ハイスクール・フリート 星の下の約束   作:Aa_おにぎり

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六七話

九月某日

太平洋洋上 横須賀沖

 

太平洋上のとある場所では横須賀女子以外に所属している大和型戦艦の艦長がそれぞれ大和の甲板に集まっていた。

 

「お久しぶりです先輩方。わざわざ大和まで足を運んでいただき……」

 

そこで大和艦長の宮里十海と副長の能村進愛が出迎えると紀伊艦長の千葉沙千帆と副長の野際啓子の二人は言う。

 

「気にしなくていいって〜」

「大和に乗艦する貴重な機会ですしね」

 

すると同じ場所にまた別の二人組がやってくる。

 

「そ・れ・に〜、招くよりも招かれる方がコストが低いもの。こちらは気楽なもんよ」

「みんなの仕事量が増えないのは助かります」

 

そう言う、信濃艦長の阿部亜澄と副長の河野燕の二人。合わせて六人が甲板にて顔を合わせていた。

 

「それにしても相変わらず呉の制服は派手だね〜着るの大変じゃない?」

「あず社長、失礼ですよ」

 

と言って阿部の言葉に河野が注意を入れると宮里は慣れれば大変ではないと答えた。

 

「ふふっ、そうでもないですよ」

 

すると野沢がそんな二人を見ながら呟く。

 

「格好いいですよね、うちの千葉さんならもっと似合うかも……」

「はっはっはっ!私は動きやすい方がいいなぁ」

 

と言って野際の意見に千葉が動きやすい方がいいと答えると阿部が少し年寄りのような言い方をした。

 

「あれか?歳をとると時が経つのが早く感じるやつか?」

「同い年でしょう?」

「でも、私はそんなに早くは感じないな」

 

と言って阿部が反論するが……

 

「あず社長、働きすぎで老化が進んでいるんじゃありませんか?」

「そんなに働いてないって〜」

 

と言って河野の意見を否定した。

 

「そりゃ、私だって寝ずに働けるならいいなーって思うんだけど、遅くまで起きていると専務が寝かしに来るし……」

 

そう言い阿部は河野の方もチラッと見る。

 

「上が休まないと、下の子も休めないですから」

「しかし、寝る気のない奴をよく寝かしつけられるな」

 

と言って尊敬するように河野を見る。

 

「ナイスクエスチョンですよ、千葉さん。私も気になります」

 

そう言って野沢が気になるような言い方で聞く。

 

「うーん……不思議といつの間にか寝ちゃっているかな」

「アレですか?こう……首の周りをトンっ!と」

 

と言って能村はテレビなどでよくあるイメージを言うと千葉が突っ込む。

 

「いや〜、アレはフィクションだろ……仮に落とすことが出来たとしてもその場合、相手に怪我をさせてしまうはずだ」

「だそうです」

「ありゃー」

 

千葉が軽く構えながらそう言うと、能村はやや残念そうに答えた。

 

「それで、実際はどうなさっているのですか?」

 

宮里がそう聞くと、河野は答える。

 

「ただ布団に誘導しているだけよ……きっと、社長が思っているよりも身体の方は疲れているのでしょう」

「そんなことはないと思うけど……」

 

そう言い、阿部は否定するが……

 

「いえ、身体は正直ですから」

 

河野が阿部の意見を否定する。

 

「いいじゃないか!!寝る子は育つ!!はっはっはっ!!」

「千葉さんも毎日よく寝ていますからね」

 

そう言い、千葉を温かい目で見る野際。すると阿部が話題転換をした。

 

「はいはい、それはそうともう横須賀に来ているわけだし、折角なら新しい武蔵の艦長も呼べばよかったよね」

 

そう言い、阿部はここに噂の新入生の艦長を呼ぼうと言ったが、宮里が呼ばなかった訳を話す。

 

「横須賀の生徒は明日の歓迎祭の準備で忙しいでしょうから。競闘遊戯会が終わったら親睦を深める機会を設けたいですね」

「でも、今年はどんな子が艦長をしているんだろう?」

 

野村が興味深く言うと、河野が思い出したように呟く。

 

「そう言えば去年、横須賀の先輩方は言っていましたね。『来年うちに宗谷家の三女が入学してくる』と……」

 

そう言うと、彼女らは一斉に興味深く話し出す。

 

「宗谷家か……ブルーマーメイドの名門家だな」

「三女って言うと……」

「現役ブルーマーメイドの宗谷真霜さんと宗谷真冬さんの妹さんね」

 

そう言い、六人は宗谷家の三女の話題で盛り上がっていた。

 

「去年のブルーマーメイドフェスタで他の横須賀女子の先輩が彼女を見たそうですよ。なんでもブルーマーメイドの方々のお手伝いをなされたとか」

「流石宗谷家の息女……将来有望だと一部の生徒の間では結構有名になっていたと……」

 

そう言い、ブルーマーメイドの名家である宗谷家の話題で盛り上がると、憶測を立てていた。

 

「確か真霜さんと真冬さんも現役高校生時には武蔵の艦長だったよね?」

「となると、やはり横須賀女子の大和級の艦長は宗谷さんということでしょうか?」

 

するとそこで千葉が意見を言う。

 

「さあ、それはどうかな?実際の力量はこの目で見るまでは分からないし、予断を持つ必要はない。

それよりも横須賀と言えば今年の春は結構騒がれたらしいじゃん」

「ラット事件ですね」

「色々と話は聞こえてくるけど、詳細がわからないよね」

 

ラット事件の詳しい詳細は日本政府と米国政府の話し合いで明かされておらず、どんな事が起こったのかまでは知らないのだ。公開されているのは武蔵で異常事態が起こって東京湾に突入する寸前だった。と言う事くらいであった。

