「はい、守くん」
「え、なに?」
「ペンダントを作ったの……私の写真が入ってるから肌身離さず持っててね」
「……お、おう……」
秋葉名戸を徹底的にボコボコにして次はいよいよ帝国学園だ。
前回は完全なまでに舐めた真似をしてきた。豪炎寺の偵察の為にとやってきていたのだが今回は違う、地区予選優勝を賭けた戦いだ。
冬花がペンダントを渡してきた。この前の秋葉名戸戦でマネージャーはメイド服を着なければならないと言う謎のルールで夏未以外が割とノリノリで着ておりその時の写真が納められている。ちゃんと持ってての圧が圧倒的なまでに強いとだけ言える。
「よし……じゃあ、ミーティングを始める……決勝戦の相手は帝国学園だ。練習試合をした際に向こうは色々と舐めた真似してくれたが今回は違う!純粋に俺達を倒しに来る!帝国学園は40年間無敗の中学サッカー界最強だ……」
「けど、大丈夫でヤンスよ。前も向こうが試合を放棄したけどなんだかんだで勝ってたでヤンス」
「そうッスね」
「お前等な、野生中で円堂が言ったことを忘れたのか?」
なんだかんだで前回の練習試合も勝っていたので今回も楽勝だなと調子に乗る栗松と壁山。
風丸が野生中戦で言ったことを思い出させる。それを聞けばそうだったと意識を切り替える。
「まぁ、ゴールに関しては俺に任せておけ……ゴールを守るのが俺の仕事だから、全員が安心して前に進める為に俺が居るんだ」
「……なぁ、円堂」
「どうした、土門?」
「ちょっと聞いたんだが……お前まだまだ全力を出してないって……その話、ホントなのか?」
「あ〜……………ホントだぞ」
ゴールに関しては俺に任せろとだけ言っているのだがここで土門が挙手をする。
まだまだ全力を出してない件に関して質問をしてくるのでホントかどうか答えた。
「それに関しては守くんはなにも悪くないよ。皆の技をゴッドハンドで止めれるのがその証拠……ゴッドハンド以上の技は沢山あるけど沢山の力を使うから相手の力に合わせてるの」
手加減をしたり適当にやっているわけじゃないのだと冬花は弁明する。
「俺と豪炎寺のドラゴントルネードも平気で止めるからな……土門、お前も居るし最近は1年生もメキメキと頭角を出してる。DF達は大丈夫で……うちの欠点と言えばゲームメイカーが居ねえことだ……」
「帝国学園の鬼道と言えばピッチの絶対指導者の異名を持っているわ……リアルタイムでの作戦指示なんかは帝国の方が何段階も上よ」
染岡が今の雷門中の欠点を語る。
上手くゲームを操る司令塔が雷門中には欠けている。俺は出来なくもないがGKというポジションの都合上、下手に前に出ることは出来ない。リアルタイムでああだこうだと指示する事が出来ないのでゲームメイクに関しては向こうの方が格上だと夏未は言う。
「でも、オレ達には頼れる守護神の円堂がいる……だから、問題はどうやって帝国から点を取るかだ」
「キャプテン、新しい必殺技とか無いんですか?」
ゲームメイクの点では負けているが、GKは上だと豪炎寺は断定する。
問題は帝国からどうやって点を取るか、そこが重要なところであり五郎が俺の持っている秘伝書を指差した。
「う〜ん……まぁ、お前等の気持ちも分からなくはない……けど、コレ以上はマズいと」
「守くん?」
「確かに必殺技はあればいいかもしれない!でも、必殺技だけが俺達のサッカーじゃない筈だ!毎回毎回新しい必殺技を出してってのもいいがちゃんとサッカーを鍛えないといけない……俺達の武器は必殺技だけじゃない」
「だが、円堂……帝国のGK源田はお前の次に強いと言えるGKだ……なにかしらの必殺技は必要だ」
「それは分かっている…………だから染岡と豪炎寺には必殺技の基礎になる部分を教えている…………そこから先はまだ俺にはどうしようもないアドバイスもなにも出来ねえ世界だから…………」
困ったら必殺技だと依存している状態の雷門イレブン
