MEMちょの父親ゴロー先生概念   作:カルビ肉

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いつかの約束

「日曜日は家族でご飯を食べるのが我が家のルールです。なのに今日はママが外せない接待でいないので、代わりにMEMちょに来てもらいました!」

 

仕事から家に帰って聞いた第一声は、キッチンから聞こえたそんな言葉だった。

 

「たはは……お邪魔してまーす」

 

苺プロの事務所とも繋がっている、我が家のリビングの四人掛けのテーブルに気まずそうなメムが座っていた。

B小町は今日レッスンだったか? 事務所じゃなくて家に呼んでるなんて聞いていないぞ。

 

「親子水入らずだね!」

「それを言うなら母さん……ミヤコさんはどうした、ミヤコさんは」

 

……メムのことを話しても頭がおかしくなったと心配させてしまうだけかもしれないが。

まったく気にした様子のない我が妹は、今日も持ち前の図太さを遺憾なく発揮しているらしい。

 

「それにメムは動画作ったりPVの宣伝で忙しいんじゃないのか?」

「だからこうして持てなすんだよ! 今日のカレーは腕によりをかけて作ったからね、お兄ちゃんも早く荷物片付けて手洗ってきてねー」

 

……まぁいいか。

せっかくメムに来てもらっているのだ。この機会を無下にすることもあるまい。

それに、カレーは誰が作ってもうまいからな。

 

 

☆☆☆☆

 

 

「色々あったけど、こうして3人だけで話すのは初めてだよね?」

 

向かいの席に座るルビーが切り出した。

 

そう言われればばそうかもしれない。

双方俺を経由してルビーの前世もメムが娘だということも知っているだろうが、直接集まって話す機会は今までなかったな。

もちろん、B小町での集まりで二人も多少は話してもいるのだろうけど。

 

「それなら先に謝っておこうかなぁ。ごめんねぇルビー、アクたんからルビーの前世の話聞いちゃった」

 

以前ルビーから告白された時に相談に乗ってもらったときのことだろう。

ルビーの前世はざっくりとした内容だが、メムに共有済みである。

 

「MEMちょなら全然大丈夫だよ。実質私の娘だし?」

「まだ言うか。あとそれなら叔母呼びされてもおかしくないことになるぞ」

「……自重するね」

「よろしい」

 

そう呼ばれているところを想像したのだろう。ルビーがなんとも味わいのある表情になった。

メムもそんなルビーを眺め苦笑している。

 

「というかアクたんってミヤコ社長のこと、家だと母さんって呼んでるの?」

「最近、いろいろと思うところがあってな」

「そっかぁ」

 

切っ掛けが切っ掛けだから、メムに聞かれるのはなんとも気恥ずかしさを感じる。

 

「私もそう呼ぶことにしたんだけどさ。でもお兄ちゃんは家でもママのこと母さんって呼ぶのは半々ぐらいじゃない?」

 

……メムの父親として、ルビーの兄として。

ここのところ家族というものに対して考えさせられる出来事が沢山起きた。

 

当然、ミヤコさんについてもだ。

あの人は血も繋がっていないのに、ずっと俺とルビーの母親をやってくれていた。

その苦労は並大抵のものではないだろう。たとえ血が繋がっていても親の責任を投げ出してしまうような親もいるのに、だ。

無償の、親の愛というものがあるのならこういうことなのだろうと思わされた。

 

だからこそ、これからはせめて母親と呼ぼうと思っていたんだがな……。

 

「わかった、お兄ちゃん恥ずかしいんだ」

 

……このまま黙っていて変な誤解をされても癪だな。

それにメムの受け売りだが、ルビーに対して『家族というものは思っていることを素直に伝えても平気な人』と言った手前だ。

あまり言いたくない事だが、正直に話すことにする。

 

「情けない話だが、昔から母親っていうのがよくわからなくてな」

「アクたん……」

 

メムはもしかしたら母から聞いて知っているのかもしれないけれど、ルビーに……さりなちゃんに伝えたことはなかったと思う。

 

