ハイスクール・フリート 星の下の約束   作:Aa_おにぎり

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七〇話

モンタナクラスの出店でハンバーガーを食べ終えた明乃はまさかの量だったバーガーを簡単にペロリと言ってしまい、おまけにまだまだ食べると言う状態だった。

お金を払って外に出ると、そこには一台のスキッパーが置かれ、周りに写真を撮る人で集まっていた。『触るなキケン』と書かれており、周りには柵が敷かれていた。それは前に演習場でサクラ達が整備していたものとは少し違う見た目をしていた。

 

大勢の人がとっていると言うことはどんなスキッパーなんだろうと思いながら明乃はそのスキッパーの説明文を読んでいた。

 

「Fabulous raging bull……去年のインペリアル500の優勝機であり、史上最速の180節を出した機体……」

「180節……すごい早いね」

 

そう言い、恐ろしく早い速度に明乃達は驚きながら記念で写真を撮るとそのまま帰ろうとした時。明乃の携帯にサクラからメールが届いた。

 

「あれ?サクちゃんからだ。……なんか公園に呼んでる」

「どうしたんでしょうか?」

 

少なくとも初めてのことだと思いながら

二人は指定された公園まで向かって行った。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

時は少し戻り、明乃達がサクラの店に行くまで遡る。

明乃達を見送った後、サクラは公園を歩いているとそこで不思議な少女を見る。

大きなリュックサックを背負い、たこ焼き屋の前で立ち尽くしていた。

その大きさからどこかの旅行者かなと思っていると、その少女は堂々と財布を掲げて財布を振って中身を取り出すが、中には三〇円しか入っておらず、ない袖振れないと言うことで店の前で立ち尽くし、店主も困惑させていた。

 

流石に見ていて可哀想だったので、横で注文を入れる。

 

「すみません、たこ焼き一つ」

「あいよっ」

 

そう言い、代金を渡してたこ焼きを受け取ると。私はその少女に渡す。

 

「ほい、食べな。腹空いてんだろう?」

「…っ!!ワァー!タベルタベル!」

 

思考が追いつくとその少女は嬉しそうにたこ焼きを受け取って目の前で食べ出す。うわぁ、うまそうに食ってやがる。

 

そう思いながらサクラは懐からシガレットを取り出すと口に咥えていた。よくケイリー達から女ボスみたいで似合っていると言われる格好だが、サクラはその少女を見ると、いつのまにかたこ焼きを食い尽くしていた。

 

「早っ?!」

 

その速度におどきつつ、サクラは少女に聞く。

 

「君、名前は?」

 

そう聞くと、少女はたこ焼きを飲み込んだ後に答えた。

 

ゴクッ「ワタシ、スー!」

「スーね……君、親御さんとかは?」

「イナイ、一人デ来タ」

「(一人で……?こんな子供が?)」

 

いくら外国よりマシとはいえ、海外に一人で。しかもこんな10歳くらいの子供が旅行出来ている事に驚かざるを得なかった。

すると、スーはたこ焼きを食べ終えた後、物欲しそうに隣の焼きそばを眺めていた。

 

「……仕方ないか…ちょっとメールしよ」

 

そう呟き、財布を出すついでにサクラは明乃にメールを送っていた。

そして焼きそばを買ってあげた後。近くのベンチで腰をかけるとスーは勢いよく焼きそばを食べていた。あぁ、カミラが見たら嬉しくなる顔だと思うながら自分も買った焼きそばを食べていると、丁度そこに明乃がやって来た。

 

「サクちゃん、どうしたの?」

「あれ?その子は……?」

 

すると真白が見た事ない少女がいると思ってサクラに聞いた。

 

「あぁ、この子はスーって言う子で、さっき知り合ったんだ。ごめんね、いきなり呼んで」

「ううん、全然大丈夫」

「誰ナノ?」

 

そう言い、明乃はスーの横に座るとサクラが500円玉を跳ねて真白に渡した。

 

「ごめん、それでなんか買って来て。ちょっと暑くなっちゃった…」

「あ、じゃあ私が何か買って来ます」

「コーラでお願い。ミケちゃんは?」

「私は良いよ」

「じゃあ、余ったら真白さんが自由に使って」

 

そう言い、真白は恐縮していたが。サクラの押しに負けて余った分は真白が適当に飲み物を買っていた。

戻って来てサクラがコーラ片手に休憩している中、明乃は紹介をしていた。

 

