「ちょっとぐらい」
「だから無理なものは無理だって言ってるだろうが!!しつこいぞ円堂!!」
「うっ……分かったよ……」
壁山達が入部して少し経過した。
グラウンドを貸してくれないかとラグビー部に交渉しに行った結果、怒られた……結局アレから1度も部員が増える気配はねえ。
必死になって思い出したら宍戸が居ないと気付いてチラッと宍戸を探してみたけれども、居なかった。後1人、1人さえ居ればサッカー部が本格的に始動出来るんだけどな。
「はぁ……」
「どうだった?」
部室に向かおうとしていると冬花と遭遇する。
ラグビー部に交渉に行っている事を冬花は知っているので聞いたが俺は首を横に振った。ラグビー部に交渉に行ったけれどもグラウンドを借りる事が出来なかった。
「会田さんに世話になりっぱなしだな…………」
「会田さんは中学生と戦えて経験値を得る事が出来てるって喜んでるけど…………こうだとね」
グラウンドが借りれない以上は実戦形式の練習が出来ねえ。
基礎練も大事だが何事にもメリハリが大事だと冬花は知っている。稲妻KFCと練習試合を申し込んで……今のところは無敗である。
「21,22,23」
「あ、キャプテンどうでした?」
「あ〜悪い。無理だって滅茶苦茶怒られた」
部室に入れば染岡が筋トレしており、五郎が出迎えてくれる。
ラグビー部に交渉に行ったことの成果について聞いてくるが無理だった。
「また稲妻KFCと練習でヤンスか?……小学生相手に連勝しても自慢話にもならないでヤンスよ」
「もうちょっとちゃんと試合がしたいっス」
「メリハリが無いよな」
グラウンドが借りる事が出来ず基礎練習を無しの場合は大抵は稲妻KFCと練習をする。
栗松が壁山が半田が、口にしないだけで皆のモチベーションが下がっている……原作と違ってサッカーに対するやる気を出してはいるものの、モチベーションが下がっている。こういうモチベーションを上げるのがキャプテンとしての務めだ。
しかし……どうすることが出来ないのも事実。
冬花のお父さんこと久遠さんに練習試合を申し込むことが出来ねえのかと思ったが流石に男女混合のサッカーチームを相手にしてもらうわけにはいかない。
「失礼するわ」
「あ、夏未……球技大会の備品確認か?ちゃんと大事に」
「違うわ……サッカー部を廃部にしに来たのよ」
「はぁ!?サッカー部を廃部!?」
どうにかしてモチベーションを上げる事は出来ねえのか考えていると夏未が現れる。
今年の球技大会は結構二学期以降にあるって聞いているがもしかして変わったのかと思っていると爆弾を落とす。
いきなりのことに筋トレをしていた染岡は声を上げる。
「な、なんで急に」
秋は廃部の理由を聞いた。
「部員がまともに集まっていない部活に割く予算は無いってお父様が切ろうとしたのよ。私としては……お父様の言っている事は間違ってないし」
「待ってくれ!俺達は人数こそ揃ってねえけど戦えば滅茶苦茶強いんだ!」
「円堂くん達が強いのは知っているけれども……中学日本一を決めるフットボールフロンティアにすら出れないのはちょっとね……」
っぐ、痛いところを突いてきやがる。
幽霊部員で良いから部員を揃えた方が良かっただろうか?
