DxD TAIL   作:min-can

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来ます、妖精の尻尾!

 なんとか軍隊達の追跡から逃げ切り、ルーシィちゃんはドレス姿だったし俺達は服がボロボロだったしという事でハルジオンの宿で一泊してから列車に乗ってギルドに向かう事になった。

 列車ということは当然俺とナツはグロッキーである。ハッピーは爆睡している。

 

「あんた達ほんとに乗り物駄目なのねー...なんか兄弟みたい」

 

「「どこが...!」」

 

「ほら息ピッタリ」

 

「うるせぇ...俺は寝るぞ」

 

「あぁ寝てろナツ...こんな状態で眠れるってんならな...」

 

「ほら、ここを押したら少しはマシになるらしいわよ?...民間療法だけど」

 

 ルーシィちゃんが俺達の手のツボを押してくれる。

 

「あぁ...あんまり良くわかんねぇけどルーシィちゃんに触れられてるから回復してる気がしなくも...やっぱしてねぇうぇぇ...」

 

「何よもう...そういえばイッセー、聞きたい事があったんだけど...あんた達二人の魔法ってどういう魔法なの?ナツの方はまだなんか何してるか分かりやすかったんだけど」

 

「あぁ...俺のは厳密には違うんだけど...似た魔法を使ってて、滅竜魔法ってのを使ってるんだ」

 

「め...滅竜魔法...」

 

「あぁ竜の体質や能力を自分の体に反映させて戦う、竜迎撃用の太古の魔法(エンシェントスペル)だよ...ナツの場合は火竜の鱗が炎を溶かし、火竜の爪が炎を纏い、火竜の腹が炎を消化し、火竜の肺が炎を吹く...てな具合でまぁ人の身でありながらドラゴンと同等の力を放てる魔法って訳...」

 

「なるほどねぇ...どうりで火竜なんて渾名がつくわけだわ」

 

「そんな呼ばれ方されてねぇ...」

 

「うっせぇ寝てろナツ...今は俺がルーシィちゃんと喋ってんだよ」

 

「あ、じゃあじゃあイッセーもなんか食べたりするわけ?何々?水とか?地面とか?」

 

「さっき厳密には違うって言っただろ?俺はちょっと特殊でなぁ」

 

「どういう事?」

 

 俺は籠手を顕現させる。

 

「あ、あの時つけてた籠手!」

 

「あぁ...このラクリマの中にドライグっていうドラゴンの魂が封印されてて、このラクリマと俺の魂が適合したことで、そのドライグの力が使えるようになったって訳だな」

 

「ふぅん...えっと、ナツの滅竜魔法との違いはホルダー系とアビリティ系の違いみたいな事...?」

 

「そう考えてもらうと分かりやすいのかな...?まぁ細かい事はどうでもいいか。別にそこは関係ないし...そしてズバリ!俺の魔法は十秒に一回、自分の能力を倍加させる物なんだ!...うぷ!!」

 

 興奮しすぎて吐き気がぶり返してきた...折角ルーシィちゃんとの会話で酔いを少し忘れられてたのに...

 

「十秒に一回...!?それじゃあ一分も能力を使ったらえっと...64倍!!?めちゃくちゃな数字じゃない!!しかもそこからも更に爆発的に増えていくから...!」

 

「いや、まぁ俺の体の許容限界もあるし、魔力の限界もあるから青天井に強くなれる訳じゃないけどね」

 

「それでも充分以上に凄まじい魔法じゃない...!というかそんな能力が使えてたドラゴンってどんな恐ろしい奴なのよ...!」

 

「一応本人曰く対を成すライバルの竜と合わせて二天龍とか呼ばれてたらしいけど」

 

「え...本人曰く...?」

 

「あぁこのラクリマに魂が封印されてるって言っただろ?周りに人が居ると嫌がって出てこないけど、しっかり自我を保ってこの中に入ってるから偶に喋ったりも出来るんだ。まぁもっぱら俺が弱い弱いって悪口ばっかだけど...」

 

「へぇ...ドラゴンって本当に実在してたのね...」

 

「一応ナツに滅竜魔法を教えたのもイグニールだからドラゴンだぞ」

 

