DxD TAIL   作:min-can

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均衡、崩します!!

 ファントムからの退却からしばらく、俺達は怪我の処置をしたり、次の襲撃の準備をしたりと忙しく過ごしていた。

 

「今度は爆弾ラクリマありったけ持っていくぞ!」「所持(ホルダー)系魔導士用の強力な魔法書を倉庫から持ってこい!!」「奴らの本部はここだ...この高台から遠距離魔法で狙撃できないか?」「痛てぇ...ちくしょう!!」「ギルドやレビィたちの仇もまだ取れてねぇのに!!」

 

 そんな中、俺達は目覚めたルーシィの傍に居た。

 

「....ごめんね、イッセー」

 

「何回謝ってんだよルーシィ。こんなもんなんともないってば!な?」

 

「でも...私の為にそんな手に!...それに、ギルドのみんなの事も、マスターも...多分私が原因で...」

 

 ルーシィは俺達に語ってくれた。自分がハートフィリア家の一人娘であること、家出して一年程経つこと...理由はわからないが恐らく今回の襲撃は自分の父に関係あるということ。

 

「ルーシィ、安心してくれ。ルーシィの事は俺が絶対に守る...例え一ギルドが相手でも、軍が相手でも、国が相手でも...何を犠牲にしたって守ってみせる!」

 

「.........どうして?私、自分の身勝手でみんなに迷惑かけて、こんなに色々な物が壊れちゃって、みんな傷ついて...なのに、どうして...」

 

「ルーシィが好きだから...じゃ、ダメか?」

 

「へ...?」

 

「こんな時に言うのもあれだけど、俺はルーシィの事が大好きだ!!ルーシィを守るためだったらなんだってしてやる!どんな奴だって倒してみせる!!....その為なら最強の赤龍帝にだってなってやる!!」

 

「そ...そんなの...」

 

「信じてくれ。俺は今は弱っちぃのかもしれない。最弱の赤龍帝かもしれない...それでも、それでもさ...!ルーシィを想うこの気持ちだけは負けない!ルーシィをあんな奴らには絶対渡さないし、帰りたくない家になんか絶対に帰さない!!ルーシィが居たい場所で、好きな事をして欲しい!!」

 

 俺の叫びに皆が答えてくれる。

 

「当たり前だ!!」「ルーシィの居場所はここだろ?」「あんな奴ら俺達にとっちゃ屁でもねぇよ!!」

 

 やがてその声はギルド全体に広がっていく。皆がルーシィの為に声をあげてくれる。

 

「皆...ぐす...うわぁーん!!」

 

 ルーシィが俺に泣きついてくる。

 

「うぉっと...!」

 

 俺はルーシィを軽く抱いて頭を撫でる。

 

「泣くなよルーシィ。俺は...俺達は、ルーシィに笑ってて欲しいから戦うんだ」

 

「うん..ぐしゅ...うん...!」

 

 ルーシィは俺の腕の中で何度も頭を振る。

 それからしばらく...ルーシィも落ち着くとさっきよりはずっとましな顔になってくれた。

 ずっと眉間にしわを寄せて申し訳なさそうな顔ばっかりだったしな。

 

 そうしてしばらく、俺達はなるべくルーシィが元気になってくれるようにいつも通りに振舞っていたのだが...地響きが鳴りだした。

 

「なんだ?」

 

「...おい、近づいて来てないか?」

 

「外だー!!でっかい建物が足を生やして近づいて来てる!!」

 

 アルザックの叫びに俺達が急いでギルドの外に出ると、幽鬼の支配者(ファントムロード)のマークを携えた城のような建物がこちらに歩いて来ていた。

 

「ギルドが歩いて...」「ファントムか...?」

 

「想定外だ...こんな方法で攻めて来るとは!!」

 

 エルザさんが驚愕の声をあげる。

 やがて、ギルドの中心から一本の砲台が現れた。

 

「不味い!!全員伏せろ!!」

 

 エルザさんの叫びが響き渡る。瞬間俺達は察した。

 

「あのバカでかい砲門で魔導集束砲(ジュピター)を打つつもりか!!?」

 

「くそっ...!!ドライグ!!?」

 

『まだ機能が回復していない...禁手(バランス・ブレイク)どころか通常の倍加すらできんぞ』

 

「嘘...だろ...!」

 

 エルザさんが敵の方へと走り出す...