「雨宮吾郎の……僕の母親は一人で子供を産もうとして亡くなった。それで僕は祖父母の家で育てられたからな」

 

いざミヤコさんを母親として受け入れようと思ったら、母親とどう接すればいいかわからない、なんて。

 

「悪い、今するような話じゃなかったな」

「ううん、悪くなんかないよ。私、せんせのこと全然知らなかったんだなって」

 

だから知れて良かったよ、なんて言うルビーだがその表情からは俺を心配しているのが伝わってくる。

 

「できれば重く考えないで欲しい。もうとっくの昔に割り切っているから」

 

だからこれは恥ずかしいだけだ。

二人とも、心配してくれなくても大丈夫だからさ。

 

「まぁ、時間はあるんだからさ。これから少しづつ知っていけばいいんじゃない?」

「……そうだな。ありがとう」

 

メムの優しさが胸に沁みる。

 

……時間はある、か。

そうだな、もう復讐は終わったんだ。

そんな当たり前も時間さえあれば分かるようになるのかもしれないな、なんて前向きな気持ちが湧いてくる。

 

 

「ねぇルビー、ルビーから見たお父さんってどんな人だったの?」

 

先ほどの話で気になったのだろう。話題が僕の過去についてに変わった。

話を振られたルビーは特に考える必要もないのか、悩む素振りもなく言葉を返す。

 

「せんせ? すっごく優しい人だったけど、すっごい女タラシだった!」

「えぇ……」

「だって思わせぶりな人だったんだよ! 私が告白してものらりくらりと躱してさ!」

「そりゃ年齢考えたらな。というか俺、そんな風に見えてたか?」

 

おかしいな。

研修医のころはそんなに遊んでなかった気がするんだが。

 

「看護婦さん達もキャーキャー言ってたもん!」

 

なにそれ。僕それ知らない。

当時は慣れない実習や、職場に早く馴染もうとするのに忙しくてそんな余裕はなかったからな。

聞きたいような聞きたくないような。

 

「病院に電話かけたら行方不明になってるって聞いて、正直なとこ女性トラブルでトンズラこいたって思ってました」

「さすがに職場に告げずに消えたりはしねぇよ、うん」

「女性トラブルが起きることは否定しないんだね」

「ううーん、私の中のお父さんの綺麗なイメージが……」

「事実無根、事実無根だから」

 

……仕事に慣れて遊ぶ金にも余裕ができてからは、一概には否定できないかもしれないけど。

 

「けど、私以外の患者の人の見舞いにも行ってたみたいだったし、困っている人をほっとけなかったのかなって。そういうところはMEMちょも似てるかも?」

「へぇ。やっぱりお父さんってルビーから見ても優しかったんだねぇ」

「……俺のはそんなんじゃないさ」

 

誰かを救えれば自分に価値があるって思えるんじゃないかって。

俺の行為はそんな身勝手な考えの元でやっていた、ただのエゴなんだから。

 

 

「……うん。直接伝えるのはちょっと恥ずかしいけど、言うね」

「ルビー?」

「私はね、せんせのそういう優しいところが大好きだった」

 

ルビーの雰囲気がどこか真剣味のあるものに変わった。

席を立ち、俺の隣にまでやってくる。

 

「私がずっと一人だった時に側にいてくれて、いつも励ましてくれてさ。せんせが居なかったら頑張って生きようだなんて思わなかった」

 

そのまま、ルビーに頭を優しく抱きしめられた。

いつかの日か、病床で僕の頬に添えられた小さな手の感触が蘇る。

 

言葉が出せなかった。

 

「せんせが推してくれるって言ってくれなければ、アイドルになろうなんて思わなかった」

 

違う……違うんだ。

僕は、君を救うことができなかったのに。

 

「だからね、こうして生まれ変わってね。また逢えたならずっと伝えたかったの」

 

鼓動が聞こえる。

表情は見えないが、本心から言っているのが伝わってくる。

 

 

「私に生きる意味をくれてありがとう」

 

 