間違いじゃないがこのままだと色々と危ういので必殺技以外も磨かなければならないのだと言うのだが風丸が現実的な話をする。
源田からゴールを奪うことに関しては至難の業だ……だから1つの賭けに出ている。それが成功するかどうかは怪しいが、雷門中は成長するサッカーをする。イナズマ魂を持っているのでそれを俺は信じることにする。
「帝国学園には何時もの俺達をぶつける!予想外の奇策だなんだじゃない!成長した俺達が真っ向から勝負するんだ!強くなった俺達を帝国学園に見せつけてやろうぜ!」
「「「『おう』」」」
「やっぱり雷門中のキャプテンは円堂くんしか居ないわね……」
そんなこんなでなにか特別な特訓はしない。何時も通りイナビカリ修練所をつかって死ぬ気の特訓をする。
俺が居るからとかいう慢心は今の雷門中にはない……だから、雷門中の心配をする必要は無いのだが1つだけ心配がある……それは土門だ。土門は原作通り帝国学園から送られてきたスパイだろう。弱小校にスパイを送り込むとか色々と大丈夫なのかと思いつつもどうすればいいのか考え……不愉快に呼び出された。
「やぁ、全員集まってるみたいだね……帝国学園まで勝ち進んだご褒美として理事長がバスの使用を許可してくれたんだ」
「おぉ……やっと経費として交通費を出さなくて済むようになったか」
「意外と金かかるんだよな」
冬海が理事長からバスをレンタルしたのだと聞けば一同は喜んだ……いや、土門だけは浮かない顔をしている。
副部長である風丸は交通費がコレで浮いたことを喜んでくれる。
「さて……冬海先生、バスを動かしてくれないかしら?」
「え!?」
「なにを驚いているの?」
「い、いえ、私は大型の免許を持っていないので」
「学校内は私有地ですので思う存分に運転してくださって結構です」
「わ、私よりも古株さんに」
「いいから、運転してみなさい!!」
「ど、どうしたの夏未さん?」
急にバスを運転しろと言い出したので木野が困惑している。
蛇に睨まれた蛙の如く萎縮している冬海は渋々バスの運転席に座り鍵を回すのだが慌てたフリをしている。
「あ、あれ、おかしいな……バッテリーが上がってるのかな」
「違うでしょ?鍵をしっかりと回しなさい……それとも、ブレーキオイルを抜いたから発進出来ないのかしら?」
「なっ……なんでその事を!?」
あたふたとしている冬海に対して色々と言えば……夏未はカマをかける。
いや、カマじゃないだろう。正確にブレーキオイルが抜かれているのを知っているからそんな事が言えるんだ。
なんでその事を知っているんだと言えば冬海はしまったと口に手を当てるがもう遅い。
「おい、冬海!どういう事だ!ブレーキオイルなんか抜いたらバスが止まらねえだろう!!事故にでもあったらどうするつもりだ!」
「……事故にでもあったらではなく事故にあってもらいたいんですよ!」
「それ……どういうこと?」
ブレーキオイルを抜いているので事故るのは確定だと染岡が冬海を詰める。
事故にあったらではなく事故にあってもらいたいと堂々と告白をしたらマックスが困惑している。マックスだけでなく他の面々もどういう事なのかと困惑しているので夏未がハッキリと言った。
「冬海先生!貴方は帝国学園から送り込まれたスパイでしょう!帝国学園が負けないように試合そのものをさせない為に私達を事故に合わせて再起不能にするつもりでしょう!こんな事をするだなんて、貴方にはこの学校を去ってもらいます!コレは理事長の言葉だと思ってくれても構わないわ!!」
「っ……なんだ、バレていたのか……ああ、そうですよ……私は帝国学園から送り込まれたスパイですよ……雷門中に優勝されると困るんですよ」
「帝国学園、こんな事までやるのか!!」
「ふふふ……言っておきますがね、私以外にもスパイがもう1人居るんですよ……ねぇ、土門くん」
「っ!!」
「え、ええ!?土門さんがスパイ!?」
「そんな……」
「で、でも確か雷門中の前に帝国学園に居たって……」