「ちゃ、チャンスは無いんでヤンスか!?」
「あるわ……実はね、雷門中に練習試合を申し込まれたのよ。その試合で勝てればサッカー部の存続を認めるって……ああ、向こうは1週間後を希望していて男女混合じゃなくて男子だけの試合ね」
「……円堂、幽霊部員的なのを捕まえるか?」
「いや、サッカーは11人でやるものだから……逆に考えよう。ここで11人目をスカウトして練習試合で勝てば俺達のイナズマ伝説が始まるって…………で、練習試合を申し込んできた相手は?」
「帝国学園よ」
「「「「「「「「て、帝国学園!?」」」」」」」」
「あちゃ〜……………」
来るとは思ってみたものの、いざ来るとショックはデカいよな。
帝国学園が練習試合を申し込みにやって来ると分かれば俺以外が声を上げる。
「流石に知ってるみたいね」
「そりゃそうですよ!帝国学園と言えば春と秋のフットボールフロンティア40年無敗の中学サッカー界最強の中学……プロ傘下のクラブチームよりも上の学校じゃないですか!!」
「ええ……とにかくコレはもう決定事項だから……安心して、明日から練習試合までグラウンドを使えるようにしているから」
少林はいくらなんでもと言うが既に決まったことだと夏未は別の事を言う。
いや、まぁ、グラウンドを使えるようにしてくれたのはありがたいけれども、そういう問題じゃない。
「大丈夫よ……貴方達には絶対的な守護神である円堂くんが居るでしょ?引き分けは無いからPK戦にまで持ち込んで円堂くんがゴールを守りきって誰かがゴールを決めたら勝てるでしょ?」
「帝国のGK誰か知ってるのか!日本一のキングオブゴールキーパーの源田だぞ!?」
「だから、源田くんからゴールを奪える様に練習に励みなさい……コレは理事長の言葉だと思ってくれても構わないわ」
夏未は言うだけ言って去っていった。
帝国学園との練習試合……原作が遂に始まったのはいいけれども初っ端から絶体絶命である。
「終わった…………終わっちゃったよ…………サッカー楽しいって思えるようになったのに……」
「フフフ……結局は影は輝けないんだ」
「マックス、影野、諦めるなよ!まだ試合は始まってねえんだぞ」
「キャプテン、張り切るのはいいですけど相手はあの帝国学園なんですよ!?40年間公式戦無敗……そりゃキセキの世代的なのがいて、それらを知る世代の5年間が無敗で完全に新しい代に切り替わった学校ならまだしらず、何代も世代が交代しても無敗を貫いているんです……レベルが違い過ぎます…………」
「五郎、逆に考えろ!俺達はマジで頂点を目指してるんだ!帝国学園をぶっ倒せば俺達が日本一に近いレベルの実力を持っているって事になるんだぜ!!」
「円堂……………そうだな。やりもせずに諦めてたらダメだよな……………」
俺の言葉を受けてやる気を取り戻している風丸。
風丸をキッカケに他の面々もやる気を取り戻していく。
「守くん……取りあえずは11人目を見つけようね」
「あ、はい……………風丸、11人目を探すのは俺に任せて練習に時間を注ぎ込んでくれ」
「ああ、頼んだぞ」
「あ、相手はあの帝国学園なんでヤンスよ!?キャプテンがゴールを守り続けてPK戦にまで持ち込んで、キャプテンがシュートを撃つまで持ち堪えれば」
「いやいやいや、俺本職GKだからな!そりゃ色々と特訓してるけれども、俺一人じゃ限界がある……栗松、考え方を改めろ。本気で勝ちたいなら帝国学園は何れはぶち当たる壁なんだ」
「そうだよ、栗松くん!むしろこう考えて。円堂くんにゴールを任せているから、安心して攻める事が出来るって」
「秋さん……わ、分かったでヤンス……」
栗松が結構な無茶を言う……なんだかんだで練習試合的なのはしていねえんだ。俺が現時点でどれくらいかとか知らねえよ、マジで。
栗松のこういうところは困ったものだなと思いつつも風丸に後を託すとコンピューター室に向かい、パソコンを操作し……部員募集のビラを作る。工業高校生でコンピューター関連強くて良かったってばよ。
「おや、円堂くん。部活動はどうしたのですか?」
「メガネか……実は帝国学園と練習試合を申し込まれて、勝たなければ廃部って無茶振りされてさ……………マジでヤバい」
「なるほど……確かサッカー部は男子が10人でしたね。謳い文句として来たれヒーロー!君こそが救世主とビラにつけておいたらどうですか?後は帝国学園と戦うとも言うんです」
「おぉ、それいいな」
コンピューター室に向かえばメガネがいた。
メガネに頼み込めば案外すんなりと行くことが出来るかと思ったが、メガネはなんかアドバイスを送ってくれる。文化系の人間に無理矢理にサッカーをやらせるわけにはいかねえよな。メガネは色々とアドバイスを送ってくれるのでビラを取りあえずはと50枚刷った……学校の金だから刷りたい放題だぜ。
