教祖様になっちまったぜ   作:アルピ交通事務局

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日常回って大事である


雨上がりの午後と豪雨の夜

 

 6月になった。

 雷門中は衣替えの時期がやってきたのだが、やっぱりアレだよな。制服って暑苦しいとこあるよな。稀に私服ありの学校とか羨ましいと思う。いや、制服とかが大事なのも分かるけども

 

「29,30………3セット完了、今日はコレで終わりだ」

 

 6月と言えば……梅雨の時期である。

 今頃はフットボールフロンティアの全国大会が行われているのだろうが、生憎な事に今の俺には関係無い話だ。それよりも目の前の問題……梅雨をどうにかしねえといけねえ。

 

 6月と言えば梅雨の時期、雨の季節だ。

 サッカーは室内でやろうと思えば出来るけれども基本的には外でやる競技だ。雷門中サッカー部の練習も40分のロードワークからリフティング、簡単なミニゲームと色々とやっているのだが……まぁ、残念な事に雨で大体が出来ないのである。

 

 イナズマイレブンGOだと雷門中のサッカー部は専用のフィールドがある。

 ご丁寧に屋根付きで雨風を気にせずにサッカーをする事が出来たが生憎な事に今はイナズマイレブンの時代、まだサッカー部として活動を認知して貰うことが出来ていない時代である。

 

 雷門中は部活動が盛んなマンモス校だ。

 陸上部や相撲部等の様々な競技があり……一部の外で行うタイプの競技は校舎を使っている。廊下を走るとかそういうのはしてない。重りを背負ったりして1階から屋上に続く最上階まで歩くという筋トレとかしている。

 

 俺達サッカー部はと言うとバスケ部や卓球部の邪魔にならない様に体育館の校長とか教頭とかが立つ場所で筋トレしている。

 ロードワークとかボール回しとか色々とやりてえんだけども、梅雨の名に恥じぬ豪雨。雨の中で部活動をしていいけどもロードワークとかするなよと冬海の奴が言ってきやがったので出来ない。雨の日はオフになる……残酷だが仕方がない事だ。

 

「円堂、俺もう1セットやってていいか?筋肉にかける負荷が足りねえ気がするんだ」

 

「いいけど、程々にしとけよ。サッカーに不要な余計な筋肉鍛えすぎてサッカー出来なくなるとか笑えねえんだから」

 

 練習メニューを淡々とこなして今日の基礎練習が終わる。

 ボールに触れる事が出来ねえからコレが限界なのだが、染岡がもう1セットやりたいと言ってくるので許可するが鍛えまくって別の筋肉付けたりしたらアウトだぞ。

 

「図書室で筋肉の本を読んできた。股関節とか重点的に鍛えねえと……じゃなきゃあの女にゃ勝てねえ」

 

「そっか……無理すんなよ」

 

 ウルビダが現れると言った予想外の出来事で染岡達の心が折れるかと心配したが折れなかった。

 上には上が居るのだと痛感し、天狗にならない様にさらなる精進をするようになってくれた……がコレもコレで問題だ。練習のし過ぎも良くないことだ、オーバーワークで体を壊せば洒落にならない。休むのも訓練だが…………何れは世界を目指す。

 

 原作のジェネシスより世界のサッカー選手は強い。

 アジア予選がアレだったかもしれないだけかもしれないがEUとか南米が本格的に参戦するFFIの本戦のリーグ戦に出てくる連中は確実にジェネシスよりも上だと思っておかなければならない……天馬達は日本一の次は未来人と超能力者を相手にして最後には宇宙人を相手にする何処の涼宮ハルヒの憂鬱だってツッコミたくなるが……まぁ、天馬達ならばなんとかなるだろう。

 

「って、雨上がってきやがった。ざけんなよ」

 

 家に後数分で辿り着くって頃に急に雨がピタリと止んだ。

 天気予報では今日一日は豪雨とか言っていたくせに、やっぱり天気予報は当てにならないな。どうせならばもっと早くに雨がピタリと止んでほしかったのだが……ちくしょう

 

「ただいま〜」

 

「おかえり。今日は早かったわね」

 

「雨の季節だから外でするタイプの練習が全然出来ないんだよ……雨が急に止んじまったけど」

 

「あ、じゃあ買い物に行ってきてくれないかしら?夕飯をお好み焼きにするから八百屋でキャベツを買いに行ってほしいのよ」

 

「また随分とえらく初歩的な物を買い忘れてるな……1個あればいいよな?」

 