 

「武蔵をはじめ、複数の艦艇が被害にあったとか……航洋艦と留学艦が事件解決に貢献したと聞きましたが」

「まさかあの武蔵が被害に遭うとはなー」

「事件解決に航洋艦と留学生艦が活躍したというのもどえらい話ですね」

 

そう言い、千葉達はその航洋艦や留学艦の艦長にも会って見たいと思っていた。

すると阿部がカップを置きながらさっくりと纏める。

 

「まっ、事件の事は兎も角、横須賀の新しい艦長が誰であっても話題には事欠かなそうね。その航洋艦のことも気になるけど、武蔵の艦長に聞いてみれば分かるかな?」

 

「他の艦だし、あんまり話広がらないんじゃないか?」

「ふふっ…楽しみですね」

 

そう言い、六人は九月の大イベントである競闘遊戯会を楽しみにしながらそれぞれ自分たちの艦艇に戻って行った。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

その日、モンタナの艦長室でサクラは無線機を片手に通信を受け取っていた。

この無線は太平洋に展開中の米海軍の潜水艦を経由し、特秘匿無線としてモーリスからサクラの元に直接送られていた。

 

「……」

 

印刷された紙を読むと、サクラはそこである情報を手に入れる。

 

「二週間前に、南シナ海沖でモスボールされていた《海上要塞ユナイテッド・ステーツ》に敵襲……か」

 

地図を見ながらサクラは考える。おそらくこの情報が送られてきたのはアメリカ海軍が動くからだろう。

 

 

 

士官学校の色合いもあるアメリカの海洋学校は非常時には軍に組み込まれ、指揮系統が与えられる。

それにモンタナ含めアメリカ新戦艦級はこの前の改装で旗艦装備を復元し、艦隊旗艦としても機能するようになっていた。船体中央にはMk41ミサイル発射機も設置され、日本で作られたミサイルが投入された。

日本はアメリカからミサイル技術を受け取り、ライセンス契約がされた。副砲も新型の連装速射砲に改装、さらに火器管制システムも全面改修を受け。別艦から発射されたミサイルの操作もすることが出来た。現在、海上要塞は南シナ海から動いておらず。政府は既に第三艦隊と第七艦隊を動かして集合させつつあった。

いつでも攻撃を出来るよう、グアム島にある米軍基地は既に戦闘状態に移行。要塞が稼働すればミサイルを発射する手筈は整っていた。

独立国であるフィリピンだが、安全保障条約を結んでいる影響でフィリピンの管轄海域であっても米軍は手続きなしで軍事行動ができる。移動する基地として建造された海上要塞は16インチ砲に耐えうる、RHA換算で1800ミリの複合装甲を施していた。

 

まぁ、言ってしまうと冷戦期に建造された『どうしてこうなった兵器』である。元々、ウラジオストクやペトロパブロフスク・カムチャツキーと言った太平洋側のソ連・北中国海軍基地に突入して暴れる為に設計された本要塞は冷戦が終結した瞬間に解体が決まっていたのだが。あまりにもデカ過ぎたから解体が遅々として進まず、取り敢えず自然崩壊で事故を防ぐ為に砲身を引っこ抜き、防楯の穴を塞いでその場凌ぎをしていた。

まぁ、維持費に艦隊一個分の予算が持っていかれる金食い虫など冷戦後のアメリカに必要なかった。

 

 

 

 

 

冷戦後は裏でイギリスに占領されたままの国家に武器を流して頻繁に独立戦争を起こし、武器市場に息を吹き込んでいた。そして、アフリカの武器市場を独占しつつあった。その為、世界中のAKがアフリカに集まる珍事も引き起こしていた。

 

アフリカ動乱で一部の国家、特に北部の独立がされたとは言え。南部はまだ占領されたままの場所が多く存在し、アメリカは解放国家としてアフリカ南部に極秘裏に武器を送っていた。これは日本とも共謀しており、ロシアや中国、ヨーロッパで余剰在庫となっていたAKを回収し、それをアフリカ行きの船に乗せて送りつけていた。

 

未だ大英帝国と言うアメリカと並ぶ経済力を有している国家に、アメリカや日本は協力関係にあった。

一時はブルーマーメイド創設に当たり、関係は良好であったが、冷戦が終わり。ソ連と言う強大な力が居なくなったアメリカはその武器の捌け口としてアフリカやインドなどのイギリス植民地を標的に定めた。実際、インドは三〇年ほど前に独立を果たし。オーストラリアやカナダも事実上の独立を果たしていた。

 

元々欧州動乱の影響で手放していた東南アジア地域は日本が権益を握っており、冷戦期は共産化の防波堤として活躍していた。これで残るイギリスの植民地はアフリカ大陸のみとなっていた。

これではEUと対立する形になるが、一国でGDPがEUと互角のアメリカに戦いを挑もうとは思っていなかった。そもそも欧州動乱の際にアメリカから大量に購入した国債の支払いが十年ほど前にやっと完済しだのだ。既にヨーロッパ市場にはアメリカ資本がかなり流れており、それを追い出すのには時間が掛かるだろう。

 

 

 

 

 

「面倒な事にならなければ良いけど……」

 

艦長室でそう呟きながらサクラは通信機を仕舞うと、部屋を出て行った。

 

 

 

この後、あの大事件が起こるとはこの時思っても居なかった……




ブルアカの新ストーリーを読む前
新章来チャァァアアア!\( ‘ω’)/ヒィヤッハァァァァァァァア!!!



ストーリー読後
(੭ ᐕ))ハニャ?FXで有り金全部溶かした人の顔
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