ハイスクール・フリート 星の下の約束   作:Aa_おにぎり

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四三話

七月半ば

 

その日、横須賀市内の超大型ドックにサクラ達は集まっていた。

数日前に行われた期末テストを終え、泣く者や喜ぶ者で溢れる中。モンタナクラスは改修作業を終えた連絡を受けてドックにやって来ていた。

すっかり見た目がより()()()になったモンタナを見ながらケイリー達砲術員が呟く。

 

「砲身が長くなったねぇ……」

「対空砲も減ったよ〜」

「でも瞬間火力は上がったよ」

 

そう言い、モンタナの一二門の砲身を見ながら呟く。

この改装で砲身寿命の近づいていたモンタナは50口径16インチ砲身から、56口径16インチ砲身に換装されていた。コレにより徹甲弾を初速914m/sで叩き出し、射程距離は大和型以上の45,156mである。

昨今の情勢から元々試作で終わっていた物の設計図を引っ張り出して、改良したものを取り付けていたのだ。

 

他にも副砲である5インチ連装砲はオートメラーラ社製64口径5インチ連装速射砲に換装された。

元々、性能試験のために購入した物を連装砲にして、それをモンタナに押し付け……ゲフンゲフン取り付けていた。水冷式の砲身のため5インチ砲弾を毎分32発で発射できる。

対空砲も今までの60口径40mm四連装機関砲の大半を撤去、開いた部分に六基のファランクス、四基のSeaRamが設置された。

甲板も耐熱加工を施され。アスファルトのような見た目に変わり、どこか現代艦のような風貌に変わっていた。

そして何より……

 

「あれがミサイル発射機か……」

 

前までは内火艇やらが置かれていた船体中央部。煙突の間に設置され、第一艦橋とほぼ同じ高さまである四角い物を見ながら呟く。そこに設置されたのはMk.41垂直発射システムである。その数はなんとびっくりあのタイコンデロガ以上の128セルもある。普段は学生が動かしているので満タンにミサイルを積むわけではないが、それでも恐ろしい量を積むことができる。

前まであったMk.143装甲ボックスランチャーは全基撤廃され、撤去された40mm機関砲は新たにボフォース40mm()()()対空砲となって艦尾や残った場所に設置されていた。

 

この対空砲は元々はみんな大好きイギリスで開発されたゲテモノ対空砲だったが、史実では戦艦ヴァンガードしか搭載されなかったと言う過去があった。

そして今回、自動装填装置を搭載して改造した六連装40mm機関砲を合計六つ、計三六門設置し、前とほぼ変わらない火力を残していた。

後部艦橋と前部艦橋を接続し、艦上構造物を一体化させた見た目にどこか無理矢理を感じつつもサクラ達は甲板を歩く。

 

「ほぼ三ヶ月ぶりですか……」

「いやぁ、自分の艦があるって安心感」

「だいぶ変わっちゃったけどね」

 

艦橋に上がり、エマ達は舵を握る。艦橋にはサクラ、エマ、ネル、ルイーザが居た。ケイリーは船内CICに向かっており、ここには居なかった。

 

「あー、この感覚。懐かしいねぇ」

「なんか三ヶ月くらいなのに長く感じるね」

「そうね」

 

艦橋要員がそんな事を呟きながら配置に着き始める。すると艦内電話でCICからケイリーに呼ばれた。

 

『サクラ、ちょっとこっちに来てみて。凄いことになっている!』

「分かった。すぐ行くわ」

 

そう言い、艦橋から船内CICに移動する。部屋の前はカードキーをタッチした後に入る様に設計されており、サクラは事前に渡されていたカードキーをタップすると鋼鉄製の扉が開き、中に入るとそこにはディスプレイやらタッチパネル。地図などを映すことのできる大きなテーブルが置かれていた。

それはまさに現代艦のCICであった。

 

「おぉ……」

 

中には砲雷科の面々がヘッドホンを付けながら待っており、入ってきたサクラを見ていた。

元々、モンタナはアスロック要員が水雷員を務めている。やる事は基本的にパープーンやトマホークと殆ど変わらないのであれだが、主砲要員もここに集められていた。

機関科と主計科以外の人員は此処に集められ、いつでも出航する準備はできていた。

 

「ハハハ……こりゃ此処でなんでも出来るわね」

「そうだね、此処からでも操艦出来るんだもの」

「海賊対策とはいえ、これは凄いな……」

 

サクラがそう言うと、モンタナのクラスメイトは思わず苦笑してしまっていたが、サクラはどうせならとCICから指示を出す。

 

「出航用意!」

「宜候、出航用意!」

 

そうして改装されたモンタナは横須賀のドックから出港する。これから改装後初の訓練を行う事になっている。サクラ達は横須賀の海を出て、訓練場所に指定された三宅島沖まで出航して行った。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

同日

太平洋のとある孤島

 

そこには晴風クラスが集められていた。

 

「傾注!!」

 

蝉の泣き声がよく響く中。古庄教官が晴風クラスのクラスメイトたちの前に出て、集められた理由を説明する。

 

「では、これより晴風クラスの特別実習を開始する!!」

 

すると集まっていた晴風クラスのウチ一人が驚く。

 

「……え!?今日って遊びじゃなかったの!」

 