「来たれ!サッカー部!!今度あの帝国学園と練習試合をするんだけど、うちのサッカー部男子が後一人足りねえんだ!後1人居ればサッカー部は戦うことが出来る!帝国学園に勝てば実質日本一に近いレベルの実力って事だ!サッカー初心者でサッカーやってみてえって思いがあるなら俺は何時でも歓迎だ!」
ビラを刷りまくり次は放送部を借りて校内放送で部員を集める。
サッカー部は認知されている……コレでイケるよな?イケねえと割とマジで危うい。
「新聞部です!!あの帝国学園と戦うと聞いたのですが意気込みは!」
「来るからにはなにが何でも勝つ!……あ、出来たらなんだけど部員を探すの手伝ってくれねえ?」
ビラを校門前で配っていると音無春奈が現れる。
ボイスレコーダーを片手に頑張って意気込みを聞きに来たのでドンッと答えて部員探しを手伝ってもらう事にしたが……成果は0だった。
「はぁ……0か……」
「キャプテン、やっぱり無理があるんだと思いますよ。あの帝国学園に練習試合で勝たなければ廃部で最後の11人目を募集だなんて……ハードル高すぎてプレッシャーに耐えられませんよ」
「でも、五郎や栗松はなんだかんだでやろうとしてるじゃねえか……」
下校時刻になったので帰路につく。
下校のルートが一緒な五郎は色々と無理があると苦言をする。冷静になって考えてみれば11人目になれってプレッシャーが半端じゃねえ……でも、サッカー部の皆はそんな事をものともせずに帝国学園との戦いを考えてる。何処かに居るかもしれない。
「11人目が加わっても連携が取れるかどうか怪しいですし、夏未さんの言う通りPK戦にまで持ち込んで……」
「染岡達がゴールを奪えるって考えはねえのか?」
「だって相手は名実共に日本一のゴールキーパーですよ?……そりゃ染岡さん達は頼りになりますけど……スーパーストライカーが居てくれれば」
「キャアア!!ひったくりよ!!」
うわ、治安悪い。
五郎と一緒に今後の事を考えていると原付に乗った馬鹿が女性からバックをひったくった。
「五郎、荷物を頼む……待ちやがれ!!」
「ちょ、ちょっとキャプテン!いくらなんでも無理ですよ!相手はバイクなんですよ!」
「ナンバープレートを見ろ!原付だ……スピード違反しやがって!!」
ナンバープレートを覚えたからコレで通報することは出来る。
しかし堂々と人前でひったくりした馬鹿野郎を見過ごすほど俺は馬鹿野郎じゃねえ。追いかけてみようとするが原付1種が出していい速度を遥かに上回っており追いつくことが出来ねえと思っていると……横から猛スピードでサッカーボールが飛んできて原付にぶつかり原付は転倒した。
「ナイス!五郎!お前ならばやってくれると思ってって……ああ!!」
「す、スゴいシュート…………うちの学校の生徒!?」
五郎がやってくれたと思って振り向けば炎の様な髪型の男……豪炎寺修也がいた。
雷門中の制服に身を包んでいる……転校して来たのか
「やれやれ、転校の手続きに来たと思えば……治安が悪いな、この街は」
「豪炎寺!豪炎寺修也だよな!!うちの学校の制服着てるって事は雷門中に転校して来てくれたんだよな!!」
豪炎寺とこんなところで鉢合わせするとは思いもしなかった。
コレはするしかねえと運命を感じたので豪炎寺をスカウトしようと五郎のサッカーボールを掴んだ。
「サッカー、やろうぜ!!」
「……悪いが、サッカーはもうしないって決めたんだ」
「……帝国学園に負けたからか?負けを知らない選手なんてこの世に居ねえぞ」
「違う。とにかくオレはサッカーはしない……サッカーボールを蹴ったのは、ひったくりを見捨てることが出来なかったからだ。それ以外に意思は無い」
「……………………………じゃあ、勝負しろ!!」
「話を聞いていたのか?オレはサッカーはもうやめたんだ」
「お前は木戸川清修のエースだ!お前からゴールを守れればきっと帝国学園からもゴールを守る事が出来る!」
「だから、オレはサッカーは!」
「無理は言わねえ!1回だけでいいから本気のファイアトルネードを撃ってくれよ!!」
「……1回だけだぞ…………」
豪炎寺は俺からボールを受け取ってポンポンと軽くリフティングをする。
サッカーをやめただなんだと言っている割には腕が一切鈍ってねえ……なんだかんだでサッカー好きだろ、お前。
「ファイアトルネード!!」
「コレが本家本元のファイアトルネード!!っぐぅ!!」
「なに!?」
「俺の勝ちだ!」
必殺技を使わずにファイアトルネードをキャッチした。
本家本元のファイアトルネードは半端じゃねえ。掴んだ腕がビリビリと痺れている。
「悔しかったら、何時でも勝負しよう…………サッカー好きは歓迎する………じゃあな…………」
「オレのファイアトルネードを……」
約束は約束だ。
無理に迫ることはせずに五郎にボールを返せば帰宅を急ぐ。
「よかったんですか?あの木戸川清修で1年生でエースになった豪炎寺さんが居てくれれば、帝国学園を」