──ずっと、さりなちゃんは無念と後悔のうちに亡くなったと思っていた。

 

そうだったのか。

僕は彼女の心を救えていたのか。

 

 

「せんせ、生まれ変わりなんて馬鹿な事って言ってたけどさ、今はどう?」

「そうだな……案外、そういうのも悪くないのかもな」

 

 

☆☆☆☆

 

 

「ぐぬぬぬぬぅ……!」

 

しばらくの間そうしていると、突然ルビーが唸りだした。

すると、がばっ、という擬音が付きそうな勢いでルビーが離れていった。

 

「思わせぶりなのは知ってたけど、私と結婚の約束までしてたのに娘がいたって……NTRだー!」

「結婚するとは言ってないし、そもそも寝てないよね?」

「私が永眠するとき隣にいてくれたもん」

「やめて、僕泣いちゃうから」

 

茶化した言い方されても思い出すとかなり辛いからね? 

すっかりいつもの調子に戻ったルビーに自分もつられてしまう。

 

「だから甘えるんです! それなのに先輩には困っちゃうよね!」

「ほうほう恋バナですかぁ」

「恋バナ……? ちょうどいいや、若い女の子を誑かすいけないお兄ちゃんにはこの際全部吐いてもらいます! あ、もちろん拒否権はないから」

 

なんで疑問形なんだよ。それに横暴すぎる。

 

「じゃあまずはアクたん的にかなちゃんをどう思っているのかっていうのはどう?」

「先輩? あの男っ気のまるで無い先輩がお兄ちゃんと恋愛? あはは、ないでしょ!」

 

マジかよお前。

 

メムと顔を見合わせる。

多分、俺とメムは今同じ表情をしていると思う。

 

「やっぱお前、当分恋愛禁止な」

「えーどうして?」

「私もアクたんに賛成かなぁ……」

 

まさかルビーが有馬のアプローチにまったく気付いていないなんて。

俺が言うのもアレだが、捻くれてるだけで滅茶苦茶分かりやすいだろアレ。

 

今ガチでゆきを裏表がない子と評したり、少なくとも恋愛面での駆け引きについてルビーはポンコツらしい。

心配事が増えた。

 

「ぶー。じゃあお兄ちゃんがどう思ってるか答えてよー」

「……恋愛的な意味なら、そもそも推しと恋愛するのは解釈違いだな」

「でも、もし先輩にアイドル辞めてでも付き合ってって泣きつかれたら?」

「…………俺にはあかねがいるからな、うん。付き合うことはできないよ」

「ちょっと考えたよね? なんで目逸らすの、お兄ちゃん?」

 

想像しただけ、想像だけだからさ。

 

「それは置いといてだ。まぁ心配になる子だよ、いろいろ。扱いやすいし」

「あー……」

 

ルビーにも心当たりがあるのだろう。

大方、公園で有馬をアイドルに勧誘した時のことでも思い出しているのだろう。

 

「かなちゃんってそんなに扱いやすいの?」

「アイドル誘ったとき、私が誘っても全然聞いてくれなかったのにお兄ちゃんがちょっと頼み込んだら簡単に頷いてくれたよ」

 

事実ではあるが人聞きが悪いな。

 

「有馬自身はベテラン芸能人みたいな意識があるけれど、まだ子供だしな。今日あまのドラマだって鏑木Pに良いように使われていたみたいだし」

「うーん? でも私の勘違いじゃなければさ、アクたんってかなちゃんのこと特別気にしてるよね」

 

どうして? という二人の視線が向けられる。

 

有馬の面倒を見てしまう理由か。

アイドルに誘った手前ということもあるし、純粋に推している気持ちもある。

……でも、有馬に入れ込んでいる本当の理由はわかっている。

 

「……有馬が親に見捨てられてしまった子供だから」

 

それを知ったのは、再会した日に監督の家まで着いてきた有馬の身の上話を聞いた時だ

そして、そんな境遇でありながらもまっすぐな瞳で役者という夢を語る姿。

 

