しばらく待っていると、ルーシィがポーリュシカさんと共に現れた...巫女服を身に纏い体をびしょびしょにさせながら...!
「な...!なんだそのすごい格好...!!」
白装束が肌にぴったりと張り付いて、薄く肌色が見える...なんてエロい格好なんだ...!!
「うぅ...目ぇ瞑ってぇ...!」
「嫌だ!!」
「何って、これから行う儀式の為の正装だよ....竜黙の儀。起源としてはあらぶる竜に乙女が自らの身を捧げる事で鎮静を促す...いわゆる生贄って奴だったんだがね、時間と共に変化、簡略化していって別の意味を持つ儀式へと変化したのさ」
「別の意味...?」
「あぁ。人間はかつて、人の身に竜の力を纏う方法を探し求めた。その一つが滅竜魔法なわけだが、それ以外にも様々な方法が模索されていた...竜の血を飲んだり、竜の鱗を移植したり、竜の魔力を受け続けたり...色々とね。そんな無茶苦茶な事をするものだから、体が竜化してしまったり、体内を竜の気に侵食されて暴走を起こすような事態は当然あった訳だが...それらを鎮静化させるため行われていたのがこの儀式だ」
「へぇ...」
あんまり良く分からないけどとにかくスゴそうだ。
「この儀式を行う事で、あんたの手に集まっている龍の気を強制的に散らす...しばらくすればまた溜まって手が龍化するだろうが、それまでの間は人間の手に戻るだろうね...まぁやってみなけりゃどうなるかは分からないが」
「なるほど...で、それってありなのか?ドライグ」
『アリナシで言えば問題は無いだろうよ...俺が代償として求めたのは手の龍化だ。手の所有権は変わらずお前の物なのだからどう扱おうがお前の勝手だ。それに、龍化が完治する事はないが、逆にその度合いが一時的に多少下がろうと支障はないさ』
「そうだね。あくまであんたの手は龍の手のままだ。だがまぁ、見た目が元に戻る事には意味があるだろう?」
「なるほどぉ...!」
「うぅ...へっくち!」
「おい、ルーシィ大丈夫か?...」
「うん...流石にちょっと寒いけど」
「この程度でなさけない...しょうがない、すぐに終わらせるよ。今から手順を説明してやる。これからはあんたら二人でやるんだからしっかり覚えて帰るんだよ」
「はい!」「はい...」
これから定期的にルーシィの濡れ透け巫女衣装が見れるのか!!おいおい本当にこれは代償なのか...?俺にメリットしかないじゃないか!!
「まず一つ目。さっきやったが、巫女役の人間は予め体を清めておいた後に巫女服を着用し、度数50%以上の酒を頭から被る。竜にとって、女と酒は魅力的な物だからね...まぁ、元来は女を酒で酔わせて正常な判断を鈍らせる目的があったらしいが...と、これは蛇足だったかね」
へぇ...なんか甘い匂いがすると思ったら、お酒が混ざってたのか。
「次に、巫女役は龍役の前に跪いて体の一部に口づけをして服従の意を示す...別にどこでもいいよ。無難に手の指とか甲にしときな」
「はい...」
ルーシィが俺の前で膝をついて、俺の手に両手を添えて軽く口づけする。
う...なにかすごくいかがわしい事をしているような気分になってくるな...女の子に...しかもルーシィみたいな美少女にこんな風に下手に出られた経験が無さ過ぎてそわそわしてしまう。
というかルーシィも良く何のためらいもなく行けたな...
「ふん...あんたの気色悪い顔を見る限り今の所は順調だね」
「しょうがないじゃないっすか!だってこんなの...!!」
「黙ってな小僧。さて、次にあんたは小娘の体に傷をつけな...これには女が自分の所有物だとマーキングする意味がある。こっちも元来は女が逃げられないように足やらを奪っていたのが起源らしいが...まぁ、そこまでやる必要はない。ようは体に儀式の間残り続けるだけの跡が付けばいいんだ。叩くなり、引っ掻くなり好きにすりゃいい」
「えぇ...なんか、もっと痛く無い方法ないんすか?」
ルーシィを傷つけるのはあまりにも気が引ける。俺の為にこんなに色々やってくれてるのに...
