ハイスクール・フリート 星の下の約束   作:Aa_おにぎり

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百姓貴族が面白すぎて腹いたいwww


七話

『艦長!晴風がアクティブソナーを打っています!!』

「えぇっ!?」

 

通信員の報告にサクラ達は驚愕する。

 

「何を考えているの!?」

「それでは誤解を与えるだけだ!」

「ねぇ、伊201はどう動いている?」

 

ルイーザが聞くと返答があった。

 

『現在、伊201は急速に深度を上げています』

 

報告を聞いてサクラは帽子を少し深く被りながら口を開く。

 

「このまま逃げるか…‥攻撃に出るか……」

「そのまま逃げ帰ってもらったらありがたいけどなぁ…」

 

ケイリーがそう言うと聴音から報告が入る。

 

『艦長、晴風が速度を落とし始めました』

「了解…こちらも速度を落とせ。おそらく、ソナーで探知しやすくするためだろうからな」

「宜候、両舷微速前進」

 

晴風の護衛を務めているモンタナは晴風に合わせて速度を落とした。それと同時にサクラはケイリーを見る。

 

「ケイリー、もしものことがあった場合。武器使用自由とする」

「まさか……沈めるの?」

 

ケイリーは思わずサクラを見る。するとサクラはケイリーに答えた。

 

「いいや?追い返すだけで良い。あとはケイリーの技量に期待する」

「…了解、これより私は船内CICに移動します」

 

敬礼をして、ケイリーは艦橋を後にする。その様子を眺めた直後、聴音から報告が入る。

 

『魚雷音探知!方位二七〇度。数二!晴風に向かっています!!』

「来たか…取舵一杯!」

「宜候、取舵一杯!」

 

モンタナ、晴風が曲がると少しズレた場所に大きな水柱が上がる。それを見たネルが思わず口にする。

 

「初手から実弾ですか……」

「殺意高っ!?」

「聴音室、潜水艦の場所は?」

 

サクラが聞くと申し訳なさそうな声が返って来た。

 

『すみません。爆発の音がひどくて見失いました』

「そうか……」

 

報告を受け、ルイーザが望むように言う。

 

「残る魚雷は最大八本、弾切れでこのまま帰ってくんないかねぇ」

「そうだと願いたい」

 

正直望み薄ではあるが、何も思わないよりはマシだろう。

現在晴風は機関の修理中で巡航速度でしか進めない。

 

最も望ましいのは伊201も爆発でこちらを見失い、諦めて帰ること。

最も望ましくないのは伊201が残弾尽きるまで晴風を撃ち続けること。

 

後者にならないようにするために、こちらでも手を打たねばなるまい。

サクラは艦長席から受話器を取って船内のCICに繋ぐ。

 

「……ケイリー、次に伊201が撃ってきたら発射して頂戴」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「全速を出せば振り切れると…」

『だから全速は出せねえつーの!!』

「ひゃいっ!!」

 

魚雷を回避した晴風で、鈴の無茶な意見に柳原が怒鳴り返していた。

混乱の中、明乃は聴音をしている万里小路に聞く。

 

「万里小路さん、今の潜水艦の位置ってわかる?」

『恐れ入りますがもっとゆっくり進んでいただかないと……』

「ゆっくり進んだらやられちゃうよ〜」

 

目視不能の潜水艦に翻弄されていた、その中で明乃は言う。

 

「とにかく今は逃げ回ろう」

 

あくまで逃げることを考えていた此方には撃沈する気なんてないのだから……

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

あれから一時間が経った。

 

『周囲、何も見えません……』

 

見張り所からの報告を聞けばわかると思うが、あれから一回も攻撃はなく目の前にはただ静な海が広がっていた。

 

「あれから一時間、速度差からも十分距離は開いたのかな……?」

「潜水艦もずっと潜れる訳ではないだろう……でも、朝まで油断はできない」

 

そう言い、モンタナでサクラは警戒を解く気はなかった。

 

 

 

 

 

一方、晴風では緊張が緩み始めていた。

 

「何とか逃げられたかな?」

 

この一時間、何も攻撃がなく。彼女達は潜水艦から振り切ったのだと感じていた。

 

「逃げるなら任せて!!」

 

鈴が自信満々で答える。

 

「それって自慢する所ですか~?」

 

納紗が茶化す様に鈴に訊ねる。

 

「こ、ココちゃ~ん」

 

鈴と納紗のやり取りに艦橋は笑い声が満ちた。

 