「竜が竜迎撃用の魔法を教えるってのも不思議な話ね」

 

「まぁ...体をドラゴンに作り替える魔法だし、ドラゴンが教えるのが道理に適ってるんじゃないか?」

 

「そう言われると...確かにそうかも?」

 

「んんっ!それで?そういうルーシィちゃんはどんな魔法を使うんだ?」

 

「なんか二人の後だとちょっと言い辛いんだけど...星霊魔法よ!」

 

「星霊魔法?」

 

「そ、この(ゲート)の鍵を使って契約してる星霊を呼び出して戦ってもらうの」

 

「へぇ...星霊っての、見せてもらえたりする?」

 

「うーん、ここはちょっと狭いからまた機会があったらね」

 

「そ、そっか...」

 

 ちょっと気になってたから残念だ...星霊だなんて言うくらいだしめちゃくちゃ美人のお姉さんの星霊とか、ロリロリの可愛い子とか色々妄想しちゃうよなぁ...早く見てみたいなぁ。

 

「えっとさ...妖精の尻尾(フェアリーテイル)の事なんだけど...」

 

「うん?」

 

「入団テストみたいなのってやっぱりあったりするの?」

 

「うーん...俺は受けなかったし受けてる奴見たこと無いから大丈夫だと思うけどなぁ」

 

「ほ、ほんと!?」

 

「まぁもしなんか言われたら俺からもルーシィちゃんがギルドに入れるように言うからさ!絶対大丈夫だって!」

 

「ありがとー!!イッセー!!」

 

 ルーシィちゃんが俺の手を握ってブンブンと振る。

 お...おっぱいが揺れて...!!

 

「あ、そうだ!折角同じギルドの仲間になれるんだし私の事別に呼び捨てで良いわよ?イッセーだけちゃん付けってのもなんか変だし」

 

「ま...まじで...!?じゃ...じゃあ、ルーシィ...これでいいか?」

 

「うん、よろしくイッセー」

 

 ルーシィちゃん...ルーシィと握手する。

 うぉお!なんか俺にしては珍しく着々と進んでないか!!?

 もしかしてルーシィ俺に興味が...いや、落ち着け俺!!今までもこうして調子に乗って失敗して来ただろ!!

 

 バンバンと顔を叩く。

 

「よし...!こうして話してると気も紛れるし、何でも聞きたい事があったら聞いてくれよ!」

 

「ほんと?じゃあね...」

 

 こうして人生で初めてという程に楽しく列車に乗る事が出来た...まぁ、降りた後にいつもの5倍くらい気持ち悪くなったけど超絶美少女のルーシィとの会話に比べたら屁でもねぇ!

 

 ────────────────────────────────────────────────

 

「わぁ...おっきいね」

 

「「ようこそ、妖精の尻尾(フェアリーテイル)へ!」」

 

 俺とハッピーで改めてルーシィをお出迎えする。

 ドキドキしながら歩くルーシィも可愛い...!

 

「ただいまぁ!!!」

 

 ルーシィの感慨をぶち壊すかのようにナツが大声でズカズカとギルドに入っていき、クロフを蹴り飛ばした。

 

「てめぇ火竜(サラマンダー)の情報嘘だったじゃねぇか!!!」

 

「あら...ナツが帰って来ると早速ギルドが壊れそうね」

 

 ミラさんがニコニコとほほ笑む。うん、可愛い。いつも通りの日常だ。

 ナツはそのまま色んな人達を巻き込んで喧嘩をおっぱじめた。

 

「ほらルーシィあんまりぼうっとしてると喧嘩に巻き込まれるからあっちの方に行っとこうぜ」

 

「うん...すごい...私ほんとに妖精の尻尾(フェアリーテイル)に来たんだ...」

 

 ルーシィは周囲を見渡しながらぽ~っとしていた。

 

「ナツが帰って来たってぇ!?てめぇ...この前のケリつけんぞこらぁ!」

 

 騒ぎの中心から少し外れた所に座っていたグレイが立ち上がる。パンツ一丁で。

 

「お前女の子の前で...それも新入りの子の前でなんつー格好してんだ!!」

 