「ええ。寄り道しちゃダメよ」

 

「しないってば……」

 

 制服から私服に着替えた後に母ちゃんからキャベツの代金を貰う。

 レシートもちゃんと貰ってこいと言ってくるが、八百屋なのでレシートじゃなくて領収書を貰うんだろうな。

 

「うわ、日差しも入ってきやがった」

 

 稲妻町の商店街に向かっていると日の光が入ってきやがった。

 マジで梅雨なら梅雨らしく最初から最後まで雨になってろや。途中でピタリと雨が止むとか冗談抜きでやめろや。サッカーしないとサッカー出来ないのとじゃ段違いなんだよ。

 

 入ってきた日の日差しに苛立ちを覚えながらも八百屋に向かう。

 キャベツ一玉購入してくればいいだけの簡単な買い物なのでキャベツ一玉を購入して領収書を貰う。

 

「探したぞ」

 

「ウルビダ……お前、暇なのか?」

 

 さて帰るかと言うところでこの前やって来たばかりだというのに、再び俺の前に現れたウルビダ。

 割とマジでなにしに来たんだ?エイリア学園は日本をテロる為にハイソルジャーを生み出そうと必死になってるんじゃなかったのか?

 

「私はこう見えてもエリートな方なんだ。多少の外出ぐらいは許可されている」

 

 静岡から東京に行き来するのを多少の外出の一言で済ませていいことじゃねえってば。

 

「で、今度はなんの用だ?」

 

「決まっている。今度こそお前からゴールを奪う……前回はシュートチェインで止められたが今回は違う。さぁ、私と勝負しろ円堂!」

 

「やだ」

 

「なん、だと…………貴様、それでもサッカープレイヤーか!!」

 

 なんだその決闘者(デュエリスト)ならば挑まれたデュエルを絶対に挑まなきゃならない的なルールは。

 今日はもう気分が乗らないし普通に買い物があるしGK用のグローブを持ち歩いていないし、どう足掻いてもサッカーする事は出来ねえ。

 

「今日の分の練習はもう終わってんだよ。染岡達にオーバーワークは止めとけって言ってる俺が無茶したら話にならない。大体な、俺は母ちゃんから買い物を頼まれてるんだ。寄り道したら母ちゃんから雷が落とされるし、GK用のグローブを持ってねえ。それにフィールドがねえだろう」

 

「なんだそんな事を気にしていたのか、ちょっと待っていろ」

 

 ウルビダはそう言うとスポーツ用品店ことペンギーゴに入って……ものの数分で出てきたかと思えばレジ袋を手にしていた。

 

「最新モデルのGK用のグローブだ、遠慮なく使え」

 

「使えって、これ高いやつじゃ」

 

「お前を倒す為ならば安すぎる買い物だ……河川敷や雷門中は遠い。商店街の裏通りにサッカーが出来るフィールドがある。さぁ、コレで逃げる理由は無くなったぞ!!」

 

 ウルビダから最新モデルのGK用のグローブを貰った。

 結構な値段がする最新モデルのGK用のグローブ……ここまでやっておいて母ちゃんに早く帰れと言われているから無理と断る事は出来ない。

 商店街の裏通りを抜けたところにある公園に向かえば水たまりが出来ているフィールドがあった……やっぱ、アレだよな。芝は大事だよな。

 

「っち、所詮はちっぽけな街の裏の公園か」

 

 人工芝でも天然芝でもなんでもない事に文句を言うウルビダ。

 靴をスパイクに変えたりして何時でもシュートを撃つことが出来るようにする。

 

「1回だけだからな」

 

「ああ、1回でお前を倒してみせる」

 

 俺、スパイクじゃなくて日常使いの靴なんだけども……まぁ、負けは負けだと認めないといけねえ。

 貰ったGK用のグローブを装備して呼吸を整えてGKの構えを取る。ウルビダがどんなシュートを撃ってくるかは不明だが勝負である以上は受けて立つ。世界一を目指す上では脅威の侵略者越えをしなければならねえんだ

 

「って、タイムタイム!」

 

 いざウルビダと勝負をしようというところで豪雨が降り注ぐ。

 嘘だろ?ついさっきまで日差しが入るぐらいには晴れてたのになんで豪雨が降り注ぐんだよ。

 

「くそ、傘持ってきてねえ」

 

 ポツポツレベルならば続行する事が出来たが、豪雨レベルは無理である。

 流石のウルビダも豪雨の中でPK戦をする事は出来ないと判断したのか俺と共に近くのコンビニで雨宿りをする。

 

