ハイスクール・フリート 星の下の約束   作:Aa_おにぎり

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五話

『前方より、超大型艦を発見!!』

 

報告を聞いた明乃達は食堂から飛び出し、艦橋に戻る。

 

「超大型艦?」

「何々?また追われるの??」

「そんな事にならなければ良いが……」

 

晴風の乗員は今までに二度も向こうから問答無用で砲撃を受けていた。

今度撃たれればもう艦が持たない。恐ろしい緊張感が艦橋を襲っていた。

 

 

 


 

 

 

「前方に艦影確認!」

「赤い船体ラインと所属番号を確認」

「所属番号Y467……間違いありません。晴風です!!」

 

同じ頃、モンタナ艦橋では前方に映る艦艇を見た。それが捜索目標の晴風であると認識すると思わず大きく息を吐く。

 

「見つかって良かったですね」

「ええ、勘が当たってよかった………砲術長。武装の類は一切動かすな。晴風乗員がパニックを起こす可能性がある。航海長、晴風に停船命令を」

「了解しました」

 

サクラはそう指示を飛ばし、モンタナから発光信号が行われる。

 

 

 


 

 

 

同じ頃、晴風艦橋では納紗が目の前にいる艦艇の諸元と艦名を伝えていた。

 

「モンタナ級戦艦一番艦モンタナ。基準排水量63221t。

全長281.9m、全幅36.7m。主砲は50口径16インチ三連装砲四基一二門で、最大射程は約47000。

その他兵装は54口径5インチ連装砲一〇基二〇門、40mm四連装機関砲六〇門に20mm機関砲四〇門です。……最高速度は28節出ています」

 

艦橋に絶望が広がる。

 

「……なんでそんな艦がここにいるの?」

「モンタナもシュペー同様。アメリカからの留学艦です」

 

納紗の報告を聞き、鈴が泣きながら言う。

 

「もう駄目だよぉ〜……」

「諦めるな!」

 

そんな鈴に真白は叫ぶが…

 

「まともに砲撃して勝てると思いますか?」

「………」

 

砲力、防御力、速力、殆ど全てにおいて負けている現状、打つ手は無いに等しかった。よって納紗の意見は正しかった。

 

『……っ!モンタナから発光信号です!』

「……なんと言って来ている?」

 

緊張した様子で真白が聞くと、野間は答える。

 

『停船信号です』

「停船信号……」

 

真白は考える。今までは向こうから一方的に、何の警告も無しに撃たれていたが、今回は違う。ちゃんと停船信号を送ってきたと言うことは信用しても良いかもしれない。

 

「機関停止……」

 

すると明乃が命令を下す。エンジンを切り、停止すると新たな発光信号が来た。

 

『モンタナから通信。事情説明を求めているそうです。彼方から人員を送ると……』

「分かった」

 

明乃はモンタナからの通信を受諾していた。

 

 

 

 

 

その時、モンタナでは……

 

「本当にいいの?」

 

ケイミーが心配そうな声色で問う。その先には内火艇に乗り込むサクラや複数の人員がいた。

 

「大丈夫、内火艇に何人か乗せるし。何かあれば通信できる準備は出来てる」

「……」

「じゃ、私は行ってくるよ」

「気を付けて」

 

そう言うと内火艇が降ろされてサクラは晴風へと向かう。

 

 

 

 

 

内火艇には三人、ゴム弾の入ったM3短機関銃を持った同級生が一緒に乗り込んでいた。

 

「いい?間違っても誤射はしないで。やったら海に突き落とすから」

「「「了解」」」

 

内火艇で確認を取るとサクラ達は晴風に近づく。甲板から下されたもやい縄と内火艇を結び、サクラのみがタラップを登る。甲板では明乃や、晴風乗員が登ってくるサクラを見ていた。

 

「なんか、ブルーマーメイドの制服みたいだね」

「あれは、サンディエゴ海洋学校の制服ですね」

 

芽衣の呟きに納紗が答える。聞き慣れない学校に内田が首を傾げた。

 

「サンディエゴ海洋学校?」

「アメリカにあるウチと同じような学校ですね。男子部と女子部と分かれていて、実際に軍港の一部にある学校みたいです」

 