そうじゃなくても女の子の肌にいたずらに傷を負わせるのはそれがどんなに軽くても忌避感が強い。
「チッ...うるさい小僧だ。だったらあれで良いだろ。皮膚を吸って内出血を起こさせるあれで。ガキの頃やらなかったか?」
「それって...キスマークって事っすか!!?」
「まぁそうとも言うね。さっさとやりな!そんなくだらない事で無駄な時間過ごさせるんじゃないよ!!」
「う...ルーシィ、どれがいい?」
俺はもう良く分からないのでルーシィに任せる事にした。
「んー?...どれでもいいわよ?...はい、どーぞ」
ルーシィがなんだか少しぼぅっとした声をあげながらこちらに腕を差し出す。
「ル...ルーシィ?」
なんか、心なしか頬が赤くて息も荒い気がする。
「なぁに?」
「いや...なんでもないです」
これはまさかほろ酔いしていらっしゃる!!?
くっそ、可愛すぎるだろ...!!
「く...くそ...」
結局最初の問題に立ち返ってしまった。
こうなりゃやけだ...!!
俺はルーシィの前腕に吸い付く...!
う...ルーシィの甘い匂いとお酒の匂いが相まって頭がくらくらしてくる...!
「ん...ん、ふぁ...はぅ...」
いかがわしい声を出すんじゃない!!反応しちゃうでしょうが...!!
俺は必死に頭からピンク色の妄想をはじき出す。
いくらそれっぽい要素が揃っていたとしても!!これは立派な治療行為!!
ルーシィは俺の治療の為に協力してくれてるんだ!!そういう風に考えるな...!!
あ、でも脳内にはしっかりと刻んでいこう。
そうこう考えていると、ある程度時間が経ったので口を離す。
ルーシィの腕にはしっかりと赤い跡が残っていた。
「あー!...イッセーにキスマークつけられちゃった...んへへ」
「.....ふん!!」
俺は自分の顔面を殴って意識を取り戻す。
本格的にまずい雰囲気になってきた...あれ?これ、次回からは俺達二人でやるんですよね?俺、どうなっちまうんだ...!?
「.....最後だ。巫女役は龍役の患部を龍の気が抜けるように吸い付け。そうすれば巫女役の体内を通って外界へと龍の気が霧散するはずだ」
「はぁい...んー、ぺろ」
ルーシィが俺の指に舌を這わせる。
「うぉっ...!!!ちょ、ちょっと...!!心の準備とか!!?」
「んー?はむ...ちゅぷ...ぺろ」
そのまま、薬指が完全に咥えられる...
「うぅ...!なんだ、これ...!!」
ルーシィの指ペロがやばすぎるのは置いておいても、体に力が入らない...というか段々抜けていく...!!
「んん...っ!はぁ...あう...!...はぷ!」
ルーシィの方に俺の腕から力が流れていっているのがわかる...す、すごい...!!
何がすごいってすごい状況だ...!!!もうこれ治療じゃないだろ!!
「う...ルーシィ...!」
「ちゅ...ちゅ、ちゅ...ちゅぅぅ...!...っはぁ」
最後にひと際強く吸い付くと、口を離した...キラリとルーシィの舌と俺の指の間に糸が引く...
「う、あ...!」
「ふぅ...あ、治ってる!」
ルーシィに言われて気付く。俺の腕元に戻ってた...それどころじゃなくて全く気付かなかった...
「良かったぁ!!」
ルーシィが俺に飛び掛かって来る。ベッドに押し倒されてしまった。
「うおっ...!!」
俺は色々な意味でルーシィに押しつぶされる...!いや、俺が押しつぶしているのか!!?
「んー....んん...すぅ...すぅ...」
そして、その状態で眠ってしまった。ちょっと!!?
