ハイスクール・フリート 星の下の約束   作:Aa_おにぎり

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八四話

海上要塞への砲撃を行い、予定通りにゲートを破壊し。煙の上がる海上要塞にホワイトドルフィン艦隊が突入を開始した。

 

「……副長、全主砲に対空弾装填」

「了解」

 

モンタナCICでサクラが指示を出すと、ケイリー達は頷き。準備を始める。

 

「対艦ミサイル、発射用意」

「了解!」

 

そして、ホワイトドルフィン艦隊が要塞に接近する中。モンタナでは要塞が再武装していると仮定しての反撃への対策をしていた。

 

元々、サクラ達の知っている情報では要塞に元々有った主砲は最大で12インチ、最小でも4インチ砲が搭載されていた。

元々旧式となった戦艦の砲身をくっ付けおり、こんなデカブツ誰が買うんだよと思いながら冷戦終結と同時に放置されていた。

なお、入ってきた続報によるとどうやら中に潜入したのは某国の戦争で負けて逃げ延びてきた反政府勢力などの各種武装組織が近辺の海賊を吸収して手を組んだ一種の軍隊の様な物らしい。

 

おまけに内部の装甲は劣化しているとはいえ厚さ1000mmの鉄筋コンクリートを中心とした複合装甲で出来ており、大和型の砲撃でどうにかできるかも怪しいと来た。

ちなみに海上要塞は再利用としてミサイルの海上発射プラットホームとしての活用も検討されたが、費用がかかりすぎると却下されていた。

 

しかし、硬すぎる装甲に発破解体も容易ではなく、どうしたものかと思っていた。わかりやすく言うと、史実で第二次対戦中にドイツ軍が作った高射砲塔の様な扱いを受けていた。

 

 

 

 

 

同時刻、晴風通信室では八木が印刷機から印刷された謎の電波の解析をしていた。

 

「……っ!!」

 

そしてその波形を見た八木はそこで違和感を感じて、艦橋に報告を上げた。

 

『艦長!プラント陥落直後にごく短時間だけど不審な電波探知!』

「ブルマー関連じゃ無くて?」

『周波数が違います』

 

八木の報告を聞き、これは明らかに異常な事で有ると感じた明乃はすぐさま指示を出した。

 

「旗艦へ報告!」

 

 

 

 

 

砲撃を終え、仕事を終えた武蔵艦橋で晴風からの報告が上がる。

既に攻撃が終わり、こじ開けて煙の上がるゲートに横須賀所属のホワイトドルフィン艦隊が接近していた。

 

「ホワイトドルフィンが突入を開始しました!」

 

要塞への突入を行う手筈のホワイトドルフィン艦隊の報告を上げていた。

すると、武蔵に通信があった。

 

「晴風から入電!プラント陥落直後、内容不明の不審電波ありとの事」

「「えっ?!」」

 

するとその直後、要塞の砲郭から砲身が飛び出し、下に仰角をつけると一斉に砲撃を始めた。

 

「要塞から砲撃!?」

「面舵一杯!」

 

想定外の反撃に突入して接近したホワイトドルフィン艦隊からは驚きの声が上がる。

 

「安全整備局に連絡!要塞は稼働状態にあり、本艦は要塞へ突入を行う!!」

「了解!要塞に突入を行います!」

 

今rなんする状況の中、主目的で有る要塞突入を試みるが、さららる問題が艦隊に降りかかる。

 

「ゲート入り口。推定幅14m、高さ25m!」

「この艦での突入は不可能です!」

 

先ほどの砲撃でこじ開けたゲートの穴の大きさでは、ホワイトドルフィン艦隊のあきづき型での突入は物理的に不可能だったのだ。

そして更に悪い事態も起こってしまった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「なんですって!?要塞から攻撃!?」

 

要塞からの反撃の報を聞き、思わず真雪は老松に聞き返す。

 

「武装は破壊したってアメリカは言ってたわよね……?」

「事前情報ではそうでしたが……」

「学生達を行かせるんじゃなかったわ……」

 

要塞の再活性化がされており、そんな危険地帯に戦闘に不慣れな学生艦を行かせた事を後悔する真雪であったが、そこで官僚からの通信が入ってきた。

 

『作戦が失敗しただと?』

「まだ失敗ではありません」

 

真雪は真っ先に否定し、撃つ手はあると言っていたが、官僚は更に続けた。

 

『要塞の武装が生きていて、内部に突入できなければどうやって止めるんだ?』

「戦艦の砲撃で……」

 

要塞への突入が破綻した時点で、今展開している戦艦からの砲撃で足止めするしかない。

日本政府はアメリカ政府と何度も検討をしており、海上要塞を()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のを面子の関係から良しとしない方向で揉めていた。それを知っているからこそ真雪は内心『国家の危機にそんな事をよく言っていられる』と思いながら対処法を考えていると官僚はある提案を持ちかけた。

 

『すぐ近くに内部に入れる船が、あるんじゃあないか?』

 

物理的に入れないのであれば、中に突入できる大きさの艦艇で突入させるしかない。しかし、近場にいてあの大きさの穴に突入できるのは展開中の陽炎型位であった。

 

「……それは学生の艦のことですか?」

『私は特に……何も言ってない』

 

まさか学生を海賊のウヨウヨいる要塞に突入させろと言うのかと思いながら真雪が聞き返す。

 

「はぁ……」

 

しかし、官僚はあくまでも遠回しで提案しただけであり、あとは任せると言った様子でそのまま通信を切ってしまった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「最悪ね……」

 

報告を聞き深刻な表情を浮かべる真霜にもえかがいう。

 

