黒き刀士の旅日記   作:獅子座と黒月

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ストックがある内は週1ぐらいのペースで投稿します。

1週間経っても投稿がない場合は・・・お察しください。(;^_^)

必要に応じてタグも増やします。


しくじっても、乗り越えればなんとかなる・・・ハズ

レマルギア大陸  ─リド平原─

 

??「あれか・・・」

 

見知らぬ大地で目覚めた黒衣の男(笑)は響いてきた地響きの発生源と思しき場所へとたどり着く

 

巨大な砂煙とそれを囲う様にひしめく騎士や兵士らしき者達が見える。

 

??(モンスター同士の縄張り争いではない事はこれで確定か・・・となると討伐か、人間同士の戦争か・・・いや、たぶん討伐だな)

 

状況を見守りつつ考えを巡らせていると新たな砂煙と共に十数人ほどの騎士や兵士が宙を舞った。

 

相手が人間であればさすがにあんな事にはならないだろう。

 

もっとも、この黒衣の男(笑)の周りには人を数十人程吹っ飛ばす事ぐらい造作もない者達が(自身も含め)居たのだが。

 

??(アレは・・・・・・レヴェラーか・・・!ならアレだけのパワーが有るのも頷ける)

 

砂煙の中から見覚えの有る獣が顔を覗かせる・・・・・・のだが

 

??(あれ?レヴェラー・・・だよな?んん・・・アイツの角ってあんなだったか?)

 

砂煙がやや晴れレヴェラーの上半身が見えた時、違和感を覚える。本来レヴェラーの角は太い角が頭部両側面から垂れ下がる様に生えているのだが、目の前のレヴェラーは頭部両側面から垂れ下がっているのは変わらないのだが口元辺りからマンモスの牙の様に前方に曲がっていた。

 

??(亜種か・・・?それとも突然変異・・・?だがどちらにしてもレヴェラーであることには変わらない筈だ)

 

次にレヴェラーに対する戦術に意識を向ける、体は大きいが一体であるレヴェラーに対し騎士や兵士で包囲し、後衛の弓師や魔法使い(?)が集中砲火を浴びせ、その合間に一撃が重い者達が斬り込む方法を取っている様だ。

 

確かに少数を攻撃する場合退路を断ち集中攻撃を掛けた方が確実性は高い・・・・・・のだが

 

??(レヴェラー相手じゃ悪手なんだよな・・・何所に突進して来るか分かんねぇし)

 

レヴェラーの戦方は角で打ち払ったり、突進や踏み潰しといった巨体を使った戦い方を得意としている為、包囲等で退路を断った場合手当たり次第に暴れる為、却って被害が大きくなる事が多い。

 

むしろ少数精鋭で一撃離脱を基本にした戦い方の方が楽だったりする。

 

??(それにあんまり密集するとアイツの切り札で一気に追い込まれかねないし・・・見た感じまだ使ってはいないみたいだけど・・・)

 

レヴェラーの切り札、それは小さな角の様に見える鼻からの毒霧噴射で、密集していたり風下に居たりすると毒の霧をもろに浴びてしまう為大変危険である。

 

その事も大多数で挑むより少人数で戦う方が楽な事の一因である。

 

??(にしても・・・人を見つけたのは良いものの、これじゃ話しも出来ないなぁ、・・・・・・ん?)

 

よく見ると騎士の一人が動きが悪い─髪の長さから見ておそらく女性─そしてその動きの悪い騎士にレヴェラーが脚を振り上げていた。

 

??(使った所は見てないけど、奴の毒をもらったのか?あの位置だと周りの援護も間に合わないか・・・ならば!)

 

気を脚に溜め解放、縮地の要領でレヴェラーの眼前へ跳ぶ。

 

??(急所である鼻面に一発かまして気勢削ぐ!)