「全然止む気配ねえな」

 

 さっきまで綺麗に晴れてたのが一転し、豪雨が降り注ぐ。

 もうちょっとこう……晴れてほしかった。室内でサッカーする事が出来たのなら……天馬達は雨の日とか関係無くサッカー出来るって、今頃は天馬は色々な時間をタイムジャンプしてるか。

 

「仕方ねえ、傘買うか」

 

 勿体無い出費だけど稲妻町から家まで10分以上は掛かる。

 雨宿りをしていたところがコンビニだから傘は買うことが出来ると思っていたが急な雨だったので傘を購入した人が結構居たらしく、ビニール傘じゃない普通の傘が一本しか残ってなかった。

 

「お会計、1240円です」

 

「1250円で」

 

 ビニール傘の方が安いんだけども、こればかりは運が無かったと受け入れよう。

 傘を買って外に出るとスマホが鳴ったので出てみれば母ちゃんだった。

 

『守、雨降ってきたけど傘持ってったの?』

 

「持ってなかったから買ったよ……買い物は終わってるから今から帰るから」

 

『そう…………なら、いいんだけど』

 

 母ちゃんが傘を持っていったかどうかの確認の電話をしてきたけれども、タイミングが悪かった。

 後数分ぐらい早かったら母ちゃんが傘を持って迎えに来てくれた……う〜ん、手痛い出費だったな。ホント梅雨は嫌になる。

 

「……帰るのか?」

 

「こんな状況でサッカー出来るわけねえだろ…………ほら、いくぞ」

 

「……行く?」

 

「ここのコンビニにはもう傘もカッパも置いてねえ。天気予報通りなら朝までずっと雨が降ってる……家に来いよ、流石にこのままずぶ濡れなのはマズいだろ?」

 

 傘を開いてウルビダに隣に入るように言う。

 天気予報を信じて良いのか分からないけれども、天気予報が正しいならば朝までずっと雨が降り注ぐ。コンビニには一本も傘が無いからウルビダを置いて帰るわけにはいかない。

 

「…………分かった」

 

 色々と思うところがあるのか、ウルビダは少しだけなにかを考える素振りを見せた後に頷いた。

 俺と一緒の傘に入って俺の家を目指して歩いていく。

 

「そういえばお前、女子のフットボールフロンティアに出ねえのか?」

 

 話題はなにかないのかと考えてみた結果、女子のフットボールフロンティアに出ないのか聞いてみる。

 エイリア学園のマスターランクの一員としてハイソルジャー計画にならなきゃならないので出ないだろうが……。

 

「あんなレベルの低い大会、出るつもりはない」

 

「出るつもりは無い、か……まぁ、お前だったら余裕で優勝しそうだな」

 

「当たり前だ……私達の目的は世界だ。ままごとに付き合ってはいられない」

 

「その割にはお前、俺に勝負を挑みに来てるよな」

 

「ふっ、誇ってもいい。貴様は我々と同じステージに立っているのだから」

 

 なんか色々とツッコミを入れたいことが多いけれども、気にしないでおこう。

 ウルビダは女子のフットボールフロンティアには興味はなさげ……エイリア勢が本気出したら余裕で優勝するだろうな……GKが不在だけど。

 

「ただいま〜」

 

「おかえりって…………誰、その子?」

 

「ウルビダ……一緒にサッカーやってる……なんだろ?」

 

 友達と言うには少し違う。ライバルというのもなんか違う。

 俺にとってウルビダがなんなのかが分からない。知り合い以上だけど友人未満に近い……

 

「要するにサッカー仲間ね、上がりなさい」

 

「いや、私は」

 

「そんなにずぶ濡れの子を放置する事が出来るわけないでしょ」

 

 俺から傘を貰って帰ろうかと考えているウルビダだが母ちゃんは家に上がれと言う。

 途中コンビニで傘を買ったとは言えずぶ濡れになったのには変わりはない。

 

「は、はっくしゅん!!」

 

「あ〜あ〜、言わんこっちゃない…………ウルビダちゃん、お風呂あるから入っていきなさい」

 

「…………ありがとう、ございます……」

 

 なんというか肝っ玉な母ちゃんである。

 ウルビダもクシャミをして身が縮んだので体を温めるを名目に風呂を借りる。

 

「守…………冬花ちゃんだけじゃなくてあんな綺麗な子を」

 

「母ちゃん、もう2年以上こういうやり取り繰り返してるけれども違うからな」

 

