最高のOP 最高の悲恋 最高のエヴァ 最高のED
そして、最高の滝行……。
どうしてでしょう……井口さんのことしか覚えていない……。
第二十三話……どうぞ……。
「気を付けてね憂太、五条さん頼りになるけど性格オワってるから」
「終わって……?」
夜もふけってきた頃、僕は今、凜くんに寮を案内されていた。
牢屋から出ることにしたが、学校は明日から通うらしい。
「ここが憂太の部屋ね。とりあえず好きに使って良いから」
「あ、ありがとう鈴月くん」
「どういたしまして、それと凜でいいよ? ボクも憂太って呼ぶし。
あ、これ憂太の制服ね~」
――明日からやっていけるかな……。
「えっと、明日からよろしくお願いします」
「んー? やだね」
「え!?」
拒否された!? と最初から友達作りに躓いてしまった。
だらだらと汗が流れる。
対照的に凜くんはあはは、とケラケラ笑っていた。
「敬語をやめてくれたら、よろしくしましょう!」
「あ……分かった凜くん」
「ん! よろしく憂太!」
何とかやっていけそうだ。
僕が胸をなで下ろすと、凜くんは玄関に戻っていって振り返った。
「ボクは朝から用事かあるんだ。朝ご飯食べたら一人で登校してね。
途中、五条さんがいると思うから大丈夫!」
「う、うん……」
「それじゃ! おやすみ!」
――僕はここで変われるかな……。
「夜蛾さ~ん! お久しぶりです! 挨拶しに来ました!」
ボクは早朝、夜蛾さんのところに訪れていた。
暗い部屋に蝋燭の灯りが揺らめいている。
「凜か、久しぶりだな。おはよう」
「はい、おはようございます!」
夜蛾さんは今日もぬいぐるみをチクチクと。
学長になってかけ始めたサングラスが光を反射している
「元気そうだな。少し見ないうちに背も伸びたか」
「ホントですか!? やった!! ま~だまだ成長期ですよ~!!」
最近、ようやく前世の身長を越えたのだ。
控えめに言って滅茶苦茶嬉しい。
ガッツポーズ。
「はしゃぐのは良いが入学を忘れないで欲しかったな」
「ウッ、すみません……」
「ふッ、冗談だ」
――絶対冗談じゃないよねッ……!
夜蛾さんには色々と迷惑を掛けているから申し訳なさが酷い。
任務も此方の都合という、気まぐれで受けたり受けなかったり――
我ながら自分勝手が過ぎる。
――だって、そんなにお金いらないんだもん!!
呪術師は正直とても儲かるお仕事だ。しかし命がデンジャラス。
だから出来るだけ任務は受けない。
なぜならボクは放浪するだけのお金だけ稼げれば良いから。
「あッ、あの……え~っと、あはは~」
「――凜、入学おめでとう。随分大きくなったな」
――……!!
「青春の時間は大切にしなさい。
無駄に使える時間はないのだから――知っているだろう?」
「……はい!」
なんだかんだ優しい夜蛾さん大好き。
今度から少しだけ任務を受けてあげよう……多分。
「そうだ。乙骨憂太のことだがよろしく頼む」
「えぇ、もう友達ですよ」
「あぁそうだ、折本里香が暴走したときは君と悟が対処することが上層部で決まった」
「え、それは聞いてないですよ!?」
――さては五条さんボクを高専に戻すために勝手に!?
「おのれ五条悟ゥ……!」
「まぁなんだ、仲良くやってくれ……」
五条さんは後でシメる、と固く誓う。
どうやらメールで言っていた超重要とはこのことだったらしい。
教師になっても変わらないところにムカつく。
「はぁ……分かりました。何とかしますよ……」
「そうしてくれると助かる」
「それで朝から呼び出したのは何の要件ですか? 上層部(しがらみ)ですか? 帰りますね?」
「……上層部からは“卒業したら高専所属の呪術師になれ”、だそうだ」
――コレ何回目だよ……。
ボクはフリーランスで呪術師をやっていた。
高専所属の呪術師は任務に忙殺されてしまうのを嫌った結果だ。
金銭的援助する代わりに呪術師になる約束はしたが、高専所属になるとは言ってない。
「返答はいつも通りでお願いします。まぁ高専生のうちは多少任務を受けますよ」
「分かった、いつも通り拒否されたと伝えておく」
「それじゃ、ボクは戻りますね~」
ギィィ、と扉を開けると光が差し込む。
さっさと憂太に合流しよう。
すると後ろから――
「凜、君は呪術高専に何しに来た?」
「ん?」
――呪術高専に、何をしに……。
「――幸せになるために!」
「合格だ、いってきなさい」
「はいッ……!」
「転校生を! 紹介! しやす! テンション上げて! みんな~!!」
「「「……」」」
「あげてよ……」
教室には三人の生徒と一人の教師。
教師のテンションに付いてくる生徒はおらず、しら~っとした雰囲気だ。
ものすごく冷めた空気が漂う。
「随分とがった奴らしいじゃん。
そんな奴のために空気づくりなんてごめんだね」
「しゃけ」
「……まぁいっか。入っといで~!!」
ガララッ……。
入ってきたのは白髪の少年――つまりボクなんだが。
教室にズシン! とした濃い呪力が満ちる。
「「「ッ……!!!」」」
二人と一匹の生徒に緊迫感が走る。
五条さんはニヤニヤと笑っているが……。
「初めまして乙骨憂太です! 趣味は同級生をロッカーに詰めること! よろしく!」
――フッ……決まった……!!