 

「換装!!?」

 

「ギルドはやらせん!!!」

 

「金剛の鎧!!」「まさか、受け止めるつもりじゃ...」「いくら超防御力を誇るその鎧でも...!」

 

「伏せろぉぉぉ!!!」

 

 エルザさんの叫びに俺達は伏せる。俺も、せめてもの抵抗にルーシィを庇えるようにする...今の俺じゃあ紙っぺらくらいの肉壁にしかなれないだろうけど、それでも!!

 

「イッセー...!」

 

 ルーシィが俺の腕をぎゅっと握って来る。

 

「くそ...っ!くそっ!!」

 

 折角代償を支払ってすげぇ力を手に入れたのに...結局まだ俺は弱っちぃままじゃねぇか!!また、守れないのか!!

 

『焦るな...本当に後もう少しだ。今は耐えろ』

 

「ぐぅ...!」

 

 凄まじい魔力の塊が放たれる...!

 

「エルザ──!!」「エルザ!!!」

 

「ぐぁあああああ!!!」

 

 バキバキと、エルザさんの鎧が砕けていく音がする。

 ちくしょう...畜生!!!

 

 やがて、全魔力を耐えきり、ボロボロになったエルザが少し吹き飛んで倒れた。

 

「エルザ!!」「しっかりしろ!!」

 

 俺達はエルザさんに駆け寄る。呻きながらもなんとか生きていた...でも、この怪我じゃ...

 

『マカロフ...そしてエルザも戦闘不能』

 

 突如ファントムのギルドから放送音が聞こえてきた。

 

『もう貴様らに凱歌はあがらねぇ。ルーシィ・ハートフィリアを渡せ...今すぐだ!!』

 

「ふざけんな!!」「仲間を敵に差し出すギルドがどこにある!!」「ルーシィは仲間だ!!」

 

 皆の叫び声が響く。

 

『渡せ』

 

 ルーシィの体が震える...

 

「私...」

 

 俺はルーシィの体を抱きしめる事しかできない。絶対にあんなやつには渡さない。

 

「仲間を売るくらいなら死んだ方がマシだっ!!!」

 

「俺達の答えは変わらねぇ!!お前らをぶっ潰してやる!!!!」

 

 エルザとナツの叫びに皆が雄たけびで答える。

 

『そうか...ならばさらに特大のジュピターをくらわせてやる!!装填までの15分恐怖の中で足掻くがいい!!』

 

 放送が終わると、ギルドから兵隊が大量に降りてきた。

 

『地獄を見ろ妖精の尻尾(フェアリーテイル)。貴様らに残された選択肢は二つ...我が兵に殺されるか、ジュピターで死ぬかだ』

 

「ありえねぇ...仲間ごとジュピターで殺すつもりなのか?」

 

「お、脅しさ...撃つはずがねぇ」

 

「いや...撃つよ。あれはジョゼの魔法、幽兵(シェイド)...人間じゃないから消えたって何の問題もない。だからジュピターをなんとかしないと」

 

「俺がぶっ壊してくる。15分もあるんだろ?やってやる...いくぞハッピー!」「あいさー!!」

 

 ナツがハッピーを連れてジュピターの砲門へと飛んでいく。

 

「エルフマン、俺達も乗り込むぞ!!」「おっしゃ──!!」

 

 グレイとエルフマンもそれに続いた。

 くそ...今の俺じゃ足手まといだ。

 

「残りの面子で守りを固める!!いいね!!」

 

「「「おぉ!!」」」

 

「ルーシィはこっちに来て!隠れ家があるの!!戦いが終わるまでそこにいましょ!!」

 

