DxD TAIL   作:min-can

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鉄の森、追います!

 俺はマグノリア駅に到着した。

 

「痛てて...なんでこんなに体がボロボロなんだ?」

 

 昨日の事は良く覚えていない。何かがあった気はするっていうか何かないとこうはならないだろうけど...

 まぁいいか。覚えてないならその程度の事だったって事だろうし。

 それにしてもまだ到着している奴は居ないようだな。

 

「ふぅ..せめてストレッチくらいでもしておくか...」

 

 ボロボロの体を少しでも回復させるべく柔軟をしていく。

 

「あれ、あんたが一番乗り?」

 

 声が聞こえた方を見るとルーシィが立っていた。

 

「あぁルーシィ、おはよう」

 

「おはよう...?」

 

「ん、どうかしたか?」

 

「いや...どうかしたかというか、昨日は大丈夫だったの?」

 

「あぁ...うん、大丈夫大丈夫!」

 

 やっぱ何かはあったみたいだな...めちゃくちゃ気になるけど、藪を叩いてヘビを出す事になるかもしれん。

 何か嫌な予感がするし聞かないのが吉だな。

 

「そう?なら良かったけど...うーん...」

 

「どうかしたのか?」

 

「なーんか違和感あるのよね...いつものイッセーとちょっと違うと言うか...」

 

「気のせいじゃないか?」

 

「私もそう思うんだけど、何かが足りないというか...うーん」

 

「気にしなくて良いだろ。気がつけないくらいの小さな変化なんだろ?」

 

「...それもそうね。じゃあ、まだ待ち合わせまで時間あるし、昨日何があったか教えてくれない?すっごく興味...心配してたのよ?」

 

「え?...あー...実はなぁ、昨日の事はあんまり...」

 

「よぉーっす!」「おーっす!」

 

「ん...?おぉ、ナツ、ハッピー!おはよう」

 

「おはよ、二人共」

 

「なんだグレイとエルザはまだかよ...もう少し遅く来れば良かったな」

 

「コラコラ...この四人でのクエストだったらあんた最下位だったんだからね?」

 

「へいへい」

 

「全く...ってあ、グレイだ」

 

「よぉグレイ」

 

「おう...ちっ、ナツより遅かったか」

 

「俺より随分遅かったな!わりぃとか思えねぇのか?」

 

「あ?集合時間には間に合ってんだろうが!なんで俺が詫びる必要があるってんだよ」

 

「なんだとコラ...こまけぇ奴だな」

 

「こまけぇのはお前だろ!」

 

 ナツとグレイがメンチを切り出す。

 

「はいはい、下らない事で喧嘩してんじゃねぇよ...周りの人に迷惑だろ?」

 

「「うっせぇ」」

 

「ぶは!」

 

 グレイとナツに同時に殴られた。

 

「ちょっと大丈夫!?あのねぇ!あんた達いい加減に...!」

 

「大丈夫だってルーシィ、これくらいなんて事ねぇよ」

 

「ほんとに...?その割には鼻からすっごい血出てるけど」

 

「このくらいすぐ治るって」

 

 俺はティッシュを鼻に詰めた。

 

「ん...もう全員集合していたか」

 

 エルザが大量の荷物と共に現れた。

 

「エルザさん!おはようございます!!」

 

「ああ、おはようイッセー...そして、君は?」

 

「えぇ..何この荷物の量...じゃなくて!わ、私!新人のルーシィです!ミラさんに頼まれてきました」

 

「そうか。噂はかねがね聞いている...ゴリラの傭兵を10人あっという間に倒したとか...期待しているぞ」

 

「それナツとイッセーだし、混ざってるし、数も増えてる...」

 

「む、そうだったか。それはすまなかった...まぁ、ナツとイッセーとチームを組むくらいだ、やはり期待しているぞ」

 

「なるべく頑張ります...あ、その...エルザさん?昨日はイッセーに何をしたんですか?」

 

「なに、心配する事はない。少し教育的指導をしてやっただけだ。そうだろう?」

 

「うー...うん?よく覚えてないけど」

 

「なんかエルザさんの指導の後はイッセーがお利口さんになるとかミラさんに聞いたんですけど...本当ですか?」

 

「ふむ、それが本当なら喜ばしい事だ...とはいえ、実際の所それほど大きな変化は起きていないさ。強いて言うなら胸への興味を徹底的に削ぎ落としてやったくらいの物だ」

 

「あ──!!!そうだ!イッセーなのに一度も私の胸を見てなかったんだ!!だから違和感が...!」

 

「そうか。そこまでイッセーは君に下劣な視線を向け続けていたのか...もう一度指導しておくか?」

 