 ウルビダをナンパしてきたと勘違いをしている母ちゃん。

 冬花とそういう感じのやり取りを2年以上やっている違うってばよ。

 

「でもまぁ……2人ともサッカーがあったから繋がる事が出来た」

 

「…………そう…………」

 

 サッカーでの繋がりがあったおかげだと言えば母ちゃんはあんまり嬉しそうな顔をしない。

 母ちゃんなんだかんだでサッカーを拒んでる……まぁ、コレから迫りくる脅威を考えればサッカーするなよって言いたくなる気持ちも分からなくもない。

 

「ごめんね、家、男の子の服しか無くて……守のちょっと大きいかもしれないけど許してね」

 

「いえ、別に構いません」

 

「もうこんな時間だし、親御さんが心配するから連絡を入れるわね。電話番号を」

 

「親は居ないです、幼い頃に死にました」

 

「え、あ………ご、ごめんなさい」

 

「周りも皆似たような境遇なので謝らなくていいです」

 

 ウルビダのあんまり触れちゃいけない部分を触れてしまった母ちゃん。

 血の繋がった家族は居ないのは既に馴れている事だとウルビダは割り切っている。

 

「今日は泊まってきなさい」

 

「そこまで世話になるわけには」

 

「いいのいいの、今更1人増えたくらいでなんも変わらないから……服とか洗濯機で回してるからどう足掻いても明日にならないと乾かないし」

 

「…………ありがとうございます……」

 

 なんというか人に優しくされる事に馴れていない感じのウルビダ。

 どうするべきかと戸惑っているが気にしないでおこうと俺も風呂に入って濡れた体を温めて自分の部屋に戻ればウルビダが爺ちゃんの写真を見ていた。

 

「……お前の父か?」

 

「いや、俺の母方の爺ちゃんだよ。日本のサッカー黎明期を支えた偉大なGK、昔は雷門中で監督してた事もあるんだ……」

 

「死んだのか?」

 

「ああ……俺が生まれるよりもずっと前に。1回も会ったことねえ。けど、コレで繋がる事は出来ている」

 

 サッカーボールに触れる。

 爺ちゃんが生きている事は知っているけれども、それは言ってはいけないことなので言葉を飲み込んでおく。爺ちゃんと俺の今のところの繋がりはサッカーだけだ……もし爺ちゃんが影山達に邪魔されずに響木さんたち元祖イナズマイレブンを率いて日本一になってたら、きっと日本のサッカーは大きく発展する事が出来たんだろうな。

 

「爺ちゃんの残したこのスゴ技特訓ノートで俺はサッカーの練習をしてるんだ…………ウルビダ」

 

「なんだ?」

 

「サッカーって、スゲえ楽しいんだ」

 

「ああ……知っている」

 

 嘘だな、ウルビダはハイソルジャーになる為に鍛えられている。

 サッカーは楽しいからやってるって言うよりは手段の1つとしてやってるところがある。最終的には尽くしてきた自分達を否定した吉良のおっさんに対して躊躇いなく本気のシュートを叩き込んだし、サッカーは好きという感情を上手く理解出来てない可能性が高い。

 

 多分、今のウルビダになにを言っても無駄だろう。

 サッカーを悪い事に使うなって言っても意味は無い。言葉で通じる段階はとっくの昔に過ぎてしまっている。だから試合で勝たないといけない。ジェネシスと雷門イレブンの日本の命運を賭けたサッカー勝負で。

 

 コレが教祖様ならばウルビダをこの段階で目覚めさせる事が出来ただろうが、俺には出来なかった。

 順調に成長して行ってるって実感する事が出来てるんだけど、精神面はどんなに頑張っても円堂守を超える事が出来ない……全く、情けない話だ。サッカーに勝ちさえすれば全てが解決すると暴力で物事を解決しようと考えている脳筋野郎と似た考えを持っている。

 

 ホントにこういうの無理だってばよ。神だか仏だかしんねえけども俺には円堂守が荷が重すぎる。




ウルビダをこう、出しとかないとさ……作者のやる気に携わるんだってばよ

円堂守の思い描く時空最強イレブン

9の力

燦然と輝く太陽の中で闇に潜り込み相手の背後をつくアサシンミッドフィルダー

投稿速度

  • 出来たら即座に出せ
  • 10話ぐらい溜め込んで毎日1話ずつ出す
  • 一気に纏めてから一気に出せ
  • 週一ぐらい
  • 自分のペースでいいぞ
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