MEMちょの父親が雨宮吾郎だったら   作:座右の銘

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MAMちょ視点

アクア(ゴロー)には幸せになって欲しいMAMちょ。ついでに娘とくっつけたい。

復讐に疲れたところでMAMちょとMEMちょに優しくされて落ちるアクアっていいなーと思った。



MAMちょは看護師さん その4

「・・・冗談だよな?MEMを俺に託すなんて。」

 

しばらく悩んだ末、アクア君がたどり着いた結論がこれだった。

別に冗談でもなんでもなく、MEMとあなたがカップルになってくれれば嬉しいのだけど。

 

「まあ、半分は冗談ね。」

「半分って。」

「娘の恋路を応援して何がおかしいの?それに相手のお男は私の良く知る人物で信用のおける人だと分かっているのよ。こんな良い人はもう二度と現れないと断言できるわ。」

「俺のことを買いかぶりすぎだ。」

 

買いかぶりすぎ・・・ね。いかにも彼らしい断り方。

 

老若男女問わず、医者として患者の欲しい言葉を欲しいタイミングでかけてあげられるような観察眼を持っているのに、自分のことはまるで分っていない。

 

本当に、生まれ変わっても根っこの部分は全く変わっていない。自分は無価値だと心の底から信じ切ってしまっている。一人の人間を束縛することに罪悪感を感じている。

 

「私たちが別れた時もそんなこと言ってたわね。私は引き留めて欲しかったのに。」

「俺と一緒に居たって不幸になるだけだ。あれで良かった。」

「本気でそう思っているなら、救いようがないわね。」

 

あの時、無理にでも引き留めておくべきだったと今でも思う。

 

「本気だよ。俺なんかに期待はするな。」

「娘に対してもそんなこと言っているのかしらね?」

「それは・・・」

 

言っているのね。

 

いったい何人の女を勘違いさせれば気が済むのか。悪意がないだけに質が悪い。

 

「一応聞いておくけど娘のことはどう思ってるの?」

「まあ、すごく良い人だとは思ってる。俺にはもったいない位に。」

 

すでに相思相愛というわけか。ああ、娘のアプローチをのらりくらりと躱して曖昧な関係を続けようとする姿が目に浮かぶ。

 

彼はもっと自分勝手に生きていい。25歳なっても高校生を名乗り、恋愛に心をときめかせるような肝の据わった女もいるくらいだ。美少年に生まれ変わったのも、もっと人生を楽しむようにとの神様からのお達しじゃないのか。そう考えてしまうほど、彼は自罰的すぎる。

 

「いい加減、自分の幸せにも目を向けなさいよ。見てられないわ。」

「自分の幸せ?」

「ええ、そうよ。罪悪感があるんでしょう?母親に対して。」

「なんでそんなこと分かるんだよ。」

「あなたの境遇を知っていればなんとなく想像はつくわよ。雨宮君の母親は雨宮君を生んだときに亡くなった。そして今のあなたの母親である星野アイさんはストーカーに殺された。だから自分だけが幸せになろうだなんておこがましい。そんなところでしょう?」

「・・・君は本当に何でもお見通しなんだな。」

「良い機会じゃない。こうして再会できたのも運命の導きなのかもしれないわよ?自分の人生を見つめなおす時じゃないの?」

「そうかも、しれないな。」

 

まだ完全に納得した様子ではないけれど、少しは心に響いているようだ。まあ、この場で心変わりするくらいなら彼はここまで拗らせてはいない。ゆっくり時間をかけて向き合っていく必要があるのだろう。

 

私にしてあげられることは、とりあえずここまでだ。

 

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