 ミラさんがルーシィの手を引っ張る。

 

「でも...あたしもみんなと戦わなきゃ!!」

 

「ダメよ。ファントムの狙いはあなたなんだから...一回目はイッセーがなんとか間に合ったけど、今度こそ捕まっちゃったらどうなるかわからないのよ...?だから、いうことを聞いてね」

 

 そう言うとミラさんがルーシィに眠りの魔法をかける。

 

「リーダス!!ルーシィを隠れ家へ!!」「うい!」

 

 リーダスは馬車を描いて魔法でそれを現実に持ってきた。

 

「...俺も行く!」

 

「ダメよイッセー...!あなたにはここでギルドの守りをしてもらわないと。ナツ達があっちに向かった以上、ここで一番頼りになるのはあなたなんだから!」

 

「...っ!でも、俺今...ルーシィを助ける時に使った力の反動で魔法が使えないんです!」

 

「嘘でしょ...?...どれくらいで回復するの?」

 

「ドライグ...!!」

 

『後10分も経てば最低限の機能は回復するだろうが...おすすめはせんぞ?出力も下がっているし、お前の体力も万全とは言えない...せめてあと1日は間を開けて欲しいが、そうも言ってられんらしいな。わかった、俺も全力で急いでみよう』

 

「頼むドライグ...!!お前の力が無いと俺には...!」

 

「....そんな事ないわイッセー。例え魔法が無くたって...きっと出来る事はあるはず。だから、そんな事言わないで?」

 

「ミラさん...」

 

「私も頑張るから...一緒に戦いましょう?」

 

 ミラさんが俺を抱きしめてくれる。

 

「.....っ!はいっ!!」

 

 俺はミラさんから離れると自分の頬をぶっ叩く。

 

「よっしゃぁ!!ミラさん...!見ててください!!俺の戦い!!」

 

「えぇ」

 

 俺はミラさんに背を向けて、激突が始まった戦いの中心部に駆けだした。

 

「ギルドはやらせねぇ!!俺が守る!!!」

 

 .....................

 

 開戦からしばらく、俺はひたすらに幽兵を殴り飛ばしていた。

 ...左手がドラゴンになった影響か、いつもより少しだけ身体能力が上がっている。本当に少しだけだけど。

 

「おいドライグ!!もう10分はとっくに経ったぞ!!」

 

『待て...!それだけ動けるなら今はより完全な回復が優先だ。不完全な禁手化(バランス・ブレイク)をより不完全な状態で行ってどうなっても知らんぞ?』

 

「なんでもいいけど、絶対にジュピターまでには回復させてくれよ...!!次あれを止めれるとしたら俺の禁手(バランス・ブレイカー)しかない!!」

 

『分かっているから回復を優先しているのだ!!少し黙れ!!』

 

「...っ!悪い、ドライグ...」

 

『いや、いい...俺も少し焦っていたようだ』

 

「...っくそ!!キリがねぇ...!!」

 

 みんな必死で戦ってるが、幽兵一人一人がそれなりの強さを持っている。

 ...これ全部ひとりの人間の魔力ってどういう事だよ!!

 

「...づっ!!」

 

 後ろからの斬りかかりにギリギリで反応して左手を間に挟む。

 少し切れるが、鱗のおかげで勢いは完全にそがれた。

 

「らぁっ!!」

 

 幽兵を蹴り飛ばして、倒れた所で頭を踏みつけて消滅させる。

 

「はぁ...はぁ...!」

 

 みんなも善戦しているが、幽兵はどんどん沸いて出て来る...

 

「それでも...やるしかねぇ!!」

 

 俺はワカバを追い詰めている幽兵に襲い掛かった。

 

 .....................