「初めまして、私は岬明乃、ミケって呼んで」

「ミケ!!」

「で、この子はシロちゃん」

「シロ!!」

「それで、あの子はサクちゃん」

「サク!」

 

そうして自己紹介を終えると、明乃が気になった事を聞く。

 

「それにしてもスーちゃん日本語上手いね」

 

確かに、言われてみれば片言だが通じる日本語を話すと思っていると、スーがその理由を鍛えた。

 

「パパに教わった。パパは日本で働いている」

 

そう言うと、納得してサクラは開けたコーラを口にする。するとスーは海を見ながら明乃達に言う。

 

「ココ、イイ所。美味シイモノ沢山アルシ、海ガ近イ」

「スーちゃん、海が好きなんだね」

「うん!」

「スーちゃん、泊まるところはあるのかい?」

「ダイジョウブ!」

 

こう言う時、おそらくその父親が居るのかなと思いながらサクラ達も納得をすると真白と明乃の携帯が震え、メッセージが届いていた。

送り主は、古庄教官からであった……

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

古庄教官に呼ばれた二人は、スーをサクラに任せるとそのまま学校に行ってしまい。残ったサクラとスーは街を歩く事にした。

流石に所持金三〇円では何もできないし、親が来るまでの見守り役としてサクラは同行していた。

アメリカじゃあ、このくらいに歳の子でも一人で出歩かせると捕まってしまうから。サクラは内心ヒヤヒヤしながら見守りをしていた。

 

「サク、アレ何?」

「ん?あぁ、あれはりんご飴さ……あれは明石クラスだな」

 

そう言いながらりんごの洗浄から飴の塗装まで全部自動でやっている機械を見ていると、スーが言う。

 

「アレ食ベタイ!!」

「ん、分かった」

 

正直保護者になった気分だが、ちょっと気になることもあったからスーに同行していた。

サクラは携帯を取り出すとある場所に連絡を取っていた。

 

 

 

 

 

 

古庄に呼ばれた明乃達は職員室の一室で古庄に言われる。

 

「ごめんなさいね、歓迎祭の途中で呼び出しちゃって」

 

そい良い、まずは呼び出した事について言うと、明乃達は呼び出した聞く。

 

「いえ……」

「あの…どう言ったお話で……」

 

理由を聞かれ、古庄は真白を見ると単刀直入に問いかけた。

 

「宗谷真白さん……あなた、艦長をやる気はある?」

「え……?」

「っ!?」

 

まさかの提案に驚くと、古庄はその訳を話し始める。

 

「比叡の艦長が病気療養で暫く休学する事となったの」

「あの…それで何故。私が艦長に……?」

 

するとその訳も詳しく話す。

 

「比叡の艦長、副長。並びに複数の生徒から要望があったのよ。是非あなたを艦長にと……」

「え、でも私は……」

 

すると古庄はタブレットを出しながら、あの初航海時の報告書を読みながら真白に言う。

 

「あなた、入学試験では実力を発揮できなかったみたいだけど。定期考査は学内トップレベルの成績よ。おまけにあの一ヶ月、晴風の副長をやりきった実績もある。急な話で申し訳ないけど、なるべく早めに返事を貰えると助かります」

「シロちゃんが……他の艦の艦長さんに……」

「……」

 

舞い込んできた艦長推薦の話に明乃達は半分唖然となっていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「……えぇ、そうです。宜しくお願いします」

 

寮に戻り、サクラは電話をし終える。あの後、シフトの為。スーに千円札を渡して別れ、そのまま店仕舞いをしていた。

今はエリーが集計をし、今日の売り上げを纏めていた。正直スキッパーレースをイメージした店だったのだが、去年の優勝機を置いた事で恐ろしい人が集まってよく売れたと個人的に感じていた。

ヘリコプターの飛行もうまく行ったし、あとは明日の競闘遊戯会を待つばかりであった。

この後は晴風がやっていると噂になっていた銭湯に行く予定であった。あそこは先生も入りたかったのか夜遅くまでの営業を許可されていた。

 

 

 