「万里小路さん。何か聞こえる?」

 

明乃は水中にも何か変化がないか万里小路に訊ねる。

 

『あら、お許しあそばせ。起きておりますわ…』

 

万里小路は船を漕いでいたみたいで、明乃の声で目を覚ました。

 

「ごめんね、こんな遅くまで…でも、もう少しお願い」

『畏まりました』

 

申し訳なさそうに言う明乃に万里小路はもう一息と気合を入れて、ヘッドホンを耳に当てた。

 

「ふわぁ~……ねむぃ…」

「ふわぁ~……駄目だ~…眠い…」

 

普段ならば、もう寝ている時間なのだが、無理をして起きている立石と西崎は大口をあけてあくびをする。西崎の目の下には隈が浮き出ている。

 

眠気で艦橋員の集中力はダダ下がっていると……

 

「そんな、みなさんに杵埼屋特製のどら焼きです」

 

ほまれが夜食の差し入れにどら焼きを艦橋に持ってきた。

 

「どら焼き!?」

 

嬉しい夜食の登場にさっきまで、眠そうな西崎のテンションが上がる。

艦橋員メンバーたちは、ほまれからどら焼きを受け取って食べ始める。

 

「他の部署にはもう配ったの?」

 

明乃が艦橋以外の箇所にもう配ったのかを訊ねる。

 

「はい、艦橋が一番最後です」

 

どら焼きの登場で艦橋の気が緩んでいた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

晴風でどら焼きが配られている時。モンタナでは……

 

「あ〜、美味ぁ〜」

「真夜中のコーラほど美味いものもないね」

「誰か〜なんかお菓子とかない?」

 

艦長メンバーは炊事委員から配られた缶コーラを飲んでいた。

常日頃からどこかに甘味がある彼女らは艦橋にある棚を探していた。

 

「お?あ、あったあった」

 

棚を探していると中からデカいマシュマロの入った袋を見つけ、中身を開けてつまみ食いしていた。

 

「こう言う時は甘いものに限る」

 

そう言いながらサクラ達は甘味を楽しんでいると突如として報告が入った。

 

『魚雷探知!左一二〇、速度三〇!!晴風に向かっています!!』

「機関砲で迎撃!!」

 

深夜テンションに近いノリでサクラは指示を飛ばす。ルイーザも今まで仕事がなかった事に加え、サクラ達と同じく深夜テンションになっていた影響で何の躊躇もなく叫んだ。

 

「各砲、射撃開始!左舷方向の魚雷を吹っ飛ばせ!!」

 

ドドドンッ!

ダダダダン!

ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!

 

ルイーザが叫ぶと左舷側の5インチ砲や40mm機関砲、20mm機関砲が一斉に火を吹く。レーダー照準射撃のため、海面が大きく揺れ、海中スレスレを疾走する魚雷に弾丸が命中し、誤爆を引き起こした。

 

「うひゃあー、凄い!凄いよ!!」

「うぃ」

 

一斉射撃の様子や、魚雷の迎撃を見て芽依や志摩は興奮した様子で見ていた、しかし、真白だけは射撃の様子を見て自分たちにその砲火が向かないように祈っていた。

 

 

 

 

 

同時刻、医務室で寝ていた少女は近くで爆発した魚雷によるお陰で目を覚ます。

 

「な、何じゃ〜!?」

 

モンタナが発射した砲撃の影響で近くで魚雷が爆発。とてつもない振動が晴風を襲った。

 

「ど、どこじゃ?ここは…?」

「大丈夫か?……ふむ、どうやら意識はしっかりしているようだな。ここは横須賀女子海洋学校所属、航洋直接教育艦晴風の医務室だ。私はここの責任者の鏑木美波だ」

 

美波は少女に自己紹介と、ここがどこなのかを彼女に教えた。

 

「晴風……」

 

少女はここが何処なのかを理解すると、自分の名前を言う。

 

「ワシはアドミラルシュペーの副長、ヴィルヘルミーナ・ブラウンシュヴァイク・インゲノール・フリーデブルクだ。だ、だがワシは何故ここに…?」

「覚えていないのか?」

「う、うむ…途中から何があったのか……」

 

困惑した様子の少女を見て、記憶障害が起こっていると判断した美波は詳しい経緯を話した。

 

「シュペーからお前が飛び出してきて、しかもそのシュペーに攻撃されていたのだと聞いている。うちの艦長がスキッパーで出て、気を失っていたお前を回収してきた」

「そ、そうか…世話になった……」

 

