はしごを降りた先には、そこそこの広さの部屋が1つ。
床や壁は至って普通な白塗りのもので、ギミックなどは特に見当たらない…のだが、それ以上に目を引くものが部屋の中央にあった。
培養液のような紫の液体で満たされたカプセル。
その中に、異形としか言えない形の生物がいた。
人間のものに似た2本の足があるが、腰あたりから上は左右非対称となっており、右半身は脇腹から触手が生え、腕にあたる部分はヒレのよう。
左半身は長く伸びた骨の先に丸い塊があり、それが頭部のようにもなっている他、左腕にあたる部分は長い丸太のようになっている。
「…新しいC.S.T.ね。ここで研究されてたのかしら」
「研究…ってわりには、周りにそれっぽいものないけどね」
あおいに言われて、この部屋にはこのカプセル以外に何もないことに気がついた。
「…」
あおいは、カプセルの土台の部分に金色のプレートがはめられているのに気づいた。
それには日本語の文章が書かれていた。
「『2人は仲良し』…2人?」
カプセルの中に入っているのは1体だけ。となると…?
その時、部屋の入り口の扉が閉められる音がした。
そして、カプセルの中の化け物に異変が起きた。
寝起きのようにかすかに動き出した…かと思うと、その左腕でカプセルを一撃で叩き割り、内部の培養液と共に外に出てきた。
それは外の床を踏みしめると、左腕を振り上げ、先端に頭のようにも思える骨塊のついた長い骨をうねらせた。
2人はすぐに攻撃を行う。
凛が魔弾を飛ばし、あおいが鞭を振り上げる。
凛は右腕のヒレのような部分を狙って魔弾を撃ち、あおいは骨の塊の部分を狙う。
どうも、先端に塊のある長い骨は背骨のように思える。
そして、それに気づくと同時に既視感を感じた。
この化け物、どこかで見たことがある。
さらに、右腕のヒレからは電撃を放ってくる。
もちろん、その下に生えた触手からもだ。
溜めの動作はわかりやすいので、身構えて回避するのはさほど難しくはない。
「あれ…この攻撃、どっかで見たことある…!」
凛も気づいた。
「ええ…これ、変異したこそ泥の…!」
そう言っている間に、左腕の薙ぎ払いが飛んでくる。
それをまともに喰らえば、壁まで飛ばされることは想像に難くない。
2人は宙返りでそれを回避した。
「こいつ…ひょっとして、霊夢さんたちをくっつけたやつ!?」
「『2人は仲良し』って、そういうこと…?趣味悪いわ」
あおいは鉄球を落とし、骨の塊の先端を狙う。
前と同じなら、あれを破壊すればいいはずだ。
耐久が上がっているのか、一発では骨は壊れなかった。
また、電撃と腕の叩きつけによる反撃をしてきた。
上手くそれを躱して…と言いたいところだが、食らってしまった。
だがすぐに立ち上がって飛び退き、続いてくる攻撃を回避する。
「[斜塔斬り]!」
凛が斜めに斬り上げる。
化け物の体は思ったより硬く裁断するには至らなかったが、それでもダメージは入ったはず。
実際、これによって化け物は怯みを見せた。
その隙にあおいが鞭を振るい、左の骨の塊を攻撃する。
直後に飛んできた電撃を回避しつつ、あおいは鉄球を降らせて骨塊に叩きつける。
同時に凛は斬撃を放ち、右のヒレと触手を斬る。
それでもなお電撃が飛んできたので、結界を張ってガードする。
その後に凛も左の骨の塊を攻撃したところ、破壊することができた。
そうして剥き出しになった肉の部分に、あおいが技を撃ち込む。
「[払技・剛双龍]」
渾身の技を放ち、肉塊を粉砕する。
かくして化け物は倒れた。
「最後は仲良くか…2人は仲良死、ってね」
このあと、3つ目のパスコードを入手した。
部屋の天井から落ちてきたのだが、割れたりもせず、そのまま読み取ることができた。