おいばかやめ(ry
〈Attention!!〉
書き溜めがなくなりました!次の投稿まで空きます!
あとちょっとリアルが忙しいので!
第三十一話 “闇に抗う日常” どぞ!
「夏油様、どっか行くの?」
「あぁ、ちょっとね。落とし物を届けに行ってくるよ」
「凜にぃのところ?」
「いや、今回は別件だよ、美々子。逆に凜くんがいたら困るかな……」
梅雨が明け、太陽が燦々と眩しい七月の昼下がり。
にじみ出る汗を拭いながら、ボクらは今日も訓練に励んでいた。
「憂太が高専に来て三ヶ月か。かなり動けるようになったな」
「しゃけ」
「性格も前向きになったよねぇ」
グラウンドの隅で憂太と真希の模擬戦を眺める一年生ズと五条さん。
今ちょうど憂太がシバかれたところだ。
――今の憂太の課題は。……ウーン、苦手な体術につられて呪力コントロールが上手くいってない。つまり……
「……戦闘と呪力コントロールを別々で考えてて上手く動けてない感じかな」
「そうだね、凜。まぁでもそこは慣れだと思うよ」
「流石、先生役は厳しいな。上野のパンダだってもうちょっと優しいゾ」
「……それ、どうツッコムのが正解?」
パンダのよく分からないボケを適当に流しつつ憂太へのアドバイスを考える。
意外とちゃんと先生役を熟しているのだ。
「すじこー」
「確かに、真希も楽しそうだ。今まで武具同士の立ち合いってあんまなかっ……」
「……どしたの、パンダ」
そのとき、パンダに電流走る――
「憂太ァ!! ちょっと来い!! カモン!!」
「うるさっ」
「どうしたの、パンダくん」
唐突に、大声を出して憂太を呼ぶパンダ。
只でさえ夏の日差しが厳しいのだから、一番暑苦しい奴が叫ばないで欲しい。
訓練を中断して近寄ってくる憂太に肩を寄せるケダモノ。
「超大事な話だ! 心して聞け!
……オマエ 巨乳派? 美乳派?」
――話が変わった。
「憂太の癖、気になります。ボク」
「凜くん!?」
ソレは確かに超大事な話だ。
ここでノラねば男として無作法というもの。
「あんまり気にしたことないんだけど……」
「「ふんふん」」
「人並みに大きい方が好きかと……」
「「ほっほーう」」
なるほどなるほど。とても健全だと思います。
因みにボクは美乳派。
コソッと憂太に耳打ちしておく。等価交換って大事。
「真希!」
「あ?」
「脈ありデース♡」
――セクハラでは……?
――パンダだから関係ない……? ……え?
パンダが真希にセクハラかまして喧嘩が勃発する。
ワシントン条約がなんとか……。
セクハラをしたパンダが悪いので、ボクは加勢に入らず見学。
「はーい、集合。そこに二人は引き続き鍛錬して貰って。
棘、ご指名だよ。君に適任の呪いだ。ちゃちゃっと祓っておいで」
「しゃけ」
「ご指名……」
「棘は二級術師。単独での活動も許されてんの」
「へぇ~すごいなぁ」
五条さんが棘に任務を持ってきた。
呪言師が適任の呪いとなると、大方予想が付く。
――これは憂太が見学に行く流れかな。
「憂太も一緒に行っといで。棘のサポートだ」
「サポート……」
「っていうより見学だね。
呪術は多種多様。術師の数だけ祓い方があると思っていい。棘の“呪言”はその良い例だ。しっかりと勉強しておいで」
棘の“呪言”は、呪力を篭めた言霊を放つものだ。
日常会話が全ておにぎりの具で構成されてる理由が分かれば、憂太ももう少し棘と仲良くなれるのではないか、と思う。
――ボクも着いていこうと思ったけど、仲良くなるなら二人きりの方がいいよね。
憂太へのアドバイスは帰ってきてからにしよう。
実践での動きが鈍ってもいけない。もしかしたらなんてこともあるし。
今は二人の友情が深まることを祈っておこう。
翌日――夕方の訓練帰り。
夕日を背にして、寮へボクと憂太は並んで歩いていた。
汗をかいた学生の帰り道なんて、まるで青春の一ページだ。
