MEMちょの父親が雨宮吾郎だったら   作:座右の銘

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その4の続き。
ルビー闇落ちはつらいんだけど、ルビーとアクアが仲直りする姿が想像できなかった
頑張ってマイルドにしたけどハッピーエンドじゃないね


私のお父さん? その5

ルビーがさりなちゃんの生まれ変わりと知ったとき、俺は嬉しかった。

 

病室で死ぬまで苦しむだけのはずだった君は健康な体を手に入れ、大好きだったアイからアイドルとしての才能を受け継ぎ、今まさに全力で夢を追いかけている。

 

そんな幸せの真っただ中に君はいたはずだろう?それがなぜ。

 

「お兄ちゃんの言う事なんかもう聴きたくない!どうせ私なんてたくさんいる患者の一人なんでしょ。アイドルになったら推してやるなんて適当なこと言って!」

 

なんでそんな苦しそうな顔をするんだよ。やっとなりたかったアイドルになれたんだろ?

 

いつもの幸せいっぱいなあの笑顔に戻ってくれよ。

 

「ルビー、いやさりなちゃん。あの言葉は嘘じゃない。俺は本当に君のことを・・・」

 

「もう聞きたくないって言ってるでしょ!そんな嘘にはもう騙されない!」

 

何を話しても返ってくるのは拒絶の言葉。今にも涙があふれ出しそうな目でルビーは俺を睨みつけている。

 

何とか誤解をといてやりたい。なれるならルビーの希望になってやりたい。

 

でも、一体どんな言葉をかけたら良い?今何を言っても逆効果なんじゃないか?どうすれば良いか全く分からない。

 

「もういい。私は寝る。」

 

ルビーが部屋を出ていく。その後ろ姿を、俺はただ見ていることしかできなかった。

 

 

 

・・・

 

 

 

ルビーが部屋を出て部屋にはMEMと俺だけになった。

 

「私ね、B小町にスカウトされたときすごい不安だったんだ。25歳の新メンバーなんて絶対嫌な顔されるって。」

 

MEMが静かに語りだす。

 

「でも、ルビーはアイドルをやるのに年齢なんて関係ない、B小町へようこそっていってくれた。なんて眩しくてあったかい子なんだろうって思ったよ。」

 

そうだよな。ルビーはいつだって呆れるくらい真っすぐで、本気で綺麗ごとを言うやつだ。俺もMEMも、そんなあいつのことが好きだったんだ。

 

「あの言葉も嘘だったのかなぁ。先生に会うための方便だったってこと?」

 

「俺は本音だったと思いたいけどな。」

 

雨宮吾郎とアイへの思いが強すぎるあまり、他の人間が全く見えていなかったのだろう。今日の出来事がショックすぎて今は気持ちの整理がついていないだけだと思いたい。

 

「でもきっと、アイドルが好きで、アイドルやってるのが楽しいっていうのは本当だよね。」

 

「そうだな。それに、なんだかんだ言って純粋な奴だ。俺は立ち直ってくれると信じてる。心の傷は残るだろうが、時間が解決してくれるはずだ。」

 

「うん。」

 

しばらくはそっとしておくのが良いのだろう。ルビーだってもう子供じゃない。あまりにも大きな失恋であったことは確かだが、今のルビーには支えてくれる人が沢山いる。道を踏み外すことも無いだろう。

 

「ルビーと仲直りできるといいね。」

 

「ああ。」

 

時刻はもう深夜2時になっていた。明日も撮影があることだし、早く寝た方が良いだろう。

 

「明日に備えてゆっくり休めよ。」

 

「待って。」

 

そう思い部屋を出ようと立ち上がるが、腕をつかまれて引き留められる。

 

「今日はいろんなことがありすぎて疲れたよ。ねえ、アクたん。」

 

MEMが何かを期待するような眼差しを向けてくる。

 

「ちょっと慰めてよ。」

 

「・・・分かった。」

 

そうして俺たちは、お互の寂しさを埋めるように体を求め合うのだった。

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