「だ、大丈夫です...!なんか逆に気持ち悪いというか、これ以上何か失ったらイッセーが大変な事になりそうというか...!」

 

「まぁ、当人が良いと言うならそれで良いが...」

 

「......」

 

「あんたは何か言いなさいよ。今どういう状況な訳?胸への興味は完全に無くなったの?」

 

「何のことだか俺には分からないな...俺は別におっぱ...ぱぱ...女性の胸が好きだった事なんて、て、て、いちいち一度も無かったぜぃ?なぁエルザさん?」

 

「やっぱり壊れてた...!?」

 

「くだらん嘘は良くないなイッセー。お前は確かに女性の胸を偏執的に求めていたではないか。それを私が治療してやったのだぞ?」

 

「そ、そうでした!俺は女性の胸を偏執的に求めていた下劣な男でした!数々の無礼誠に申し訳ありませんでした!!今までの俺は最低でした!!!」

 

 俺はルーシィに土下座する。

 

「えぇ...!ちょっとやめてよ!人が見てるから...!」

 

「申し訳ありませんでした!!」

 

「わかった!わかったから...!もう許してるから顔上げて!?」

 

「ほ、本当か...?」

 

「本当だから!...もう、調子狂うわね」

 

「さて...ナツ、グレイ。今更取り繕おうと無駄だ、貴様等が周囲の迷惑も考えず殴り合いをしていたのは見えていたぞ...?」

 

「そ、そんな事ねぇって!あ、あれはただのスキンシップというか、じゃれ合いと言うか...なぁ?」

 

「あ゛、あ゛い゛」

 

「とてもそうは見えなかったがな...まぁいい。どの道他人から本気の喧嘩に見えることが問題なのだ...ふん!」

 

「痛ってぇ!!!」「ごはっっっ!!!」

 

 ナツとグレイが盛大に吹き飛び、柱に激突した。

 突然の超暴力に駅構内が軽くパニックになる。

 

「えぇぇぇぇ....言ってる本人が一番周囲に迷惑かけてるみたいなんですけど...」

 

「しーっ!言うなルーシィ、エルザさんの言う通りにしてれば何もかも上手く行くんだから!あれはエルザさんの再三に渡る注意を無視したあいつらが悪いんだよ」

 

「あんた洗脳でもされたんじゃないでしょうね...」

 

 ──────────────────────────ー

 

「うぅ....気持ち悪い...」

 

「ちょっとあんた大丈夫?」

 

 ルーシィが背中をさすってくれる。

 

「大丈夫じゃないかもしれない...はぁ、はぁ...」

 

「乗り物酔いは元々だったけど、ここまで酷く無かったわよね?普通に会話くらいは出来てたし...」

 

 何故かドライグから思念が飛んでくる。赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を起動してみる。

 

「珍しいな...人前で、話したがるなんて...はぁ、はぁ」

 

『なに、苦しんでいる相棒に原因くらいは伝えてやろうかと思ってな』

 

「どういう...事だ...?」

 

『昨日のそこの赤髪の女との戦いでお前は幾度となく死の予感を感じ取り、実際に死にかけた。幾度となく死線を乗り越えたその経験が糧となり俺の力がよりお前に定着したんだよ』

 

「覚えてないけど...そうだったらなんなんだ...?」

 

『お前の肉体がより龍の体に、俺の体に近づいたって訳だ...気付かなかったか?そこの桜髪の男とお前の共通点。竜の力をその身に宿している事だ』

 

「そ...そうだったのか....滅竜魔法にそんな欠点が...」

 

『なに、悪い事ばかりではない。お前の倍加の耐久上限はかなり伸びたぞ』

 

「それは...ありがたいこった...うぷ...!」

 

「ちょっと吐くならちゃんと袋に吐きなさいよ...?」

 

 ルーシィが優しく背中をさすってくれる。

 

「あ...ありがと、ルーシィ...ルーシィは優しいな...」

 

「べ、別に体調悪そうな人が隣に居たらこれくらい当然だし」

 

「ふむ...ドライグだったか...?あなたの言うことが本当ならば、私の指導は随分とイッセーの為になっていたようだな」

 

『あぁ。是非これからも相棒を追い詰めてくれ。こいつは歴代の赤龍帝の中でも最弱の癖になかなか強くなる努力をしないもんでな』

 

「赤龍帝?」

 

『俺の封印された籠手に適合した者をそう呼ぶのだ』

 

「ふぅん...なんか色々と教えて貰っちゃったわね。話すの嫌いって聞いてたから意外」

 