 俺はルーシィの視界から汚物を隠す為にルーシィちゃんの前に立つ。

 

「あ...?ってしまった!!」

 

「お前が露出狂なのは結構だけどな!せめて女の子が居ない所だけにしろっていつも言ってんだろ!」

 

「だから俺は露出狂じゃねぇ!気が付いたら勝手に脱げてるだけなんだよ!!昔からの癖だ!」

 

「あぁはいはい、生まれた時から露出狂な訳ね変態さん」

 

「あんだとコラ...」

 

「ちょっとイッセー!やめてよ...!あんただけが頼りなんだから...!」

 

「う...ごめんルーシィ」

 

 俺はグレイとの臨戦態勢を解く。するとグレイも興が冷めたと言いながらズボンを履きはじめる。

 

「ん?そういや誰だそいつ」

 

「だから新入りの子だって」

 

「ル...ルーシィです」

 

「ふぅん...ま、よろしくな」

 

「う、うん!」

 

「そういやグレイ、ナツとの喧嘩は良いのか?」

 

「そうだった...行ってくる!」

 

 グレイはナツの方へ大声で叫びながら走って行った。喧嘩が更に大規模になっていく。

 

「全く...これだから品の無い男共は」

 

 ごっきゅごっきゅと音が聞こえたのでそちらを振り返るとカナが樽で酒を飲んでいた。俺も流石に樽から直飲みしてる人間はカナ以外見たことないからな...ルーシィも唖然としてしまっている。

 

「くだらん...昼間っからぴぃぴぃぎゃあぎゃあガキじゃあるまいし...」

 

 エルフマンが立ち上がって騒ぎの中心へと駆けていく。

 

「漢なら拳で語れ!!」

 

「結局喧嘩なのね...」

 

「「邪魔!!」」

 

「しかも玉砕!!?」

 

 哀れエルフマン、一秒で返り討ちにあった。

 

「ん...?騒々しいな」

 

「あ!「彼氏にしたい魔導士」上位ランカーのロキ!!」

 

 ルーシィが芸能人を見る時のような顔をする。

 ...けっ!あんなイケメンの何がいいんだが...顔が良いんですねちくしょう!!

 

「まざってくるね~~~♡」

 

「がんばって~~~♡」

 

 ロキが両脇に女の子を抱えてイチャイチャしている。

 ...ちくしょう羨ま死ね!!!

 

 ふと横を見るとルーシィが倒れていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「何よこれ...まともな人が一人も居ないじゃない...」

 

「ちょっと待てよ!!!俺はまだまともだろ!?」

 

「...でもあんた私や女の子の胸ばっかり見てるし」

 

「え!!!」

 

 バレてたのか...!!?

 

「そういうのすぐ分かるから気を付けなさいよね」

 

「ご...ごめんなさい...」

 

「なんというか...あんたが女の子と仲良くなってモテたいのは良く分かったけど、まずはもうちょっと落ち着きを持ったら?」

 

「うぅ...はい...」

 

 なんで俺がガチ説教される流れに...俺が悪いですねごめんなさい。

 

「ウフフ、イッセーは本当に女の子が大好きだものね」

 

 ふと声が聞こえた方を見るとミラさんが居た。

 

「うそ!ミラジェーン!!?本物!!?」

 

 ルーシィが今日一番のテンションを見せる。ミラさんのファンだったのか...?

 

「はっ!ア...アレ、止めなくていいんですか?」

 

「いつものことだからぁ♡放っておけばいいのよ」

 

「あららら...」

 

「それに...」

 

 そこまで言った所でミラさんの方に酒瓶が飛んで来た。

 

「あぶない!!んが!!」

 

 俺はミラさんをかばって酒瓶を顔面で受け止めた。

 衝撃で後ろに倒れて...何かに支えられる。

 

「よいしょ...楽しいでしょ?」

 

 ん...?なんだこの側頭部に感じる幸せすぎる感触は...!

 

「ありがとねイッセー」

 

 上からミラさんの声がする。じゃ、じゃあまさか!!!この幸せクッションの正体は...!!