納紗の解説に艦橋メンバー達は納得した様子を浮かべていた。

 

 

 

 

 

「サンディエゴ海洋学校女子部所属。モンタナ艦長、サクラ・A・ミヤマ・ファーゴです」

 

敬礼をし。所属と役職、氏名を伝えるサクラ。名前を伝えると、普通は同じ様に所属や氏名を伝える筈だが……

 

「サク……ちゃん……?」

 

明乃は驚愕した表情を浮かべてサクラを見ていた。サクラは明乃が驚いている事に驚いていた。

 

「艦長、一体何を……」

 

真白が注意しようとした時、明乃は思わずサクラに聞く。

 

「もしかして……サクちゃんなの?」

 

そう言われ、驚愕するサクラ。恐る恐るサクラは明乃に聞く。

 

「もしかして……ミケちゃん……?」

「っ!?やっぱりサクちゃんだ!!」

 

嬉しそうな声をあげて、明乃はサクラに飛び込む。その様子に驚愕する真白や納紗、そして内火艇にいた面々。

 

「わぁ〜、久しぶりサクちゃん!!もう会えないかと思ってた〜!!」

「久しぶり……ミケちゃん」

 

聞くとどうやら二人は旧友の様だ。馴れ馴れしく接する明乃に真白が思わず注意する。

 

「艦長!挨拶を!!」

「ああ、ごめん」

 

注意を受け、明乃は改めて敬礼をする。

 

「横須賀女子海洋学校所属、航洋艦晴風艦長。岬明乃です」

「同じく、副長の宗谷真白」

「水雷長の西崎芽衣」

「記録係の納紗幸子です」

 

互いに挨拶を済ませるとサクラは明乃に聞いた。

 

「再会して早々だけど、何があったか。聞かせてもらえる?」

「うん、分かった」

 

そう言うと明乃はサクラを晴風の食堂に通して、卓上にボイスレコーダーを置く。

そしてそこで炊事委員のほまれからコーヒーを貰い、サクラは明乃達から今までに起こった全ての事を聞いた。

 

「ーーーそう、大変だったわね」

「うん。でも、みんなのお陰で助かったの」

 

話を聞き終え、レコーダーをしまったサクラはそう言い、苦労を労っていた。

 

「(しかし……)」

 

労う傍ら、サクラは不審に思う。

 

「(さるしまもシュペーも停船命令も無しにいきなり発砲だと?おかしな話だ……)ちょっと調べてみるか……」ボソッ

「ん?どうしたのサクちゃん?」

 

ポツリと呟いたサクラに明乃は疑問に思うが、サクラは誤魔化した。

 

「ああ、いや。ちょっと考え事をね……」

 

とりあえず誤魔化したサクラは明乃に次の話題を聞く。

 

「それで、救助したシュペーの乗員は今何処に?」

「あ、案内するよ」

 

そう言い、明乃は席を立って医務室に案内する。その様子を眺め、納紗が思わず真白に聴く。

 

「あの二人…どんな関係なんでしょうね……?」

「知らん」

 

真白はその問いにあっさりと答えていた。

 

 

 

 

 

医務室に移動する途中、明乃とサクラは馴れ馴れしく話していた。

 

「あれからどのくらいかしら」

「10年……くらいかな」

「もう、そんなに経つのね……」

 

久しぶりの、まさかの再会に驚いていると明乃はサクラに言った。

 

「あ!そういえばモカちゃんも、同じなんだよ」

「えっ!そうなんだ」

「うん、武蔵に乗っているんだよ」

「そう、武蔵に……」

 

サクラは実にもえからしいと感じていると、二人は医務室の前に到着した。

 

「美波さん」

 

そう言いながら医務室に入るとそこにはベットで寝ている一人の少女と、看病している白衣を着た一〇歳くらいの幼女がいた。

 

「艦長……と誰だ?」

「あ、この人はサク……アメリカ艦の艦長さん」

「そうか」

 

明乃から紹介され納得した様子の美波に、明乃は容体を聞く。

 

「それで、どう?あの人の様子は?」

「外傷はない。脳波も正常……後は、意識が戻るのを待つしかない」

「そっか…ありがとう」

 