『久々に目に見えて成長してくれたのでな、多少饒舌になるのも仕方ないだろう...そも、相棒の赤龍帝としての心構えがなっていないからあまり表に出てやらなかっただけで、俺は別に話すのが嫌いという訳でもない。こんな体になってしまうと退屈な物でな』

 

「もう良いだろドライグ...話し相手になら後で俺がなってやるから...」

 

「えー!なんかすごく物知りそうだし、大昔の話とか色々聞きたいんだけどなー」

 

『この俺を歴史書扱いしようとは、随分と生意気な小娘だ...まぁいい。相棒、既に鍵はお前の中にある...それだけは伝えておくぞ』

 

 そう言うとドライグは籠手の奥に潜り込んでしまった。俺は籠手を解除する。

 

「鍵...?」

 

「ドライグが言うには...籠手の力にはその先があるらしいんだけど...まぁ俺も良くは分からねぇ」

 

「先、ねぇ...あんたが最弱なんて嘘だと思ったけど、これ以上があるならそれもあながち間違いじゃないのかしらね...」

 

「ふふ...これは鍛えがいがあるな。この問題が終われば再び修練をつけてやろう」

 

「俺...何されたか全く覚えて...ないんですけど...」

 

「何回も死にかけたって言ってたし尋常じゃないのは確かね」

 

「おい待てエルザ...!そういや言ってなかったが...今回の用事、条件がある...」

 

 ナツが急に会話に参加してくる。

 

「おいバカ!何言ってんだお前...!オ、俺はエルザの為なら無償で働くぜ...?」

 

「うるせぇ...帰って来たら...イッセーの事より先に...俺と、勝負しろ...!」

 

「ほう...良いだろう。受けてたとう」

 

「言ったからな...?燃えてきたあぁぁ....」

 

 ナツは立ち上がって叫ぼうとしたがすぐに気持ち悪くてダウンした。

 

「全く...しょうがないな。私の隣に来い、ナツ」

 

「お、おぉ?」

 

 俺とルーシィがエルザの隣を開けるとナツがそこに座る。瞬間、エルザの拳がナツの腹に突き刺さり、ナツは意識を失った。

 

「これで少しは楽になるだろう...そうだ、イッセーもやるか?」

 

 俺は全力で首を振る。

 

「そうか...名案だと思ったのだがな」

 

「この一連の流れだけであんたへの矯正がどれだけの物だったか見て取れるわね...」

 

「何でも良いけどよぉ、いい加減本題に入らねぇか?俺ら全員なんも聞かされてねぇけど、お前が俺達に頼み事なんて一体何事なんだよ」

 

 グレイが話を切り出した。

 

「そうだな、話しておこう...先の仕事の帰りだ。オニバスで酒場に寄った時に少々気になる連中が居てな、ララバイなる封印されている魔法を解除してエリゴールという者に渡すという話をしていたのだ。最初はただの依頼かもしれないと気にしていなかったのだが、後々エリゴールという名を思い出したのだ」

 

 エルザがぐっと拳を握る。

 

「魔導士ギルド、鉄の森(アイゼンヴァルト)のエース、死神エリゴール...暗殺系の依頼ばかりを遂行し続けてついた名だ。鉄の森(アイゼンヴァルト)は現在闇ギルドというカテゴリーに分類されている」

 

「なるほどな、見えて来たぜ...確かに、ギルド一つを相手にするってんなら流石のエルザでも一人じゃどうにもならない場面はあるかもしれねぇ」

 

「そうだ。奴らはララバイなる魔法を入手し、何かを企んでいる。私はこの事実を看過できないと判断した...鉄の森(アイゼンヴァルト)に乗り込むぞ」

 

「面白そうだな」

 

「ギルド一つって...私来なきゃ良かったかも...」

 

「大丈夫...ルーシィは、俺が守る...」

 

「...うん。ありがと」

 

 ────────────────────────────ー

 

「あぁ...死ぬかと思った」

 

「大丈夫?」

 

「ごめん、迷惑ばっかりかけて」

 

 俺は今ルーシィに肩を貸してもらっていた。列車からは降りて何とか人心地付いている。とはいえまだまだ後遺症は残ってしまっている。

 

「気にしないでってば!そんな事言ったら私なんて何回イッセーに助けられたか分かんないし」

 

「それは俺がしたいから...したし...」

 

「じゃあこれも私がしたい事なの。いい?」

 

「...ありがとう」

 

「どういたしまして!」

 

「....そんで?エルザは鉄の森(アイゼンヴァルト)の場所は知ってんのか?」

 

「それをこの町で調べるんだ」

 

「あれ?ナツが居ないよ?」

 

「何言ってんだよハッピー、ナツなら俺の後ろに...あれ?」

 

「え?」

 

 誰も居なかった...まさか、列車に置いてきたのか?