 

黒衣の男(笑)は素早く剣(その辺で拾った物)を抜き勢いのまま一閃する。

 

今まさに脚を振り下ろさんとしていたレヴェラーは自らの急所への予期せぬ攻撃に痛みと驚愕の咆吼をもって後退する。

 

??(よし、予想通り鼻面への攻撃は効果ばつぐんだな。)

 

ちなみにこのレヴェラー、鼻面に小さな角が生えている様に見える為よくサイの仲間と思われがちだが、ゾウの仲間である。

 

小さな角の様に見える物も皮膚がやや硬いだけの鼻の一部であり。神経が集中している敏感な鼻面への攻撃は効果が高いのである。

 

??(これで後は・・・・・・あ・・・・・・)

 

男(笑)は今更ながらに自身の迂闊さを自覚する。

 

??(見るに見かねて飛び出しちまったけど・・・これ・・・ただのやべー奴なんじゃね?俺ってば・・・)

 

この男(笑)、飛び出した後の事を実は何も考えていなかった。

 

だが、いつまでも呆けている訳にはいかない。意識の外からの奇襲によって後退したとはいえレヴェラーはまだ臨戦態勢であり、目の前で思考の海に沈むなど、どうぞブッ飛ばしてくださいと言ってる様なモノである。

 

ミュセル「あの・・・」

 

??「動けるなら包囲している部隊を下げてもらいに行け!今のままだと奴が何所に突っこんで来るか分かりにくくて戦いづらい」

 

さっさと頭を切り替え先程の騎士に手早く指示を出すとレヴェラーに向かう。レヴェラーもまた、自分の急所に奇襲を掛けてきた相手を迎え撃つ為歩みを進める。

 

??(狙うは鼻面・・・急所に攻撃を集中させてさっさとお帰り頂こう)

 

複数人での一撃離脱の波状攻撃が最も楽なのだが、この世界において、堕ちてきたばかりの自分と連携がとれる相手は皆無、ならば、急所に攻撃を集中させ撃退する判断を下す。

 

レヴェラー「・・・・・・ツ」角当て

??(よっと・・・そらっ)

 

角当ての動きに合わせ、角の下を潜り抜け鼻面へ一閃叩き込もうとするも、

 

レヴェラー「・・・・・・!!!」

??(・・・!?危なっ!!)

 

正面に来たタイミングで突き飛ばそうと一歩強く踏み込んで来る

 

??(奇襲を掛けられたうえに的確に自分の急所を狙っているのを理解して警戒してんな・・・ならばっ!)

 

もう一度同じ様に攻撃を潜り抜け急所を狙う・・・・・・と見せかけ距離を取る。

 

??(飛燕真空斬り!!)

 

剣を横薙ぎに払い、真空の刃が飛ぶ、だが・・・

 

レヴェラー「・・・・・・??」

 

??(浅い?・・・・・・ああ、しまった角か!・・・クソッ、斬りじゃなく割りにするべきだったか・・・!)

 

飛燕真空斬りと飛燕真空割り、飛燕真空斬りは横に、飛燕真空割りは縦に攻撃範囲が広い真空の刃を飛ばす技である。

 

本来は斬りでも問題ないのだが、今、目の前に居るレヴェラーは牙の様にせり出している角の所為で急所に入る前に技が角に当たってしまい、威力が大きく落ちてしまっていた。

 

それを悔やむ暇も与えまいとレヴェラーは突進をかける。

 

男(笑)は突進に臆す事無くレヴェラーの額へと跳び、額を地面に見立てて、受身の要領で額から背中へと転がり、背後を取って再び間合いを取る。そこに先程(やらかす形で)助けた騎士とその仲間と思しき兵士や戦士達が来た。

 

ミュセル「大丈夫?」

 

??「見ての通りだ、そっちこそ大丈夫なのか?」

ミュセル「うん!さっきはアリガトね」

 

??「その言葉はアイツを撃退してから言ってくれ、でもあの角が厄介だな、こっちは体が覚えちゃってるからな、阻まれて通らないと分かってても、ついつい通ると思って攻撃を掛けちまうし・・・」

 

ミュリア「・・・まるであの巨獣の事を知っているような口振りですね」

 

??「知っているよ、角の形以外は癖も攻撃パターンも泣き所も俺の知っている奴のソレだ」

 

ミュリア「角の形「弱点というのは?」以外?って、姉さん!」

 

??「(・・・姉さん?ああ、コイツら姉妹なのか)弱点は鼻面、あそこはちょいと硬いが神経が集中してるからな。あとアイツは体格とパワーを活かした戦い方をするから『パキッ』戦法はヒット&アウェーの方が良い・・・・・・んだが・・・パキッ?」

 

つ折れた剣<オレチッタ!テヘペロ

 

「「「「・ ・ ・ ・ ・ ・」」」」

 

公国騎士のみなさん(((折れたーーーッ!!)))