──白状しよう。俺は有馬にさりなちゃんの姿を重ねてしまっていたんだろう。

 

「それって」

 

ルビーは俺の言いたいことに気付いたようだ。

……彼女が怒るなら、俺は甘んじて受け入れよう。

 

「性格は全く似ていないけどな」

「嬉しいような怒るべきなような……やっぱり私と先輩にはただならぬ因縁があったんだ」

 

ルビーは複雑な顔をしている。

まさか昔の自分に対しての扱いを他人に向けられていたとは思わなかったのだろう。

……これは言い訳できないな。

 

「アクたんのことだから大丈夫だとは思うけど、かなちゃんのこと一人の女の子として扱ってあげてね?」

「ああ。そこは弁えてるよ」

 

有馬は有馬だ。

アイドルに誘っておいて何をと思われるかもしれないが、有馬にさりなちゃんの夢を押し付けるつもりもないさ。

あれは本当に、有馬ならアイドルとして成功できると感じたからだし、望んでいる女優の仕事につながる良いキャリアになると思ったからだ。

 

「しっかし、やっぱアクたんからすると私達はまだまだ子供かぁ」

「メムは子供って年じゃないけどな」

「ぐふっ、そこはJKとして流して欲しかったんだよぉ……!」

「大丈夫だよ、私も前世と足したら28だから!」

「それはちょっと違うんじゃないかなーと思う訳でして……」

 

いや、フリだと思うじゃん。

メムはなぜ自分から自爆しに行くのだろう。

そのうちお前のファンからもJK(笑)とか呼ばれるようになってしまうんじゃないか? 

 

「じゃ、じゃあ、あかねとはどうなの? あれからなにか進展あったりした?」

「え? お兄ちゃん、あかねちゃんと本気じゃないの?」

 

いやいや、そもそもビジネスカップルじゃん、というツッコミは無用だろう。

こういうところは純情というか、潔癖というか。

兄として、ルビーにはできるならそのままでいて欲しいものだ。

 

「宮崎の時はお姉ちゃんとか呼んでなかったか?」

「そんなこともあったけど過去は過去! お兄ちゃんの前世がせんせと知ったならタダであげる訳にはいかないもん!」

 

あんまりな言い分に少し気が遠くなってしまった。

あかねが聞いたら複雑な顔しそうだな……。

 

……気を取り直そう。あかねのことをどう思っているか、か。

 

「色々と迷惑をかけたし感謝もしているけど、やっぱり俺からあかねに向ける気持ちは恋愛感情ではない……と思う。一緒にいて楽しいと思うことはあるけれど」

 

二人から擬音が付きそうなジト目を向けられた。

 

「ルビー、判定は?」

「ううーん、ギリギリセーフかな……」

 

そのセーフはどういう意図のやつだ? 

 

「やっぱり、優柔不断なお兄ちゃんの結婚相手は私が決めます!」

「うんうん、家族としてアクたんの恋愛模様が気になる気持ちはわかるよお!」

「勝手がすぎる」

 

イエーイ、と二人仲良くハイタッチする姿は微笑ましいが、肝心の話題が話題だ。

女子ってやつはいくつになっても恋バナというのが好きなんだな……。

 

「私がオススメする彼女はMEMちょだよ!」

「……へっ、私!?」

「ちょー複雑だけど、私とお兄ちゃんはもう家族だし? MEMちょと結婚すれば名実共に家族じゃん! 子供ができるようなことをしたら許さないけどね! ……でもせんせの血が絶えるっていうのもなんか可哀そうだし、どうしよう……」

「勝手に話進めんな。メムにも選ぶ権利があるっての」

「にゃはは……私もお父さんって名乗り出てくれたアクたんを父親として尊重したいなぁ」

 

そっか、なんて宣うルビーはこうなるのが分かっていたのか悪びれた様子もなく舌を出していた。

 

……メムは俺の事をそう思ってくれているのか。不思議と胸が暖かくなる。

宮崎で前世の話をするか、父親と名乗るかどうか随分と悩んだが、今はやってよかったと心から思える。

 