「距離を詰めます」

「向こうも撃ってくるわよ」

 

距離が近づくと言う事はそれだけ向こうの射程圏内に入ると言う事。危険も伴う行動であったが、もえかは続ける。

 

「ホワイトドルフィンががんばって引きつけてくれています。その間に、できるだけ砲弾を叩き込みます」

 

そう言うと、大和型の砲身を挙げ、一斉射で要塞に向かって砲撃を加えようとした瞬間。要塞から攻撃の一報があった。

 

「要塞より、ミサイル発射を確認!!」

「「!?」」

 

偵察中のクラウ達は要塞の屋上から設営された即席レールの上を通ってミサイルが発射されたのを確認していた。

 

 

 

 

 

モンタナCICでは要塞からの攻撃を聞き、サクラは指示を出していた。

 

「要塞からミサイル発射を確認!数五!旧ソ連製Pー15対艦ミサイル!」

「来たか……対空防御!!」

「撃てぇっ!!」

 

そう言い、ケイリーが赤いボタンを押した直後、舷側の対空砲がレーダーで自動迎撃に入り。飛翔するミサイルの迎撃に出た。旧式の対艦ミサイルとは言え、威力は絶大なので迎撃しない訳にはいかなかった。

 

夜空に無数の弾丸が発射され、其れらのうち数発の弾丸が命中し、レーダーから消失した事を確認すると報告を上げる。

 

「敵ミサイル排除!」

「よし……スプライト1に電波妨害を行う様指示を」

「了解!」

 

ミサイルを迎撃したその瞬間、気を抜く事無く次の指示を出す。

 

 

 

 

 

ミサイル迎撃を目視したスプライト1は指示通りヘリコプターからホワイトドルフィン艦隊撤退援護の為につまみを回す。

 

「電波妨害、出力最大!」

「電波妨害、開始します」

 

そう言うとスプライト1から広範囲での電磁波攻撃が行われ、付近一帯のレーダーは真っ白になった。

 

「レーダー室より報告。画面が真っ白になりました!」

「直ちに射撃用意!」

 

するとモンタナから通信があった。

 

「モンタナより通信。『本艦は要塞のミサイル発射機破壊のためにホワイトドルフィン艦隊撤退後に攻撃を開始する』です!」

「了解……」

 

一体何をするのかと思いながらも、艦橋からミサイルを迎撃したのを目視で見ていた真霜は艦隊防空の任を受け持っているモンタナの判断に任せる事にした。

そして、ミサイル発射のお返しと言わんばかりに大和型から砲撃が行われた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「……だ、そうです」

 

武蔵から伝えられた情報を聞き、真白はそこで他にも聞きたい情報を聞く。

 

「現在の位置と予想進路は?」

「こちらです」

 

そう言い、納紗がタブレットにまとめた情報を見せると真白は深刻な表情を浮かべて明乃に言う。

 

「まずいな……六時間以内に到達可能な距離に幅14m以下の艦はありません」

「それって……」

「ホワイトドルフィン、ブルーマーメイド、海軍の全てです……」

 

すると納紗は要塞の進路を見ながら今後起こるかもしれない想定を口にする。

 

「今のままだと五時間でプラントに合流……そうなったら再び奪い返されると思います」

 

すると知床が舵を握りながら思わず呟く。

 

「プラント逃げちゃえばいいのに……」

「どのみち、プラントの速度じゃ追いつかれますよ」

「えぇ……」

 

プラントは元々は民間の保有する艦艇。民間用のエンジンのために出力も抑えられている物だ。

それに対して海上要塞は立派な軍事施設。そもそも出せる出力も、速度も桁違いであった。

要塞からの攻撃、そして先ほど自分達も見たモンタナの応戦とミサイル迎撃。

現在、奪還したプラントは進路を180度回頭して東京湾を目指していた。

そんな戦闘状態の海域を見て、思わず明乃は呟いた。

 

「囮…だったのかな?……もし武装が使える状態で。もし要塞が東京湾に入ったら……」

 

現状、考えうる中で最も最悪な結果を想像してしまい、思わず納紗がやや青ざめた表情で答える。

 

「そしたら首都圏は火の海です!」

 

少なくともあの質量の要塞が首都圏に最大船速で突っ込めば多くのフロートが破壊され、更に砲撃によって被害は拡大し、政府機関が麻痺する事はまず間違いないだろう。

夥しい数の民間人が犠牲になる事は明白であった。

 

「今、湾内にあの要塞を止められる艦はありません。我々で止めるしか……」

 

最悪の状況を想定し、それを阻止するにはここで自分達が止めるしか無い。正直、大和型の艦砲でも足止め程度にしかならないだろう。

元々の作戦ではこじ開けたゲートにホワイトドルフィン艦隊が内部に突入し、艦内にいる海賊を拿捕する作戦であった。

しかし、実際は要塞は再活性化し、更にミサイル発射器が後付けされている始末。まともに接近しようものならミサイル攻撃がされてしまう。

 

どうすれば良いかと考えていると、晴風に通信が入った。

 

『艦長、旗艦から広域通信です』

「読み上げろ!」

 

何か新たな作戦かと思うと八木は通信を読み上げる。

 

『『旗艦武蔵より全艦へ通達。これよりモンタナによる敵ミサイル発射機への攻撃を行う。各員閃光に注意せよ』です!』

「攻撃?」

 

一体何をするのかと思った瞬間。モンタナが一斉射を行い、上空の一二個の砲弾が飛翔していった。

その砲弾を見ながら嫌な予感を感じる明乃達であった。

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