「えっと呪力を流すんじゃなくて、呪力が流れて全身を満たすように……」
「うん。あくまでボクのイメージなんだけど。
“呪力を流す”というのは間違いではないんだけど、ボクはこっちのイメージの方がしっくりくるんだ。えっと、インテリゴリラが言ってたのは――」
「……インテリゴリラ?」
「――“俺達は、全身全霊で世界に存在している”……だったかな」
「なんだか、凄い言葉だね」
言葉を借りて脳裏に喧しい奴が浮かぶが、すぐ忘れようと努める。
アイツが賢いことは認めるが、イカレ過ぎてるから頭痛がするのだ。
……女の好みも合わないし。
――今度会ったら殴ろう。……よし、忘れた。
「憂太の膨大な呪力量を考慮すると、このイメージの方が動きやすいと思う」
「流して満たす……」
「上手く出来る様になれば、呪力量に裏付けられた呪力強化で攻撃も防御もマシマシに出来るんじゃないかな」
「なるほど! ありがとう凜くん!」
「どいたま~」
「どいたま?」
どういたしまして。略して“どいたま”だ。
まぁそんなことはどうでもよくて。
思っていたよりも憂太の成長スピードが速くてビックリしているのです。
追いつかれないようにボクも頑張らなきゃ。……隠し球はあるけど。
「あと今日の訓練で思ったんだけど、凜くんの呪力ってなんだか硬い……?」
それは呪力特性だね。ボクの呪力は異常な高密度でさ。それの副次的効果で呪力効率や攻撃威力、防御性能の向上があるんだ」
「す、すごいね……」
「ボクからすると憂太の成長スピードの方がすごいと思う。というか呪力強化で攻撃と防御は同じようなこと出来るでしょ」
まぁ、隣の芝生は青いってやつだろう。
ボクには十年分の研鑽と経験があるのだ。
というか呪術師の実力なんて比べて競うものじゃない。だって死と隣り合わせの仕事でそんなことしてる暇なんて無い。お互い協力し合って、実力を高め合う方がよっぽどいい。
――だから憂太が死なないようにキッチリ教え込まなきゃね。
「はい、よーいスタート」
「え!?」
「憂太爆速成長RTA並に速攻で強くしてあげるよ」
「……え!?」
理解出来ない単語と遭遇するとテンパるよね憂太。
そして、いつも笑って誤魔化すボク。
公共で特定界隈内の言葉を使うのは、面倒くさいおじさんになっちゃうから止めような!おじさんとの約束だぜ!
……ということ第四の壁を破って言ってみたりして。
「は!? 電波少年だった、今!」
「えーっと……凜くん?」
「ん~ん! なんでもない!
話は変わるけど、昨日の任務は大変だったね」
「あ、うん。狗巻くんがいてくれて助かったよ」
昨日、棘との任務は予定外の準一級の呪霊が発生したらしい。
聞いた話によると、何者かが帳を二重に重ねていたとか。
何者かの帳に、予定外呪霊。……となると誰の仕業なのか大方予想は付く。
――なぁにやってんだぁ? あ~の人は……。
無駄に不安にさせてしまうから、……言わないでおく。
明らかに憂太と棘を狙った威力偵察。
いや、憂太と里香を狙ったという可能性の方が高い。
「準一級くらい楽勝になってくれないと困っちゃうなー」
「うっ……頑張ります……」
「あはは、冗談! すぐ祓えるようになるさ!」
――夏油さんも困ったものだ。
――ホントに憂太爆速成長RTAを慣行したくなってきたなぁ……。
突然の兄貴分の蛮行に、頭を悩ませる。
そうして二人で歩いていると、気付けば高専寮に着いていた。
「ふ~、着いた着いた。
取りあえずシャワーを浴びたら夕飯は皆でどっか食べに行こうよ」
「うん、そうだね。何食べたいか僕も考えとくよ」
夕飯の話をしながら寮の扉を開けると――、
「おう、オマエら。……“熱く”、なってみないか」
寮の扉を開けると、
……口髭の剃り残しが特徴的な強面の男がいた。三分割するように切れ目をいれた眉毛を浮かせて、不敵に笑って立っていた。
