!!いえなんでもないですおあいこです」

 

 エルザがギロリと睨んで来たので大人しく引き下がる。このままだと殺される...!!

 

「大丈夫イッセー?」

 

「これが大丈夫に見えるなら...」

 

「まぁ、矯正がお流れになりそうで良かったじゃない。それにしても、ミストガンって誰なの?」

 

「ミストガン...?あぁ。妖精の尻尾(フェアリーテイル)最強の男候補の一人でな...どういう訳か誰にも姿を見られたくないらしくて、ギルドに来るときはいっつも全員眠らせちまうんだ...痛てて」

 

 ルーシィが差し出してくれたハンカチで鼻を抑える。

 

「ごめん、後で新しいの買って返すわ」

 

「別に良いわよ。そんな大した物でもないし」

 

「そっか?じゃあお言葉に甘えて...そんでミストガンか。まぁ、そういう訳だから正体については色々と考察されててな...バケモンみてぇな顔なんじゃないかとか、めちゃくちゃ有名な芸能人なんじゃないかとか、悪魔なんじゃないかとか...でも、結局のところ爺さん以外顔を知らないし、爺さんも言ってくれないから謎のまま、というわけだな」

 

「いんや...俺は知ってっぞ」

 

 不意に二階から声が降って来る。

 

「ラクサス!!」「居たのか」「珍しいな...」

 

「ミストガンはシャイなんだ。あんまり詮索してやるな」

 

「あの人がラクサス?」

 

「あぁ、もう一人の最強候補...ついでに爺さんの孫」

 

「孫ぉ!?...妖精の尻尾(フェアリーテイル)のマスターの孫ってもう血筋からしてすごいじゃない!」

 

「まぁなぁ。ちょっと性格はいけ好かないけど」

 

「そうなの?」

 

 そうこう話しているとナツがいつの間にか起き上がっていて、ラクサスに喧嘩を吹っかけていた。

 

「ラクサス―!!俺と勝負しろ──っ!!!」

 

「エルザ如きに勝てないようじゃ俺には勝てねぇよ」

 

「それはどういう意味だ」

 

 エルザさんから凄まじいプレッシャーが発される。こえぇぇぇ...

 

「俺が最強って事さ」

 

「降りて来い!!」「お前が上がってこい!!」

 

 ナツが挑発に乗って二階に上がろうとすると、爺さんが手を巨大化してナツを潰す。

 

「2階には上がってはならぬ。まだな」

 

「はっ、怒られてやんの!...いいか!妖精の尻尾(フェアリーテイル)の最強の座は誰にも渡さねぇよ。エルザにもミストガンにも...あのオヤジにもな!!俺が最強だ!!!」

 

 そういうとラクサスは二階の奥に引っ込んでいった。やっぱいけすかねぇやつだ!

 

 ──────────────────ー

 

「んー...他に怪我はないかしら?」

 

 俺は今、ミラさんに治療を受けていた。頭に傷が無いか見てくれる...お陰で俺の目の前におっきなメロンが...!!うぉおお...!!もうすぐ鼻に接触する...!!

 

「あだだ!」

 

 ルーシィに耳を引っ張られた。

 

「制裁」

 

「なんだよ...別になんもしてないだろ」

 

「しかねないからよ!ミラさんも、もっと危機感を持ってイッセーと接して下さい!こいつドスケベなんですから!!」

 

「ふふ、大丈夫よルーシィ。イッセーはもうずっと前に懲りてるもの...ね?」

 

「......はい」

 

 俺はミラさんから目を逸らして頷く。

 

「ふ、二人の間に一体何が...?」

 

「うふふ、秘密よ?」

 

「えー...」

 

 思い出したくもない...ある意味エルザさんよりもひどい目に遭ったからな...

 

「あ、そういえばマスターが言ってた2階に上がっちゃいけないってどういう意味だったんですか?」

 

「あー、まだルーシィには早い話なんだけどね?2階の依頼板には1階の依頼とは比べ物にならない難易度のS級クエストが張ってあるの」

 

「S級!!?」

 

「一瞬の判断の迷いが死を招くような危険な依頼が多くて、マスターに認められた魔導士しか依頼を受ける事ができないの。資格があるのはエルザ、ラクサス、ミストガンを含んでも5人しか居ないのよ?」

 

「ほどのギルドでもたったそれだけなんて...!」

 

「まぁほんとにいくつ命があっても足りないような仕事ばっかりだから、S級なんて目指すものじゃないわよ?...よし、はい終わり!」

 

「ありがとうございます、ミラさん!」

 

「どういたしまして」

 

「ふぅ...そろそろ次の仕事も決めないとなー。イッセー、ナツ呼んで来てよ」

 

「おう」

 

 俺はナツの方に歩いていく...その後めちゃくちゃ喧嘩した。

 

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