その直後、船体が大きく揺れる。おそらく伊201から逃げる為に大きく旋回したのだ。

 

「一体如何なっておる?」

 

乱暴な操艦に晴風に何かが起きているのだと判断したミーナに美波が説明をする。

 

「この晴風は現在、潜水艦に追われている様だ」

「潜水艦!?潜水艦からの攻撃を受けているのか?だが、これは……ええい、此処では埒があかん!わしの制服はどこじゃ?」

「此処に有る。海水で濡れていたが、ちゃんと洗濯し、乾燥機にかけてある」

 

そう言い、美波は机の上を指さすとミーナはそのまま病院着から着替え始めた。

すぐに着替え終えるとミーナは美波に聞いた。

 

「艦橋はどっちじゃ!?」

「案内しよう」

 

そう言い、通路を美波とミーナは走って行った。

 

 

 

 

 

ミーナが艦橋に向けて走っている頃、モンタナの艦橋では……

 

「潜水艦の位置は特定できた!?」

『はい!絶対に当たります!!』

 

サクラはCICに問いかけ、潜水艦を捕捉した旨を聞くと艦内電話を通して叫んだ。

 

「よし……アスロック発射!目標、海中の伊201!撃てぇ!!」

 

艦中央部の元々5インチ連装砲の設置された場所に付け替えられる形で搭載されていた、上下一体一組の発射筒四組を組み合わせた形状をしたMk.112アスロックランチャーから一発のアスロックが発射された。

 

 

 

 

 

「このド下手くそな操艦はなんだ!?艦長はだれじゃい?この船はド素人の集まりか!?」

 

晴風の艦橋に突如乗り込んで来た見知らぬ少女を見て思わずギョッとなる明乃達。その剣幕に思わず納紗は説明をしてしまった。

 

「今、潜水艦と戦闘中でして……」

「そんな事、分かっとる!!」

 

そして、ようやくここで真っ当な質問が真白の口から出た。

 

「……っていうか、お前は誰だ?」

 

真白はいきなり艦橋に殴り込みをかけてきたミーナを怪しんだ。

 

「ん?わしはか?わしは、ヴィル……」

 

ミーナが名を名乗ろうとした時。

 

「あっ!?ドイツ艦の子だよ、目が覚めたんだ!!」

 

と言って明乃が割り込んだ。

 

「いや、それより今は戦闘だ。すぐに……」

 

そこでミーナが潜水艦に反撃の手段を教えようとした時……

 

バシュッ!シュゴォォオオ!!

 

「「「!?」」」

 

真横を航行するモンタナの艦中央部から爆炎と轟音が響き渡る。

 

「何だ!?」

「何あれ!?」

 

爆発したのかと思うと、空に上がっていく物を見て驚愕した。

 

「「「噴進魚雷!?」」」

 

明乃達が噴進魚雷と勘違いしている、モンタナが発射したのは艦載用対潜ミサイル『アスロック』だった。従来の噴進魚雷とは違い、弾頭部に探信儀を搭載しており、目標を探しながが航行することが可能だった。そして今回、伊201に対しそのアスロックを発射した。

 

『目標到達まであと二〇秒!』

 

CICでは秒読みがされていた。事前の実弾を使った訓練では八割以上の命中をしていたが、実戦で使うのはこれが初めてだった。

 

『残り一〇秒!』

「ケイリー!アスロックを自爆させて!!」

『了解!』

 

ケイリーは即座に自爆用の赤いボタンを押し込む。すると海中で伊201を目指していた短魚雷は自爆し、海中に衝撃波を与えた。爆発の余韻は海面にも伝わり、水柱が立つ。

 

「聴音。伊201の状況は?」

『はっ!船体の軋み、圧搾空気の排出音が聞こえるので。急速浮上中と思われます』

 

少しすると気泡と共に伊201がその姿を表す。

 

『伊201より救難信号の発信と応答を探知。現在東舞校の教員艦が30節で接近中』

「よし、晴風に連絡。『我に続け』と」

『了解です』

 

伊201の通信を確認し、ここで捕まる訳にはいかないのでそそくさと現海域を離脱した。




汚くて見にくいかもしれませんが、サクラの着ている制服と、学校の校章です。
航海長や機関長などの役職を持つ生徒は式典などではこの服が絶対着用となっています。

縮尺がおかしかったり、顔は練習中なのでマネキン顔になっています。
いずれはモンタナのマークやサクラ達の顔も描けたら良いなぁと思っています。


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