冬海は逃げ去る前に土門もスパイだった事を告白する。
少林や五郎、栗松達が嘘だろうと思う反面、それらしい証拠も上がっているのだと反論する事が出来なかった。
「コレで雷門中はおしまいだ……ふふふ……ハハハハ…ハーッハッハッハ!!」
冬海は最後まで不愉快だった。
バレてしまえば終わりだと嘲笑いながらも雷門中から出ていく……やろうとしていた事だけにクビどころか教員免許剥奪もありえる。
不愉快らしい最後だと思いながらも一先ずは事故らずに済んで良かったとなるのだが半田が土門に詰め寄った。
「土門、お前……今まで俺達を騙していたのか!!帝国のスパイとして帝国に情報を流してたのか!!」
「っ…………ああ…………そうだ…………」
「ふざけるな!!俺達は……俺達は……」
「落ち着けよ、半田」
今まで必死になってやって来た仲間が裏切り者だったと半田は受け入れることが出来なかった。
今にでも土門に殴りかかりそうなぐらいに怒りを顕にしている。他も行動に移っていないが半田と同じことをしたいと思っている。
こんな時だからこそ俺はキャプテンとして皆を落ち着かせないといけない。殴りかかりそうな半田を落ち着かせれば……土門は走り去っていった。
「土門くん!」
木野が土門を追いかけていった。土門が何処に行ったのかが分からないのでコレでいいと思いながらもどうするのかを考える。
土門は帝国のスパイとして雷門中にやってきた。この事に関しては紛れもない事実だ……だが、それと同じく今まで一生懸命にサッカーをしていた。コレも変わらない事実だ。
「円堂くん、土門くんならばきっと帰ってくるでしょう……それよりももう1つの問題を解決しないといけないですよ」
「ああ……監督だな……」
「ええ、フットボールフロンティアの規約で監督が居ないチームは試合が出来ません。なので何処かから監督を引っ張ってくる必要があります」
土門が逃げ去っていった。木野が追いかけているから問題は無いのでもう1つの問題について語る。
監督不在の学校はフットボールフロンティアに出場することは出来ない……メガネがその事に関して指摘するが今はそれを決める場合じゃない。監督になってくれそうな人に心当たりがあるにはあるが今はそれよりもだ
「……取り敢えず、アップしといてくれ……今まで通りの練習でいい。なにか特別な練習はしなくていい」
「円堂……土門を追いかけるのか?……あいつは、裏切ってたんだぞ?」
「ああ、そうだな……でも、サッカーを裏切ったかどうかはまだ分からねえ。だからそこを聞きたい」
風丸は俺が土門を追いかけていくのだと察する。
裏切り者の烙印は重たいのだと風丸も怒りはある……俺も土門が裏切り者だったということに関しては否定はしない。だが、1つだけ確かめたい事がある。だから土門に会いに行く……木野に連絡を入れれば土門が何処に居るのかが分かった。
「円堂くん…………あのね、土門くんは」
「大丈夫だ……確かにアイツが裏切ったっていう事実は代わりはない……でも、聞くことだけは出来るんだ」
木野が土門を追いかけていれば土門は鬼道と接触していた。
自分が帝国学園からやって来たスパイだと告白をした事を告げれば鬼道はどうすればいいのかが分からない。
情報収集の為にスパイを送り込むとか選手を試合に出させない為に交通事故に遭わせると言う鬼道の中でもそれは間違いじゃないのかと思えるような事をしているので俺は持ってきたサッカーボールを鬼道と土門に向かってシュートした。
「っ!なんて強烈なシュートだ…………お前は」
「よぉ……随分とやってくれたじゃねえか」
鬼道が片足でシュートを受け止めるがシュートのパワーが尋常じゃないので痺れている。
何処から飛んできたのだとボールが飛んできた方向を見れば俺が居たので鬼道は黙っていた。
「……俺達は絶対無敵無敗の帝国学園だ……その為の実績を積み上げた筈だ…………だがっ……」