ミュセル(折れちゃったーーーッ!!)

ミュリア(折れましたね・・・・・・)

??(あぁ・・・拾った物にしては保った方か・・・)

 

レヴェラー「・・・・・・!!」

 

??「っと、来るぞ!」

 

男(笑)の剣が折れたことに驚くもそんな事は知ったことでは無いレヴェラーが再び突進を掛けるが男(笑)の言葉で即座に散開し、間合いを取る騎士達、ミュリアは男(笑)の言葉通り鼻面へ一撃を加える。

 

ミュリア「ハアァァッ!!」

 

レヴェラー「・・・・・・!!」

 

だが、自らの急所への攻撃を警戒している状態のレヴェラーは僅かに後退し反撃に移ろうとする。

 

??「ソオィ!!」ドカッ

レヴェラー「・・・・・・!?」

 

??「離脱ッ!!」

ミュリア「・・・ッ!!」

 

反撃に移ろうとしていたレヴェラーの横合いから男(笑)が角を蹴り飛ばす。男(笑)の援護と言葉にミュリアは即座に離脱し間合いを取る。

 

??「今の要領で死角と隙をカバーするんだ」

 

ミュリア「なるほど」

ミュセル「わかったよ」

 

??「あと、あんまり固まるなよ、固まり過ぎると奴のパワーで一気に・・・」

 

レヴェラー「ブォオオオ!!」フンッ

公国騎士のみなさん「「「ぎゃあああっ」」」ホームランッ!!

 

??「って言ってる傍から!!あぁもう!!」

 

男(笑)の説明中に騎士のみなさんが盛大に纏めてホームランされてた、幸いホームランの落下予想地点はかなり近いので先回りし受け止める為に走り出す、ユーゲント姉妹もその意図を察し続く。

 

騎士「ムワアアアアアアア!!」

??「よっと(黄色いWのヒゲオヤジかよ・・・)」キャッチ&リリース

 

剣士「ウワァァァァァァァァァァ!!」

??「ほっと(ダディャーナザァン!?)」キャッチ&リリース

 

戦士「ああぁぁぁぁ!!」

??「しょっと」キャッチ

モニュン

戦士「ひゃぁん!!///」

??「・・・・・・!?(女!?)失礼しました・・・」リリース

 

騎士「マンマ・ミーア!!」(赤い配管工)

ミュセル「よっと(こんな人、騎士団に居たっけ?)」キャッチ&リリース

 

戦士「あうぁうぁうぁ!!」(緑の2番手)

ミュリア「・・・・・・」キャッチ&リリース

 

剣士「ミュセル様~♡」

ミュセル「ヒッ!!?」回避

剣士「フンギャロ!!」墜落

 

ミュリア「ミュセル・・・貴女・・・」

??「なんで今、避けたよ・・・」

 

ミュセル「ゴメン、なんか身の危険を感じて・・・」

ミュリア「そんな事理由に「そうか・・・じゃあ仕方ないな・・・」そうなの・・・?」

 

男(笑)はこういう時に、身の危険を感じた場合決して逆らってはいけないという事を身に染みて知っている、なので彼女を咎める気は無くむしろ得心がいったぐらいである。

 

そんなこんなでホームランされた騎士達を救助していたが、その際レヴェラーからの攻撃が来ない事に男(笑)は引っ掛かりを覚えていた。

 

臨戦態勢のレヴェラーが救助活動という隙を見逃すとは思えない、そう思いレヴェラーの方を見やるとレヴェラーは向きを変え走り出していた。

 

撃退したかとも思ったが、走り方を見るに逃げ出した訳では無い様に思う。よく見るとレヴェラーの走っている方から矢なり火球なりが飛んできていた。

 

ミュセル「弓師隊や魔法士達の攻撃だ!」

ミュリア「救助の為の隙を作ってくれていたみたいですね」

??「だが、不味いな、あの程度の火力ではレヴェラーを止められない、このままでは後方の部隊がレヴェラーのヤツにぶっ飛ばされる!」

ミュセル「ええっ!!何とかしなきゃ!!」

 