「金ちゃん、それバカっぽいからやめな?」
「うるせっ」
そしてもう一人。
口元に四つのピアスをした……、女装した男がツッコんでいる。
「……って、何のようですか。先輩方?」
「姉妹校交流会に出ないかって話だ。
人数が足りなくてな。あと二人、必要だからオマエら出ろ」
「依頼じゃなくて強迫になってますよ……」
――出ないかって言ってたのに、出ろになってる……。
「どうでも良いだろ、そんなこと」
「えっと、凜くん。この人たちは……?」
「あぁ、憂太は二年の先輩まだ知らないっけ」
出だしのインパクトのせいで紹介するのを忘れていた。
戸惑ってオドオドしている憂太に二人の先輩を紹介する。
「男の方――秤金次先輩。
ボク昔パチンコに連れていかれたから気を付けて」
「まだ根に持ってんのかよ……」
「女の方……と見せかけて男の方――星綺羅羅先輩。
“はにゃ?”とか言う人」
「言わないし!?」
「ははは……。乙骨憂太です。よろしくお願いします、先輩」
よし、自己紹介終わり。
癖のある人たちだけど、いい人たちだ。
憂太も是非仲良くなって欲しい。
「話を戻すがオマエら交流会に出ろ。二人、人数が足りねぇんだよ」
「三年が0人、私たち二年が二人の東京校。三年が一人、二年生が三人の京都校。だから凜ちゃんと憂ちゃんに出て欲しいんだよね」
「憂ちゃん……」
――……おや? これで憂太のレベルアップが図れるのでは……?
「えっと、姉妹校交流会って何です――「出ます」――……か?」
「よし、決まりだな」
「えぇ!? 凜くん!?」
――これが“憂太爆速成長RTAチャート”じゃいッ……!
驚く憂太を尻目に、姉妹校交流会の切符をつかみ取るボク。
世界一熱い賭博師――秤金次。
ラブの宇宙飛行士――星綺羅羅。
放浪一級術師――鈴月凜。
そして……異能の卵――乙骨憂太。
こうして、憂太は姉妹校交流会の説明もなしに、参戦が決まったのだった。
「九月の交流会までみっちり鍛えてやるよ」
「ふふ……熱いね、金ちゃん?」
「逆にシバき回してあげますよ! 先輩!」
「だから、交流会って何……!?」
~訓練 vs秤金次~
「この領域、眼がチカチカする」
「凜、オマエは“運も実力のうち”だと思うか?」
「……これパチンコ、ですか?」
「質問してんのは俺だぜ?」
領域展開――座殺博徒。実在のパチンコ台をモデルにした領域。
領域の必中効果にて強制的にルールを把握させられる。
「……面白い領域ですね」
「おい、聞いてんの――「質問の回答ですけど……」――……」
煌めく賭博熱に焼かれるなかで、ニヒルに笑う。
「“運も実力のうち”……とか言ってるうちは
「ハッ! 分かってんじゃねェか!」
「領域展開――黄昏之帰炉」
ボクも掌印を結んで自分の心象を解放した――
~パチンコに連れて行かれた凜~
うるさ過ぎる店内。数多く立ち並ぶ台。それぞれの夢を賭けるギャンブラー。
チュイン!チュイン!チュイン!チュイン!チュイン!チュイン!
「うるさっ……」
「凜、オマエも“熱”に浮かされてみないか?」
「耳が痛いので帰っても――」
「はい終わりでーす!!」
「ちくわ大明神」
「――良いですか?」
「「………………誰だ今の?」」
どもっす!<(_ _)>
N島ジュン太郎です。
読了!感謝!
知らぬところで“凜にぃ”とか呼ばれる凜くん。家族がふえるよ!
なお、原作だと輪切りどころではすまない美々菜々。拙作ではどうなるか知らぬ。
そして、呪術0編だと言ったな。これより交流会に寄り道をする!
あと京都校の方でオリキャラを一人出します。
次回の投稿まで空きますが、待っていてくれると嬉しいです!
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