「帝国学園の総帥が裏で手引きしてた……ちょうどそこに河川敷がある……土門、お前も来いよ」
「待て、俺もなのか?」
「いいから、黙ってああだこうだするよりもちゃんとやった方がいいだろう!」
河川敷に置いてあるゴールの前に立つ。俺が知りたいのは土門達は何処まで裏切り続けていたのか見てみたかったからだ。
土門達にサッカーボールをパスすれば2人は顔を合わせてコクリと頷き……走り出しては必殺技を使った。
「「ツインブースト!!」」
「真ゴッドハンド!!」
見事なまでの息があったツインブーストだったがゴッドハンドでしっかりとキャッチした。
コレをあっさりと防ぐのかと鬼道は驚くのだが土門は俺ならば出来ても何らおかしくはないのだと納得をする。
「土門……確かにお前は俺達を裏切った。この事実は消えない……でも、今ので分かった。お前はサッカーは裏切っていないのを」
「サッカーを裏切っていない……」
「ああ、そうだ。鬼道、お前もそうだがサッカーと真剣に向き合ってきたんだろ?帝国の裏工作なんて関係無しに一生懸命サッカーと向き合って努力してきた……そんでもって日本一になった……帝国の裏工作に疑問を抱いているなら、サッカーに対して向き合っているかどうか自分の心の中を調べてみてくれよ……サッカーは一度でもお前を裏切った事があったか?」
「…………………サッカーは………………俺にとってのサッカーは……………」
金を得るための内申点を得るためのサッカーか、純粋に愛を持って接しているサッカーなのかを鬼道は考える。
サッカーは何時だって裏切っていない。サッカーは何時も真正面を向いてくれている。そんなサッカーと向き合うことが出来ていたのか……鬼道は答えが出ないが考える事をしている。
「皆、すまなかった!!」
土門は気付いた。帝国のスパイとしてとかじゃなくて1人のサッカーが大好きな自分に。
「土門が帝国のスパイとして情報を送り込んでいたのは事実だ……でも、今まで流した汗は本物だ。雷門中で一緒に切磋琢磨して成長していった土門も紛れもなく本物なんだ」
「……許してくれなんて言うつもりは無い……でもっ、やっと分かったんだ。サッカーが大好きな自分のことを……俺はもうサッカーに対して不誠実な事はしない……」
だから許してくれとは土門は言わない。不誠実な事をしておいたのだから言える義理は何処にもない。
それよりも大事な事があるのだと頭を下げれば風丸達がデコピンを入れた。
「お前がスパイだったって事は許せないことだ……だから、許すつもりはない……でも、お前が仲間である事実には代わりはない…だから、ディフェンスを頼んだぞ」
「風丸……」
「キャプテンの言うとおり俺達と一緒に流した汗は間違いなく本物ッスよね……」
風丸達は土門の事を許した。
帝国のスパイだったが今からは違う。ホントの意味で雷門イレブンの仲間になった。
円堂守の思い描く時空最強イレブン
10の力
個性豊かな数多の英雄達を束ね、見果てぬ夢を追い求めるキャプテンミッドフィルダー
円堂守の理想
アレキサンダー
プロトコル・オメガの見解
アーサー・ペンドラゴン
投稿速度
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出来たら即座に出せ
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10話ぐらい溜め込んで毎日1話ずつ出す
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一気に纏めてから一気に出せ
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週一ぐらい
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自分のペースでいいぞ