「違うよ!?」
「あ、ホンモノ憂太」
教室のドアからひょっこりと憂太がツッコむ。
どうしてだ……冷めた空気を暖めようとしただけなのに……。
「解せぬ」
「じゃあオマエ誰だよ……」
「あ、ボクは鈴月凜! よろしく!」
「ッ! ……オマエが……」
ポニーテールの少女にもツッコまれたので、いい加減自己紹介をしておこう。
なんだかボクのことは知られているようだが。
――というか……。
「憂太もそろそろ入っておいでよー」
「あ、うん……」
固まっていた憂太が教室に一歩――踏み出した。
踏み出した途端、ボク以上の悍ましい呪力が辺りを包み込んだ――
『あ“?』
ぞぞぞぞぞぞッ……!!!!
今日も今日とて、憂太の側に這いよる怨霊――里香ちゃんは絶好調のようだ。
彼氏の安全第一が守れて偉い偉い。
「えっと、乙骨憂太です。よろしくお願いしま――」
ドン!! とした衝撃で、憂太の言葉は最後まで続かない。
三人の生徒たちが戦闘態勢に入って、一人が威嚇攻撃をしていた。
顔の数センチ横に大刀が突き刺さっている。
彼の言葉尻も黒板とともに断ち切られてしまったようだ。
「さっきから……コレなんかの試験? おい、オマエ呪われてるぞ――」
「あちゃー」
「ここは呪いを学ぶ場だ。呪われてる奴が来るところじゃねーよ」
――憂太に攻撃しちゃったかぁ……。
――離れとこ……。
「日本国内での怪死者・行方不明者は年平均一〇〇〇〇人を超える――」
五条さんが解説し始めた。
というか、説明してなかったのかと呆れる。
人の負の感情が折り重なって発生する呪いの被害。
ここはその呪いを祓うために呪いを学ぶ、東京都立呪術高等専門学校。
それが、ボクらの通うカースアカデミアだ。
「あ、凜みたいに離れた方がいいよ」
「「「???」」」
ズルルルルッ!!
辛いイジメに泣く彼の――涙背負って呪いの始末――
いつもドロドロ乙骨くんの隣に這いよる怨霊――
這いよれ!里香ちゃん即参上!!
『ゆう“だを”を“を”!! いじめるな!!』
「待って! 里香ちゃん!」
~ 里香ちゃん這いより中 ~
「SAN値がピンチ……」
「ってな感じで彼のことがだーい好きな里香ちゃんに呪われてる……
乙骨憂太くんでーす!! 皆よろしくー!!」
里香ちゃんにボコられた生徒たち。
乙骨くんに攻撃すると、彼女の呪いが発動したりしなかったりする。
五条さんが説明し、次に同級生の紹介を始めた。
呪具使い――禪院真希、特殊な武具を扱うポニテの少女 「……」
呪言師――狗巻棘、語彙がおにぎりの具しかない白髪の少年 「こんぶ」
そして――パンダ、しゃべるパンダ 「パンダだ、よろしく頼む」
「とまぁ、こんな感じ」
「一番欲しい説明なかったって思ったでしょ! 思ったでしょ憂太~!」
「え!? いや、あの……」
慌てて取り繕うとする乙骨と、あははと笑うボク。
因みにパンダのことは夜蛾さんから聞いていた。
けれど会ったのは初めて。間が悪くて会ってなかったのだ。
「さぁこれで、一年も五人になったね! 午後の呪術実習は二人組のペアでやるよ!」
――……余るよね?
「棘・パンダペアと真希・憂太ペア。凜は補助ね」
「「ホワイ?/げっ!」」
仲良くなる暇などなく。
ボクたちの呪術実習が始まったのだった。
~脱サラとフリーランス~
「久しぶりです七海さん!!」
「えぇ、お久しぶりですね鈴月くん」
七海さんが脱サラして呪術師に戻ってきたらしい。
今日は一緒にご飯を食べる約束なのだ。
「なんか……社会の歯車みたいな雰囲気になりましたね!」
「社会の歯車でしたからね」
「いつまで経っても、働かずにお金が欲しいですね~」
「はい、労働はクソですから」
――
「いっぱい、愚痴聞きますよ」
「いいえ、そこまで君に頼るほどではありませんから」
「じゃあ五条さんへの愚痴を聞くついでに、聞かせてください」
「……それは、お互い長くなりますね」
端から見ると凸凹な肩ならベ。
けれど、確かにボクたちは肩を並べながら、笑って歩いていた。
「あ、金欠なので奢ってくださーい!」
「……」
後から来た五条さんに奢ってもらった。
内緒にしてたのに何故バレた。
どもっす!<(_ _)>
N島ジュン太郎です。
フリーランスで呪術師やってた凜くんなのでした!
金欠一級術師ですね!
そして休日は投稿お休みなのです。
また月曜日に会いましょう!
気軽に感想をどうぞ! 作者は泣いて喜びます!