何とかしたいが後方からの攻撃は厚い皮膚と硬い骨格に阻まれ有効打にならない、なので止める為には一度レヴェラーを追い抜き正面から迎え撃たなければならない。

 

幸い走り始めたばかりでトップスピードまで達する時間的猶予が有る為、追い抜く事は容易い問題が有るとすれば・・・

 

??「火力が足りない・・・」

ミュリア「・・・・・・はい?」

 

??「まだトップスピードまで時間が有る、追い抜く事は容易い」

ミュセル「だったら・・・」

 

??「だが、奴を止める為のパワーが必要な技が無い・・・事はないんだが・・・追い抜いた後ある程度、距離を稼がないといけないから、それで肉体的なエネルギーの瞬時に使える分を出し切ってしまう」

 

??「そこから大技を使う分のエネルギーを練り上げる時間と奴がトップスピードまで上がり後方部隊に到達するまでの時間を加味すると間に合わない」

 

そう、レヴェラーを追い抜く事自体は容易いが止める為の技を出すまでの時間に問題があった。

 

ミュリア「剣が無事なら可能でしたか?」

 

??「いや、剣でアイツの突進を止める場合、大剣の様に刀身が大きい物じゃないと厳しいな」

 

ミュリア「では、他の武器は?可能性がある物があればお貸ししますが?」

 

??「・・・と言われてもな」

 

ミュリアからの提案に振り返りながら騎士達の武器を見回す。

 

そんな都合良くレヴェラーを止める武器があるとも思えないが一応は確認してみる、するとひとつの武器に目が留まる。求めている形とは少しばかり異なるが誤差の範囲だ問題はないはずだ。

 

ミュセル「・・・どうかし「その槍借りるぞ!」た?って、ちょ、ちょっと!」

 

ミュリア「ミュセル、彼女に任せてみましょう」

 

ミュセル「姉さん・・・」

 

男(笑)はミュセルの持っていた槍を借りる(ひったくる)と後方部隊の方へと駆けだす。

 

ミュセルとて別に信用していない訳では無い。槍も貸してくれと頼まれれば貸し出すし、頼まずに持っていったのも時間が少ないが故の行動と分かっていたから文句を言うつもりも無い。

 

だが、姉にそう言われた後に何か言うと信用していない様に聞こえてしまいそうで、何も言えなかった。しかし、それでもこれだけは言っておくべきだと思い口を開く。

 

ミュセル「姉さん・・・さっき彼女って言ってたけど・・・あの人男の人だよね・・・」

 

ミュリア「・ ・ ・え??」

 

黒い巫女服の男(笑)の前途はまだまだ暗そうである。

 

────────

 

────

 

──

 

─リド平原─ ~後方部隊~

 

レヴェラー「ブオォォ!!」三(# `△´)

 

後方部隊長「奴が来るぞ!弓師隊、魔法士隊、攻撃の手を緩めるな!」

後方部隊長補佐「狼狽えるな!撃ち続けろ!」

魔法士隊長「撃て!撃て!撃てなのである!!」

弓師隊長「まずい!ブレーキだ!早く奴にブレーキを掛けさせるんだ!もっと矢を放て!」

 

攻撃の矛先を後方部隊に向け迫り来るレヴェラーに対し足を止める為、攻撃を集中させているが、レヴェラーは怯む事も臆する事も無く真っ直ぐ突進してくる。

 

弓師隊長「ウワァァ!!止まらねぇ!!」

後方部隊長補佐「ダメです!奴の勢いが落ちません!」

後方部隊長「ええい!ヤツめ!化け物か!!」

魔法士隊長「撃て!撃て!撃てなのである!!」

 

隊長s(・・・ブレないなぁ、この人・・・)

 

後方部隊長「くぅ・・・最早これまでか・・・総員に攻撃を中止させ、退避の用意を!」

弓師隊長「逃げろ!逃げるんだっ!!」クワッ

 

後方部隊長補佐「・・・!?待って下さい!部隊長あれを・・・!」

後方部隊長「むぅ・・・!?」

 

