ハイスクール・フリート 星の下の約束   作:Aa_おにぎり

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一三話

晴風と会合した事は横須賀女子海洋学校にも伝えられた。

真白の姉であり、ブルーマーメイド一等監察官の宗谷真霜が電話で直接母であり横須賀女子海洋学校校長の宗谷真雪に伝える。

 

『艦長・乗員共おかしな様子はありませんでした』

 

立石の発砲事件があったが、特に問題はないとされ、報告はされなかった。

 

「そう、ありがとう」

 

連絡を受けた真雪に真霜が言う。

 

『海上安全整備局にも報告を上げたけどまだ晴風に危険分子がまだ乗船してるいのではと疑っているわ。学校に戻る前に全員拘束するべきではないかとの意見もあるの、これ以上晴風に何かあると、私だけじゃなくお母さんの立場も危うくなるわ』

「私の心配はしなくて良いわ。でも、何か異常事態が発生していることは確かよ。貴女はその解明を急いで」

『分かっているわ』

 

生徒の命を預かる学校の校長として、生徒の問題は解決しなければならない。

しかし、この裏では何かが動いていると思っている。真相究明には時間がかかる可能性があった。

だが、現状で喜ぶべきは晴風への撃沈命令が撤回された事だろう。直近の揉め事を解決できた事に真雪はとりあえずホッとしていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

同じ頃。晴風では修理が終わり、弾薬の補給を終え。明石が離れるところだった。

 

「晴風艦長」

 

杉本はまた明乃の前に現れる。

 

「ここに修理した箇所を記載しておいた」

 

明乃に晴風の修理・補修をした箇所のデータが入ったUSBを手渡した。

 

「ありがとう」

「それじゃ我々はこれで、これから武蔵の補給に向かう」

 

杉本の次の行き先に明乃は驚く。

 

「武蔵……」

 

咄嗟にもえかのあの救援要請の声が脳裏をよぎる。武蔵の場所が分かっているのだろうか……

もし出来るなら今から同行をお願いしようと思っていたが……

 

「まぁ、武蔵もビーコン切っていて位置がわからないんで調査を兼ねてなんだけどね」

「そ、そうなんだ……」

 

彼女の知らないようで、行き当たりばったりな様子だった。

 

「(モカちゃん……どこにいるの?)」

 

そう思いながら明乃は海を見ていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

補給を終えた晴風とモンタナは報告を受ける。

 

「物資の積み込み完了。ヘリコプターの組み立ても完了。晴風の修理完了の報告が…」

「艦長。いつでも出航できます」

「了解。では「艦長!」……?」

 

行き先を横須賀女子海洋学校に向けようとした時、その横須賀女子海洋学校から通信が入った。

内容は、横須賀女子海洋学校の他の艦艇の捜索を願う物だった。

消えた艦艇の中には武蔵やシュペーなど、自分たちに関係のある艦の名前もあった。

現在、ブルーマーメイドおよびホワイトドルフィンが捜索を行っているようだが、学生艦にも捜索援護要請があった。

この命令に取り敢えずサクラはモンタナクラス全員を集めて会議を開いた。

すると意外にも真っ先に反応したのがルイーザとシアだ。ルイーザ曰く『全然働いていない!!』と言う事でドンパチやる可能性のあるこの通信に大いに賛成していた。

シアはシアでなかなか狂気的な発言をした。

 

『あの鼠もどきの剥製を作りたい』

 

真っ先にブルマーに突き出した方が良さそうな発言をしたシアに全員がドン引きをしていた。彼女曰く件のウイルスの解明もできるし一石二鳥でしょ?と意味わからん発言をしていた。だが、モンタナの医療機器は豊富にあるので原因究明にははなるのかと言う事で結果的に捜索に乗り出す事になった。

晴風も、撃沈命令が撤回された事で心に余裕が出来。皆の意見を聞いた後にモンタナと同行する形で行動を共にする事を決定した。

 