そう、ポカーンとなっていた西崎が驚いた声をあげていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

数日前

横須賀女子海洋学校 校舎

 

その日、補習が終わった後に明乃は古庄に呼び止められた。

 

「岬さん」

「あっ!古庄教官!」

「ちょっといいかしら」

 

そう言うと二人は後者にあるテーブルに座り、古庄が紅茶を淹れて持ってきた。

 

「どうぞ」

「ありがとうございます」

 

そう言い、二人は紅茶に一口つけると、古庄が聞いた。

 

「新しい艦はどう?」

「えっ?あ、はい!問題ありません。元の晴風と同じ部分が多いですから。みんなも喜んでいます」

「そう……」

 

そう言い、新しい晴風の感想を言うと古庄も少し満足げな様子で言う。

 

「あのー…それでお話って何ですか?」

「そうね、本題にはいりましょうか」

 

と言って古庄は話を始めた。

 

「まあ、話といっても連絡事項のようなものだけど……」

 

と言って内容を話し始めた

 

「晴風クラスには夏休みに特別実習を予定してるの」

「特別実習……?」

「ええ、詳しいことは後で伝達されるけど先にちょっと伝えておこうと思ってね」

 

と言って話が終わった。

 

「……それだけですか?」

「ええ、それだけよ……何か悪いことでも身構えてたの?」

「えぇ!ち、違います私は何も……」

 

と言って古庄が言うと明乃は少しあたふたしてしまった、そんな様子を見て古庄は少し笑っていた。

 

「じゃあさっきの話、軽くでいいから他の乗員にも伝えておいてね」

「はい」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「ーーーそれからそのことが伝言ゲームのように伝わっていって……なぜかどこかで遊びに行くって内容にすり替わったようですね」

 

と納紗が言うと八木が呟く。

 

「私はちゃんと伝えたのに……」

「遊びに行くってのが念頭にあったせいで実習のところをよく読まなかったんだろう……」

 

と言って真白がこうなった理由を考えていた。

 

「しかしなぁー、遊びに行くにはうまく全員揃ってたし、艦を動かすしでおかしいなと思ったんだよね……」

「うい…」

「いや、そこで気付け!」

 

と言って真白が西崎に突っ込んでいると後ろから、時津風の水雷長と天津風の機関長の大谷由美子と加藤小百合が恐る恐る手を上げながら出てきた。

 

「あ、あのー私たち遊びに行くからって誘われちゃって来ちゃったんですけど……」

「ジェニーもいるヨ~!!」

 

そんな二人を呼んだのは西崎と柳原だった。

 

「遊びに行くって聞いたから……」

「旅は道連れてなぁ!」

 

そう言って誘った二人が笑いながら言った。

 

「これどうするんだ……」

 

真白が言っていると後ろから声が聞こえた。

 

「来ちゃったものはそうがないんじゃないんですか?」

 

そう言って茂みの奥から平賀と福内が出てきた。

 

「あ!ブルーマーメイドの……」

「平賀さんと福内さんですね」

 

納紗達はそう言うと、古庄が言う。

 

「二人には今回の実習の手伝いに来てもらいました」

「よろしくー!」

 

陽気に平賀がピースをすると古庄はやや呆れた様子で言う。

 

「さて、情報が上手く共有されていないようなので、改めて今回の実習について説明します」

 

すると晴風クラスに辛い現実を伝える。

 

「Rats事件以降、一時的にではありますが晴風は沈んでしまったため、新たに艦を与えられるまで実習に参加できませんでした。そこで今回、夏休みを利用して特別実習と言う形で穴埋めをする事になりました」

「要するに強制的な補習授業みたいな物ですね」

「ええー!うちらガチの補習終わったばっかなのに!」

 

そう言い、納紗の解説に若狭が頭を抱え、クラスメイトは愚痴をこぼす。

 

「確かに晴風クラスだけ一時的に艦を失ってしまったのは不可抗力……そのせいで補習が増えるのもかわいそうであると言うことで……」

 

すると古庄は一息置くと、全員に向かって伝えた。

 

「無事実習を終えたら明日は一日自由時間とします」

「「やったー!」」

 

次に行った古庄の言葉に晴風クラスは一気に湧いた。

 

「ただし!実習自体は気を引き締めて取り組むように!返事は!」

「「「はい!」」」

「よろしい」

 

と言って古庄が喝を入れた。

 

「では、実習の内容を伝える!」

 

と言って今回行う実習を発表した。

 

「実習内容はこの島を使った、横須賀女子海洋学校オリジナルオリエンテーティング!」

「「(オリエンテーティング!?)」」

 

発表された内容に明乃達は息を呑んだ。初めて聞く言葉に疑問を持つものが多かったのだ。

 

「……えーっと、私たちは何をすればいいの?」

「I don’t know」

 

そんな晴風クラスの後ろで大谷と加藤は疑問に思っていた。




と言うわけでモンタナの大改装終了!と、オリエンテーティング回の始まりでした!
正直、これ書いている時の感想『うわぁ、えっぐいなぁ……』って思いました。
モンタナから一気に湾岸戦争っぽさが消えましたね。て言うか128セルも載せられるかは知らん!!違和感感じたらコメントで言ってください。
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