そう言い、明乃達は救助された少女を見る。

 

「これじゃあ、話も聞けないわね……彼女の意識が戻ったら、連絡をください。では、そろそろ私は艦に戻ります」

「うん、じゃあね」

 

そう言うとサクラは内火艇まで戻って行った。

 

 

 

 

 

帰り際、内火艇では明乃とサクラの関係をクラスメイトが聞いていた。

 

「艦長、あの晴風の艦長とどんな関係なんですか?」

「ん?ああ、旧友だよ」

「旧友……ですか?」

 

サクラから直接聞き、納得した様子を浮かべていた。

 

 

 

 

 

艦に戻り、録音したボイスレコーダーの内容を流す。それを聞いたクラスメイトは…

 

「これ…本当なの?」

「信憑性は極めて高い。実際、ヘリが戦闘音を検知したのは知っているでしょう?20cm以上の砲弾の着弾音。晴風の主砲は12.7cmよ?」

「「「………」」」

 

サクラの推測に全員が沈黙をする。普通、教官が実弾で生徒を攻撃するなんて有り得ないからだ。しかし、ヘリコプターが収集した情報には20cm以上の砲弾が着水した時の音を確認している。シュペーの砲は殆どが15cm以上だ。よって晴風が砲撃を受けていたことは明白だ。

 

「しかし、何故そんなことを……」

 

ネルが疑問に思うが、サクラは一旦目の前のことに皆を集中させた。

 

「みんなも色々と思うことはあるでしょうけど……だが、我々が今最もすべきことは晴風を本国に送り届ける事だ。上級生が下級生を見捨てるなんてことが出来るかい?

 

そこで、今から私たちモンタナは晴風の護衛をしようと思っている。乗ってくれるか?」

 

サクラの提案にクラスメイトは答える。

 

「……ええ、分かりましたよ。艦長」

「私は艦長の命令に従います」

「常時警戒?腕が鳴るよ」

「下級生を見殺しなんて出来ないしね」

 

と言うわけでクラスメイトの賛同ももらい、モンタナも晴風と同行する事となった。

行動を共にするに当たって艦の通信機器を全て切り、ビーコンも切った。晴風も同様に切っている様で、航路も偽装をしていた。途中の学生艦と鉢合わせない様にするためだ。晴風を無事に送り届ける為に準備をしているととある通信を聞いた。

 

「艦長、広域通信です」

「どこから?」

「分かりません。ノイズが酷く、逆探も使えない状況ですから……」

 

そう言われ、受話器を渡される。耳を当てると雑音に混じって女性の声が聞こえてきた。

 

『ザザッ……こちら武蔵、こちら武蔵!』

「!?」

 

どこか聞き覚えのある様な声を聞き、思い出そうとしていると通信をさらに受ける。武蔵はモカちゃんの乗っている艦艇だ。

 

『非常事態発生、至急救援を!至急救援を!』

「!?」

『現在……北西、……西。……至急救援を!至急救援を!』

 

その声は向こうの通信が切れるまで行われていた。

 

 

 

 

 

「ーーいったい何が起こっているんだ……」

 

通信が切れた後、サクラは頭を抱える。武蔵からの救援要請。これは異常事態だ。超弩級戦艦が救援。もし武蔵が海賊に制圧されたのなら、それは国家非常事態宣言が出る出来事だ。晴風の叛乱は明乃から聞いた話だと教官側のでっちあげと推測できるが、一難去ってまた一難。今度は武蔵の救援と来た。

困惑していると艦橋にエリーが上がってきた。

 

「艦長、晴風の修理の為に人員を送る準備が整いました」

「ああ、分かった。すぐに送ってくれ」

「了解しました」

 

あぁ、何が起こっているのやら……




映画で回収されていない伏線が多すぎるから、原案書いた人がガルパンを終えたら二期をやると思っている。
あぁ〜早く二期が見たいんじゃあ。
円盤の売り上げもSHIROBAKOに勝ってるし、黒字から制作費用はあると思うんだけどなぁ…
そしてちょっとアニメの評価見てビックリしとる。こんなに酷評なのなんで……??
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