「晴風の出航準備完了です」

「よし、こちらも出すとしよう……出航用意!」

「出航用意!」

 

モンタナ、晴風。共に出航準備が整うと行方不明の艦艇の捜索のために四国沖を出発して行った。

 

 

 

 

 

モンタナが出航する直前、平賀に声をかける人がいた。

 

「平賀二等監察官」

「?」

 

声をかけたのはサクラだった。ブルーマーメイドに制服に似ているが、少し違う見た目にそれが生徒であると平賀は認識した。

 

「これを…なるべく早めに閲覧をお願いします」

「はい……っ!?」

 

封筒に刻印された柄を見て平賀は驚愕していた。

 

「これは……どうして貴方が……?」

「Need not to know……ですよ」

 

その雰囲気に平賀は思わず何も言わずに封筒を受け取ると立石の聴取に向かって行った。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

四月一四日 アスシオン島沖

 

ブルーマーメイドの艦隊が消えた学生艦を探しているのと同じように東舞校の教員艦も捜索をしそのうちの一隻が武蔵を発見した。

 

 

 

 

 

東舞校所属 あおつき艦橋

 

「教頭先生、哨戒船より入電です。発五分隊二号船宛旗艦あおつき。武蔵を発見。北緯19度41分東経145度0分で巡行中。無線で呼びかけるも応答なし。ビーコンも反応無しなので電装系の故障でしょう」

 

あおつきの副長が報告をした。

 

「武蔵の位置を横須賀女子海洋学校に伝えろ。……まあ、見つかってよかった。随分と心配しただろうな……生徒との安全確保は最重要だと言うのに、複数同時に実習艦が行方不明になるとは……」

 

そう言い、東舞校の教官は頭を抱えた。

 

「幸い伊201に乗艦していた我が校の生徒達は全員無事に救出できましたが……」

「晴風は教員艦との撃ち合いにもなったと言うし……いったい何が……。いや、何が起きたにせよ。直ちに武蔵の保護に向かおう。哨戒船を呼び戻せ」

「はっ!!」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

同じ頃、とある島では晴風とモンタナはエンジンを切って停泊していた。

理由は立石の事情聴取の為に一時的に停泊をしていたのだ。そこで時間が余っていたのでクラスメイトは自由時間を過ごしていた。

パラセイリングや、カードゲーム。水遊びやバスケットボールをしていた。

 

「こんな事していていいんでしょうか……?」

 

真白がそう呟くと横で明乃が言う。

 

「みんなさるしまの時から緊張していたからいいんじゃないかな?」

「はぁ……向こうでは仕事をしているのに……」

 

そう言いながら少し離れた場所で停泊しているモンタナを見ていた。

 

 

 

 

 

モンタナ艦尾ではUHー1の試験飛行のための準備を行なっていた。

 

「ブレード、固定完了」

「エンジン試運転準備完了」

「艦長〜!ヘリコプターの試運転ができます!!」

 

エリーがそう言うとサクラは確認を取る。

 

「今すぐ、動かせられる?」

「はい、出来ます!」

 

確認を取るとサクラは近くにいた乗員に伝える。

 

「晴風に通信。パラセイリングをやめて欲しい……と」

「はっ!」

 

そう指示をするとサクラはケイリーと共に船内に一旦戻って行った。

 

 

 

 

 

視察を終え、ケイリーと共に船内を歩いていると不意にサクラは変な匂いを感じる。

 

スンスン「ん?なんだこの匂い……?」

「なんで中から潮の匂いが……?」

「え?浸水でもしてんの?」

 

思わず艦内で匂いの元を探し出す。潮の匂いを探っていると着いた先は医務室だった。

 

「……ここ?」

「だね……」

 

すると部屋に中から話し声が聞こえてくる。

 

『ーーだ・か・ら!言ってんでしょう!コイツは剥製にするって!』

『ふざけるな!いい加減その剥製癖は直さんか!!』

『これだから剥製の素晴らしさを解らんど素人め!!』

 

