今日は休日。家事を一段落させ、俺は自分の部屋でくつろぎながら、僕ヤバの原作を思い返していた。
確か市川は重度の厨二病で……山田を殺したいと思っていて……でもあるとき図書室で山田の奇行を目にしてから、徐々に心の距離が近づいていく……という展開だったはずだ。
あれ?? でも市川、厨二病というほど厨二病をこじらせていない気がするな??
俺というライバルの存在はそこまででかくないはずだが……??(過小評価)
そこで俺は重大な事実に気付く。
今、俺たち1年生じゃん!!
厨二病どころか中学2年生ですらないじゃん!!
雷が落ちたような衝撃に、俺はベッドに倒れこむ。
「くっ……ヤバイ……山田や市川と同じクラスになれたことに舞い上がって、気付かないうちに原作クラッシュしてしまっていた……」
原作開始前に市川や仲良し女子グループとちょっと親しくなってしまったぞ。困った。
「いや、待て……まだ諦めるような展開じゃない……」
俺は顔を上げる。
学年1位の高瀬ライトは諦めの悪い男。
最近の市川は頻繁に図書室に向かうようになったし、山田の奇行に遭遇する可能性は高い。大丈夫かな? 大丈夫だろ!!(決めつけ)
あとは確か、市川が山田の載ったモデル雑誌を買って、翌日、ナンパイのナンパを妨害するために自転車を投げたりするんだよな。それも2年生になってから起こるイベントか? そうすると1年目には何があった? えーと……えーと……。
俺は椅子に座り、机のノートパソコンを覗き込み、キーボードをカタカタ操作する。前世がプログラマーだったので、パソコンの操作は一通りできる。
そう、困ったときは学校の公式サイトを見よう!!
「あ、夏休み明けに、林間学校があったな。ボーイスカウト的なグループ行動とかキャンプファイヤーとかをやるやつか。いかにも市川が嫌いそうなタイプの学校行事だな……」
確か、この行事を市川は何らかの理由でサボったはずだ。それは原作の鍵(キー)となる事実なのでよく覚えている。
だが今この瞬間、俺は原作ルートをあえて外れてみたくなった。あえて、だよ。あ・え・て。
「市川に林間学校をサボらせない方向で動こう」
そうと決まれば、計画を練らないとな……待ってろよ市川……。
親睦を深めるために、市川と待ち合わせてどこか出掛けたりもするか……。
7月の終業式が終われば、夏休みに入る……。
夏休み……夏休みかぁ。俺は転生者なので、何もかもがなつかしい。
俺は、ばやしこが向かうであろうバスケの県大会に、差し入れ持って行ったりしたいぜ……。バスケ部に入る気は無いが、応援したいという気持ちはあるからな……。あとでバスケ部顧問の先生に、そのへんのルールを聞いてこよう……。
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