「勝てるだろうな……けどな……無理矢理は良くねえよ……あいつがサッカーやりたいって言うなら俺は喜んで歓迎するけど、サッカーやりたいって言わねえだろ?」
五郎は俺が豪炎寺にグイグイとスカウトを迫ると思っていたのだが俺はそんな事はしねえ。
サッカーやりたいって思わない奴にサッカーを押し付けるのはよくねえことだ…………でも、原作知識云々以前に分かった事がある。
「あいつはサッカーって競技が大好きだ……サッカーやめたって言っているのにあいつはお前のサッカーボールをなんの迷いもなく蹴ったんだぜ?心の何処かでサッカーに自信があるって証拠だ!」
「キャプテン……」
「さぁ、明日からはグラウンドを借りた本格的な練習が出来る!俺はスカウトをしておくから、五郎!風丸と一緒になって皆を引っ張ってくれよ!」
「…………はい!!」
これでいい、これでいいんだ。
翌日に豪炎寺は俺のクラスに転校してきて昨日の奴!ぐらいの認識で終わって俺は最後の11人目を探した……豪炎寺は特に自分からなにかを言ってくる事はせず、俺が11人目を探しているのを見つめているだけで、最後の1歩は踏み出せていない。
こればかりは俺にはどうすることも出来ねえと1日2日と経過したが、11人目は現れず……練習試合当日になった。
「やはり帝国学園を相手にするなんて無茶でしょうね」
「メガネ……なにしに来たんだ?」
「ふっ、決まってるでしょう。あの40年間無敗を誇る帝国学園を倒す11人目の天才としてサッカー部を救う救世主としてやってきたのです!!」
「……お前、まさか……」
自分がサッカー部のヒーローになりたいからって、無駄にハードルを上げたのか?
この駄目金、自分の為に………………………もういいや……………取りあえずは11人目になってくれると言ったので受け入れる。
「…………」
「あら、サッカー部に興味があるの?」
「…………なんの用だ?」
「別に……ただ、貴方が行けば円堂くんが待ち構えたヒーローになれるわよ?今の雷門中に必要なのはストライカー、染岡くんが悪いってわけじゃないけれども、全体的にまだ物足りないわ……」
「……オレは……誘われていない」
「……本当はサッカーをやりたいんでしょ?……妹の夕香ちゃんの為じゃない、貴方自身が1人のサッカー好きとして……」
「!……っ……」
なんか豪炎寺と夏未が話し合っているが気にしない。
帝国学園がもうすぐ来る時間だと思えば明らかに大型車の範囲を超えている。ドアが開いたと思えば帝国学園のジャージを着た人達が降りてきて左右に並んだかと思えばサッカーボールを踏んだ……え?なにあれ?
赤いカーペットが敷かれたと思えば……帝国学園のキャプテンである鬼道を先頭に帝国学園サッカー部のレギュラー達が現れる
「く……クソダセえ……」
なんであんなダサい出方が出来るんだ?色々と気になることが多かったものの、鬼道と試合をジャッジしてくれる審判が降りてきた。
帝国学園の鬼道がこちらに向かって歩いてくるので握手を求めようとするが鬼道は握手をしない。
「土のフィールドははじめてでな、少しだけウォーミングアップをさせてもらう」
「ああ……悪いけど勝たせてもらうぜ」
「……ふん……」
帝国学園はアップをはじめる。
分かっていた事だけれども帝国学園のレベルが高い……が、決して戦えないってわけじゃねえ。
「キャプテン、危ない!!」
「問題ねえよ」
帝国学園のパス回しを見ていると鬼道が俺に向かってシュートを撃ってきた。
五郎が危ないというがコレぐらいのシュートならば軽く受け止めることが出来ると掴んだ。
「ほぅ、多少は出来るようだな……」
「試合はまだはじまってねえ…………焦るなよ」
「さ、流石だな、円堂……………俺達も負けられないな…………」
俺がカッコいいところを見せれば萎縮していた風丸達に闘志が宿る。
帝国学園は格上である事実は変わらない……俺がガツンとやっておかねえとな。
「さぁ、サッカーやろうぜ!」
円堂守が思い描く時空最強イレブン
1の力
賢者の知識を宿し全てを見通す絶対の
プロトコル・オメガの見解
魔術王ソロモン
なお、カノンが出てこないので世宇子の世界線です。
投稿速度
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出来たら即座に出せ
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10話ぐらい溜め込んで毎日1話ずつ出す
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一気に纏めてから一気に出せ
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週一ぐらい
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自分のペースでいいぞ