「ちょ...!!ルーシィさん!!?」
「んー...」
「なんだこれ...!!」
ちょっといくらなんでもサービス精神旺盛すぎやしませんか!!?
...というかこのままだとまじでやばい。具体的には俺の俺が俺でやばい...
俺は断腸の思いでルーシィを体を起こしてルーシィをベッドに転がす。
「...っはぁ、危うく意識が飛ぶところだった...」
まさかお酒が入るとあんな事になるとは...ルーシィは酔いで小悪魔に変身してしまう訳だな...心に刻んでおこう。
「治療はこれで完了だね。ついでに体も相当回復してるし...そうか。あの小娘があんたの超回復の鍵だったわけか...色狂いめ。さっさと私の前から消えな!!気色悪い」
「ほ...ほっといてくださいよ!!てか、あんな状況になっちゃったら、男なら怪我くらい回復しますよ!!」
「黙れ助平!!...私は薬草を摘みに行くが、その間に少しでもこの家でいかがわしい行為をしてみろ...あんたを死ぬよりも酷い目に遭わせてから殺すからな」
「し、しませんよ!!」
それだけ言うとポーリュシカさんは俺を睨みながら出ていった...人を何だと思ってるんだあの人は...スケベですね、本当にその通りです。
ベッドの方に視線を向けると、ルーシィが気持ちよさそうに眠っている。
小悪魔と思ったら天使だった。一体どっちなんだ...!俺は答えの無い問に立ち向かう事になった。
にしても竜黙の儀か...俺はこれから生きていけるのだろうか。どれくらいのスパンで龍の気が溜まるか分からないけど、場合によっちゃ俺の心は保たないかもしれない...
それもこれもルーシィがエロ可愛すぎるのがいけないのだ。断じて俺がドスケベだからではないのだ。
うんうんと自分を納得させて椅子に座り、ポーリュシカさんの帰宅を待った。
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「いやぁ、それにしてもありがとうなルーシィ!お陰ですっかり治ったよ!」
「うん...」
「...なんだよさっきから妙に距離あるな」
「そんな事無...くはないけど」
俺達はポーリュシカさんから治療完了のお墨付きをもらうと同時に家を叩き出された。
仕方ないので歩きで妖精の尻尾まで帰っているのだが...起きてからのルーシィが妙に余所余所しい。
「なんだよ...儀式の事か?」
「そうよ...!いくらお酒が入ったからってあんなの...!しかも全部覚えてるし!!うぅ〜!!」
「そんなに恥ずかしがるなよ...ぽちっとした仲だろ?」
「あれを根拠にするのやめてもらえる!!?」
「いやだって、あれ以上の事があるか...?俺はもうルーシィのおっぱいを完全に理解したと言っても過言じゃないね!」
「ちょっと、本当にゾワッとしたから気持ち悪い事言わないでよ...」
「ご...ごめん」
確かに自分でもびっくりするくらい気持ち悪かったな。
「はぁ...ほんと、なんであんたってこう...残念なのかしらね」
「どういう意味だよ...」
「かっこいい事しても全部ドスケベで減点されてるって言ってんのよ...ほんと、あんたの師匠さんとやらとは一回きちんとお話しないといけないわね」
「....あぁ、そうだな」
「あれ...どうかしたの?」
「いや、なんでもない」
「じゃあいいけど...」
「そんな事よりさ...!」
そこからはムリヤリ話題を逸らして話ながら
少し訝しまれた感はあるけど、まぁ大丈夫だろ。
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「帰ったかイッセー、ルーシィ...早速で悪いがこっちの作業を手伝ってくれないか?」
「おかえりー」「イッセー!俺と勝負しろー!!」
「ただいまー!」
「ただいま。そんでナツ、病み上がりに殴りかかってくんな!」
俺は籠手を起動してナツの拳を受け止める。