 

『...よし!機能が回復した!!いけるぞ相棒!』

 

「でかしたドライグ!!」

 

『Boost!!』

 

 あれから数分、ジュピターまで後二分あるかどうか、といった所で籠手の機能が回復した。

 

「邪魔だぁ!」

 

 俺は幽兵を次々と殴り倒す。

 

「イッセー!ようやく復活か!!」「おせぇよバカ!!」

 

「悪い...!!こっからは任せろ!!」

 

 ジュピターに魔力が充填されていっているが、俺はギリギリまで待つことにした。

 絶対にナツがあれをなんとかしてくれる...今はこいつらからギルドを守るのが優先だ!!

 

『Boost!!』

 

 少しづつ、均衡はこちらに偏っていく...しかし、それと同時にジュピターも溜まって言っている...いよいよ限界かと思われたその時、ジュピターの砲門から煙が吹き出し、崩れ去って行った。

 

「おぉ!」「砲門が崩れた!!」「さすがナツだ!!」

 

「これで恐れるものはなくなった!!敵を殲滅しろ!!!」

 

 カナの掛け声に合わせて俺達はより一層勢いを増していく...!!

 が、そんな風向きをひっくり返すかのように、ファントムのギルドが立ち上がって変形し始めた...

 

 それはやがて二足歩行となり、巨人と化した。

 

「な...何よあれ、冗談じゃないわよ」

 

 ズシンズシンとこちらに近づいてくる...!

 

「向かって来た──!!」「まさかギルドを踏みつぶすつもりか!!?」

 

「目の前の敵に集中しろ!!あの巨人はナツが止めてくれる!!」

 

「いやでもナツは乗り物が...」「あ、」

 

「バ...禁手化(バランス・ブレイク)でいけるか...?」

 

『完全破壊は難しいな...お前の体力が持たない』

 

 しかし、俺達の懸念とは裏腹に、巨人は停止し魔法陣を描き始めた...

 

「魔法陣だ!この建物自体が魔導士だって言うのか!!?」

 

「しかも、この魔法陣は...煉獄砕破(アビスブレイク)!!禁忌魔法の一つじゃない!!」

 

「このサイズは不味い!!カルディア大聖堂の辺りまで暗黒の波動で消滅するぞ!!」

 

「嘘だろ町の半分だぞ!!?」

 

「...防げると思うか?」

 

『やめておけ相棒。あの巨人を破壊する方がはるかに簡単だ』

 

「やっぱ俺も...!でも、ギルドも守らなきゃだし...!くそ!!人手が足りてねぇ!!」

 

 そんな事を考えていると、後ろから急にルーシィの叫び声が聞こえた。

 

「あなたたちの狙いは私でしょ?今すぐギルドへの攻撃をやめて!!」

 

 一瞬びくりとしたが服装でミラさんだと分かった...でも、やっぱりだめだ!!いくらギルドを守るためだからって自分を犠牲にして!!そんなのダメだ!

 だが、響いたのは感情の無い一言だった。

 

『消えろニセモノめ』

 

 確かに連れられたら困るけど!!それでもあれだけ精巧な変身をなんで一瞬で!?

 

『はじめからわかっていたんですよ。そこにルーシィがいない事は...狙われていると知っている人間を前線においておくわけがないとね』

 

 少しづつ魔法陣が完成に近づいていく...およそ半分といった所か。

 視線をすぐに戻して幽兵と戦っていると、影が俺達を覆った。

 

 上を見ると巨人がこちらに手を伸ばしていたのだ。

 

「きゃあ!!」

 

「ミラ!!」「ミラちゃん!!」

 

『こんな小娘どうでもいいが、我々を欺こうとした事は気に入らん...潰してしまえ』

 

 そんな声が聞こえて来る...ビキリと血管が浮き出る感覚があった。

 ミラさんを潰す...!?仲間を...あんなにやさしくてかわいいミラさんを...殺す...?

 

「ダメだ...ごめん皆。俺、建物なんかよりミラさんの方が100倍大事だ...!!」

 

「分かってる!!さっさと行ってこいイッセー!!あんたならなんとか出来るんだろ!!?」

 

「ドライグ...!!もう一度だ!!」

 

『あぁ...!!』

 

「再び輝け!!!赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)ぁぁ!!」

 

『Welsh Dragon Over Booster!!!!』

 

「ぐあっ!!」

 

 左手と心臓の辺りが痛む...!代償は支払ってるとはいえ、二回目ともなるとこうもなるか....!