「まぁでも10年後とかに行き遅れそうになったときにアクたんがフリーだったらお願いするかもです……はい」

 

台無しじゃねぇか。

 

「メムは可愛いし、その気になれば相手なんてすぐに見つかるよ」

「うわー、そういうところが思わせぶりなんだよ」

 

事実を言っただけじゃん。

それと結婚に10年程度を見込んでいるのなら、これは言っておかないといけないだろう。

 

「それから元産科医としてだが、35歳以上での初産は一般的に高齢出産にあたる。そうなると赤ちゃんだけでなく母体のリスクも著しく増えるから、子供が欲しいなら覚えておいてくれ」

「タメになるけどデリカシーがないんだよぉ!?」

「なにかあってからではデリカシーでは済まないからな。あくまで医学的見地からの忠告だ」

「お兄ちゃんのモラリストー!」

 

悪口かそれ? 

そもそもその使い方の意味合ってるか? 

 

「なんにせよ、結婚も子供のこともメムの好きなようにすればいいさ。もともと継ぐような家もなければ親戚もいないしな。僕の事は気にしなくていい」

「お父さん……」

「まぁまずは相手がいないとどうしようもないんだけど」

「アクたん!」

「むむむ、なんか高度な親子のいちゃつきじゃないこれ? 私も甘やかせー!」

 

 

☆☆☆☆

 

 

「今度渋谷とか原宿いこ! この前のお土産のクレープ美味しかったし、私もあんなオシャレなところで食べたい! もちろんMEMちょも一緒だよ!」

 

各自カレーを完食し、食後のティータイムを堪能しているとルビーがそう切り出した。

 

「期末テストのデートの約束か?」

「それもあるけど、昔約束したじゃん。私が元気になったら案内してくれるって。アレ、楽しみだったんだー」

 

ああ、そうだった。

僕はあの子とそんな約束をしたんだったな。

 

「……それにすぐに二人とも有名になる。そうなると気軽にいけなくなるもんな」

「でしょ? それにああいうキラキラしたお店って一人だとちょっと入りずらいもん」

 

わかる。

 

「折角だからセレクトショップとか回らない? 渋谷は私の庭といっても過言じゃないからねぇ!」

「わー楽しみー!」

 

どうやらメムも乗り気らしい。

そこまで自信を持っていうのだ。JKキャラを売りにしているだけあって相当詳しいのだろう。

 

正直なところ、昔の渋谷近辺ならともかく現代でJKが好みそうなスポットには自信がない。

メムが居てくれると素直に助かる。

 

「ああ、メムに焼肉を奢る約束してたな。その日でいいか?」

「焼肉ー!」

「じゃあ一日コースだねぇ。お店はアクたんにお任せしよっかな?」

 

そのぐらいは任せてくれ。

どこ行こー、なんてスマホを見て相談している二人を眺めていると自然に笑顔が湧いてくる。

 

……ただの食事だと思ったが、随分と色々あったな。

 

前世で出会えなかった娘と前世で助けられなかった今の妹。

不思議なめぐり合わせで集まった、普通とは違う、アイドルを目指す二人の家族。

 

──二人の夢を応援したい。

 

それが、噓偽りのない今の俺の願いだ。

 

 

 

 


 

 

「MEMちょ、今日はありがとー!」

「ううん。ルビーも伝えたいこと、ちゃんと言えてよかったねぇ」

「ママには悪いけど、今日が留守でちょうどよかったよ!」

「たはは、今度遊びに行くときミヤコさんにも何かプレゼント用意しておこうかなぁ」

「……ねぇ、お兄ちゃんと3人で話をしたいって聞いた時はびっくりしたけど、どうして?」

「うーん、単純に話をしてみたかったっていうのもあったんだけどねぇ」

「他にもあるんだ?」

「きっとアクたんはさ、一人で背負いすぎちゃう人だから。だから教えてあげたかったんだぁ」

 

「あなたに救われた人はちゃんといるんだよってね」

 

 

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