12月30日。
僕は借りていた君オクの漫画7、8、9巻を紙袋に入れて、10時の公園に向かう。
冷え込んだ朝の空気が肌を刺す。息を吐くたびに白くなり、冬の厳しさを改めて実感する。
パーカーを着ていても、寒さが忍び寄ってくる季節だ。
公園には、わん太郎と遊ぶ、パーカーを軽く着込んだ山田が居た。
また、犬の散歩という名目で外出してきたのか……。それはそれとして、山田の肩を出した姿にはドキドキする。
あ、しまった。陰キャすぎてこんな時にどう挨拶をすればいいのか分からん。
「こ、こんにちは」
声をかけると、びくっとして振り向く山田。
「あ、市川! 久しぶり!」
「24日以来だから、5日ぶり? か? 前も思ったが、その恰好、寒くないか?」
「オシャレは我慢なんだよ!」
オシャレ……。そうかオシャレか……。
というかファッションモデルの山田に何を言っているんだ僕は……????
「まあ、ホントはちょっと寒いけどね……」
僕はベンチの片側に座る。借りていた漫画を入れた袋をベンチの真ん中に置くと、山田はさっとその袋をどかしてしまう。
差し出される手。
「ほら、手、冷たくなってるの分かる?」
「あ、ホントだ。冷たい。しっとりしている」
――!?
僕は今、山田の手を包み込んでいる。この状況があまりに自然に訪れすぎて、脳の処理がおいつかない。
山田は、僕と手をつないだまま、ベンチの空いている側に座る。
「手汗が多くてね……」
山田的コンプレックスか? 基礎代謝が大きいからあれだけばくばく食べても太らないのだろうか。
……いや、そうじゃなくて。
ここからが本番だ。
「これ……
「え」
ポケットから取り出したキーホルダーを受け取る山田。
一瞬きょとんとして、そのまま固まった。
……嬉しくなかったか?
横目で見ていると、だんだんと、山田の顔が明るくなっていく。
「えーーーー!!」
爆発するような笑顔に変わって、踊るように立ち上がる山田。リードを引っ張られたわん太郎が「おっ、遊びの時間か?」と誤解して、周囲をくるくると回る。
その様子を眺めながら、僕は、まるで妖精みたいだな……などと、らしくもないメルヘンチックな感想を抱いてしまう。
「ありがとう!」
どうやら
「
「ネーミングセンス酷いよな……秋田いぬだし……」
僕のツッコミをよそに、山田はキーホルダーを服につけて、嬉しそうに笑っていた。