促されるまま目を向けるとミュセルの槍を持った黒衣の男(笑)がレヴェラーを追い越し後方部隊との間に割り込むように駆け抜ける様が見えた。

 

後方部隊長「(あの者、勝機があるというのか・・・)・・・全員に攻撃を中止させよ」

 

後方部隊長補佐「・・・は!?それでは!!」

後方部隊長「どのみちヤツが止まらなければ我々も終わりだ、ならばあの者に賭けるしかあるまい、全員攻撃中止だ!」

 

弓師隊長「ああ・・・この際誰でもいい・・・あの怪物を止めてくれぇ・・・」

魔法士隊長「撃て!撃て!撃てなのである!!」

後方部隊長「止めんか!!」ガンッ

魔法士隊長「アゥア!!」

後方部隊長補佐(本当にこの人は・・・)

 

────────

 

────

 

──

 

??(攻撃が止む?打ち止めか・・・それともこちらの意図を察したか・・・いずれにしてもこちらがどうにかするしかない事に変わりはないか)

 

黒衣の男(笑)は滑り込む様にレヴェラーの前に立ち塞がる。

 

??(レヴェラーの突進を正面から止めるなんてバカのやる事だぜ・・・だが、ここまで来た以上もう後には引けないな!!)

 

??「技を借りるぞ、奉先!!」

 

かつての仲間─と呼んで良いかは微妙なところではあるが、同じ組織に所属していた事は間違いない─に断りを入れミュセルから借りた(ひったくった)槍を回転させながら振り回す。

 

回転によって生じるエネルギーを振り回す事でさらに加速させていく、さらにそこへ改めて練り上げた気孔を流し込み技の準備を進めていく。

 

急がなければ最大限に力を発揮できる技の適正距離より内側に踏み込まれてしまい後方部隊諸共ぶっ飛ばされる事となる。

 

??(ちぃ、このままだとチャージが間に合わないな・・・)

 

ならばと、腰を使い上半身ごと振り回し、さらにエネルギーを加速させていく。

 

??(充填完了!これで上手く行ったら御慰(おなぐさ)みってな、いくぜっ!!)

 

??「うおおおっ!!旋風!!爆・裂・衝!!」

 

技の名を叫び、エネルギーを纏った槍を地面に叩きつける、槍に充填された力は強大なエネルギーの奔流となって地を走りレヴェラーを押し返す。

 

レヴェラー「・・・・・・ッ!?」

 

だが、レヴェラーも自身を押し返すエネルギーに負けじと踏ん張り耐える。

 

??(俺の練度では耐えられるのは想定済み・・・だから!)

??「ダメ押しのッ!武神!!空・穿・波!!」

 

再度槍に練り上げた気孔を乗せ突き出し放つ。

 

放たれた空穿波のエネルギーは先に放った旋風爆裂衝のエネルギーを後押しする形で加わりさらに強いエネルギーの奔流と化す。

 

さしものレヴェラーも一度受け止めた力の勢いが爆発的に上がったことで堪えきれずに断末魔─死んではいない為、正確には違うが─の叫びを上げ吹き飛び、倒れる。

 

黒衣の男(笑)は突き出した槍を腰だめに構え直し、静かにされど油断なくレヴェラーの様子を窺っていた。

 

??(なんとか止めはできたか・・・これで退いてくれれば良いんだが・・・)

 

十数秒程経ち、レヴェラーはゆっくりと立ち上がり黒衣の男(笑)の方を見る。

 

吹き飛び、倒れ伏したレヴェラーを見て既に戦勝ムードであった公国騎士達に再び緊張が走る。

 

だが、黒衣の男(笑)が動かない事を見て静かに成り行きを見守る。

 

レヴェラーと男(笑)は睨み合う様に互いを見る。

数秒か、あるいは数分か、互いに視線を交わしていたが、落ち着きを取り戻し、相手に敵意がない事を察したのかレヴェラーは踵を返し、ゆっくりと平原の彼方へと立ち去った。

 

────────────────────

 

─後方部隊─

 

後方部隊長「巨獣が去って行く・・・」

後方部隊長補佐「立ち去ったと言うのか・・・?」

 