 

「お...おっぱ...!!」

 

「ちょ...!ちょっとミラさんから離れなさいイッセー!鼻の下伸びすぎよ!!!もう大丈夫でしょ!?」

 

 ルーシィに引っ張られてクッションから外される。さっきまでブラックホールかというくらいの吸着力だったはずなのに一体どうやって...まさかルーシィは怪力の持ち主...!?

 

「あんたはあっちに混ざってきなさい!!!」

 

 ルーシィに背中を蹴り飛ばされる。

 なんだルーシィ...でも、今の俺は最強だ!!なんてたってあのミラさんのおっぱいの感触を頬一杯に感じたからな!!!しかも十数時間前には一瞬だけどルーシィのおっぱいすら揉んでいる!!なんておっぱいに満たされた一日なんだ!!!最高に高まってるぜ!!今ならナツもボコれそうだ!!

 

 そこから喧嘩に参加しているとカナが堪忍袋の緒が切れたと言いたげにカードに魔力を迸らせる。

 

「あんたらいい加減にしなさいよ...」「あったま来た」「ぬぉぉおおお!!」「困った奴らだ」「かかってこい!!」「今の俺は無敵だぁ!!」

 

 釣られるように全員が魔力を高めていく。

 さぁ今から第二ラウンドという所でドシンと地面が揺れた。

 

「そこまでじゃ...やめんかバカタレ──!!!!」

 

 爺さんが帰って来ていたようだ。巨人化して俺達を見下ろしている。

 それを見て全員止まった...俺とナツ以外

 

「残ったのは俺とイッセーだけか!!行くぞ!!」

 

「よっしゃ来い!!!」

 

「やめろと言っておろう!」

 

 俺とナツが衝突する直前、上から足が降ってきて踏みつぶされた。一瞬で行動不能になる。痛ぇって...

 

「む、新入りかね」

 

「は...はい...」

 

「ふぅんぬぅ....!!!」

 

 爺さんが力みだした所でルーシィは生まれたての小鹿のように震えてしまっていた。まぁ、見た目だけは怖いもんな...

 

 それもつかの間ぐぐぐっといつもの身長に戻っていった。

 

「えぇぇぇえ小っさ!!」

 

「よろしくネ!...とぅ!」

 

 爺さんが頭をぶつける失敗はあったが、二階の手すりに立ち上がって俺達を見下ろす。

 

「ま~~たやってくれたのぅ貴様等、見よこの評議員からの文書の数を...!」

 

 そこからギルドメンバーの起こした騒ぎの朗読が始まった。皆一様に気まずそうな顔をしている。

 

「...最後にナツとイッセー、デボン盗賊一家壊滅するも民家15軒を破壊、アフニハーバーの灯台崩壊、ウッドウック村の100年杉全焼、チューリィ村の歴史ある時計台倒壊、フリージアの教会全焼、強盗を撃退するも銀行半壊で機能停止、ルピナス城損壊、ナズナ渓谷観測所崩壊、ハルジオンの港崩壊...」

 

「ほとんどナツが...!」

 

「お前もちょくちょくやってるだろ!」

 

 俺はナツと頬を引っ張り合う。いてて...まじで俺の罪そんなにねぇよ!8割方ナツがやってんのに!!

 

「貴様等ぁ...わしは評議員に怒られてばかりじゃぞ...!!」

 

 マスターがぷるぷると体を震わせる。

 

「だが、評議員なぞクソくらえじゃ」

 

 マスターが文書を燃やしてナツに投げつける。

 

「よいか...理を超える力は理の中より生まれる。魔法は奇跡の力なんぞではない...我々の内にある気の流れと自然界に流れる気の波長が合わさりはじめて具現化されるのじゃ...それは己の魂全てを注ぎ込むことに等しい。上から覗いてる目ン玉気にしてたら魔道は進めん、評議員のバカ共を恐れるな...!」

 

「自分の信じた道を進めぃ!それが妖精の尻尾(フェアリーテイル)の魔導士じゃ!!!」

 

「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」」」」

 

 みんなで大声で騒ぐ。

 今日も今日とて、いつも通りの宴の始まりだ...!!

 

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