南シナ海で海上要塞が占拠されている情報はまだ回っていないようで、ブルーマーメイドによる治安出動の気配もない。

ブルーマーメイドに加入していない国家はアメリカ海軍が代理で周辺海域の行っており、代わりに安全保障条約でその国の港を使用できる権限を持っていた。かつてイギリスが行っていた所謂海賊条約なんて言われた方法だが。アメリカはそれよりもマイルドな方法で、港の使用料は毎年しっかり払っていた。

と言うか条約に払えって書いてないから港の使用料を払わなかったあの国がヤベェって話なのだが……

これと前に話した独立戦争でイギリスから海の傭兵業を奪う用に持って行っていた。おかげで、英国とアメリカの関係はやや悪かった。

 

「……」

 

それに現在、日本はとある理由で入国に制限をかけていた。だから、少しだけ気になったサクラはそこである場所に連絡を入れていた。

親がいるとは聞いているが、少し嫌な予感がしたのでサクラはケイリーに少しだけ言うと寮を出て行った。

 

 

 

 

 

古庄から言われた突然の異動要請に戸惑いを隠せないまま明乃達は公園を歩く。

 

「「……」」

 

二人はいつ言い出そうかとなりながらトボトボと歩いていると、同時にお互いの顔を見ながら言う。

 

「シロちゃ…!」「艦長!」

 

同タイミングで逆に気まずくなってしまう。

 

「どうぞ……」

「ううん……」

 

思わず言葉に詰まってしまっていると、ふと二人は変な匂いを嗅ぎつける。

 

「ん?」

「魚……?」

 

すると空気の弾ける湿気った薪を燃やした時特有の音が聞こえ、その方を向くと……

 

「シロ!ミケ!これ一緒に食べ……」

 

そこには公園で焚き火をして釣ったのだろうか、数匹の魚がこんがりと焼かれている景色があった。

半ば反射的に二人は近くにあった水の溜まっている消化用バケツを持ち出して焚き火に思い切り水をかけて火を消した。

 

「……ゑ?」

 

一瞬の行動にスーは固まっていると、バケツを置いた真白が叫びながら公園の看板を指差した。

 

「ここは焚き火!禁止だーーっ!!」

 

そう言い、指差した先には火気禁止のマークが書かれた看板があった。

 

「スーちゃん、日本語読めなかったんだね……」

「ウゥゥ……何デムリ?」

 

そう言い、スーは魚を刺した枝でバツ印を作りながら真白に聞き返していた。

 

 

 

少しして、燃えていた枝などを完全に消し終え、片付けを終えると。真白が呆れたように聞く。

 

「大体何をしているんだこんな所で……」

「スーはここでゴハン食べてネル!」

 

そう言うスーに真白は聞いた。

 

「ホテルは取ってないのか?」

「ナイ!」

 

まさかの返答に真白は半ば呆れていると、明乃がスーに提案する。

 

「じゃあうちらの寮で泊まるといいよ」

 

しかし、彼女は明乃の提案を却下した。

 

「NO、ココガイイ!海ガヨク見エル!」

「しかし、ここで一人で寝泊まりするのは……」

 

そう言い、真白は防犯上とか色々置き引きとかの心配をするが。ここで明乃が思わぬ提案をした。

 

「じゃあ、私もここで寝るよ」

「えぇっ!?」

 

まさかの提案に真白は首が変な動き方をしてしまうが、スーは喜んでいるようだった。

 

「ホント!ウレシイ!」

 

そう言い、嬉しそうにするスーを見て真白は明乃の提案を呑む形で色々と考えていた。

 

「だとすると寝具が心伴いな。明け方は冷え込むし……寝袋三人分持ってくる。明け方は冷え込むし、上掛けも……」

「シロちゃん……」

 

そんな真白を見ながら明乃は嬉しそうにしていた。何だかいつも通りの光景で嬉しいと思っていた。

 

するとそこでサクラが公園に現れて、思わず明乃を見て聞いた。

 

「ねぇ、なんか公園から煙上がってたけど何か知らない?」

「あっ!サクちゃん!えっと、実はね……」

 

そう言うと、明乃はサクラに事情を説明すると。サクラは理解した上で明乃達に言う。

 

「じゃあ、寝袋とかこっちで準備しておくから。ミケちゃん達はテント建てて置いて」

「うん、分かった!」

「し、しかしサクラ艦長に持たせるのは……」

「良いから良いから。そう言うのはお姉さんに任せなさい」

 

そう言うとサクラはそのまま寮に戻って荷物を取りに行った。

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