 でも、そんなの関係ねぇ!!俺は...今度こそ皆を守る!!ルーシィだけじゃねぇ!!ミラさんも!!ダウンしてるエルザさんも!!カナも!!レビィちゃんも!!ついでに男共も...!!仲間は全員守ってみせる!!!

 

『Welsh Dragon Barance Breaker!!!!!』

 

 甲高い音と共に、俺の体は真紅の鎧に包まれた。

 体中からオーラが立ち上る...!

 

『前回の禁手化(バランス・ブレイク)での体力の消費はまだ回復しきっていない。稼働時間は15分、同じく最大の倍加に5分消費する!!そしてもうおかわりは無しだ。正真正銘、これがお前の左手で叶う最後の禁手化(バランス・ブレイク)だ』

 

「毎度毎度ありがとな!!つまりは出し惜しみ無しって事だ!!!」

 

『ふっ...そういうことだ』

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

 俺は背中のブースターを吹かせてミラさんの元に急速接近する...!

 

「ミラさん...!!!!」

 

「あぐ...い、イッセー!?どうしたのその姿...!」

 

「今助けます!!!」

 

 俺はミラさんをつまんでいる指を殴って破壊した。

 支えを失って落下しそうになるミラさんを受け止めて、抱き寄せる。

 ...畜生、今は鎧だからミラさんのぬくもりを感じられねぇぜ!

 

「ほ、本当にイッセーなの...?だって、こんなに膨大な気を...いえ、それが真のイッセーの力なのね...」

 

「はい!!後10分ちょっとで終わっちゃいますけど!!」

 

 俺はミラさんを抱えたまま、ファントムのギルドの中に突っ込む。

 

「すみません!本当はみんなの所に返した方が良いんですけど、時間がないのでここで降ろします!!俺は急いで残りのエレメント4を倒して...ジョゼもぶっ倒します!!」

 

「ま、待ってイッセー!!いくら今のあなたでもそんな無茶...!それに時間だってほとんど無いって!!」

 

「それでも...俺がやります。さっき、エルザさんが一人で俺達を庇ってくれた時...俺、悔しかったんです...死ぬほど!何も出来ないのが嫌だった...!だから、俺が守るんです!!」

 

「イッセー....分かったわ。私はここで隠れてるから、私の事は気にせず戦って...お願い。みんなを...ギルドを守って...!!」

 

「はい!!ミラさんの応援があれば100人力です!!行きます!!!」

 

 俺は全速力で廊下を駆け抜ける...!!

 

「ドライグ!なんか魔力の感知とかできないのか!!?白い龍だったら大陸中感知できるんだし、こんだけ近かったらできるだろ!!」

 

『そんな便利な能力はない...あれは因縁の末の産物だ。第七感だとかそういった物に近い。魔力感知してる訳では無いからな』

 

「くそっ...一分一秒惜しいのに...!!」

 

『赤龍帝のガキぃ...!!ソルを戦闘不能にしただけでなく、ルーシィ捕獲の邪魔をし、あまつさえ生意気な小娘の処刑すら阻むか...!!貴様だけは特別丁寧に殺してやるぞ...!!私の機嫌を誰よりも損ねた事を地獄の底で後悔するといい...!!』

 

「はっ!やってみやがれバカ野郎!!」

 

 とはいえ見つけないと話にならない。

 ...俺は静かに目を瞑って立ち止まった。

 

 今の俺は全身龍になったようなもんだ。ナツと同様、ドラゴンの性質を持ったと考えていい...だったら、五感もより鋭利になっているはずなんだ...!!

 

「....見つけた!!」

 

 確かに、あの方向にいるはずだ...!!

 俺は壁や天井をぶち破って、一直線にその方向へ進んでいく...!

 

「待ってろ...俺が、全部守ってみせる...!!!」

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