部屋の中で大喧嘩している様子で、一人はシア。そしてもう一人は見知らぬ声だった……

 

「シア〜、何して……ウッ!?」

 

扉を開けると予想外の臭さに思わず鼻を摘んでしまう。

 

「だ、誰?その子」

「ん?ああ、コイツは私の同期の子よ。艦長」

「え?」

「名前は鏑木美波。今は晴風の船医をしているわ」

「へぇ〜晴風の……」

 

幼女を見ながら感心したように言う。すると美波がサクラを見ながら言う。

 

「すまない、少し施設を借りている」

「ああ…うん。シアと仲良さそうで何より……」

「ご、ごゆっくり〜」

 

そう言うと二人は医務室を後にした。悪霊の溜まり場を見た気分で、そそくさと逃げていった。

 

 

 

部屋に残った二人は一旦喧嘩の内容を置いとき、件のウイルスの話をしていた。

 

「海水に反応するウイルス……」

「抗体の目処はどう?」

「目処は立っている。後は実験をやるしか無いが……」

 

美波がそう言うとシアは腕を捲っていた。

 

「実験体ならお任せあれ」

「……この変態め…」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

同じ頃、晴風では真白と明乃が晴風の甲板で海を見ている中、後ろで駿河達が星座占いをしていた。

 

「明石と間宮は着いたかな……」

「え?」

「武蔵の所に……」

 

と言って武蔵の心配をしていた。そんな中後ろでは……

 

「えっと…今月の運勢は……」

「あ、さそり座は九位」

「おうし座は一一位か……」

「まあ、ビリじゃないからいいんじゃない?」

「……ちなみにふたご座は何位だ?」

 

と、真白は聴くと。

 

「一二位、特に水辺では運気が下がります」

「……」

 

やはりか、と思っていると突如水がかかった。

 

「あっ……」

「……ついてない」

 

といって真白は濡れた髪を持ち上げた。

 

「凄い!当たってる!!」

「あ〜心理テストもあるよ宗谷さんやってみる?」

 

と伊勢が進めるが…

 

「やらん!!」

 

と言って着替えに行った。せっかくの話題を誰かに振りたいと思いながら見回すと……

 

「それじゃあ、知床さんやってみる?」

「わたし!?」

 

と、たまたま近くにいた知床に伊勢が進めていた。

 

 

 

 

 

「やれやれ…歓迎会か……ミケちゃんらしいといえばそうか……」

 

モンタナのスキッパーに乗りながらサクラが呟く。サクラは晴風からミーナの歓迎会に招待されていたのだ。

 

「ミケちゃんはパーティーが好きだからなぁ……エリーと気が会いそう……」

 

そんな風に話していると二人は晴風に到着する。

 

「サクちゃ〜ん!」

「ミケちゃん。今日は招待、有難うね」

 

甲板に上がるとサクラは明乃から歓迎を受ける。その後ろで真白が明乃に忠告を入れる。

 

「艦長!しっかりして下さいよ……」

「あ〜、宗谷さん。そう怒らなくて良いよ」

「し、しかし…」

「ずっと息張ってたら疲れちゃうでしょ?」

 

そう言い、真白を宥めるとそのまま招待された二人は晴風の前甲板に集まる。既に集合がかけられ、全員が集まっていた。

 

「あれ?モンタナの艦長さんだ」

「横にいる人は?」

 

晴風メンバーがサクラを見て不思議そうに言う。すると明乃が全員を集めた理由を言った。

 

「あのね、みんな!!今から……ミーちゃんの歓迎会を始めま~す!!」

 

そう言うと晴風メンバーが一斉に拍手をする。それと同時にミーナの前にケーキの乗った台が運ばれてくる。

 

「えっ!?ワ、ワシの?」

 

サプライズに驚くミーナだったが、その内心嬉しかったようで美味しそうに切り分けられたケーキを食べていた。

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