後方部隊の皆さん「「「「ぃよっしゃぁぁぁ!!!」」」」

弓師隊長「た、助かったぁぁぁ・・・!!」

 

後方部隊長「よし、前衛部隊と合流する、隊列を組み直せ!」

後方部隊の皆さん「「「「ハッ!!!」」」」

 

魔法士A「もうムリィ・・・・・・」ゲッソリ

魔法士B「もう撃てませぬぅ・・・・・・」ゲッソリ

魔法士隊長「これで万事めでたしであるな!ワッハッハッ!!」

 

魔法士隊以外((((あんたはもう少し部下を労れよ・・・・・・))))

 

────────────────────

 

─前衛部隊─

 

ミュリア「やった・・・・・・?」

ミュセル「やった・・・やったんだ!」

公国騎士の皆さん「「「「うおおおっ!!!!」」」」

 

ミュセル「こうしちゃいられない、すぐに合流しなくちゃ!皆、行くよー!!」

 

ミュリア「ああ・・・!待ちなさい!ミュセル!・・・・・・全く、合流するのに部下を置いて行ってどうするのよ・・・」

公国騎士の皆さん「「「「アハハ・・・・・・」」」」ニガワライ

 

ミュリア「ともかく私達も後方部隊と合流します!」

公国騎士の皆さん「「「「ハッ!!!」」」」

 

────────────────────

 

??「・・・ふぃ~なんとかなったぁ・・・失敗したら今頃アリンコみたいにペシャンコだったぜ・・・」

 

レヴェラーが立ち去ったのを確認し、槍を肩に立て掛けるようにしつつその場に座り込みようやく一息つく。突進してくるレヴェラーの前に立ちはだかるのは生きた心地がしなかった。

なにせ距離が近づくにつれ地面の揺れが激しくなるのだから・・・

 

だが、それも奴が去った事により終わりを迎えた。他に問題が有るとすれば・・・

 

??(さて、この後どうやって俺の素性を説明したもんかな・・・)

 

この後来るであろう騎士達からの自身の素性に対する詰問にどう答えるかを思案する。

 

??(馬鹿正直に、『別の世界からこの世界に転生して来ました!』なんて言ったって正気を疑われるだけだろうし、どうしたモンかな。)

 

だが、その問題の答えを出すよりも先に半ばひったくるように借りてきた槍の持ち主が駆けてくるのが見えた。

 

仕方ないがないので、後のことはその時考えるとして、立ち上がり槍の返却も兼ね、駆けてくる彼女のもとへと歩き出す。そして、両者が手を伸ばせば届く程に近づいた時

 

??「・・・ッ!?危ない!離れろっ!!」

ミュセル「えっ!?」

 

突如、黒衣の男(笑)はミュセルを突き飛ばし、自身もその場から飛び退く。

 

直後、男(笑)の居た場所に鋭い剣閃の光が奔った。

 

??(新手!?だが、今の攻撃は刀剣の類だと思うが・・・それに、今のは完全にこちらを狙っていた・・・!)

 

明らかに彼女ではなく自身を狙った攻撃にやや違和感を感じつつも直ぐさま仕掛けてきた相手への警戒を強める。

 

??「赤い薔薇を模ったドレスの剣士と・・・ハンマー装備のディアブロ(黒)のハンターか?」

 

彼の呟きにそれを知る者が居れば赤薔薇ドレスはともかく、ハンマーの方の鎧はそこまでゴツくないだろ!とツッコむところだが、幸運ながらなのか、残念ながらなのか、ツッコミを入れられる人物はいなかった。

 

だが、彼は知らなかった。彼女達はそれぞれ『剣聖』、『微笑みの騎士』と呼ばれる公国どころかこのミステリオにおいて屈指の実力者であることを。

 

一難去って、また一難、黒衣の男(笑)の苦難はまだ始まったばかりなのであった。

 

Quest Clear

               ──Go to next Quest




Quest Clearのくだりは原作ゲームリスペクトのつもりですが、自分で書いてて、要るかなコレとか思ってます。

まあ、特にツッコミがなければ続けてこうと思います。

??「ところでダメ筆者、俺の名前は?」

考えてはあるけど、話の都合上もうチョイ先かな、そう後、2話ぐらい。

??「マジか・・・」ズーン
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