 

「っ...!なんという事だ!!話に夢中になるあまりナツを列車においてきたっ!!私の過失だ!!とりあえず私を殴ってくれないか!!?」

 

「とりあえず暴力で解決しようとするの辞めませんか...?」

 

「そういう訳だっ!列車を止める!」「ど、どういう訳?」

 

 エルザが駅員に詰め寄る。

 

「仲間の為だ。わかってほしい」

 

「無茶言わんでくださいよ!降りそこなったお客さん一人の為に列車を止めるなんて!」

 

「くっ...!ハッピー!あのレバーを引け!」

 

「あいあいさー!」

 

 ジリジリとサイレンが鳴って停止信号が伝わっていく。

 

「よし、ナツを追うぞ!!すまない、そこの御仁、この荷物をホテル チリまで頼む」

 

「いや、あんた誰...」

 

「やっぱり滅茶苦茶...妖精の尻尾(フェアリーテイル)の人ってみんなこんな感じなんだ...」

 

「おい!俺はまともだぞ!」

 

「服脱いでるわよ露出魔」

 

「しまった...!!」

 

「破壊魔、スケベ魔、露出魔、暴力魔...悉くね...」

 

「それが妖精の尻尾(フェアリーテイル)です」

 

「まともなのはあんただけねハッピー」

 

「あい」

 

 ────────────────────────────────ー

 

 今はエルザが魔動四輪車を借りてナツの乗る列車を追いかける。

 

「うう...死ぬ...!!」

 

「ちょっと、この揺れは私も酔いそう...頑張ってイッセー!ほら、寝てて良いから」

 

「う、う~ん...」

 

 ルーシィが膝を差し出してくれたので大人しくそこに横になる。

 あぁ、少しでも気分が楽に...

 

「え?..きゃあ!!」

 

「うぉおお!!」

 

 突然エルザが急ブレーキをかけたので、準備していなかった俺とルーシィは慣性でもみくちゃに飛んだ。

 

「痛たた...大丈夫?イッセー」

 

「あぁ...大丈夫...うぐ...!!」

 

「何!!?大丈夫!!?」

 

 なんだこの俺の顔を覆い尽くす感触は...どこかで感じた事がある気が...近いような、遠いような...

 一層強い頭痛が起こって、俺の脳内に一つの言葉が浮かんでくる。

 

 .....!

 

 .....い!

 

 ....っい!!!

 

 ....ぱい!!!!

 

「おっぱい...!!!」

 

「え、えぇ!!?」

 

 俺はルーシィを抱きしめる。

 そうだ...俺はなんで忘れていたんだ...!!

 

 おっぱいの素晴らしさを...おっぱいの美しさを...おっぱいの優しさを...おっぱいの神聖さを...おっぱいの包容力を...!!!

 

「ルーシィ...!俺、思い出した!!!」

 

「な、なにを...?」

 

 俺は名残惜しいがルーシィのおっぱいから顔を離してルーシィの肩を掴みルーシィを見つめる。

 どうしても今伝えたい。この溢れんばかりの感情を...!

 

「俺!!おっぱいが...特にルーシィのおっぱいが大好きだ...!!!ぶへぇ!!!」

 

 俺はルーシィに思いっきり頬を殴られた。

 

「...いきなり何言ってんのよ!!あんたエルザさんの矯正はどうしたの!!?」

 

「全部思い出したんだ...エルザさんや死のトラウマなんかよりルーシィのおっぱいの方がずっとすごかったから!!」

 

「ぜ、全然嬉しくない!!」

 

「あぁ...一度失ったからこそ分かる...!!俺にとっておっぱいがどれだけの物だったのか...!!」

 

「ちょ、ちょっと...ほんとにきもいんだけど...」

 

「ありがとうルーシィ!!ルーシィのお陰だ...!!」

 

「こんなに嬉しくないありがとう初めてなんですけど!!?」

 

「よぉぉぉし!!!兵藤一誠!ここに完全復活!!!」

 

「はぁ...折角今まで、まともだったのに...」

 

 外ではナツとグレイが言い合いをしており、エルザがそれを仲裁している。

 

「もういいわ。こっちの方があんたらしいっちゃらしいもんね...ほら、皆の所行きましょ?」

 

「おう!」

 




イッセーの中での順位が

ルーシィのおっぱい>おっぱい

になりました。
つまりルーシィのおっぱいはこれからおっぱいドラゴンの被害に遭う事が確定してしまいました。
かわいそう。
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