マギアレコードRTA ワルプルギス撃破ルート 真の博愛主義者チャート 作:まっしろたまご
この家に来てから何日か経った。
もっと囚人っぽい扱いをされるのかと思っていたけど、待っていたのは今までよりも数段良い暮らしだった。
朝昼晩と温かくて美味しい食事が食べられるし、誰かに殴られるわけでも、罵られるわけでもない。
外出には付き添いが必要だけど、行き先は制限がない。ソウルジェムに至っては、「めんどいから自分で持っとけ」なんて自己管理ってことになってる。
正直、ずさんすぎると思わない?あたしはいま『暗示』の魔法を持ってるわけで、その気になればアイツのことだって簡単に殺してやれる。それなのになんでこんな待遇なのか。
おやつの甘ったるいホットケーキを食べながら聞いてみた。
「でも、もうあんなことしないでしょ。なら体裁以上に縛る理由もないしね」
なんて呆けた答えが返ってきた。いや、しないけどさ。どーせ止められるし、同じことを2回やったってつまらないからね!
そんな感じで、わりと不自由ない生活を送ってるわけだけど……やっぱりヒマなもんはヒマ。だからまあ暇潰しがてらめいに色々質問してみる。だんだん踏み込んだことを聞いて、何か面白いことがあればラッキーって感じ。
「ねぇ。なんでこんなに良くしてくれんの?」
「なんでってそりゃ、
「でも、あんたがそれをあたしにする義理が無いじゃん」
「あとは、私みたいになって欲しくないってのもあるね」
「意味わかんない」
「今はそれでいいよ」
『普通』の生活。例えばテレビで、あるいはその他メディアで一般的に描かれる生活。優しい両親や信用できる友達なんていうステレオタイプの産物。別に、あたしが普通だとは思っていなかった。けど、瀬奈もいたし毎日はそこそこ楽しんで生きていたつもりだった。
でも、こいつが言うにはそれじゃあいけないらしい。
曰く、「まずは普通を知ってから、この先どう生きるか自分で決めてほしい」って。
「ねぇ、帆奈はこれからどうしたい?」
そう聞かれて、返答に詰まった。前は
でも今は?はっきり言えば何の意味もなく
どうしたものかと眉間に皺を寄せていると、不意にめいが口を開いた。
「そんなに大仰に構えなくていいんだ。例えばさ、明日はあれがしたいとか、今日はあれが食べたいとか。そう言うのでいいんだよ」
「流石に過ぎない?」
「そんなことないよ。事実今、私はサンマを食べたいと思いながら生きてる」
生きる意味や理由ってのは人それぞれだけどさ。流石にそんな感じだとは思わないじゃん?もうちょっとなんか、大義とか夢とか掲げて生きてそうな感じのヤツじゃん。
「…………じゃあ、瀬奈と同じ学校に行きたい」
「いいじゃん」
「瀬奈とどこかに遊びに行ってみたい」
「それもいいね」
「あとは……瀬奈が言ってた店に行ってみたい」
「みことばっかだなお前」
「うっさい」
ひとまず思いついたことを聞き届けためいは、また黙々とパンケーキを食べ始めた。あたしもそれに続いて食べる。けどとんでもなく甘いから休み休み。半分くらい食べたところでギブアップ。残した分はあっという間に食べられた。
めいは食べ過ぎと糖分過多で一切動けないあたしを横目に、テキパキと片付けを終わらせて外行きのパーカーに着替えて引っ張り出される。
「ホラ帆奈。サンマ買いに行くよサンマ。秋の味覚だよ」
「ちょ、待ってよ今動けないんだって」
「うるせうるせ。ほーら行くぞ〜」
結局、有無を言わさず連れ出されて向かったのは商店街の魚屋さん。人数分買って晩御飯に食べたサンマは、まあ美味しかった。
……あの時無理やり連れ出されのはまだ不服だけどね。
▼めいちゃん
パンケーキいっぱい食べてご満悦。お出かけの時は基本萌え袖のパーカー。肌は顔以外出さない。
▼帆奈ちゃん
激甘パンケーキに敗北しダウン。
▼せなみこ
学校に行って帰ってきたら帆奈ちゃんが少し元気になってた。サンマは美味しかった。
▼生きる理由
些細なことでもいい。