「そうか?俺にはピンピンしてるように見えるけどな!」
「フッフッフ...そうだな。実は体の調子はめちゃくちゃいいぜ...!」
「だろう...な!!」
ナツが拳を引いて蹴りを入れてきたので、逆の腕で受け止める。
「俺もあの戦いで強くなったからな...あれで来いよイッセー、あの鎧でな!」
「...いいぜ。赤龍帝の真の力を見せてやるよ!!行くぞドライグ...!!」
『良いだろう。炎の小僧ならばよい組手相手になるだろうしな』
「よっしゃぁ!!来い、
『Count down 2 minutes!!』
「...は?」
『どうした相棒』
「いや...鎧は?」
『カウントダウンが入っただろう。2分後に
「え、だって不完全版とか、初めての正式
『あれは代償や
「それは良いけどさ...つまり、俺は今から2分間生身でナツと戦えと..?」
『そうだ』
「そうだ、じゃねぇけど!!?」
「なんだイッセー、あの鎧着なくても俺くらい充分ってか...?言ってくれるじゃねぇか!!」
「おい待て..!聞こえてただろナツ...!今は力が使えないんだって!!」
「おらっ!!」
「くそっ...!って、勝てるわけねぇだろ!!ぐっ...ぐば!!」
ナツの拳が俺のガードを貫いて顔面に直撃する。
吹き飛んで大量の木材をへし折ってしまう。
「イッセー!?大丈夫か...!?」
まさかの実行犯ナツ・ドラグニルが俺を心配して駆け寄ってくる...
「だ、から...二分待てって言ってんのに...」
久々に受けるまともな強化無しのナツの拳は泣きたくなるほど痛かった。
『はぁ...少しは自衛手段くらい無いのか』
「ねぇよ、悪かったなちくしょう!」
ナツが近づいてきて手を差し出してくれるので握って立ち上がった。
「わりーわりー!まさか強化すらしてねぇとは思わなかったからよ」
「耳良いんだからちゃんと聞いとけよ...ったく」
「おい...それは今日使うつもりの資材だぞ」
「え...?」
ふと声が聞こえたので後ろを振り向くとエルザさんがそこにはいた。
「イッセー...私は貴様に手伝ってくれと言った。それを無視し、あまつさえナツと喧嘩して工事の邪魔すらしている...」
俺とナツは冷汗をかきながら抱き合う。
「随分と楽しそうじゃないか、えぇ?...どれ、私も少し混ぜろ」
「い、いやぁ...」「もう喧嘩は終わったってか...」
「問答無用...!!!」
エルザさんが換装して俺達に襲い掛かる。
「やべぇイッセー!!」「くそっ...応戦するしかねぇ!!」
『Welsh Dragon Balance Breaker』
丁度いいタイミングで
「よぉし来た!!
「おぉ...!!」
「ふっ...面白い。それが例の
俺はナツの力を譲渡で高めてエルザさんに向かって突撃する....
十分後、俺達はエルザさんに斬られて寝転がっていた。
ちくしょう...速すぎて全く攻撃が当たらなかった。
「ふぅ...イッセーのそれはすさまじいパワーだが、少々愚鈍だな。ナツも突然強くなりすぎた事で逆に動きがぎこちなくなって良さが消えていた...だが、本当に強くなったなお前たち」
「エルザ...」「エルザさん...!」
あれ?これはもしかして許してもらえる流れか...!?
「マスター、今からこの二人を折檻してきます。現場を離れてしまいすみません」
「いーのいーの。この際徹底的にやるんじゃな。お前らもいい加減物を壊さずに生きる事を学ぶんじゃな」
「じっちゃん...!」「じいさん...!!俺達を殺す気か!!」
全然許してもらえる流れじゃなかった。むしろ悪化していた。
「ふん、安心しろ...どうなれば人が死ぬのかくらい把握している。マスターの言葉通りこの際徹底的に矯正してやるとするか...腕がなるな」
俺達はエルザさんに首根っこを掴まれて地面を擦りながら歩いていく。
俺とナツはひたすらに互いの体を抱いて恐怖を慰め合う事しか出来なかった....